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松浦 秀治*; 岩田 裕史*; 鏡原 聡*; 石原 諒平*; 米田 雅彦*; 今井 秀彰*; 菊田 真経*; 井上 裕喜*; 久松 正*; 川北 史朗*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(4A), p.2648 - 2655, 2006/04
被引用回数:15 パーセンタイル:49.21(Physics, Applied)宇宙用Si太陽電池の耐放射線性強化に関する研究の一環として、1MeV電子線又は10MeV陽子線照射がSi基板中の正孔濃度に及ぼす影響をホール効果により調べた。試料は、ボロン(B), アルミニウム(Al), ガリウム(Ga)等の異なる種類のアクセプタを添加したCZ成長Si基板,MCZ法で作製したB添加Si基板及びFZ法で作製したB添加Si基板を用いた。その結果、CZ基板では、陽子線照射量の増加とともに正孔濃度が減少し、添加不純物によらず2.510/cmで伝導キャリアのタイプが正孔から電子へと変化した。また、B添加したCZ, MCZ, FZ基板を比較したところ、いずれの基板も電子線照射量の増加とともに正孔濃度は減少するが、その減少の大きさはCZ, MCZ, FZの順であり、110/cm照射でCZ基板のキャリアタイプが電子に変化したのに対してMCZ, FZは正孔のままであった。CZ基板では添加不純物によらず正孔濃度の減少は同程度であること、CZ, MCZ, FZの順で正孔濃度の減少が少ないこと、CZ, MCZ, FZの順で基板に残留する酸素原子が少なくなることを考慮すると、正孔濃度を減少させる照射誘起欠陥の構造は、添加不純物と空孔の複合欠陥ではなく、基板に残留する酸素原子と空孔型の複合欠陥であることが示唆される。