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論文

Features of accelerator-based neutron source for boron neutron capture therapy calculated by Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS)

松谷 悠佑; 楠本 多聞*; 谷内 淑恵*; 平田 悠歩; 三輪 美沙子*; 石川 正純*; 伊達 広行*; 岩元 洋介; 松山 成男*; 福永 久典*

AIP Advances (Internet), 12(2), p.025013_1 - 025013_9, 2022/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:59.24(Nanoscience & Nanotechnology)

ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、腫瘍細胞選択的にホウ素薬剤を集積させ、$$^{10}$$Bと熱中性子の核反応から発生する$$alpha$$線やLiイオンを利用して、腫瘍細胞に効率的に治療する放射線療法である。近年開発の進む加速器型(病院設置型)中性子源により、将来的に数多くの医療施設でBNCTが普及すると期待されている。加速器型中性子源で、BNCTに用いる熱外中性子は$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応により生成する。様々な種類の放射線や粒子の挙動を模擬できる放射線輸送計算コードPHITSでは、近年の改良により、日本国内の評価済み核データライブラリー(JENDL-4.0/HE)を使用して$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応からの中性子生成の推定が可能となった。本研究では、病院設置型BNCTの治療効果の評価へ向けて、PHITSで考慮されている中性子発生断面積や中性子エネルギー分布の基礎的検証を行った。さらに、熱中性子や反跳陽子の発生数 を試算し、BF$$_{3}$$ガス計数管や固体飛跡検出器CR-39の測定値と比較した。その結果、これらの検証により、PHITSコードがLiターゲットを使用して加速器から生成された中性子を正確に予測できることを確認した。この成果は、PHITSコードが加速器型中性子場の正確な評価と加速器型BNCTの治療効果の予測に有用であることを示すものである。

論文

The Effects of essence of chicken on the trace metal distribution in stressful mice brain slices by in-air micro-PIXE

櫻井 映子*; 谷内 一彦*; 石井 慶造*; 藤木 広太*; 平石 慎吾*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 岡村 信行*; 横山 彰人; 加田 渉; et al.

JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 84, 2012/01

We examined the effects of essence of chicken (BEC) on stressful H3-KO mice and distribution changes of trace metal in the brain using micro-PIXE. The mice were administered orally1 ml of BEC before subjected stress. The amount of Zinc in the slices of subjected restraint stress (physical stress) or no-stress control group are almost same when compared with BEC treated group. However, the amount of zinc in the BEC treated slice of subjected psychological stress were significant higher than that of no-treated BEC mice. Bromine level in the brain of BEC treated mice slightly-higher than non-treated mice (Data was not shown). Zinc levels show tended correlation with iron in BEC treated psychological-stress mice brain. BEC might have increased blood flow and the produce anti-stress effect.

論文

Increased antitumor effect of chemotherapy, using radiosensitive microcapsules containing anti-RLIP076

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 佐藤 隆博; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 神谷 富裕

JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 89, 2012/01

RLIP 76 is a peptide (76 kDa) that is activated by radiation, which mediates ATP-dependent primary active efflux of organic anionic compounds (reactive oxygen species, ROS), and cationic chemotherapeutic drugs (doxorubicin, adriacin, carboplatin). Thus, the inhibition of RLIP76 by anti-RLIP 76 antibody might inhibit the efflux of ROS and chemotherapeutic reagents, and increase intratumoral concentration of chemotherapeutic reagents, which might result in increased antitumor effect. In this study, we encapsulated carboplatin (platinum based anticancer drug) and anti-RLIP 76 IgG, and their antitumor effect was tested in combination with radiation. In micro-PIXE camera imaging, unirradiated microcapsules had smooth surface and distinct liquid core. After radiation, the contour of microcapsules were made irregular and releasing of carboplatin could be observed. Then anti-RLIP-76 IgG inhibited the efflux of carboplatin from tumors.

論文

Development of a large-solid-angle and multi-device detection system for elemental analysis

佐藤 隆博; 石井 慶造*; 神谷 富裕; 酒井 卓郎; 及川 将一*; 荒川 和夫; 松山 成男*; 山崎 浩道*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 210, p.113 - 116, 2003/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.51(Instruments & Instrumentation)

数keVの低いエネルギーのX線と数MeVの後方散乱陽子の両方の検出が可能な検出システムを開発した。この新しい検出システムは大立体角多素子検出器、アクティブリセット式前置増幅器、主増幅器、マルチプレクサルータ、ADC、データ収集コントローラで構成されている。従来のマイクロPIXE分析では検出器の立体角が小さいために数時間を必要としたが、本研究では検出素子を複数化することで検出効率を向上させた。多数の検出素子を五角形のピラミッド状に配置し、試料を覆う構造になっている。マイクロビームは検出器の中央に設けられたパイプを通って試料に照射される。五角形のピラミッドの各面に9個の検出素子があり、検出器全体の立体角は1sterad以上を達成した。この新しい測定システムを用いるとマイクロPIXEの測定時間は従来の10分の1となる。また、多素子化したことで素子あたりの後方散乱陽子の検出数が少なくなるために、従来用いていた後方散乱陽子ストッパーが不要になる。これにより、通常のマイクロPIXE分析では測定が困難であったN, C, Oの分布の分析が後方散乱陽子を検出することで可能となった。

論文

The Kinetics of Fe and Ca for the development of radiation-induced apoptosis by micro-PIXE imaging

原田 聡*; 玉川 芳春*; 石井 慶造*; 田中 晃*; 佐藤 隆博; 松山 成男*; 山崎 浩道*; 神谷 富裕; 酒井 卓郎; 荒川 和夫; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 189(1-4), p.437 - 442, 2002/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.5(Instruments & Instrumentation)

放射線誘起アポトーシスと微量元素の挙動の相互作用を詳しく調べるために、ヒト白血病細胞に$$^{60}$$Coの$$gamma$$線をインビトロで照射し、微量元素の画像化を行った。アポトーシスの頻度はTUNEL染色をした後、顕微鏡で 400 倍に拡大して得た。また、マイクロPIXE分析で細胞内の微量元素の分布の測定を行った。アポトーシスの初期段階では鉄が細胞質に集中して見られたが、アポトーシスが進行すると鉄の集積は無くなり、細胞核でCaが集積しZnが減少した。このことから、アポトーシスの進行には (1)FeやFeを含む酵素による細胞質から細胞核への信号の伝達, (2) Ca に依存する酵素による細胞核の変性と核からのZnの放出、の2つの段階が存在するようである。このような微量元素の集積はアポトーシスの新しい標識になると思われる。

論文

STIM imaging for mammalian cell samples before micro-PIXE analyses in air environment at JAERI Takasaki light ion microbeam system

神谷 富裕; 酒井 卓郎; 及川 将一*; 佐藤 隆博*; 石井 慶造*; 杉本 明日香*; 松山 成男*

International Journal of PIXE, 9(3&4), p.217 - 225, 1999/11

原研高崎の軽イオンマイクロビーム装置において、走査透過イオン顕微鏡(STIM)による大気中動物細胞試料の像が初めて取得された。STIMは微少電流を用いるため高空間分解能でかつ試料への照射損傷のないイメージングが可能であり、マイクロPIXE分析を行う試料への直接的なビーム照準法として導入した。予備実験の試料として凍結乾燥法により有機薄膜上に調整した動物細胞を用いた。有機膜は試料ホルダーであると同時にビームを大気中に引出す窓でもある。膜と試料を透過したイオンのエネルギーを測定するため、検出器としてSi PINダイオードを試料直後に置いた。マイクロビーム走査・多次元データ収集システムによって得られたSTIM像は、マイクロPIXE分析の結果とよく対応づけられた。発表では、STIMシステムの詳細について述べ、得られた結果をマイクロPIXE分析のそれと合わせていくつか紹介する。

論文

Measurement and theoretical analysis of neutron elastic scattering and inelastic reactions leading to a three-body final state for $$^{6}$$Li at 10 to 20 MeV

千葉 敏; 戸ヶ崎 康*; 茨木 正信*; 馬場 護*; 松山 成男*; 柴田 恵一; 岩本 修; A.J.Koning*; G.M.Hale*; M.B.Chadwick*; et al.

Physical Review C, 58(4), p.2205 - 2216, 1998/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:65.84(Physics, Nuclear)

入射中性子エネルギー11.5,14.1及び18.0MeVにおける$$^{6}$$Liからの中性子放出反応の二重微分断面積を測定した。このデータ及び他の測定により得られたデータを基に、$$^{6}$$Liの中性子全断面積と弾性散乱の角度分布を5MeVから数10MeVにわたるエネルギー領域で再現できる光学ポテンシャルを構築した。このポテンシャルは、DWBA理論による計算を通して、第一励起準位(励起エネルギー2.186MeV)への非弾性散乱の角度分布をも良く再現できることが分かった。次に、連続状態への遷移に伴う中性子スペクトルの解析を、終状態における相互作用模型をDWBA形式に拡張したモデルを用いて、3体崩壊に伴う重陽子とアルファ粒子n相互作用が支配的であるという仮定の基に行った。この仮定及び模型は、Q-値範囲で-9MeVまでの低励起状態に対応する遷移の中性子スペクトルを良く記述できることが判明した。一方、入射中性子と$$^{6}$$Li内のアルファ粒子の準弾性散乱に対応するQ-値領域では計算値とデータの一致は良好でなく、準弾性散乱の寄与が無視できない可能性が示唆された。

報告書

Measurement and theoretical analysis of neutron-induced neutron-emission reactions of $$^{6}$$Li at 10 to 20MeV region

茨木 正信*; 馬場 護*; 松山 成男*; 千葉 敏; 戸ヶ崎 康*; 柴田 恵一; 岩本 修; A.J.Koning*; G.M.Hale*; M.B.Chadwick*

JAERI-Research 98-032, 28 Pages, 1998/06

JAERI-Research-98-032.pdf:1.31MB

入射中性子エネルギー11.5,14.1及び18.0MeVにおける$$^{6}$$Liからの中性子放出反応の二重微分断面積を測定した。このデータ及び他の測定により得られたデータを基に、$$^{6}$$Liの中性子全断面積と弾性散乱の角度分布を5MeVから数10MeVにわたるエネルギー領域で再現できる光学ポテンシャルを構築した。このポテンシャルは、DWBA理論による計算を通して、第一励起準位(励起エネルギー2.186MeV)への非弾性散乱の角度分布をも良く再現できることが分かった。次に、連続状態への遷移に伴う中性子スペクトルの解析を、終状態における相互作用模型をDWBA形式に拡張したモデルを用いて、中性子、重陽子と$$alpha$$粒子への3体崩壊において、重陽子と$$alpha$$粒子の相互作用が支配的であるという仮定の基に行った。この仮定及び模型は、Q-値範囲で-9MeVまでの低励起状態に対応する遷移の中性子スペクトル及び角度分布を良く記述できることが判明した。一方、入射中性子と$$^{6}$$Li内の$$alpha$$粒子の準弾性散乱に対応するQ-値領域では計算値とデータの一致は良好ではなく、準弾性散乱の寄与ができない可能性が示唆された。

論文

Development of a fast multi-parameter data acquisition system for microbeam analyses

酒井 卓郎; 浜野 毅*; 平尾 敏雄; 神谷 富裕; 室園 廣介*; 井上 淳一*; 松山 成男*; 岩崎 信*; 石井 慶造*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 136-138, p.390 - 394, 1998/00

 被引用回数:18 パーセンタイル:79.15(Instruments & Instrumentation)

市販のパーソナルコンピューター(PC)とADコンバーター(ADC)を用いた、多ch同時検出システムの開発を行った。このシステムは高速データ取り込みとオンラインでのデータ処理を行うため、最新のCPUと大容量のメモリ(128MBy tes)が搭載されている。このシステムを原研高崎に設置されている、軽・重イオンマイクロビーム形成装置に適用することにより、PIXEやRBSによる微細領域における2次元元素分析や、半導体素子中に重イオン照射により生成される電荷収集の分布を2次元(IBIC)で観測することが可能になった。

口頭

大気マイクロPIXE分析法の生体試料への応用

櫻井 映子*; 谷内 一彦*; 石井 慶造*; 小山 亮平*; 酒巻 学*; 山中 健太郎*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 神谷 富裕; 佐藤 隆博; et al.

no journal, , 

脳の機能性疾患には疾患と微量金属元素の関係が示唆されており、ストレス,てんかん発作,覚せい剤など規制薬物の使用による脳の異常興奮に対して、ヒスタミン神経系が抑制的に働くことを行動薬理学的手法を用いて解析する一方、マイクロPIXE分析法を用いることによって、認知機能に関しては特にヒスタミンH1受容体の機能が深く関与していることが明らかになってきた。また、海馬の新生神経は臭素イオンをよく取り込むことが知られており、マウスの脳の元素分布を大気マイクロPIXE分析法で測定することを試みた。その結果、脳内に存在するヒスタミン受容体の種類により臭素集積量が異なり、実験行動薬理学実験との相関が見られることがわかった。

口頭

大気マイクロPIXEにより見いだされた脳切片の元素分布変化

櫻井 映子*; 石井 慶造*; 山中 健太郎*; 大倉 曉*; 藤木 広太*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 神谷 富裕; 佐藤 隆博; 荒川 和夫*; et al.

no journal, , 

覚醒剤の使用により惹起される覚醒剤精神病では、異常行動の誘起とともに、認知機能の低下が起こることに着目し、覚醒剤を連続投与したマウスを作成して、海馬の歯状回の神経新生と脳内微量元素分布の変化を大気マイクロPIXE法で分析したところ、微量元素の分布が正常マウスとは異なる知見が得られた。

口頭

放射線感受性マイクロカプセルを用いた薬剤標的療法における薬剤作用長期化の試み

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 佐藤 隆博; 神谷 富裕; 世良 耕一郎*; 斉藤 義弘*

no journal, , 

放射線照射に反応して内容を放出するマイクロカプセルを開発し、抗がん剤Carboplatinと抗がん剤排泄を抑制するRLIP76をマイクロカプセルに加えて、マウスに移植したMM48腫瘍に皮下注射を行った。20Gyの放射線照射により、76%のマイクロカプセルがCarboplatinとRLIP76を放出し、抗腫瘍効果が持続することが、大気マイクロPIXEによって確認された。

口頭

マイクロPIXEによる微量元素分布計測技術

佐藤 隆博; 江夏 昌志; 加田 渉; 横山 彰人; 大久保 猛; 山崎 明義; 石井 保行; 神谷 富裕; 松山 成男*; 石井 慶造*

no journal, , 

細胞レベルの微小領域の微量元素分析が可能にするために、ビーム径0.25$$mu$$mの軽イオンマイクロビーム装置を用いた大気マイクロPIXE分析システムを開発し、単一細胞内の微量元素分布を画像化することに成功した。現在では、医学,生物学,薬学,歯学などの分野で応用が進められている。

口頭

大気マイクロPIXE法による食品の抗ストレス効果の評価

櫻井 映子*; 谷内 一彦*; 岡村 信行*; 石井 慶造*; 藤木 広太*; 平石 慎吾*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 横山 彰人; 加田 渉; et al.

no journal, , 

ストレス負荷により認知機能の低下を起こすモデルマウスを用いて、東南アジアで古くから滋養強壮に用いられてきたチキンエキスの効果を、神経の新生と、大気マイクロPIXEで分析した脳内元素分布の変化から評価することを試みた。チキンエキスを投与したマウスの海馬歯状回における臭素と他の元素量を比較した結果、臭素集積量はすべてのチキンエキス投与群で増加傾向をとった。ストレス負荷で著しい変化を示したのが亜鉛で、心理的ストレス群では亜鉛が有意に減少したが、チキンエキス投与後に亜鉛量は有意に増加していた。この結果から、心理的ストレス負荷で味覚障害が引き起こされる場合の原因として、脳内亜鉛含量の低下が考えられ、チキンエキスの投与はそれを回避させる可能性があることが示唆された。

口頭

マイクロカプセルの微細化とマウスにおける体内動態

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 佐藤 隆博; 江夏 昌志; 神谷 富裕

no journal, , 

肺,脳,脾臓,腎臓などの臓器に引っかかり塞栓症ならないように、放射線照射によって抗癌剤を放出するマイクロカプセルを微細化させた。このカプセル百万個/0.1mLをマウス(C$$_{3}$$He/J, 6週齢,オス)の尾静脈より静脈注射した。注射1時間後、肺,肝臓,腎臓,脾臓を剖出し、micro-PIXE分析(25$$times$$25$$mu$$m)の8視野中のトラップされたカプセル数をカウントした。カプセル径は、874$$pm$$12nmであり、有意にカプセルの微細がなされた。肺,肝臓,腎臓,脾臓にトラップされたカプセル数は有意に減少した。今後、静脈注射用のカプセル開発に発展させる。

口頭

大気マイクロPIXE法によるヒスタミン受容体欠損マウス脳内微量元素の測定

櫻井 映子*; 谷内 一彦*; 岡村 信行*; 石井 慶造*; 平石 慎吾*; 山内 祥聖*; 山崎 浩道*; 松山 成男*; 横山 彰人; 加田 渉; et al.

no journal, , 

神経性ヒスタミンは、学習,記憶,行動量,睡眠,覚醒に関係するなど、重要な働きをしている。本研究では、大気マイクロPIXE (particle induced X-ray emission)を用いてヒスタミン受容体欠損マウスの脳内微量元素を測定し、現在までに同定されているH1, H2, H3, H4の4つヒスタミン受容体の機能を明らかにすることを目的としている。今回は、H1受容体欠損マウス(H1KO), H1H3二重受容体欠損マウス(H1H3DKO)を実験に用い、脳内微量元素量の変化を測定することを試みた。これらのマウスの脳を摘出し、ドライアイスで凍結した後、16$$mu$$mの厚さの切片にして、大気マイクロPIXEで分析した結果、H1KOの脳切片ではMg, P, S, Cl, Brが減少傾向にあり、Cuは有意に増加していることがわかった。一方、H1H3DKOの脳切片では、Ca, Cu, Znの減少傾向とFe, Brの増加傾向があることがわかった。これらの元素の増減の解釈にはさらなる実験と解析が必要であるが、一例として、Brは海馬神経新生細胞の量に関係することと、Caが増加傾向になると神経活動が活性化し神経伝達物質量が減少することがわかっている。今後、大気マイクロPIXEを用いこれらの元素の増減を分析することが、ヒスタミン受容体の機能解明に繋がると考えられる。

口頭

肺血液関門細胞の元素分布の特徴; マウスの系統差とニコチンの影響

櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 小塩 成基*; 伊藤 駿*; 松山 成男*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; et al.

no journal, , 

本研究は、ニコチン等の有害な化学物質の摂取を抑制する血液関門細胞の機能について、マウスの系統差を明らかにすることを目的としている。今回は、細胞の増殖能力が異なるICR系統とC57BL/6J系統の3周齢のマウスから肺血液関門細胞を分離し、コラーゲンコートした培養フラスコを使用して、CO$$_2$$インキュベーター内で培養した。培養液を緩衝液に置換後、0.02$$sim$$2$$mu$$Mのニコチンを一定時間作用させた後凍結乾燥し、微量元素分布をTIARAの大気マイクロPIXE(particle induced X-ray emission)装置で分析した。その結果、細胞の増殖能力が高いC57BL/6Jマウスの肺血液関門細胞では、ニコチン添加量の増加とともにリンの量が16$$mu$$g/cm$$^2$$から2$$mu$$g/cm$$^2$$以下に急激に低下しカルシウムと塩素が増加したが、ICRマウスではそのような変化が見られなかった。このように、マウスの系統による血液関門細胞の機能の違いについて、大気マイクロPIXEを用いて細胞内微量元素の観点から調査可能であることが示された。

口頭

マイクロPIXEによる稲穂内部のCsおよびRb元素分布取得方法の開発

小塩 成基*; 伊藤 駿*; 石井 慶造*; 松山 成男*; 寺川 貴樹*; 佐多 大地*; 遠山 翔*; 笠原 和人*; 久保 亮介*; 江夏 昌志; et al.

no journal, , 

本研究では、国内で最も多く消費される農産物であるコメが、セシウム(Cs)を含む土壌で栽培された場合のCsの集積部位を明らかにするために、マイクロPIXE (particle induced X-ray emission)を用いてコメ内部のCsの元素分布測定を行った。また、より高感度にCsの挙動を観察することを目的とし、Csと同族で約5倍の特性X線発生断面積を持つルビジウム(Rb)をCsの代替として用いることを検討した。CsおよびRbを別々に散布した土壌で、14日間および34日間栽培したイネから収穫したコメを試料として用いた。測定の結果、Csは白米部よりも糠や籾殻に多く集積する様子が観察され、栽培期間14日と34日のCsの濃度比は1.5$$sim$$3.0で、栽培期間の比(34日間/14日間=2.43)とおよそ合致していることから、1日で取りこむ量が大きく変化しないと仮定すると、イネの生育によって取り込まれたCsを可視化したと考えられる。Rbの集積部位はCsの場合と類似しており、RbがCsの代替として使用可能であることが示唆されたが、感度については連続X線のバックグラウンドのためCsと同等となり向上は図れなかった。

口頭

放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究,95; 抽出クロマトグラフィ技術における使用済吸着材の分解処理と再利用の検討

宮崎 康典; 佐野 雄一; 竹内 正行; 新井 剛*; Kim, S.-Y.*; Wu, H.*; 三輪 美沙子*; 松山 成男*

no journal, , 

放射性廃棄物の減容化や有害度低減の観点から、使用済燃料の再処理で発生する廃液からマイナーアクチノイド(MA: Am, Cm)を分離回収する技術が求められている。我々は、TEHDGA含浸吸着材等を分離塔充填相とする抽出クロマトグラフィを提案している。これまでに実廃液からのMA回収を達成しており、現在は製品純度(または除染係数)の向上に資する分離フローシートの条件検討を行っている。その一方で、使用済吸着材の処理や再生方法についても調査している。本発表では、フェントン反応による吸着材の分解性や抽出剤再含浸した吸着材の吸着性能を報告する。また、マイクロPIXE分析による元素分布から、再利用性を議論する。

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