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湊 和生; 白鳥 徹雄; 芹澤 弘幸; 林 君夫; 宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 平井 睦*; 天谷 政樹*
Journal of Nuclear Materials, 288(1), p.57 - 65, 2001/01
被引用回数:21 パーセンタイル:80.2(Materials Science, Multidisciplinary)照射した燃料の熱伝導率は、燃料温度に直接かかわる物性であり、重要である。円盤状のUO及びUO-10wt%GdO試料を作製し、約4%FIMAまで照射した後、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。照射済み試料の熱伝導率は、未照射試料に比べて減少したが、約1800Kまで熱拡散率を測定した後の試料では、点欠陥の回復により、熱伝導率の一部回復が認められた。照射中の温度の急上昇において1273K以上を経験した試料では、熱伝導率の一部回復の幅が小さかった。これは、熱伝導率の減少に寄与している照射による点欠陥が、高温で照射中に回復したためであることを明らかにした。
宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 白鳥 徹雄; 林 君夫
Journal of Nuclear Materials, 288(1), p.20 - 28, 2000/09
被引用回数:19 パーセンタイル:77.9(Materials Science, Multidisciplinary)本論文は、平成8~9年度に行った原研-日本核燃料開発(株)(NFD)共同研究のまとめの一部である。原研JRR-3Mにおいて、550-630の等温条件で被覆管による拘束圧力なしに51,86及び90GWd/tの高燃焼度まで照射したUO燃料ディスクについて、詳細な組織観察、元素分析及び密度測定を行った。ペレット被覆管相互作用(PCI)拘束力のリム構造形成に及ぼす効果を明らかにするため、得られたデータを高燃焼度ジルカロイ被覆管型燃料ペレットについてこれまでに報告された結果と比較した。86及び90GWd/tの高燃焼度ディスクについては、巨大気泡及び高気孔率を伴う多孔性のリム構造が認められたが、51GWt/dのディスクについては認められなかった。気孔率増加のデータなどから、粗大化したリム気泡の析出と成長が燃料のスエリングを引き起こしたことが結論された。また、与えられた局所燃焼度の文献データとの比較において、リム気泡サイズや気孔率が大きく異なっているのは、外部のPCI拘束効果が異なることに起因する可能性を指摘した。
宇根 勝巳*; 野北 和宏*; 須澤 洋二郎*; 林 君夫; 伊藤 邦雄*; 栄藤 良則*
International Topical Meeting on Light Water Reactor Fuel Performance, 2, p.775 - 785, 2000/00
平成9年度まで旧燃料研究部燃料照射研究室と日本核燃料開発(NFD)の間で実施した共同研究の成果を含む発表である。NFDがOECDハルデン炉により被覆管拘束下で照射した燃料(平均60GWd/t)と、上記共同研究としてJRR-3により85-90GWd/tの高燃焼度照射した無拘束ディスク状燃料の状態を照射後試験によって調べ、比較検討した。無拘束(ディスク状)では、リム構造を形成する気泡が直径5~6mに異常成長していたのに対して、被覆管拘束下(ハルデン炉)では最大1.5-2mであり成長が抑制されていた。気孔率も無拘束の14-18%に対して、拘束下では7-8%と低かった。結論として、PCI拘束はリム構造形成に大きな影響を与え、その結果スエリング、FPガス放出、燃料温度に大きな影響を与える。