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中島 邦久; 高井 俊秀; 古川 智弘; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Materials, 491, p.183 - 189, 2017/08
被引用回数:8 パーセンタイル:61.27(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉のシビアアクシデント時、ボロンの影響を考慮した熱力学平衡計算によれば、燃料から放出されるCsの気相中での主な化学形の一つとして、CsBO(g)が生成すると予想されている。しかし、核燃料や核分裂生成物などの熱力学データを収めた編纂物によれば、これまで報告されているCsBOの蒸気圧データの不確かさのために、この解析に使用されたCsBO(g)の熱力学データの信頼性は乏しいと評価されている。そのため、信頼性の高いCsBO(g)の熱力学データを得ることを目的に、高温質量分析法によるCsBOの平衡蒸気圧測定を試みた。その結果、CsBOの平衡蒸気圧測定データを用いて、第二法則,第三法則処理により評価した気体CsBOの標準生成エンタルピーH(CsBO,g)は、それぞれ、-700.710.7kJ/mol, -697.010.6kJ/molとなり、過去に報告されている蒸気圧データを用いて得られた第二法則,第三法則処理によるH(CsBO,g)の差異よりも小さくなったことから、これまでよりも信頼性の高い熱力学データを取得できたことが分かった。さらに、既存のH(CsBO,g)についても、本研究で得られたH(CsBO,g)の値と誤差の範囲で一致したことから、信頼性が高いことが分かった。
高井 俊秀; 中島 邦久; 古川 智弘
JAEA-Technology 2015-002, 20 Pages, 2015/03
ソースターム評価手法の高度化を目指し、核分裂生成物等に係る基礎熱力学データを拡充するため、模擬FP化合物の平衡蒸気圧測定技術の開発を試みた。測定技術の開発にあたって、既存の高温質量分析計について、高質量数の模擬FP蒸気種の測定と、試料充填・取出し時の変質防止の観点から改造を行い、模擬FP化合物の平衡蒸気圧測定を可能とした。標準試料(銀)を用いた機能確認、模擬FP試料(ルテニウム系試料)を使用した性能確認を実施した。模擬FP試料を使用した試験結果を基に、固相の酸化ルテニウム(IV)の酸素の解離圧と標準生成エンタルピーを評価した結果、文献値と一致することを確認した。これにより、今回整備した試験装置を用いて、高精度の熱力学データの取得が可能であることを確認できた。
佐藤 勇; 三輪 周平; 田中 康介; 中島 邦久; 廣沢 孝志; 岩崎 真歩; 大西 貴士; 逢坂 正彦; 高井 俊秀; 天谷 政樹; et al.
Proceedings of 2014 Water Reactor Fuel Performance Meeting/ Top Fuel / LWR Fuel Performance Meeting (WRFPM 2014) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2014/09
シビアアクシデントに関する新たな研究計画を遂行し、BWRシステムにおけるFP放出及び移行挙動の評価を行う。この計画の目的は、CsとIに焦点を絞ったFP化学に関する実験データベースを用いて、FP放出・移行モデルの改良を行うことにある。この計画では、CsとIの化学という観点で制御棒材料であるBCに含まれているBの影響に注目した。モデル改良に用いられる実験データベースは、BWRの雰囲気をシミュレーションした幅広い酸素分圧及び水蒸気分圧用に新たに用意した試験機を用いて得られる結果から構成される予定である。これらの実験的研究・分析の準備状況が紹介される。加えて、一部の試験が実行に移され、こちらで想定した移行過程のひとつでCsとI移行に対するBの化学的影響を確認することができた。ここでは、Cs化合物とB蒸気またはエアロゾルの反応が生じていると考えられる。すなわち、この実験では析出したCsIに対するBの剥ぎ取り効果が観察された。
今井 卓*; 中島 裕貴*; 田口 健治*; 柏 達也*; 北澤 敏秀*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一
Proceedings of 2011 International Symposium on Antennas and Propagation (ISAP 2011) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2011/10
核燃料サイクルの一環として、使用済核燃料から生成されるPu/U硝酸溶液のマイクロ波加熱により、MOX燃料が製造されている。本論文では、円筒型オーブンキャビティ内の固体のPu/U混合硝酸媒体の電力吸収特性及び円偏波入力による効果の解析を行った。数値シミュレーションにより、円偏波の入射が円筒型キャビティ内に設置された媒体の吸収電力の均一性を改善することが明らかとなった。
新宮 和喜*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*
JNC TJ7420 2005-066, 99 Pages, 2000/03
岐阜県と富山県の県境付近に位置する神岡鉱山茂住坑には,断層を横断する活断層調査坑道があり,総合的な活断層の調査研究が行われている。本報告書は,断層周辺の応力場を測定する乾式破砕応力測定法の確立のために,室内にて鋼管載荷試験と数値シミュレーションを実施した。
新宮 和喜*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*
JNC TJ7420 2005-063, 242 Pages, 1999/03
岐阜県と富山県の県境付近に位置する神岡鉱山茂住坑には,断層を横断する活断層調査坑道があり,総合的な活断層の調査研究が行われている。断層周辺の応力場を測定する乾式破砕応力測定法の確立のために,室内載荷試験と数値シミュレーションを実施した。
竹村 友之*; 迫垣内 薫*; 高橋 英一郎*; 武部 晃充*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*; 山之内 浩文*
JNC TJ7420 2005-041, 129 Pages, 1999/03
岐阜県北端の神岡鉱山茂住孔には,跡津川断層系の茂住祐延断層を横断する活断層調査坑道があり,本坑道を利用して活断層に関する様々な研究が行われている。本調査では,活断層調査坑道における茂住祐延断層周辺の水理特性を把握することを目的とし,試錐コア調査・透水試験・湧水の分析を実施した。
新宮 和喜*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*
JNC TJ7420 2005-038, 39 Pages, 1998/03
岐阜県北端の神岡鉱山茂住孔には,跡津川断層系の茂住祐延断層を横断する活断層調査坑道があり,本坑道を利用して活断層に関する様々な研究が行われている。本調査では,活断層およびその周辺の水理地質構造解明のための基礎データを取得することを目的として,平成9年12月1日から平成10年3月13日の約3ヶ月半の間,活断層調査坑道ならびに長棟坑道で,既存試錐孔を用いて間隙水圧の連続観測を実施した。
竹村 友之*; 新宮 和喜*; 迫垣内 薫*; 西川 有司*; 岡田 洋一*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*
JNC TJ7420 2005-035, 152 Pages, 1998/03
富山県と岐阜県の県境付近に位置する跡津川断層系では,地震発生機構の研究や新たな地震観測手法の開発を目的にした,総合的な活断層の調査研究が行われている。本件のうち,現地地質調査では,跡津川断層系の茂住祐延断層の3次元構造を明らかにすることを目的にして,地表及び坑内の地質調査を実施した。また応力測定試験では,断層周辺の応力場を測定する乾式破砕応力測定法の確立のために,セメントモルタル供試体と鋼管による室内載荷試験と数値解析を実施した。
竹村 友之*; 新宮 和喜*; 高橋 英一郎*; 岡田 洋一*; 武部 晃充*; 中嶋 敏秀*; 井上 敏夫*
JNC TJ7420 2005-033, 128 Pages, 1998/03
岐阜県北端の神岡鉱山茂住孔には,跡津川断層系の茂住祐延断層を横断する活断層調査坑道があり,本坑道を利用して活断層に関する様々な研究が行われている。本調査では,活断層調査坑道における,茂住祐延断層の破砕帯周辺の水理特性を把握することを目的とし,試錐コアの調査やルジオン試験及び簡易透水試験を実施した。
山田 毅*; 新宮 和喜*; 高橋 英一郎*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*; 山本 延彦*; 鈴木 高志*
PNC TJ7187 97-002, 586 Pages, 1997/11
岐阜県土岐市の動力炉・各燃料開発事業団東濃地科学センター土岐分室敷地内において、孔長500mのDH-5号孔が深部地下水調査を目的として掘削された。本報告書は、地表から下部深部までの地質構造、地質環境の有する水理学的・地球化学的特性を把握するため、このDH-5号孔の深部地下水調査結果をまとめたものである。主な調査項目は以下の通りである。1)岩芯の採取・記載2)物理検層(一般検層項目、フローメータ検層、レーダー法シングルホール測定)3)ボアホールテレビ観察4)透水試験(透水試験、揚水試験)5)原位置における物理化学パラメータ測定6)地下水の採水7)地下水の化学分析以上の調査を行った結果、以下のことが明らかになった。・調査区間全体の地質は花崗閃緑岩であり、深度約410mに断層がある。深度約310mよりも深い位置では断層に近づくにつれ風化や変質が激しくなっている。・断層よりも上部では、深度約150m付近に破砕部があり、この付近を境に上下の岩盤で岩相が異なる。・深度約150mから断層までの間には、亀裂沿いに酸化した部分がある。これは地下水の流動を示唆するものであり、フローメータ検層、温度検層で水の流入が確認された。また、この酸化帯付近では透水係数が高く、卓越する亀裂の方向性も破砕部の上部と異なる。・深度323.8330.8mの地下水特性は、物理化学パラメータの測定から還元性で弱アルカリ性である。また、地下水の年代は同位体分析による数十年程度と判定され、水質はCa(HCO3)2型を判断された。
新宮 和喜*; 堀之口 賢治*; 中嶋 敏秀*
PNC TJ7187 97-001, 170 Pages, 1997/03
陸域地下構造フロンティア研究では、活断層の形成メカニズム(地震の発生メカニズム)を解明することを目的として、活断層(跡津川断層系)を横断する調査坑道を掘削している。本坑道および本坑道近傍では、活断層の力学特性、水理特性等を把握するための試錐孔が掘削されている。本資料は、これらの試錐孔のうち、調査ボーリングB孔、応力No.1孔および応力No.2孔で実施した孔内調査(検層等)の結果を取りまとめたものである。実施した調査は、以下の通りである。1.岩芯調査(調査ボーリングB孔、応力No.1孔、応力No.2孔)2.物理検層1)音波検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)2)PS検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)3)自然放射能検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)4)電気検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)5)温度検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)6)キャリパー検層(調査ボーリングB孔、応力No.1孔)7)孔曲検層(調査ボーリングB孔)3.ボアホールスキャナー観測(調査ボーリングB孔、応力No.1孔、応力No.2孔)岩芯調査の結果、調査ボーリングB孔は主に砂岩、礫岩、頁岩層から構成されており、応力No.1孔および応力No.2孔は砂岩、頁岩から構成されている。ボアホールスキャナー観測および物理検層は、地層および岩盤の性状を定量的に表している。以上の調査結果は、活断層の力学特性、水理特性を把握するための一資料として供される。しかし、これらの特性を把握するためには、今回の資料だけでは不十分であり、今後様々な場所で多種多様な調査を行うことを提案する。
濱 博也*; 山田 毅*; 井出 光良*; 高橋 英一郎*; 山本 勝也*; 中嶋 敏秀*; 渡部 武雄*
JNC TJ7440 2005-074, 270 Pages, 1995/05
1997年、岐阜県土岐市泉町定林寺の動力炉・核燃料開発事業団(現、核燃料サイクル開発機構)東濃地科学センター土岐分室敷地内において、孔長502.3mのDH-5号孔が深部地下水調査を目的として、土岐花崗岩中に掘削された。本報告書は、地表から地下深部までの地質構造、地質環境の有する水理学的・地球化学的特性を把握するため、このDH-5号孔の深度323.8330.8mの深層地下水を対象とした調査結果をまとめたものである。調査項目は以下のとおりである。(1)地下水の採水、(2)原位置における物理化学パラメータ測定、(3)連続地上採水中の主要化学成分分析、(4)地下水の化学分析以上の調査を行った結果、以下のことが明らかとなった。・物理化学パラメータ測定によると、地下水は、アルカリ性で、低還元性かつイオン溶解物の少ない低緩衝性である。また、硫化物イオンはほとんど含まれていない。・同位体分析によると、地下水は、太平洋側の天水を起源とし、数十年程度の比較的新しい年代のものであると推測される。・トリリニヤーダイヤグラムによる水質区分では、アルカリ土類重炭酸塩型に、水質化学相では、陽イオン相がCa-Na、陰イオン相がHCO-Cl-SOに分類される。・微生物分析では、地下水中に亜硝酸酸化菌・亜硝酸還元菌・硝酸還元菌が検出された。
新宮 和喜*; 佐藤 英太郎*; 阿達 一宏*; 工藤 昌克*; 石塚 善章*; 堀之口 賢治*; 中嶋 敏秀*
JNC TJ7400 2005-007, 214 Pages, 1995/03
本調査は,地層科学の一環として,断層活動が周辺の地質環境に与える影響を調査し,地質環境の長期安定性の評価に資することを目的としている。本年度行った調査は,既存の空中写真を使って地形解析調査を行った。次に,平成4年度に実施した茂住祐延断層近傍に開削された長棟地域構造坑道内の試錐孔において,孔内試験を実施した。まず,長棟No.1孔において,S-200による応力測定を実施し,応力の経時変化を追跡した。次に長棟No.3孔において,比較的岩質の良い箇所を選択し,そこでS-200による応力計測を実施した。
新宮 和喜*; 堀之口 賢治*; 中嶋 敏秀*; 古守 久美*
JNC TJ7400 2005-005, 250 Pages, 1994/03
本調査は,断層周辺の応力状態を調査することにより断層活動が地質環境に与える力学的な影響の範囲と程度が,地表のみならず地下深部でどのように変化しているかを調査し,地層科学研究の重要な課題である地質環境の長期安定性を明らかにするための基礎資料を提供することを目的としている。本年度行った調査は,前年度に実施した茂住祐延断層近傍に開削された長棟地域構造坑道内の試錐孔の同一計測地点で2面破砕法により応力測定を行い,応力の経時変化を追跡し,更に,その近傍で傾斜試錐を掘削し,その試錐孔で調査を実施した。
野村 和則; 渡部 創; 朝倉 俊英; 駒 義和; 佐野 雄一; 松村 達郎; 小泉 健治; 中島 靖雄; 森田 泰治; 鷲谷 忠博
no journal, ,
FBRサイクル全体の環境保全性,核不拡散性向上を目的として、マイナーアクチニド(MA)をMOX燃料とともにリサイクルするシステムを構築するため、HLLWからMAを分離回収する技術の開発が必要であり、その候補技術として抽出クロマトグラフィ法によるMA回収技術の開発を進めている。高レベル放射性廃液(HLLW)からのAm及びCm回収のための抽出クロマトグラフィシステムとしてTODGAとR-BTPの2段サイクルを選択し、目標達成を見通すことのできるAm及びCmの分離性能を実験室規模の試験で示すとともに、同システムの工学規模への基本的な適用性と開発課題を工学規模装置を用いたコールド試験等により示した。
高井 俊秀; 中島 邦久; 古川 智弘; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント進展解析コードによる破損燃料からの核分裂生成物の放出挙動評価の高精度化に向けて、FP化合物等の信頼性の高い熱力学データを整備することが必要である。本報告では種々の化学形の模擬FP試料の平衡蒸気圧測定に向けて、高温質量分析計の整備を行い、信頼性を評価した結果について述べる。
高井 俊秀; 中島 邦久; 古川 智弘; 逢坂 正彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所における燃料デブリの取出し準備や、ソースターム評価の高度化に向け、炉内の放射性物質分布評価精度を向上させるためには、雰囲気や制御棒材との高温化学反応の影響を考慮した計算モデルを開発し、シビアアクシデント進展解析コードの改良を進めることが必要である。こうした化学的影響評価には、熱力学解析が有益であることから、FP化合物等の熱力学データベース拡充を目的として、高温質量分析法によるFP化合物平衡蒸気圧測定試験を実施することとし、測定技術の開発を行うとともに、その信頼性評価を実施した。
逢坂 正彦; 三輪 周平; 山下 真一郎; 高井 俊秀; 中島 邦久; 古川 智弘; 永瀬 文久
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント(SA)時の核分裂生成物(FP)放出・移行挙動評価の高度化においてはFP化学の解明が重要であり、それらはソースターム不確かさ低減に資する。このため、FP化学に着目したFP放出・移行挙動評価のための新しい研究を開始した。本発表では、研究内容とともに、燃料からの放出直後のFP化学形予測結果及びステンレス(SS)へのCs化学吸着挙動に関して述べる。燃料からの放出直後の化学形は、Cs, I, Mo、及びBについての放出速度の雰囲気依存性を考慮した上で化学平衡計算により評価した。その結果、支配的な蒸気種は雰囲気に応じて変化し、BC存在下ではCs-B-O化学種が支配的になることが分かった。一方、Cs化学吸着による生成物は文献調査の結果からCs-Cr-O及びCs-Si-Oに区分され得ることが分った。
中島 邦久; 高井 俊秀; 古川 智弘; 逢坂 正彦
no journal, ,
熱力学的性質がほとんど知られていないCs-B-O系化合物の高温質量分析法による平衡蒸気圧測定のために、CsBO等化合物を調製し、粉末X線回折装置等を用いて相状態を調べた結果、斜方晶系の結晶構造であることが分かった。