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論文

Direct observation of symmetrization of hydrogen bond in $$delta$$-AlOOH under mantle conditions using neutron diffraction

佐野 亜沙美; 服部 高典; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; Molaison, J. J.*; Dos Santos, A. M.*; Tulk, C. A.*

Scientific Reports (Internet), 8(1), p.15520_1 - 15520_9, 2018/10

 被引用回数:42 パーセンタイル:92.69(Multidisciplinary Sciences)

含水鉱物の高圧相である$$delta$$-AlOOHについて、地球深部に相当する高圧環境下で水素結合に関連すると考えられる物性の変化が起きることが報告されていたが、その原因については議論があった。今回、J-PARC MLFのPLANETおよびSNSのSNAPにおける高圧下中性子実験により$$delta$$-AlOOHの水素位置の圧力変化を観測し、水素原子が二つの隣接する酸素原子間の中点に存在するようになる「水素結合の対称化」が、地下約520kmに相当する圧力18万気圧で起きることを初めて直接観察した。またそれより少し低い圧力下では、前駆現象として、水素が酸素間の中点をはさんだ二つの等価な位置をそれぞれ1/2の確率で占めるディスオーダー状態が起きること、また水素をその同位体である重水素に置き換えると変化の起きる圧力が高圧側に移動することも見出した。これらの現象が起きた圧力は、先行研究により見つかっていた、圧縮挙動の変化や弾性波速度の上昇といった物性変化が起きる圧力とほぼ一致しており、水素結合の対称化とその前駆現象が鉱物の性質に大きな影響を及ぼしていることが、今回初めて実験的に裏付けられた。

論文

Design and performance of high-pressure PLANET beamline at pulsed neutron source at J-PARC

服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 小松 一生*; 山田 明寛*; 稲村 泰弘; 中谷 健; 瀬戸 雄介*; 永井 隆哉*; 内海 渉; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 780, p.55 - 67, 2015/04

 被引用回数:68 パーセンタイル:98.97(Instruments & Instrumentation)

PLANETは高温高圧実験に特化された飛行時間型の中性子ビームラインである。パルス中性子回折実験用に設計された大型の6軸型マルチアンビルプレスを用いることで定常的には高温高圧下約10GPa、2000Kでのデータ測定が可能性である。きれいなデータを取得するために、ビームラインには入射スリットと受光スリットが装備してあり、高圧アセンブリからの寄生散乱が除去可能である。$$Delta$$$$d$$/$$d$$=0.6%の高い分解能、0.2-8.4${AA}$の広いデータ取得可能$$d$$レンジおよび高い寄生散乱除去性能により、高温高圧下での結晶および液体の高精度な構造決定が可能となっている。

論文

Phase transitions and hydrogen bonding in deuterated calcium hydroxide; High-pressure and high-temperature neutron diffraction measurements

飯塚 理子*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 後藤 弘匡*; 八木 健彦*

Journal of Solid State Chemistry, 218, p.95 - 102, 2014/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:33.91(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

重水素化したカルシウム水酸化物(Ca(OD)$$_{2}$$)の高圧その場中性子散乱実験を、J-PARCのパルス中性子を用い、パリ-エジンバラプレスとマルチアンビルプレスを用いて行った。常圧には回収できない、高圧常温相の水素位置を含めた原子位置を初めて求めた。高圧下において水素結合が曲がっていることが明らかになり、これはラマン分光の結果と調和的である。高温高圧相に関しては、先行研究の常圧下に回収して求められた構造と一致した。これらの観測結果から、高圧下における相転移はCaO多面体で構成される層のスライドと、Ca原子の変位、Ca-O再構成と水素結合の配向の変化によりおこることが明らかとなった。

論文

Pressure responses of portlandite and H-D isotope effects on pressure-induced phase transitions

飯塚 理子*; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 牛嶋 大地*; 中野 智志*; 佐野 亜沙美; 永井 隆哉*; 八木 健彦*

Physics and Chemistry of Minerals, 38(10), p.777 - 785, 2011/12

 被引用回数:10 パーセンタイル:33.42(Materials Science, Multidisciplinary)

含水鉱物ポートランダイト(Ca(OH)$$_{2}$$)の高圧下におけるラマンスペクトル,IRスペクトル及びX線回折実験を行った。ラマンスペクトル,IRスペクトルの測定では、Ca(OH)$$_{2}$$では高圧相への相転移がCa(OD)$$_{2}$$よりも低圧でおき、相転移圧力には同位体による違いがあった。X線回折実験では高圧相が28.5GPaまで安定に存在し、以前報告のあったアモルファス化は静水圧条件下では見られないことが明らかになった。

論文

Neutron powder diffraction under high pressure at J-PARC

内海 渉; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 有馬 寛*; 永井 隆哉*; 奥地 拓生*; 神山 崇*; 上床 美也*; 松林 和幸*; 八木 健彦*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 600(1), p.50 - 52, 2009/02

 被引用回数:13 パーセンタイル:64.85(Instruments & Instrumentation)

高圧をかけると多くの物質がその性質を大きく変える。高圧下の回折実験はそれらの現象を理解するうえで最も基本的な構造に関する情報を与える。J-PARCにおいて高圧下でのその場中性子回折実験が可能になれば、水素を含んだ結晶や軽元素液体などの高圧下での構造に関する優れた研究成果が得られると期待されている。現在検討中の中性子光学系や高圧発生装置について紹介する。

論文

緊急時環境線量情報予測システム(世界版)WSPEEDI第2版の開発

寺田 宏明; 永井 晴康; 古野 朗子; 掛札 豊和; 原山 卓也*; 茅野 政道

日本原子力学会和文論文誌, 7(3), p.257 - 267, 2008/09

緊急時環境線量情報予測システム(世界版)の第2版、WSPEEDI-IIを開発した。これは、放射性核種の大気中濃度,地表沈着量、及び被ばく線量の計算により、国外原子力事故の日本への放射線影響の迅速な予測が可能である。WSPEEDI-IIは、実用に際して有用な次の機能を有する。(1)非静力学気象モデル導入により実現された、対象スケールに応じた適切な時・空間的分解能での放射性核種の大気拡散予測,(2)放出源情報が不明な場合に大気拡散予測結果と環境モニタリングデータから放出状況を予測する放出源推定機能,(3)欧米の同種の緊急時大気拡散予測システムとの大気拡散予測情報の交換機能,(4)システムの容易な操作が可能なWebベースの計算支援機能,(5)東アジア域での原子力事故への迅速な対応。本論文では、これらの新たなWSPEEDI-IIの機能について報告する。

報告書

数値環境システムSPEEDI-MP

永井 晴康; 茅野 政道; 寺田 宏明; 原山 卓也*; 小林 卓也; 都築 克紀; Kim, K.; 古野 朗子

JAEA-Research 2006-057, 67 Pages, 2006/09

JAEA-Research-2006-057.pdf:13.49MB

数値実験によるさまざまな環境研究に資することのできる環境研究ツール「数値環境システムSPEEDI-MP」の構築を行った。SPEEDI-MPは、大気,陸域,海洋の物理モデル及び物質循環モデル等の数値実験ツール,数値実験ツールの入力用データベースと、データ管理,可視化等の支援機能により構成される。数値実験ツール開発の一環として、多数のモデルを結合できるモデルカップラーを開発した。このモデルカップラーを用いて、大気,海洋,波浪,陸水、及び地表モデルの5モデルからなる水循環結合モデルシステムを開発した。支援機能はWebベースのGUIで操作可能であり、ユーザーは各自のPCからインターネット経由でシステムの全機能を使用可能である。システムに導入された放出源推定機能については、ITBL-Gridを活用して多数の計算機からなる分散環境での計算実行可能なシステムを開発した。また、水循環結合モデルシステムの適用試験として、洪水再現計算及び高潮再現計算を実施した。

論文

Pressure dependence of effective pair potentials in AgBr determined by extended X-ray absorption fine structure

吉朝 朗*; 村井 敬一郎*; 永井 隆哉*; 片山 芳則

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 40(4A), p.2395 - 2398, 2001/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.35(Physics, Applied)

AgBrにおける広域X線吸収微細構造(EXAFS)のデバイワーラー因子の圧力依存性をキュムラント展開法によって調べた。キュービックアンビル型装置(MAX90)と筑波のフォトンファクトリーの放射光を用いて、Br K吸収端のEXAFSスペクトルを透過法によって、室温高圧下($$leq$$9.1GPa)で測定した。有効対ポテンシャル$$V(u)=au^{2}/2+bu^{3}/3!$$を評価し、2.1,4.2及び6.1GPaでのポテンシャル係数$$a$$として、それぞれ1.59(4),1.75(4),1.91(4)eV/$$AA^{-2}$$を得た。3次のキュムラント$$sigma_{3}$$は圧力と伴に増加したが、3次の非調和ポテンシャル係数$$b$$のエネルギーは圧力によってもほとんど一定であった。

論文

Melting of portlandite up to 6GPa

福井 宏之*; 大高 理*; 永井 隆哉*; 桂 智男*; 舟越 賢一*; 内海 渉

Physics and Chemistry of Minerals, 27(6), p.367 - 370, 2000/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:21.58(Materials Science, Multidisciplinary)

マルチアンビルを用いた高圧下でのDTA測定及び放射光その場X線観察の手法により、ポートランダイト(Ca(OH)$$_{2}$$)の融解曲線を6GPa,1000$$^{circ}C$$までの領域で測定した。融解はcongruentであり、融解曲線は負の勾配を持つこと、すなわち、液相Ca(OH)$$_{2}$$は、この圧力領域では結晶相より高密度であることが明らかになった。

論文

Phase relations of Ca(OH)$$_{2}$$ under high-temperature and high-pressure conditions

福井 宏之*; 大高 理*; 桂 智男*; 永井 隆哉*; 舟越 賢一*; 内海 渉; 亀卦川 卓美*

Science and Technology of High Pressure, p.554 - 557, 2000/00

高圧下での示差熱解析並びに放射光X線その場観察により、水酸化カルシウムの8GPaまでの融点の圧力変化を測定した。融点は、圧力増加に伴って下降し、6GPaでは、約600$$^{circ}$$Cになった。さらに圧力を増加させると、融点は上昇に転じ、固相にこのあたりの相転移があることを示唆され、実際にX線観察によりBaddeleyite構造の新高圧相が発見された。

口頭

J-PARCの共用開始と中性子利用高圧研究の戦略

内海 渉; 阿部 淳; 服部 高典; 深澤 裕; 山内 宏樹; 井川 直樹; 鍵 裕之; 有馬 寛*; 荒川 雅; 小松 一生*; et al.

no journal, , 

J-PARCが、2008年12月より施設共用運転が開始され、世界最高レベルのパルス中性子を利用して、高圧下における物質・材料研究や地球科学研究が大きく発展することが期待されている。J-PARCのビームライン整備状況や、中性子利用高圧研究の戦略について概要を報告する。

口頭

Strategy of high pressure research with pulsed neutron at J-PARC

内海 渉; 鍵 裕之*; 服部 高典; 有馬 寛; 小松 一生*; 阿部 淳; 永井 隆哉*; 奥地 拓生*; Harjo, S.; 相澤 一也; et al.

no journal, , 

J-PARCは、大強度陽子加速器施設であり、世界最強クラスのパルス中性子を発生できる。J-PARCの運用開始により、高圧下の物質科学や地球内部構造探求が大きく進展することが期待されている。最初の高圧実験が、工業材料回折装置(BL19)で行われた。また、2011年の運用開始をめざして高圧専用ビームラインの建設も始まった。

口頭

Change in compression in M$$^{3+}$$OOH oxyhydroxide and implication for hydrogen bond symmetrization

佐野 亜沙美; 八木 健彦*; 岡田 卓*; 後藤 弘匡*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 亀卦川 卓美*

no journal, , 

InOOH-type M$$^{3+}$$OOH with distorted rutile structure is one of the densest polymorph among oxyhydroxide, and has a strong hydrogen bond. Previous X-ray diffraction study on aluminum oxyhydroxide, $$delta$$-AlOOH(D), reported the change in axial compressibility and axial ratio at high pressure. This change has been attributed to the transition from the structure with asymmetric hydrogen bond (spacegroup P2$$_{1}$$nm) to disordered or symmetric hydrogen bond (Pnnm), that is previously predicted by theoretical and neutron studies. To investigate the detail of the change in compression mechanism in InOOH-type M$$^{3+}$$OOH, we conducted compression experiments on InOOH-type GaOOH (P2$$_{1}$$nm) and CrOOH (guyanaite; Pnnm). In GaOOH, similar behavior to $$delta$$-AlOOH was obtained: b/c decreases rapidly as pressure increases to 10 GPa, but it increases at the pressure range from about 10 to 30 GPa. On the other hand, b/c of CrOOH simply increases to 31 GPa.

口頭

Change in compressibility of M$$^{3+}$$OOH oxyhydroxide at high pressure

佐野 亜沙美; 八木 健彦*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 小松 一生*

no journal, , 

Applying pressure to linear hydrogen bond induces the decrease of O...O distances and the formation of a strong hydrogen bond. InOOH type M$$^{3+}$$OOH (M = Al, Cr, Fe, Ga...) with distorted rutile type structure is one of the densest polymorph among oxyhydroxide, and has a strong hydrogen bond even at ambient conditions. In $$delta$$-AlOOH, theoretical studies have predicted that a symmetric hydrogen bond would be formed at high pressure. To investigate experimentally the symmetrization in MOOH oxyhydroxide, we conducted (1) neutron diffraction experiment of $$delta$$-AlOOD and (2) compression experiment on various M$$^{3+}$$OOH oxyhydroxide (M = Al, Ga, In, Cr). Combining these results, I will discuss the relation between the change in compression behavior of M$$^{3+}$$OOH and the symmetrization of hydrogen bond.

口頭

J-PARC超高圧中性子回折装置PLANETの目指すところと建設状況

服部 高典; 有馬 寛; 片山 芳則; 内海 渉; 永井 隆哉*; 井上 徹*; 鍵 裕之*; 八木 健彦*

no journal, , 

「超高圧中性子回折装置(通称: PLANET)」は、J-PARC/BL11に建設されている高圧中性子実験に特化した新しい中性子分光器である。その主たる目的は、地球内部に存在する水素,水が地球ダイナミクスに及ぼす影響を調べることである。最大の特徴は、世界でも類をみない1500トン級の大型高圧プレス(通称: 圧姫)を分光器室内に導入し、超高圧高温(20万気圧, 2000K以上)における物質(結晶・液体)の状態を、回折、イメージング技術を使って調べることができる点である。上記の目的を果たすために、モデレータとして、非結合型を採用し、光学系として、短波長強度重視のガイドミラー,チョッパー群(T0$$times$$1, ディスク$$times$$2)を擁している。2cm□に絞られた中性子は、ターゲットから25mの位置におかれた試料に入射し、回折中性子は3HePSD検出器が配置された90度バンク(L2=1.5m)で、透過中性子は中性子CCDカメラで検出される。測定可能dレンジは、0.21-4.2A、測定分解能は$$Delta$$d/d=0.5%である。本装置は、本年度より建設を始めており、平成23年度からのビーム利用実験を計画している。

口頭

J-PARC超高圧中性子回折装置PLANETの概要と現状

服部 高典; 有馬 寛; 阿部 淳; 佐野 亜沙美; 内海 渉; 永井 隆哉*; 鍵 裕之*; 飯高 敏晃*; 片山 芳則; 井上 徹*; et al.

no journal, , 

新しい高圧中性子ビームラインPLANETが、J-PARCの生命物質科学研究施設(MLF)に建設されている。本稿では、そのデザインコンセプトと建設の現状を紹介する。PLANETは、高圧下での物質,鉱物中の水,水素の状態を調べるために建設されている中性子粉末回折計である。その最大の特徴は、最大荷重1500トンを持つ大型プレスが配備されることである。この装置と、最新の中性子技術を組合せることで、物質,鉱物に対する水や水素の影響を、約10GPa,数千Kの条件で調べることができる。この分光器を使うことにより、hydrousな地球及び惑星の深部の状態を推測することできると期待される。

口頭

High-pressure beamline (PLANET) at the spallation neutron source in J-PARC

鍵 裕之*; 服部 高典; 有馬 寛; 阿部 淳; 佐野 亜沙美; 片山 芳則; 内海 渉; 永井 隆哉*; 井上 徹*; 飯高 敏晃*; et al.

no journal, , 

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)は世界で最も強力な核破砕型中性子源の一つである。われわれは高圧実験専用の粉末回折系(PLANET)をBL-11に建設している。PLANETは地球深部の含水鉱物やマグマ,軽元素の液体など、水素を含む物質の構造研究を目的としている。本装置は、大型のマルチアンビル型油圧プレスを用いることによって、20GPa, 2000Kまでの粉末や液体/ガラスの回折及びラジオグラフィー実験を可能にする。

口頭

High pressure neutron diffraction experiment at SNAP

佐野 亜沙美; 小松 一生*; 服部 高典; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*

no journal, , 

米国オークリッジ国立科学研究所(ORNL)内にあるSNSはJ-PARCと同じく高強度のパルス中性子施設である。SNS内のSNAPはパリ-エジンバラプレスやモアッサナイトアンビルセルといった小型の対向型高圧装置を使用し、50GPaに至る超高圧実験を行うことを目指して建設された高圧専用ビームラインである。今回は含水鉱物$$delta$$-AlOOH相内に形成された強い水素結合の圧力応答を調べることを目的として、パリ-エジンバラプレスを用いた高圧実験を行ってきたので、その様子を報告する。

口頭

米国パルス中性子施設SNSのSNAPにおける高圧中性子実験

佐野 亜沙美; 服部 高典; 内海 渉; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*

no journal, , 

米国オークリッジ国立科学研究所(ORNL)内にあるSNSはJ-PARCと同じく高強度のパルス中性子施設である。今回は含水鉱物$$delta$$-AlOOH相内に形成された強い水素結合の圧力応答を調べることを目的としてパリ-エジンバラプレスを用いた高圧実験をSNAPにて行ってきたので、その様子を報告する。この含水鉱物は常圧下において強い水素結合を形成しているが、第一原理計算により水素が二つの酸素間の中心に位置する水素結合の対称化が高圧下で起きると予測されている。既に重水素化物(AlOOD)についての9.2GPaまでの中性子回折実験は行っているが、対称化の直接観察には至っていなかった。そこで同位体効果からより低圧で対称化が起きると予測される水素化物(AlOOH)についての実験を実施した。さまざまなジオメトリーや遮蔽を試し、最終的には常温において異なる荷重で6$$sim$$12時間程度データを収集しながら、最終的には100ton, 7GPaまでのデータを取得した。空間群P2$$_{1}$$nmに固有なピークが弱くなっていくのが観測され、高圧下において水素がディスオーダーもしくは対称化した際の空間群Pnnmへの相転移が示唆される。

口頭

歪んだルチル型の含水鉱物における大きなD/H同位体効果

佐野 亜沙美; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 服部 高典

no journal, , 

歪んだルチル構造をとる$$delta$$-AlOOHは地球の下部マントル条件でも安定な含水鉱物である。第一原理計算により、高圧下で水素が二つの酸素原子間の中点に位置する水素結合の対称化が起きると予言された。高圧下におけるX線回折実験では、対称化に伴うと考えられる圧縮挙動の変化が見つかったが、その圧力はAlOOHでは10GPa、AlOODでは12GPaと異なる。本研究ではこの同位体効果について明らかにするため、$$delta$$-AlOOHについての高圧下中性子散乱実験を米国SNSの高圧専用ビームラインSNAPにて行った。圧力はパリ-エジンバラプレスで発生し、各圧力で得たデータについてリートベルト解析を行い、水素位置を含む原子位置を精密化した。実験では0, 2.5, 4.1, 5.6, 6.7, 7.1GPaでデータを取得した。120反射の強度が圧力とともに小さくなり、6.7GPaではほぼ消滅した。このことはPnnmへの相転移を示唆しており、対称化直前に起きるディスオーダーが起きたと考えられる。また水素結合の圧力変化には大きな同位体効果がみられ、過去に求められた重水素化物における実験の結果と比較するとO-H距離はO-D距離よりも同じ圧力において長く、またH...O距離はD...O距離よりも短かった。

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