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町田 晃彦; 齋藤 寛之; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
Nature Communications (Internet), 5, p.5063_1 - 5063_6, 2014/09
被引用回数:55 パーセンタイル:86.02(Multidisciplinary Sciences)鉄と水素との反応は水素脆性などな材料科学の問題や、地球内核の鉄中の水素の有無なども地球科学の問題を考える上で重要であり、広く興味が持たれている。鉄は高温高水素圧力下において水素化物を形成するが、常温常圧では不安定であるため、水素化物の形成過程や状態を観測するには高温高圧力下でその場観察を行う必要がある。本研究ではJ-PARC/MLFのBL11 PLANETを利用して高温高圧力下中性子回折実験を実施し、鉄の重水素化過程および面心立方晶構造の鉄重水素化物における重水素原子の占有位置と占有率の決定を行い、これまで考えられていた八面体サイトだけでなく四面体サイトの一部も重水素原子が占有することを世界で初めて明らかにした。さらに量子力学的計算に基づいて二つのサイトを占有するメカニズムについて考察を行った。
高木 成幸*; 池庄司 民夫*; 松尾 元彰*; 佐藤 豊人*; 齋藤 寛之; 青木 勝敏; 折茂 慎一*
Applied Physics Letters, 103(11), p.113903_1 - 113903_4, 2013/09
被引用回数:9 パーセンタイル:37.98(Physics, Applied)We used density-functional calculations to clarify the origin of the unusual sevenfold coordination of Ru by H in NaRuH. We found that the symmetry of the ligands enables the formation of strong covalent bonds of Ru and H through ligand-field effects, stabilizing the sevenfold coordination. We also examined the possible synthesis of the hypothetical 3 analog, LiFeH, which has a gravimetric hydrogen density of 8.4 mass%. The calculated enthalpychange of -16 kJ/mol H for the reaction, 3LiH + Fe + 2H LiFeH, reveals a possible route to a stable complex hydride containing [FeH].
佐藤 龍太郎*; 齋藤 寛之; 遠藤 成輝; 高木 成幸*; 松尾 元彰*; 青木 勝敏; 折茂 慎一*
Applied Physics Letters, 102(9), p.091901_1 - 091901_4, 2013/03
被引用回数:29 パーセンタイル:73.44(Physics, Applied)The formation process of perovskite-type hydride LiNiH was investigated using synchrotron X-ray diffraction measurements. A mixture of LiH and Ni was hydrogenated at 873 K and 3 GPa, and the structural changes associated with hydrogenation were observed. Time resolved diffraction profiles showed a three-step reaction: hydrogenation of Ni to NiH, formation of LiNiH solid solution, and conversion to perovskite-type hydride LiNiH. The solid solution, which has never been reported, plays the role of the precursor in the perovskite formation and its presence is apparently critical for synthesizing perovskite-type hydrides.
高木 成幸*; 齋藤 寛之; 遠藤 成輝; 佐藤 龍太郎*; 池庄司 民夫*; 松尾 元彰*; 三輪 和利*; 青木 勝敏; 折茂 慎一*
Physical Review B, 87(12), p.125134_1 - 125134_6, 2013/03
被引用回数:14 パーセンタイル:53.53(Materials Science, Multidisciplinary)A metallic perovskite-type hydride LiNiH was synthesized based on first-principles prediction. We theoretically examined its electronic structure and found that half of the Ni-H derived antibonding states are occupied and that the modest thermodynamic stability depends on a delicate balance between (1) destabilization and (2) alleviation of compression frustration in corner-sharing octahedra, both of which arise from occupation of antibonding states. Through density-functional analyses of the electronic structure and lattice instability extending over LiH series ( = Fe, Co, Ni, and Cu), we showed that the balance is in fact reflected in their thermodynamic stability.
松尾 元彰*; 齋藤 寛之; 町田 晃彦; 佐藤 龍太郎*; 高木 成幸*; 三輪 和利*; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 折茂 慎一*
RSC Advances (Internet), 3(4), p.1013 - 1016, 2013/01
被引用回数:19 パーセンタイル:53.62(Chemistry, Multidisciplinary)The novel complex hydride YLiFeH with the Fe-H complex anion ([FeH]) was synthesized by hydrogenation of YFe together with additional Li. Li adjusts the original imbalanced charge between Y and [FeH] by donating an electron to convert into Li during the hydrogenation, resulting in the formation of the well charge-balanced state of YLi[FeH].
中塩 信行; 樋口 秀和; 門馬 利行; 小澤 一茂; 藤平 俊夫; 須藤 智之; 満田 幹之; 黒澤 重信; 邉見 光; 石川 譲二; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(3), p.441 - 447, 2007/03
被引用回数:9 パーセンタイル:54.87(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構は、低レベル放射性固体廃棄物を溶融,高圧圧縮処理等によって減容,均一,安定化できる高減容処理施設を建設整備した。本施設の運転によって、処分に適した廃棄体を作製できるだけでなく、現在貯蔵している廃棄物も減らすことができる。本施設は、大型廃棄物の解体設備を有する解体分別保管棟と、溶融設備,高圧圧縮設備を有する減容処理棟からなる。解体分別保管棟の解体設備は1999年7月に供用を開始した。これまでの処理廃棄物は750mに達し、減容比は1.7-3.7であった。減容処理棟では、2003年2月より作業者の訓練や溶融処理における廃棄物均一化条件把握を目的とするコールド運転を実施している。2005年度より減容処理棟の前処理設備において実廃棄物を用いた運転を一部開始した。
樋口 秀和; 門馬 利行; 中塩 信行; 小澤 一茂; 藤平 俊夫; 須藤 智之; 満田 幹之; 黒澤 重信; 邉見 光; 石川 譲二; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
日本原子力研究所は、表面線量率が2mSv/h以下の低レベル固体廃棄物を対象として、高い減容比と安定性が得られる溶融処理及び高圧縮処理を行う高減容処理施設を建設整備した。本施設により将来の処分に適した廃棄物パッケージを作製するとともに廃棄物の蓄積を減少することができる。本施設は解体分別保管棟及び減容処理棟から構成される。解体分別保管棟の解体設備では、タンクや塔槽類等200ドラム缶以上の大型廃棄物を、材質や形状に応じて、レーザー切断機,プラズマ切断機等適切な切断機器を選択して切断する。本設備は1999年7月より供用を開始し、前年度まで大型廃棄物を約600m処理し、約1/3に減容した。減容処理棟における処理対象廃棄物は、難燃物やガラス,コンクリート,金属等の不燃物である。放射能評価の容易な原子炉施設から発生した金属廃棄物は、高圧圧縮装置で減容する。その他の放射性物質の種類と量が多種多様な廃棄物は均一化することにより放射能評価が容易に行える金属または非金属溶融設備により減容を行う。減容処理棟は、2003年に整備を終了し、現在、作業者の訓練や均一化のための溶融条件把握のためのコールド運転を実施中であり、2005年度より実廃棄物を用いた運転を開始する予定である。
樋口 秀和; 佐藤 元昭; 平林 孝圀*; 田中 貢
Proceedings of 2nd International Conference on Safewaste 2000, Vol.1, p.314 - 322, 2000/00
高減容処理施設は、将来の処分に備えて低レベル放射性廃棄物の減容・安定化を行うためのものであり、大型廃棄物の解体処理を行う「解体分別保管棟」並びに金属廃棄物及びガラス、コンクリート等の雑固体廃棄物を溶融または高圧縮により減容する「減容処理棟」から構成する。解体分別保管棟では、減容安定化処理の前処理として、大型廃棄物の解体、分別をレーザー切断機等を用いて行う。減容処理棟では、廃棄物を材質ごとに分別した後、高圧圧縮装置または溶融処理装置により減容安定化処理を行う。溶融処理装置は、高周波誘導加熱による金属溶融設備及びプラズマ加熱による雑固体溶融設備から構成する。本施設の年間処理能力は200ドラム缶換算で約10,000本であり、処理により減容比は約1/3~約1/6である。金属廃棄物の溶融物は容器に成型し、雑固体溶融設備より排出するスラグの受け容器として再利用することができる。
佐藤 元昭
RANDECニュース, (42), p.8 - 9, 1999/07
高減容処理施設の第1棟となる解体分別保管棟が完成した。高減容処理施設は、解体分別保管棟と第2棟の減容処理棟(計画中)から成り、廃棄物を解体、分別し、高圧縮や溶融により減容するとともに、セラミック質固化体等の処分が可能な廃棄体とする。解体分別保管棟は、地上3階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、地下1階から地上2階が廃棄物の保管室(ドラム缶換算約22000本)、地上3階が大型廃棄物の解体室である。解体室では、大型の放射性金属廃棄物を、レーザやプラズマ等で解体・切断し、ブラストによる汚染除去、放射能測定などを行い、減容処理棟での溶融や高圧縮処理、将来のクリアランスの適用を考慮して、材質や放射能レベルに従って区分する。解体分別保管棟の完成により、処分を目指した高減容処理の実現に近づいた。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
新規水素化物や空孔-水素クラスター形成の研究には格子間水素の情報が必要である。これまで高温高圧下における結晶構造のその場観察はこれまで放射光X線を利用した実験に限られていたが、X線回折では格子間水素の情報を得ることができない。格子間水素を含めた構造決定には中性子回折実験が必要となる。大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設に超高圧中性子回折装置PLANETが完成したことによって、高温高圧下の中性子回折実験が可能となった。そこで我々は高温高圧下水素流体中における放射光X線回折その場観察技術を改良した中性子回折実験技術の開発と試作した高圧セルを用いて、鉄の水素化過程における中性子回折実験を実施し、高温高圧下における構造解析を試みた。7.4GPaにおいて475Cまで加熱しながら中性子回折パターンの取得を行った。測定時間は120秒であるが、相の同定や格子定数の変化は観測可能なデータの取得ができることが確認できた。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
鉄水素化物は数GPaの高水素圧力下でのみ熱力学的に安定な物質であり、bcc-FeH(), dhcp-FeH(), fcc-FeH()の3つの状態が300-2000K, 0-20GPaで存在することが知られている。これまで、中性子その場観察による鉄重水素化物の研究は行われていないが、J-PARCの物質・生命科学実験施設に建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察が実現した。中性子回折用に開発した高圧セルを用いて、7GPa, 1000Kまでの高温高圧力下における中性子回折パターンの測定に成功し、約800Kにおける鉄のbcc-fcc相転移と続いて起こるfcc-Feの重水素化の観測に成功した。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
高温高圧力下における金属の水素化反応を利用することによって、これまで新規水素化物の探索や水素誘起超多量空孔形成に関する研究が多く実施されている。水素-金属系で観測される現象の理解には格子間水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報を得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実施し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。約680Cにおける回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。これらの結果について詳細に報告する。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
高温高圧力下における金属と水素の反応は新規水素化物の生成、水素誘起超多量空孔形成といった興味深い現象を引き起こす。水素-金属系で観測されるこうした現象の理解には格子間に侵入している水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報をその場で得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実現し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。高温高圧力下における中性子回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。重水素化過程の詳細とリートベルト解析結果について報告する。
齋藤 寛之; 高木 成幸*; 飯島 祐樹*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; 青木 勝敏*; 折茂 慎一*
no journal, ,
水素貯蔵の目的に加えて、イオン伝導・超伝導などの機能性材料創出とその物性研究を目的として新規水素化物の合成研究が進められている。固体の金属と水素ガス(高温高圧下では水素流体)が共存するよりも、固体の水素化物を生成した方が系の体積が小さくなるため、高圧化では新規水素化物が実現しやすくなると期待できる。発表者らはあらかじめ理論計算により新規水素化物の合成可能性を評価し、得られた結果をもとに合成研究を進めている。また、高温高圧化の合成条件を決定するために、SPring-8の放射光を利用したその場観察実験を行っている。本発表では高温高圧法を用いて合成された錯体水素化物について紹介する。