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渡辺 淑之; 岩切 宏友*; 村吉 範彦*; 加藤 太治*; 谷川 博康
Plasma and Fusion Research (Internet), 10, p.1205086_1 - 1205086_2, 2015/12
材料中の水素は、格子欠陥(転位,欠陥集合体,析出物,粒界など)と強く相互作用して材料の特性・形状変化を促進させることが懸念されているが、そのメカニズムについてはいまだ十分に明らかになっていない。本発表の内容は、F82H鋼の主要析出物であるクロム炭化物(CrC)を対象とし、同炭化物中の水素の存在状態を電子論的に評価した内容をまとめたものである。解析より、同炭化物中の水素原子の安定構造はCrに囲まれた三方両錐体中心位置であり、各原子の電荷に起因した構造であることを明らかにした。また、算出された水素の形成エネルギーは-0.48eV(発熱型反応)であった。ここで、純鉄中の水素原子の形成エネルギーが+0.25eV(吸熱型反応)であることから、F82H鋼中において水素原子は、Feベースの母相よりもCrCベースの析出物に捕獲されている方がよりエネルギー的に有利である可能性が示唆された。これらの知見は、照射下材料の水素効果を予測するための要素技術開発に重要となる。
渡辺 淑之; 岩切 宏友*; 村吉 範彦*; 加藤 太治*; 谷川 博康
no journal, ,
低放射化フェライト鋼(RAFM)は、核融合炉ブランケット構造材料として期待されている。近年のさまざまな実験により、RAFM中の主要析出物であるMC炭化物がその内部に水素同位体を大量に捕獲する可能性が指摘されているが、その機構論的な理解は十分に得られていない。本研究では、核融合炉の寿命評価や事故時のリスク評価のための技術開発に貢献することを目的とし、CrC析出物の水素同位体捕獲挙動を機構論的に明らかにすることを試みた。具体的には、第一原理(電子状態)計算を実施し、同析出物中の水素原子の存在状態(安定構造、形成エネルギー)を評価した。さらに、得られた情報をもとに、同析出物における水素同位体の最大捕獲量(上限値)を算出した。これらの情報は、同析出物における水素同位体の拡散・放出過程評価モデルの重要なパラメータとなる。