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論文

高速実験炉「常陽」の原子炉容器内観察・補修技術開発; 炉心上部機構の交換作業

高松 操; 川原 啓孝; 伊藤 裕道; 宇敷 洋; 鈴木 信弘; 佐々木 純; 大田 克; 奥田 英二; 小林 哲彦; 長井 秋則; et al.

日本原子力学会和文論文誌, 15(1), p.32 - 42, 2016/03

高速実験炉「常陽」では、平成19年に「計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害」が発生し、原子炉容器内において、計測線付実験装置(以下、MARICO-2(MAterial testing RIg with temperature COntrol 2nd))試料部が炉内ラック内の移送用ポットから突出した状態で変形していること、MARICO-2試料部と炉心上部機構(以下、UCS(Upper Core Structure))の接触により、UCS下面に設置されている整流板等が変形していることが確認された。当該燃料交換機能復旧作業の一環として、「常陽」では、平成26年5月よりUCS交換作業を開始し、同年12月に終了した。高放射線・高温環境のSFRにおける原子炉容器内補修(観察を含む)には、軽水炉にはない技術開発が必要であり、その技術レベルを高め、供用期間中の運転・保守に反映することはSFRの信頼性の向上に寄与することができる。SFRにおけるUCSの交換実績は世界でも数少なく、30年以上使用した原子炉容器内の大型構造物の交換作業の完遂により蓄積された経験・知見は、「常陽」のみならず、SFRにおける原子炉容器内観察・補修技術開発に大きく資するものと期待される。

論文

New integral experiments for large angle scattering cross section data benchmarking with DT neutron beam at JAEA/FNS

大西 世紀*; 近藤 恵太郎*; 東 哲史*; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 村田 勲*; 今野 力

Fusion Engineering and Design, 87(5-6), p.695 - 699, 2012/08

 被引用回数:11 パーセンタイル:63.41(Nuclear Science & Technology)

散乱断面積データの検証のために、DT中性子ビームを用いた新たな積分実験を開始した。最初に、コリメーターでDT中性子ビームを構築し、その特性を調べた。次に、このDT中性子ビームを用いて、SUS316体系を用いた新しい積分実験を行った。体系内中心軸上及び中心軸から15cm, 30cm離れた点で$$^{93}$$Nb(n,2n)$$^{rm 92m}$$Nb反応の反応率を放射化箔法で測定し、モンテカルロコードMCNP及び核データライブラリJENDL-4.0, JENDL-3.3, ENDF/B-VI.8を用いた計算との比較を行った。実験値に対する計算値の比はどの核データを用いても中心軸から離れるにつれて1より小さくなった。0度よりも大きな角度に散乱する断面積に問題がある可能性を指摘した。

論文

Performance analysis of fusion nuclear-data benchmark experiments for light to heavy materials in MeV energy region with a neutron spectrum shifter

村田 勲*; 太田 雅之*; 宮丸 広幸*; 近藤 恵太郎; 吉田 茂生*; 飯田 敏行*; 落合 謙太郎; 今野 力

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.1127 - 1130, 2011/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.29(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合炉候補材料の開発のために核データは不可欠であるが、MeVエネルギー領域の核データのベンチマークは現在でも十分ではない。本研究では、14MeV中性子源を使用した実験におけるMeVエネルギー領域の核データベンチマーク性能を計算で調べた。解析は軽核から重核までの元素を対象として系統的に実施した。その結果、従来のベンチマーク実験は、中性子スペクトルについては十分MeVエネルギー領域の核データベンチマークに有効であったことが確認された。一方、$$gamma$$線については、従来のベンチマーク実験は十分ではなく、スペクトルシフターの使用が有効であることがわかった。シフターの材質としてはベリリウムが最も効果的であった。これまで、モンテカルロ計算における最後の衝突の直前のスペクトルのみを考慮して性能評価を行ってきたが、今回はこれが適切かどうかを調べた。その結果、最後の衝突だけではなく、それ以前の衝突も等しく考慮に入れられるべきであることがわかった。

論文

Measurement of reaction rates in Li/V-alloy assembly with 14 MeV neutron irradiation

田中 照也*; 佐藤 聡; 近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 村田 勲*; 高倉 耕祐; 佐藤 文信*; 加田 渉*; 飯田 敏行*; 今野 力; et al.

Fusion Science and Technology, 60(2), p.681 - 686, 2011/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.73(Nuclear Science & Technology)

Li/V合金ブランケット設計における核計算精度を調べるため、内部に5cm厚のV合金層を設けた46$$times$$51$$times$$51cm$$^3$$の固体Liブロック体系に対する14MeV中性子照射実験を実施した。体系内にはNb, Ni, In, Au箔、及び$$^6$$Li濃縮($$^6$$Li: 95.5%), $$^7$$Li濃縮($$^7$$Li: 99.9%)Li$$_2$$CO$$_3$$ペレットを設置し、$$^{93}$$Nb(n,2n)$$^{rm 92m}$$Nb, $$^{58}$$Ni(n,p)$$^{58}$$Co, $$^{115}$$In(n,n')$$^{rm 115m}$$In, $$^{197}$$Au(n,$$gamma$$)$$^{198}$$Au反応の反応率とトリチウム生成率を測定した。測定結果はMCNP5, JENDL-3.3, JENDL/D-99を用いた中性子輸送,反応率計算結果と比較した。Nb, Ni, In箔の反応率についての比較は、高速中性子輸送に関しておおむね10%以内で実験と計算が一致していることを示した。Au箔の反応率についてはV合金層表面において15%程度計算値が過小となり、過去に指摘されているVの4keV付近の弾性散乱断面積の問題に起因している可能性がある。トリチウム生成率については$$^6$$Li濃縮,$$^7$$Li濃縮Li$$_2$$CO$$_3$$ペレットで各々、2-8%及び1-4%で計算値と実験値は一致した。

論文

Measurement of charged-particle emission double-differential cross section of fluorine for 14.2 MeV neutrons

近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 48(8), p.1146 - 1157, 2011/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.02(Nuclear Science & Technology)

14.2MeV中性子入射によるフッ素の陽子,重陽子,三重陽子,$$alpha$$粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。日本原子力研究開発機構のFNS施設に備えられたペンシルDT中性子ビームを利用した荷電粒子スペクトロメータによって、幅広いエネルギーの放出粒子に対し、高いエネルギー分解能で、15$$^{circ}$$から150$$^{circ}$$に渡る角度において精密な測定を行うことができた。測定したデータは評価済核データライブラリJENDL-3.3及びENDF/B-VII.0に格納されたデータと比較した。その結果、エネルギー・角度分布と、荷電粒子生成断面積の双方で、実験値と評価値の間に大きな差が存在することがわかった。残留核の幾つかの励起状態に対応する離散ピークを分離し、角度微分断面積を導出して荷電粒子放出反応の機構を議論した。本研究はフッ素に対して上記4種類の荷電粒子放出二重微分断面積を同時に測定した初めての測定であり、フッ素の核反応モデルを確立するためにも有効である。

論文

Implementation of a collimated DT neutron beam at the 1st target room of JAEA/FNS for new integral benchmark experiments

大西 世紀; 近藤 恵太郎; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 今野 力; 村田 勲*

Journal of the Korean Physical Society, 59(2), p.1949 - 1952, 2011/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)

原子力機構FNSでは核データライブラリ検証のために従来TOF実験並びに体系内測定等による積分実験を実施してきている。現在これらの実験に加えてより広い散乱角,エネルギーを対象とした積分実験を計画している。これまでに、検出器開発や照射実験で需給が逼迫している第二ターゲット室の大型トリチウムターゲットに替わり、入手性の良い小型トリチウムターゲットを用いて第一ターゲット室でDT中性子ビームを構築することを検討してきた。本研究では、この中性子コリメータをFNS第一ターゲット室に構築し、そこからのDT中性子ビームの特性を調べた。その結果、コリメータは設計どおりの性能を示し、DT中性子ビーム積分実験を行ううえで十分であることを確認した。

論文

核融合中性子の挙動を追跡する!!; 二重微分断面積に関する最新の研究

村田 勲*; 近藤 恵太郎; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎

プラズマ・核融合学会誌, 85(11), p.762 - 773, 2009/11

核融合炉の核設計に不可欠な、14MeV中性子と核融合炉構成材料核種との核反応断面積の高精度測定を目指し、過去約10年間にわたって、大阪大学が日本原子力研究開発機構との共同研究を通じて2つの新しい二重微分断面積測定手法の開発を進めてきた。日本原子力研究開発機構FNS施設において利用可能な世界で唯一のDT中性子ペンシルビームを用いる本測定手法により、放出中性子スペクトル測定に基づく(n,2n)反応断面積の直接測定、及び極めて高精度な荷電粒子放出二重微分断面積測定が可能となった。本記事では測定手法の概要と、これまでに得られた世界初となるベリリウム,ジルコニウム,フッ素の最新の詳細断面積測定結果についてわかりやすく解説した。

論文

Problems of lead nuclear data in fusion blanket design

近藤 恵太郎; 村田 勲*; Klix, A.*; Seidel, K.*; Freiesleben, H.*

Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1076 - 1086, 2009/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.52(Nuclear Science & Technology)

EUなど幾つかのITER参加極は液体のトリチウム増殖材であるリチウム鉛を用いたテストブランケットモジュールを提案している。昨年、LiAl合金とPbからなるブランケット模擬体系の14MeV中性子照射実験をドイツのドレスデン工科大学で行った。NE213検出器を用いて測定した体系内中性子スペクトルとMCNPによる計算値の比較を行ったところ、評価済み核データライブラリJENDL-3.3を用いた計算値は10MeV以上の中性子束を30%程度、0.5$$sim$$5MeVの中性子束を15%程度過小評価することが明らかとなった。一方、JEFF-3.1を用いた計算値はこれらのエネルギー領域での実験値との一致は良いが、5$$sim$$10MeVの中性子束を20%程度過大評価した。今回、これらの不一致の原因を明らかにするため、鉛の評価済み核データの問題点について、詳細な検討を行った。その結果、JENDL-3.3では弾性散乱断面積が過小評価されており、本実験の解析で見られたような、高エネルギー中性子束の著しい過小評価をもたらすことがわかった。また、$$^{208}$$Pbの非弾性散乱については、JENDL-3.3が過去の二重微分断面積の測定値を最もよく再現したが、ほかの鉛同位体については、JENDL-3.3の非弾性散乱の評価値には何らかの問題があり、0.5$$sim$$5MeVの中性子束の大きな過小評価の原因となることがわかった。JEFF-3.1が5$$sim$$10MeVの中性子束を過大評価する原因は依然として明らかになっていない。

論文

Direct neutron spectrum measurement to validate $$^{rm nat}$$Zr(n,2n) reaction cross-section at 14 MeV

村田 勲*; 四間 公章*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 太田 雅之*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 今野 力; 西谷 健夫

Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1376 - 1379, 2009/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

ジルコニウムは核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材の候補の一つであるリチウムジルコネートLi$$_{2}$$ZrO$$_{3}$$の構成元素である。過去に日本原子力研究所,京都大学,大阪大学において個々に行われたジルコニウムの核データベンチマーク実験の結果は、いずれも中性子スペクトルの計算値が大きな過大評価を示すことを指摘していた。本研究では、核データの問題点を明らかにするために、天然ジルコニウムの(n,2n)反応によって放出される2個の中性子を直接測定して断面積を導出した。測定によって放出中性子のエネルギーが1MeV以上の断面積が得られたが、得られた値はJENDL-3.3の評価値より少し大きく、これはベンチマーク実験の結果と逆の傾向であった。しかし、測定されていない放出中性子のエネルギー1MeV以下のスペクトル部分を核温度1MeVの蒸発スペクトルで外挿すると、得られた(n,2n)反応断面積はJENDL-3.3よりもやや小さく、ENDF/B-VIの評価値とほぼ一致した。この結果は過去に京都大学のグループによって指摘された、JENDLの(n,2n)反応断面積が10%程度過大評価、(n,2n)反応による1MeV以下のスペクトル成分が20%程度過大評価という指摘とも整合性のある結果であった。これらの結果は過去に報告されたベンチマーク実験における不一致の原因が、核データ評価の際の不適切な核温度の採用によるものであることを示唆している。

論文

Preliminary spectrum shifter design for intermediate energy nuclear data benchmark experiments with DT neutrons

太田 雅之*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 宮丸 広幸*; 村田 勲*; 飯田 敏行*; 落合 謙太郎; 今野 力

Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1446 - 1449, 2009/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.52(Nuclear Science & Technology)

原子力機構のFNS施設では、核融合炉の核設計に必要な評価済み核データライブラリの精度検証のため、核融合炉の構造材や先進ブランケット材に対してこれまで多くのDT中性子による積分ベンチマーク実験が実施されてきた。本研究では、数MeV領域の中性子誘起の核データのベンチマークを効率よく行うため、ベンチマーク実験の試料と中性子源との間に「スペクトルシフター」となる散乱体を挿入して、試料に入射するDT中性子を減速させることを検討した。スペクトルシフターの効果を見積もるため、FNSでの実験条件において漏洩中性子と$$gamma$$線に占める14MeV中性子の寄与の割合を、改造したMCNP-4Cコードを用いて計算した。計算ではLi$$_{2}$$TiO$$_{3}$$を試料とし、スペクトルシフターにBe, LiD, D$$_{2}$$Oを用いた。計算の結果、スペクトルシフターとしてはBeが優れており、14MeV中性子の寄与は試料やスペクトルシフターの大きさや種類に依存することがわかった。特に、Beのスペクトルシフターは漏洩2次$$gamma$$線ベンチマーク実験に効果的であることがわかった。

論文

Verification of KERMA factor for beryllium at neutron energy of 14.2 MeV based on charged-particle measurement

近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 村田 勲*; 今野 力

Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1674 - 1677, 2008/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.01(Nuclear Science & Technology)

過去に行われたDT中性子入射によるベリリウムの核発熱の直接測定実験で、JENDL-3.2を用いた計算値が測定値を25%も過小評価することが指摘されていたが、この大きな不一致の原因は明らかにされていなかった。この原因を明らかにするために、本研究では核発熱を計算する基本データであるKERMAファクターを調べた。中性子エネルギー14.2MeVでの値を比較した結果、部分KERMAファクターが最も大きい$$^{9}$$Be(n,2n+2$$alpha$$)反応で、JENDL-3.3から導出した部分KERMAファクターがENDF/B-VII.0, JEFF-3.1から導出したものと比べ大きく異なることがわかった。さらに、$$^{9}$$Be(n,2n+2$$alpha$$)反応チャンネルについて、われわれの$$alpha$$粒子放出二重微分断面積の測定データから構築した実験モデルを用いて部分KERMAファクターを計算し、これらのライブラリから導出した部分KERMAファクターと比較した。その結果、JENDL-3.3から導出した部分KERMAファクターは、われわれの実験モデルによるものを20%程度過小評価することが明らかになった。過去の核発熱測定実験におけるJENDL-3.2を用いた計算値の過小評価は、この$$^{9}$$Be(n,2n+2$$alpha$$)反応チャンネルの部分KERMAファクターの過小評価に由来するもので、$$alpha$$粒子放出二重微分断面積の高エネルギー成分が前方の放出角で過小評価されているためであると結論した。

論文

Angle-correlated spectrum measurement for two neutrons emitted from (n,2n) reaction with the coincidence detection technique using a pencil-beam DT neutron source

村田 勲*; 高木 智史*; 近藤 恵太郎; 四間 公章*; 宮丸 広幸*; 満田 幹之; 前川 藤夫; 落合 謙太郎; 西谷 健夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 595(2), p.439 - 446, 2008/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.9(Instruments & Instrumentation)

日本原子力研究開発機構の核融合中性子源施設(FNS)のDT中性子ビームを利用した、同時計数法に基づく(n,2n)反応からの放出中性子の角度相関エネルギースペクトルの測定手法を開発した。本手法による(n,2n)反応断面積測定の妥当性を検証するため、放射化法による(n,2n)反応断面積の測定例が多数存在する$$^{55}$$Mn(n,2n)反応について、三重微分断面積を測定した。この三重微分断面積を角度とエネルギーで積分することによって導出した(n,2n)反応断面積は、JENDL-3.3の評価値とよく一致し、このことから本手法の妥当性を確認した。Mnのような中重核や重核の(n,2n)反応では、通常は放出中性子間の角度相関が弱いので、数回の測定で(n,2n)反応断面積を得ることができる。本手法はまた、ベリリウムのような軽元素の複雑な核反応機構を解明するための角度相関中性子スペクトルの測定手段にも使える。

論文

壁の中で何が起きているか?

村田 勲*; 今野 力

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 50(9), p.574 - 579, 2008/09

核融合炉では、プラズマ内に閉じ込められた荷電粒子が第一壁に激しく衝突している。それらはしかし、そこで即座にエネルギーを失うため、それより深く侵入することはない。一方、プラズマ内では、核融合反応により、大量の中性子が発生している。中性子は電荷を持たないため壁を透過しやすい。しかもこの中性子のエネルギーは約14MeVと高く、壁の奥にまで到達できる。中性子は、こうして第一壁の外側領域に設置されたブランケットと呼ばれる領域に達し、さまざまな相互作用(核反応)を引き起こす。ここでは、そこで何が起こっているのかについて中性子核反応と数値シミュレーションの助けを借りて説明する。

論文

High-magnetic-field X-ray absorption spectroscopy of field-induced valence transition in EuNi$$_2$$(Si$$_{1-x}$$Ge$$_x$$)$$_2$$

松田 康弘*; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 村田 悠人*; 野尻 浩之*; 村上 洋一*; 光田 暁弘*; 和田 裕文*; 宮崎 寛*; 原田 勲*

Journal of the Physical Society of Japan, 77(5), p.054713_1 - 054713_7, 2008/05

 被引用回数:25 パーセンタイル:74.44(Physics, Multidisciplinary)

EuNi$$_2$$(Si$$_{1-x}$$Ge$$_x$$)$$_2$$の磁場誘起価数転移を低温でX線吸収実験から研究した。Euの価数の磁場依存性を初めて直接的に観測したものである。40T以上の磁場において価数の低下を観測した。Euの価数はゼロ磁場の2.75から40Tで2.33になった。この結果を理論モデルで解析した。量子力学的混成に重要な、混成パラメータVとエネルギー差$$Delta$$$$E$$を求めた。

論文

Experimental study on breakup reaction of beryllium and carbon induced with 14-MeV neutrons based on emitted charged-particle measurements

近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義*; 今野 力; 西谷 健夫

Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.1, p.407 - 410, 2008/05

ベリリウムと炭素は核融合炉の重要な材料であり、4体ブレークアップ反応である$$^{9}$$Be(n,2n+2$$alpha$$)反応と$$^{12}$$C(n,n'+3$$alpha$$)反応についての詳細な知見が工学的な見地から求められている。これらの反応からの放出粒子の二重微分断面積を正確に評価するためには、核反応の機構を正確に把握する必要がある。これは核物理学的観点からも興味ある課題である。そこで、われわれが開発した原子力機構のビーム状DT中性子源を利用した新しい荷電粒子計測システムを用いて、ベリリウムと炭素からのアルファ粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。さらに核反応機構の推定のため、アルファ粒子を放出する反応経路ごとの放出スペクトルを運動学に基づくモンテカルロ法により計算し、得られた実験値や過去の中性子放出二重微分断面積の測定値と比較を行った。$$^{9}$$Be(n,2n+2$$alpha$$)反応に関しては、$$^{9}$$Be(n,$$alpha$$)$$^{6}$$He*(Ex$$geq$$1.8MeV)反応の寄与がかなり大きいことが明らかになった。$$^{12}$$C(n,n'+3$$alpha$$)反応については、$$^{12}$$C(n,$$alpha$$)$$^{9}$$Be*(Ex$$geq$$2.43MeV)反応の寄与が確認され、この反応が中性子放出二重微分断面積の低エネルギー部分の構造を説明するのに重要であることが明らかになった。

論文

Measurement of the angle-correlated neutron spectrum for the $$^{9}$$Be(n,2n) reaction with a pencil-beam DT neutron source

村田 勲*; 高木 智史*; 四間 公章*; 近藤 恵太郎; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫; 今野 力

Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.2, p.999 - 1002, 2008/05

(n,2n)反応は核融合炉設計において非常に重要な反応である。本研究では、核融合炉で最も重要な元素の1つであるベリリウムについて、(n,2n)反応により放出される2個の中性子を直接同時計数法によって測定し、角度相関スペクトルから(n,2n)反応断面積を導出した。実験では原子力機構FNS施設のビーム状DT中性子源を利用した。2台のNE213検出器を用い、放出される2個の中性子を高効率で測定するため、測定試料の非常に近くに検出器を配置した。得られた波高スペクトルはFORISTコードでアンフォールディングを行ってエネルギースペクトルに変換した。検出器の応答関数はSCINFULコードによって評価した。導出された(n,2n)反応の角度分布は、測定エネルギー範囲である800keV以上の比較では、JENDL-3.3がENDF/B-VIより良い一致を示した。800keV以上の(n,2n)反応断面積は双方のライブラリとも10%以内で実験値とよく一致した。

論文

Measurement and analysis of neutron-induced alpha particle emission double-differential cross section of carbon at 14.2 MeV

近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 45(2), p.103 - 115, 2008/02

 被引用回数:10 パーセンタイル:56(Nuclear Science & Technology)

炭素は核融合炉の候補材の構成元素として重要であるが、核発熱や材料損傷の計算に必要な$$alpha$$粒子放出二重微分断面積の測定値が過去1例しか存在していなかった。本研究では核融合中性子工学用中性子源施設FNSにおいて、14.2MeV中性子入射による炭素からの$$alpha$$粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。DT中性子ビームとカウンターテレスコープ法の利用によって優れたS/N比,高い角度・エネルギー分解能,幅広い測定エネルギー範囲を実現した。得られた$$^{12}$$C(n,$$alpha_{0}$$)$$^{9}$$Be$$_{(ground state)}$$反応断面積は過去の測定値及び評価済み核データと良い一致を示した。$$^{12}$$C(n,n'+3$$alpha$$)反応の$$alpha$$粒子放出角度微分断面積は強い前方性を示し、直接過程の寄与が大きいことを示唆する結果を得た。$$^{12}$$C(n,n'+3$$alpha$$)反応に寄与する多くの反応チャンネルへの分岐比を推定するため、放出粒子のスペクトルを運動学に基づいたモンテカルロ法によって計算することを試みた。解析の結果、$$^{12}$$C(n,$$alpha$$)$$^{9}$$Be*反応チャンネルが放出粒子の二重微分断面積を再現するうえで重要であることを明らかにした。本研究では$$^{12}$$C(n,n'+3$$alpha$$)反応における$$^{12}$$C(n,$$alpha$$)$$^{9}$$Be*チャンネルへの分岐比をおよそ40%程度と推定したが、これは過去の研究で示唆されたものよりかなり大きい値である。

論文

Verification of nuclear data for DT neutron induced charged-particle emission reaction of light nuclei

近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 宮丸 広幸*; 高木 智史*; 志度 彰一*; 今野 力; 西谷 健夫

Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2786 - 2793, 2007/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.73(Nuclear Science & Technology)

中性子入射による荷電粒子放出反応は発電炉を見据えた核融合炉開発において極めて重要である。核反応で放出された荷電粒子は材料中で直ちに停止するため局所的な核発熱を引き起こす。また材料の損傷や多量のガス放出の原因となる。これらの物理量を正確に評価するためには全反応断面積だけではなく、放出エネルギーと角度に対する微分情報、すなわち二重微分断面積が必要である。しかし、二次中性子に関する二重微分断面積に比べて二次荷電粒子に関する二重微分断面積は測定の困難さのために実験データの蓄積が進んでいない。筆者らは、特に核融合炉で多く用いられる軽元素について高精度で二重微分断面積を測定することを目指し、ビーム状中性子源を利用した荷電粒子測定手法を開発した。われわれはこれまでに十分な測定がなされていない軽元素に対する系統的な測定を進めている。特に提案されているブランケット及び第一壁の構成材料であるリチウム,ベリリウム,カーボン,酸素,フッ素,シリコンは重要度が高いと考えられる。われわれはこれまでにベリリウム,カーボン,フッ素についての測定を完了し、引き続きリチウム7のDDXc測定を計画中である。本会議では、われわれの測定データと3つの主要な評価済み核データ(JEF-3.1, ENDF-B/VI, JENDL-3.3)の現状と比較結果を示す。また、今後測定が必要と思われる元素についても評価済み核データの現状について簡単なレビューを述べる。

論文

Charged-particle spectrometry using a pencil-beam DT neutron source for double-differential cross-section measurement

近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義; 高木 智史*; 志度 彰一*; 高橋 亮人*; 西谷 健夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 568(2), p.723 - 733, 2006/12

 被引用回数:15 パーセンタイル:70.56(Instruments & Instrumentation)

重水素-三重水素核融合反応(DT反応)による中性子誘起荷電粒子放出二重微分断面積(DDXc)は、核融合炉における核発熱や照射損傷を評価するために必要である。特に軽元素のDDXc精密測定のため、ペンシルビーム状中性源とシリコン表面障壁型検出器によるカウンターテレスコープを利用した新しい測定手法を提案した。この手法により、これまでに報告されている測定手法に比べ高いS/N比,良好なエネルギー・角度分解能,幅広い測定エネルギー,良好な粒子弁別能が実現された。測定手法の妥当性評価のため、$$^{27}$$Al(${it n,x$alpha$}$)反応からの$$alpha$$粒子測定と$$^{1}$$H(${it n,n}$)反応による弾性反跳陽子の測定を行った。この結果に基づき、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。

報告書

ビーム状DT中性子を用いた荷電粒子放出二重微分断面積測定手法の開発(協力研究)

近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 西谷 健夫; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 高橋 亮人*

JAEA-Research 2006-016, 50 Pages, 2006/03

JAEA-Research-2006-016.pdf:6.25MB

核融合炉における核発熱,照射損傷の評価に必要となる荷電粒子放出二重微分断面積の精密測定のため、従来の測定手法の欠点を克服する測定手法を開発した。日本原子力研究開発機構核融合中性子工学用中性子源施設FNSのペンシルビーム状中性子源とシリコン半導体検出器によるカウンターテレスコープ法を用いることで、良好なS/N比,エネルギー分解能,角度分解能,粒子弁別能,幅広い測定エネルギー範囲を現実的な測定時間のもとで達成できる。この手法を用いて、$$^{27}$$Alからの放出$$alpha$$粒子測定と水素の弾性散乱による反跳陽子測定を行った。これらの測定結果に基づいて、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。

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