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幸本 重男*; 中古 知貴*; 久松 秀悟; 奥田 康裕*; 桝 飛雄真*; 高橋 正洋*; 岸川 圭希*
Crystal Growth & Design, 15(6), p.2723 - 2731, 2015/05
被引用回数:14 パーセンタイル:73.47(Chemistry, Multidisciplinary)アントラセン系ビスピリジニウム塩のピエゾルミネッセンスと液晶性に関して、結晶状態における刺激応答性とイオン性液晶状態での発光特性で調べた。この塩は中心に発光部位としてアントラセン環を有し、アントラセン部分に結合したピリジニウムはトリアルコキシベンジル基で置換されている。2つのトリメトキシベンジル基を有する塩の単結晶が溶媒和物として得られた。塩化物の酢酸エチル、アセトンおよびジオキサン溶媒和結晶は1次元チャネルを有するほぼ同じ結晶構造であった。溶媒和結晶を粉砕すると含まれている溶媒分子が押し出され、固体状態での蛍光がレッドシフトした。トリス(オクチルオキシ)ベンジルおよびトリス(ドデシルオキシ)ベンジル誘導体は、臭化物および四フッ化ホウ酸塩の場合は昇温過程で、またPF酸塩の場合は降温過程で、どの場合でもレクタンギュラーカラムナー相の液晶相を発現した。これらのピリジニウム塩のうち、PF酸塩は、溶媒依存性のある特徴的な蛍光を示した。
久松 秀悟; 桝 飛雄真*; 高橋 正洋*; 岸川 圭希*; 幸本 重男*
Crystal Growth & Design, 15(5), p.2291 - 2302, 2015/04
被引用回数:70 パーセンタイル:98.04(Chemistry, Multidisciplinary)9位にカルバメート基を、10位にエステル基をそれぞれ有するアントラセン誘導体を調製し、それらの結晶構造中にアントラセン発光体のペア型パッキング構造を持つ結晶を作製した。それらはエタノール溶液中で非発光性であり、エタノール水溶液中および固体中でAIE(凝集誘導放出)特性を示した。それらの結晶構造解析により、その結晶構造に関与する水素結合ネットワークが4つのパターンに分類されることが示された。それはカルバメートとエステルカルボニル(モチーフA)との水素結合、カルバメートとエステル酸素原子(モチーフB)との水素結合、カルバメート部分の水素結合環状二量体(モチーフC)、カルバメート間での連続的な水素結合(モチーフD)である。ペア型構造をとったアントラセン発光体は、ペアを形成していない状態のとき発する発光の波長よりも、長波長の発光を示すダイマー発光を示した。