検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 229 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

報告書

JT-60SAクエンチ保護回路の欧州による現地据付・調整試験と作業安全管理

山内 邦仁; 岡野 潤; 島田 勝弘; 大森 栄和; 寺門 恒久; 松川 誠; 小出 芳彦; 小林 和容; 池田 佳隆; 福本 雅弘; et al.

JAEA-Technology 2015-053, 36 Pages, 2016/03

JAEA-Technology-2015-053.pdf:8.33MB

JT-60SA計画は、日本の実施機関である原子力機構と欧州の実施機関であるFusion for Energy(F4E)が物納貢献により共同で進める国際事業である。欧州側では超伝導トロイダル磁場コイルの他、磁場コイル用電源の主要機器や極低温システム等を分担するが、F4Eの総括のもとで各国の指定研究機関が欧州のメーカーと契約し、その欧州のメーカーが那珂研での現地据付・調整試験までを行う。このため、原子力機構にとっては直接の契約がないにも係らず、欧州の作業員に対する作業管理や安全管理を行わなければならないという非常に難しい課題があった。本報告は、JT-60SA計画において、欧州の作業員による最初の那珂研での現地作業であるクエンチ保護回路の据付・調整試験を遂行するにあたって、欧州側との事前の密な交渉の結果として合意し、構築・実施した作業管理や安全管理の取組み、およびそれらをもとに完遂した欧州作業についてまとめたものである。これらの取組みの結果、欧州作業員によるクエンチ保護回路の現地据付調整作業を無事故で完遂させることができ、日欧双方にとって非常に大きな成果となった。

論文

Cryogenic thermometry for refrigerant distribution system of JT-60SA

夏目 恭平; 村上 陽之; 木津 要; 吉田 清; 小出 芳彦

IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 101(1), p.012113_1 - 012113_8, 2015/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:65.6(Thermodynamics)

JT-60SA is a fully superconducting fusion experimental device involving Japan and Europe. The cryogenic system supplies supercritical or gaseous helium to superconducting coils through valve boxes or coil terminal boxes and in-cryostat pipes. There are 86 temperature measurement points at 4 K along the distribution line. Resistance temperature sensors will be installed on cooling pipes in vacuum. In this work, two sensor attachment methods, two types of sensor, two thermal anchoring methods, and two sensor fixation materials have been experimentally evaluated in terms of accuracy and mass productivity. Finally, the verification test of thermometry has been conducted using the sample pipe fabricated in the same way to the production version, which has been decided by the comparison experiments. The TVO sensor is attached by the saddle method with Apiezon N grease and the measurement wires made of phosphor bronze are wound on the pipe with Stycast 2850FT as the thermal anchoring. A Cernox sensor is directly immersed in liquid helium as a reference thermometer during the experiment. The measured temperature difference between the attached one and reference one has been within 15 mK in the range of 3.40-4.73 K. It has satisfies the accuracy requirement of 0.1 K.

論文

Manufacturing design and development of the current feeders and coil terminal boxes for JT-60SA

木津 要; 村上 陽之; 夏目 恭平; 土屋 勝彦; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 濱口 真司*; 高畑 一也*

Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1094 - 1097, 2015/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:45.92(Nuclear Science & Technology)

JT-60SAの超伝導コイル用電流フィーダとコイル端子箱(CTB)が設計された。電源からの銅ブスバーが、CTBと呼ばれる真空容器に設置された高温超伝導電流リード(HTS CL)に接続される。超伝導電流フィーダがHTS CLの低温端部に接続され、コイルが納められたメインのクライオスタットに導かれる。熱応力を低減するためのクランク型のフィーダの試作が行われた。垂直方向でフィーダをはんだ接続するためのコンパクトなツールが開発された。フィーダの絶縁材は十分なせん断応力を示した。懸念されていた製作工程の試作が完了したので、電流フィーダとCTBの実機製作が開始可能となった。

論文

JT-60SA superconducting magnet system

小出 芳彦; 吉田 清; Wanner, M.*; Barabaschi, P.*; Cucchiaro, A.*; Davis, S.*; Decool, P.*; Di Pietro, E.*; Disset, G.*; Genini, L.*; et al.

Nuclear Fusion, 55(8), p.086001_1 - 086001_7, 2015/08

 被引用回数:31 パーセンタイル:83.35(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60SAの超伝導マグネットシステムの最大の特徴は、スペース利用の観点から最適化されたコイル構造と高いコイル製作精度の実現をとおして、定常トカマク研究を先導する先進的な実験装置となっている。具体的には、新しい概念であるトロイダルコイルケーシングから分離した外側支持構造の採用により細身のトロイダルコイル形状を可能とした。これにより、詳細なプラズマ測定や柔軟な加熱分布を可能とする大口径ポートの確保を可能とした。また、平衡磁場コイルの製造誤差を最小にする方法を確立し、正確なプラズマ形状/位置制御も可能とした。更に、コンパクトバットジョイントを開発することで中心ソレノイドの占有領域を拡大し、長時間放電の実現に大きく貢献できる設計とした。

論文

Development of Terminal Joint and Lead Extension for JT-60SA Central Solenoid

村上 陽之; 木津 要; 市毛 寿一; 古川 真人; 夏目 恭平; 土屋 勝彦; 神谷 宏治; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; et al.

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 25(3), p.4201305_1 - 4201305_5, 2015/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.26(Engineering, Electrical & Electronic)

JT-60Uのマグネットシステムを超伝導に改修するJT-60SA計画が進められている。CSのターミナル接続部はNb$$_{3}$$Sn導体とNbTi導体を接続するシェイクハンド型のラップジョイントを用いて製作される。ターミナル接続部は、CSの上部および下部に配置され、CSシステムの中央に位置するモジュールはターミナル接続部とモジュール間をリードエクステンションと呼ばれる部品を用いて接続される。ターミナル接続部の接続抵抗は核融合科学研究所の大型試験装置を用いて測定した。試験の結果、接続抵抗値はJT-60SAのマグネットシステムの要求値を満足することが確認できた。また、リードエクステンション部およびサポートの構造解析を行い、設計が成り立つことを確認した。本発表では、今回実施した接続抵抗試験の結果およびリードエクステンション部の構造解析の結果について報告する。

論文

Mass production of superconducting magnet components for JT-60SA

吉田 清; 村上 陽之; 木津 要; 土屋 勝彦; 神谷 宏治; 小出 芳彦; Phillips, G.*; Zani, L.*; Wanner, M.*; Barabaschi, P.*; et al.

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4200806_1 - 4200806_6, 2014/06

 被引用回数:13 パーセンタイル:56.48(Engineering, Electrical & Electronic)

ITERのサテライトトカマクとして、JT-60SA用超伝導マグネットはEUと日本の共同で製作する計画である。超伝導マグネットと設備の機器は、設計が完了して製作が開始された。CSとEFコイル用導体は、2010年から超伝導導体の量産を開始した。EFコイルの製作は、2012年末にEF4コイルは完成して、2013年末にEF5コイルとEF6コイルが完成する予定でコイル製作は順調に行われている。一方、Nb$$_{3}$$Sn導体を用いた超伝導コイルの製造を確認するためのCSモデルコイルが完成し、試験が開始された。TFコイル用導体製作は、2011年から素線製作を開始し、導体組立も2012年から開始して、現在まで36本の導体を製作した。TFコイルは、製作治工具の準備が完了して、最初のTFコイル巻線を開始した。ヘリウム冷凍機(4.5Kで約9KW)の機器設計は完了して、機器の製作と機器を収納する建屋の建設が開始された。フィーダーは機器仕様が確定したので、HTS電流リードは製作が開始された。以上のように、各方面の創意工夫で、コスト削減の問題も解決して、順調に製作が開始された。

論文

Development and test of JT-60SA central solenoid model coil

村上 陽之; 木津 要; 土屋 勝彦; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 高畑 一也*; 濱口 真司*; 力石 浩孝*; 夏目 恭平*; et al.

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4200205_1 - 4200205_5, 2014/06

 被引用回数:25 パーセンタイル:72.88(Engineering, Electrical & Electronic)

JT-60SAの中心ソレノイドは、ひずみに弱いNb$$_{3}$$Sn素線を用いたケーブル・イン・コンジット導体を用いて製作される。中心ソレノイドモデルコイルは、実機製作を開始する前にコイル巻線や接続部の製作方法の妥当性を検証するために製作し、極低温において通電試験を行った。モデルコイルは4層のパンケーキコイルからなり、内径や外径、絶縁構成などは実機と同じである。実機製作に使用される治具用い、実機と同等の手順で製作した。モデルコイルは、核融合科学研究所のコイル試験装置を用いて極低温において通電試験を行った。試験の結果、圧力損失や臨界電流値,接続抵抗値は要求性能を満たすことが確かめられ、Nb$$_{3}$$Snマグネットの製作方法が確立できた。本論文では、中心ソレノイドモデルコイルの仕様及び製作方法、試験について報告する。

論文

Design of the precompression mechanism and gravity support for the central solenoid assembly in the JT-60SA tokamak

土屋 勝彦; 木津 要; 村上 陽之; 吉澤 憲生; 小出 芳彦; 吉田 清

IEEE Transactions on Plasma Science, 42(4), p.1042 - 1046, 2014/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:37.63(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60SA装置の超伝導セントラルソレノイド(CS)は、4つのソレノイドモジュールから構成され、それぞれ独立した電流制御が可能である。そのため、各モジュールの間には反発力,引力が非一様に生じるため、トカマク本体に設置するにあたっては、このような電磁力にたえる支持構造が必要である。通常用いられるステンレス鋼で製作した場合、コイル運転条件である4K冷却時には、モジュールの収縮の方がステンレス鋼のそれよりも大きいため、支持構造物とモジュールの間にギャップを生じ、支持が不安定となる恐れがある。これを防ぐには、熱収縮や電磁力によるモジュールの変位によって生じうるギャップを見積り、これを打ち消すための予荷重を室温時に与えてやればよい。CSの支持構造物には、この予荷重を与えられる構造と、運転時の電磁力だけでなく、室温時の予荷重負荷時にも耐える機械的強度を担保することが求められる。これに基づき、プラズマ運転シナリオデータベースから最も大きな影響を受ける条件でも耐える構造設計とした。予荷重は一時的に設置する油圧ラムを使って印加するが、必ずしも電流中心を貫く場所に油圧ラムを設置してもモジュール面に一様に圧力がかからないことがわかり、均一性を高めるよう設置位置の最適化を行った。

論文

Electrically insulated MLI and thermal anchor

神谷 宏治; 古川 真人; 畠中 龍太*; 宮北 健*; 村上 陽之; 木津 要; 土屋 勝彦; 小出 芳彦; 吉田 清

AIP Conference Proceedings 1573, p.455 - 462, 2014/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:90.59(Thermodynamics)

JT-60SAのサーマルシールドは300Kのクライオスタットから4.4Kの超電導コイルを熱的に保護するため80Kに冷却され多層断熱材(MLI)を使用する。プラズマパルス運転のため、多層断熱材はトロイダル方向とポロイダル方向の渦電流の影響を強く受ける。多層断熱材はポリイミドフィルムで覆うことでトロイダル方向に20度ごとに電気絶縁し、渦電流を抑制する。本研究では、多層断熱材の重なり部分に注目して2種類の異なる多層断熱材の設計を提案する。多層断熱材の熱的性能はボイルオフ熱量測定法と温度計測により測定された。本研究ではまた、サーマルシールドとトロイダル磁場コイルの間に設置する電気絶縁された熱アンカーの設計についても報告する。

論文

Modifications to the edge radial electric field by angular momentum injection in JT-60U and their implication for pedestal transport

神谷 健作; 本多 充; 宮戸 直亮; 浦野 創; 吉田 麻衣子; 坂本 宜照; 松永 剛; 大山 直幸; 小出 芳彦; 鎌田 裕; et al.

Nuclear Fusion, 52(11), p.114010_1 - 114010_12, 2012/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:40.83(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60UのNBI加熱プラズマにおけるType-I ELMy Hモードの周辺径電場構造について報告する。径電場は荷電交換分光計測による炭素イオンのトロイダル、ポロイダル及び反磁性フローの径方向の力の釣り合いから評価した。本研究では、NBIによる外部運動量入力方向を変化させた場合のType-I ELM発生直前の電場シアとイオン温度ペデスタル構造との関係に着目している。運動量入射方向に応じてトロイダル流だけでなくポロイダル流の変化が観測された。その結果、co-NBIの場合には電場シア領域が広がり、counter-NBIの場合には電場の井戸が深くなった。電流方向への運動量入射とともにイオン温度ペデスタル幅が広がる事はE$$times$$Bシア領域の拡大結果と矛盾しない。しかし運動量入射方向の違いによって電場シア構造が大きく異なるにもかかわらず最大イオン温度勾配には大きな変化は観測されていない。

論文

Spatio-temporal structure of the edge radial electric field during H-mode in JT-60U

神谷 健作; 坂本 宜照; 松永 剛; 小島 有志; 浦野 創; 大山 直幸; 小出 芳彦; 鎌田 裕; 居田 克巳*; Kurki-Suonio, T.*; et al.

Nuclear Fusion, 51(5), p.053009_1 - 053009_3, 2011/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:49.44(Physics, Fluids & Plasmas)

高イオン温度モードにおけるイオンのダイナミックスについて、2段階で閉じ込め改善モードへ遷移する現象を新しいCXRSシステムで測定した。異なる電場強度を持つ2状態が観測され、一方は大きなポロダル回転なしでイオン温度勾配が大きい状態で中間状態の電場構造、他方は大きなポロイダル回転によって深い電場が形成される。中間状態から完全状態への遷移には径電場シアによる乱流の抑制が本質的である可能性がある。

論文

Observation of a complex multistage transition in the JT-60U $$H$$-mode edge

神谷 健作; 居田 克巳*; 坂本 宜照; 松永 剛; 小島 有志; 浦野 創; 大山 直幸; 小出 芳彦; 鎌田 裕

Physical Review Letters, 105(4), p.045004_1 - 045004_4, 2010/07

 被引用回数:32 パーセンタイル:79.54(Physics, Multidisciplinary)

Transition between intermediate $$H$$-phase and complete $$H$$-phase is observed in JT-60U ELM-free $$H$$-mode. The intermediate $$H$$-phase is characterized by the large ion temperature gradients without significant poloidal rotation of impurity species (and with moderate magnitude of radial electric field), while the complete $$H$$-phase is characterized by the large radial electric field where the both density and temperature (and hence, pressure) gradients could increase. This observation shows there are two discrete phases with different magnitude of radial electric field in the ELM-free $$H$$-mode.

論文

JT-60共同研究優秀賞の選考結果について

小出 芳彦

プラズマ・核融合学会誌, 86(2), P. 126, 2010/02

原子力機構では、「臨界プラズマ試験装置の実験・解析に関する共同研究の募集要項」に基づき、各年度の終了課題について成果報告会を開催し、顕著な成果にJT-60共同研究優秀賞を授与している。本共同研究は、原子力機構にとっては核融合研究開発に関する国からの負託を推進するうえで有意義であると同時に、大学等から参加する研究者にとってもJT-60に関連する研究環境を活用しさらに高い成果を挙げることが可能となる有意義な機会となっている。2009年11月20日に平成20年度の終了課題12件について成果報告会を開催するとともに厳正な評価を行った結果、JT-60共同研究優秀賞の受賞者を決定したので報告する。

論文

Rotational stabilization of resistive wall mode on JT-60U

松永 剛; 武智 学; 相羽 信行; 栗田 源一; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 大山 直幸; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.051_1 - 051_7, 2009/11

将来の核融合炉において、経済性の高い高核融合出力を得るためには高圧力プラズマを定常に維持する必要がある。しかしながらこのようなプラズマでは、抵抗性壁モード(RWM)が発生し到達$$beta$$値を制限すると危惧されている。一方、このモードの安定化にプラズマ回転が重要であることが理論的に予想されている。JT-60ではプラズマ回転を制御することで、RWMの安定化に必要なプラズマ回転の閾値を実験的に明らかにした。この実験により、この閾値が従来の予測値の約15%程度であることがわかり、また閾値の$$beta$$依存性が小さいことから、理想壁$$beta$$限界値まで$$beta$$値を到達可能なことが明らかとなった。本論文では、JT-60において実施されたプラズマ回転によるRWM安定化実験の詳細及び、線形MHD安定性コード(MARG2D)の結果との比較などについて報告する。

論文

Development of reversed shear plasmas with high bootstrap current fraction towards reactor relevant regime in JT-60U

坂本 宜照; 松永 剛; 大山 直幸; 鈴木 隆博; 相羽 信行; 竹永 秀信; 諫山 明彦; 篠原 孝司; 吉田 麻衣子; 武智 学; et al.

Nuclear Fusion, 49(9), p.095017_1 - 095017_8, 2009/09

 被引用回数:31 パーセンタイル:74.06(Physics, Fluids & Plasmas)

ITER定常運転や定常核融合炉を目指した炉心プラズマ開発には、7要素(閉じ込め,規格化ベータ値,自発電流割合,非誘導電流駆動割合,燃料純度,放射損失割合,規格化密度)を、バランスよく同時に高めた総合性能プラズマをITERや核融合炉で想定される条件(低運動量入力,電子温度,イオン温度,安全係数$$q$$$$_{95}$$$$sim$$5)で実証する必要がある。特に、経済的に優れた定常核融合炉のためには、自発電流割合と規格化ベータ値を同時に高めることが主要課題の一つである。JT-60Uでは、MHD不安定性の導体壁による安定化効果を利用して、高自発電流割合を持つ負磁気シアプラズマの高ベータ化に取り組んだ。その結果、規格化ベータ値2.7(従来の1.5倍)とともに9割の自発電流割合を得た。さらに、ITERの定常運転シナリオに匹敵する高総合性能プラズマを、ITERや核融合炉で想定される条件下で生成した。

論文

Dynamics of ion internal transport barrier in LHD heliotron and JT-60U tokamak plasmas

居田 克巳*; 坂本 宜照; 吉沼 幹朗*; 竹永 秀信; 永岡 賢一*; 林 伸彦; 大山 直幸; 長壁 正樹*; 横山 雅之*; 舟場 久芳*; et al.

Nuclear Fusion, 49(9), p.095024_1 - 095024_9, 2009/09

 被引用回数:29 パーセンタイル:72.01(Physics, Fluids & Plasmas)

LHDヘリオトロン装置とJT-60Uトカマク装置におけるイオン系内部輸送障壁形成と不純物輸送のダイナミックスの比較について分析した。特に、両装置においてイオン温度等を測定する荷電交換分光装置の高性能化が行われ、次のような新しい知見を得ることができた。まず、内部輸送障壁の形成位置について、JT-60Uでは形成位置が外側へ拡大しつつ局在化するが、LHDではターゲットプラズマに依存して内側あるいは外側に移動する。また、不純物輸送に関しては、JT-60Uでは内向きの対流があるのに対して、LHDでは外向きの対流によって不純物ホールが形成されることを明らかにした。LHDにおいて観測された外向きの対流は、新古典理論の予想と相反しており、今後さらなる分析を行う予定である。

論文

Balance of the stored energies sustained by the internal and edge transport barriers and effects of ELMs and L-H transitions in JT-60U

鎌田 裕; 吉田 麻衣子; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 大山 直幸; 浦野 創; 神谷 健作; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; JT-60チーム

Nuclear Fusion, 49(9), p.095014_1 - 095014_9, 2009/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:8.17(Physics, Fluids & Plasmas)

先進トカマクプラズマにおける圧力分布を決定する物理機構を理解するため、周辺輸送障壁と内部輸送障壁の相関を研究した。(1)Type-I ELMのあるHモードにおいて、周辺ペデスタル部のポロイダルベータ($$beta$$p-ped)は、全ポロイダルベータ($$beta$$p-tot)とともにほぼ直線的に上昇することを、広いプラズマ電流領域で明らかにした。また、この関係がプラズマ断面の三角度とともに強くなることを見いだした。(2)ペデスタル蓄積エネルギー(Wped)の増加とともにELMのプラズマ中への侵入距離が深くなり、最終的に内部輸送障壁に達する。この状態になると、内部輸送障壁位置(半径)はそれ以上広がることができなくなり、また、その障壁は弱くなる。このようにして、全熱化蓄積エネルギー(Wth)に対する内部輸送障壁内での蓄積エネルギー(WITB)及びペデスタル蓄積エネルギー(Wped)が一定となる。また、Type I ELMによる周辺部のトロイダル運動量の減少は、熱エネルギーの減少に比べて大きいこと、さらに、ELM侵入距離はトロイダル回転の方がイオン温度よりも深く、内部輸送障壁内部に達することを見いだした。これが内部輸送障壁の劣化につながっているかも知れない。

論文

The Characteristics of the internal transport barrier under reactor relevant conditions in JT-60U weak shear plasmas

竹永 秀信; 大山 直幸; 浦野 創; 坂本 宜照; 朝倉 伸幸; 神谷 健作; 三代 康彦; 西山 友和; 笹島 唯之; 正木 圭; et al.

Nuclear Fusion, 49(7), p.075012_1 - 075012_11, 2009/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:34.06(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uにおいて弱磁気シアプラズマの内部輸送障壁(ITB)特性を、周辺粒子供給・電子加熱といった炉心条件下で調べた。最初に、高磁場側ペレット又は超音速分子ビーム(SMBI)のITB特性への影響を調べた。ペレットやSMBIによる周辺粒子供給でも中心のイオン温度は減少しており、減少幅はITB内側で増加した。入射周波数や侵入長を最適化することにより、減少したイオン温度が回復し高いペデスタル圧力と強いITBが維持された。その結果、周辺粒子供給でも、高密度領域において高閉じ込め状態を維持することに成功した。次に、電子サイクロトロン加熱による電子加熱時のITB特性を調べた。電子温度分布の硬直性が強い場合に、電子サイクロトロン加熱によりイオン温度ITBの劣化が観測された。この時、イオンの熱拡散係数は電子の熱拡散係数とともに増加しており、イオンと電子の熱輸送の関連を示している。一方、電子温度分布の硬直性が弱い場合には、イオン温度ITBは変化しないか、もしくはさらに成長することが観測された。イオン温度ITBが変化しない場合はイオン・電子の熱拡散係数の変化はともに小さく、イオンITBがさらに成長した時はイオン・電子の熱拡散係数はともに低減した。密度揺動レベルの変化は小さいが、イオン温度ITBが劣化する場合は密度揺動の径方向相関長が長く、変化しない場合は短くなっていることが観測された。このことは、密度揺動の変化を通してITBの特性が変化していることを示唆している。

論文

JT-60共同研究優秀賞の選考結果について

小出 芳彦

プラズマ・核融合学会誌, 85(4), P. 216, 2009/04

原子力機構では、「臨界プラズマ試験装置(JT-60)の実験・解析に関する共同研究の募集要項」に基づき、各年度の終了課題について成果報告会を開催し、顕著な成果にJT-60共同研究優秀賞を授与している。本JT-60共同研究は、原子力機構にとっては核融合研究開発に関する国からの負託を推進するうえで有意義であると同時に、大学等から参加する研究者にとってもJT-60に関連する研究環境を活用しさらに高い成果を上げることが可能となる有意義な機会となっている。昨年の第22回IAEA核融合エネルギー会議の場合、JT-60に関する発表21件のうち、7件の主著者が大学等の研究者であった。昨年12月19日に平成19年度の終了課題10件について成果報告会を開催するとともに厳正な評価を行った結果、JT-60共同研究優秀賞の受賞者を決定したので報告する。

論文

Characteristics of internal transport barrier under reactor relevant condition in JT-60U weak shear plasmas

竹永 秀信; 大山 直幸; 浦野 創; 坂本 宜照; 神谷 健作; 三代 康彦; 西山 友和; 笹島 唯之; 正木 圭; 神永 敦嗣; et al.

Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10

JT-60Uの弱磁気シアプラズマにおいて炉心条件である周辺粒子供給と電子加熱条件下での内部輸送障壁(ITB)特性を調べた。高磁場側ペレット又は超音速分子ビーム(SMBI)による周辺粒子供給により、高密度領域において高閉じ込め状態を維持することに成功した。周辺粒子供給でも中心のイオン温度は減少しており、減少幅はITB内側で増加している。SMBIの場合、このITB内側でのイオン温度減少幅の増加は、パワーバランス解析から評価したイオンの熱拡散係数を用いて計算した冷熱パルスの伝搬で説明可能であった。入射周波数や侵入長を最適化することにより、減少したイオン温度が回復し高いペデスタル圧力と強いITBが維持されている。イオン温度ITBの劣化は、電子温度分布の硬直性が強い場合に電子サイクロトロン加熱時にも観測されている。この時、イオンの熱拡散係数は電子の熱拡散係数とともに増加しており、イオンと電子の熱輸送の関連を示している。一方、電子温度分布の硬直性が弱い場合には、イオン温度ITBは変化しないか、もしくはさらに成長することが観測された。密度揺動レベルの変化は小さいが、イオン温度ITBが劣化する場合は密度揺動の径方向相関長が長く、変化しない場合は短くなっていることが観測された。このことは、密度揺動の変化を通してITBの特性が変化していることを示唆している。

229 件中 1件目~20件目を表示