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寺田 典樹*; Khalyavin, D. D.*; Manuel, P.*; 長壁 豊隆; Radaelli, P. G.*; 北澤 英明*
Physical Review B, 89(22), p.220403_1 - 220403_6, 2014/06
被引用回数:29 パーセンタイル:74.69(Materials Science, Multidisciplinary)強くフラストレートした反強磁性体CuFeOにおいて、その磁気秩序に対する圧力効果を、静水圧力下中性子回折実験により研究した。主要な結果は、この物質の圧力-温度相図を明らかにしたことで、その相図は、4つの磁気秩序相で構成されており、そのうち2つは誘電相でもある。特に、3GPaP4GPaの圧力領域において、プロパースクリュー磁気秩序相(ICM2)が安定化するが、この構造は、磁場あるいはドーピングによって誘起される強誘電相のものと一致することが明らかとなった。さらに、4GPa以上では、新たな低対称のICM3相が現れる。この相は、デラフォサイト型のマルチフェロイック物質群の中でも特有のもので、サイクロイドとプロパースクリューのスピン構造が混合したものと考えられる。この物質で観測される圧力に対する連続した磁気秩序の変化は、大気下では単斜晶へのゆがみによって解消するスピンフラストレーションが、高圧力によって抑制されるためと考えられる。
寺田 典樹*; 長壁 豊隆; Khalyavin, D. D.*; Manuel, P.*; Radaelli, P. G.*; 北澤 英明*
no journal, ,
ハイブリッドアンビルセルを用いて三角格子反強磁性体CuFe0の中性子回折実験を3.2GPaまでの高圧力下で行った。CuFe0の常圧下の基底状態は、 =(1/4, 1/4, 3/2)の長距離秩序を示すが、加圧下ではこれと異なった格子非整合の磁気秩序相を持つことを明らかにした。この相中の3.2GPa, 1.5Kにおいて、我々は、(, , 3/2)や(1-, 1-, 3/2) ( 0.2)という磁気反射を観測したが、これは、この物質における磁場による誘起、あるいは非磁性原子のドープが誘起する強誘電体相の格子非整合磁気構造の反射と一致することが明らかとなった。つまり、高圧力の印可によって、この物質に強誘電相が誘起された可能性を示すものである。