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玉熊 佑紀*; 山田 椋平; 鈴木 崇仁*; 黒木 智広*; 佐賀 理貴哉*; 水野 裕元*; 佐々木 博之*; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 床次 眞司*
Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.307 - 310, 2019/10
被引用回数:1 パーセンタイル:11.15(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射能(線)監視データが不足していたため、第一陣の緊急対応者の放射線量は正確に評価されなかった。原子力事故で緊急対応をしている労働者の放射線量を評価することは重要である。本研究では、外部被ばく線量と内部被ばく線量の両方を評価できる新しい装置を開発し、緊急時の環境放射能(線)モニタリングの観点から、市販のモニタを含む様々な環境放射能(線)モニタの性能を比較した。福島県で各モニタのバックグラウンド計数値と周辺線量当量率を測定した。ベータ線の検出限界はISO11929に従って評価した。ZnS(Ag)とプラスチックシンチレータを用いたダストモニタのガンマ線に対する感度は高いが、CsI(Tl)結晶を有するシリコンフォトダイオードを用いた外部被ばくモニタの感度は比較的低かった。検出限界は100Sv hで190-280Bq mであり、日本の原子力規制委員会による要求下限値の100Bq mの検出限界を超えていた。要求下限値を達成するには、鉛によるシールドを用いることが必要である。これらの結果から、評価対象モニタの中でも、ZnS(Ag)シンチレータとプラスチックシンチレータを併用したダストモニタが外部被ばくモニタに適しており、開発された内部被ばくモニタが緊急時の内部被ばくモニタとして適していることがわかった。将来的には、アルファ線の計数効率, 相対不確かさ及び検出性能が評価され、さらに可搬性を考慮した上でどのタイプのモニタが適しているかが検討される予定である。
池見 洋明*; Pachri, H.*; 國分 陽子; 三谷 泰浩*; 黒木 貴一*
no journal, ,
本研究では、河川の土砂動態について検討するため、花こう岩の山地流域に分布する土砂のBeの分析を行った。土砂生産の状況が異なると判断された2つの流域(福岡県多々良川水系宇美川上流の小流域)において、河床堆積物および斜面物質のサンプリングを実施し、その5つに対して、JAEA-AMS-TONOでベリリウムの同位体分析を行った。流域Aの各サンプルのBe含有量は3.10.55.50.9 (10 atoms/g)と誤差の範囲内で同程度の値を示したのに対して、流域Bは8.71.9 (10 atoms/g)と比較的高い値を示した。これは、流域Bの河床堆積物サンプルが流域Aよりも地上に長く露出していたことを示している。流域Aは、斜面崩壊などにより、比較的Be含有量の小さい深部の土砂が混入した可能性がある。