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論文

A Method for the prediction of the dose rate distribution in a primary containment vessel of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

奥村 啓介; Riyana, E. S.; 佐藤 若英*; 前田 裕文*; 片倉 純一*; 鎌田 創*; Joyce, M. J.*; Lennox, B.*

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.108 - 112, 2019/01

福島第一原子力発電所(1F)の原子炉格納容器(PCV)内における線量率分布の予測手法を確立するため、以下の一連の計算を行った。(1)事故時の燃料組成を得るための燃焼計算、(2)不純物を含む炉内構造物の放射化計算、(3) IRIDによる事故解析の結果に基づくPCV中のCs汚染分布の推定、(4) PCV内の放射性核種の崩壊計算、(5)線量率を得るための光子輸送計算。これらの計算の後、ドライウェル周辺のCs濃度を、IRIDによるPCV調査で測定された局所線量率の結果と一致するように修正した。

報告書

マイナーアクチニド添加炉心の核特性評価; BFS-69, BFS-66-2臨界実験の解析

羽様 平; 佐藤 若英*

JAEA-Research 2010-028, 101 Pages, 2010/09

JAEA-Research-2010-028.pdf:2.97MB

ロシアの物理エネルギー研究所との共同研究「多量のNpを種々の臨界集合体に添加したときの炉物理特性の変化に関する研究」の第2報としてBFS-69体系及びBFS-66-2体系に関する実験情報と解析結果をまとめた。実験では各体系においてNp装荷(約8kg)の有無が異なる2種類の炉心について臨界性,Naボイド反応度,制御棒価値,反応率比などの核特性が測定されている。原子力機構の標準的な高速炉解析手法に4種類(JENDL-3.2, JENDL-3.3, JENDL/AC-2008, ENDF/B-VII)の核データを適用した。臨界性の解析結果はBFS-69体系について過大評価する傾向があり、JENDL-3.3とJENDL/AC-2008で顕著である。過大評価が小さいENDF/B-VIIとの差異はおもにNaの平均散乱角余弦(1MeV付近)にある。Naボイド反応度の解析結果にはJENDLの3種類の結果に同様なずれがある。ENDF/B-VIIとの差異は、おもにNaの散乱関連の断面積(1MeV付近)と$$^{239}$$Puの核分裂断面積(1keV付近)にある。Naボイド反応度,制御棒価値,反応率比の測定値はNpの装荷により有意な変化が確認されている。解析値はその変化を実験誤差内で再現しており、Np装荷による解析精度の悪化はないといえる。

報告書

SLAROM-UF; Ultra fine group cell calculation code for fast reactor, version 20090113 (Translated document)

羽様 平; 千葉 豪; 佐藤 若英; 沼田 一幸*

JAEA-Review 2009-003, 59 Pages, 2009/05

JAEA-Review-2009-003.pdf:17.17MB

SLAROM-UFは高速炉用格子計算コードであり、詳細群計算と超微細群計算を組合せることにより実用的な計算時間で高精度な計算を実現する。詳細群計算は全エネルギー範囲に対して自己遮へいテーブルを用いて実効断面積を評価する。非均質体系では東稔の方法が適用できる。超微細群計算は52.5keV以下で共鳴構造をほぼ再現できる詳細群構造(約10万群)を有し、弾性散乱と吸収反応に特化した積分型減速方程式を解くことにより、効率的に厳密な中性子スペクトルを求め、実効断面積を得る。温度はユーザーにより任意に設定できる。超微細群計算で得られた実効断面積は詳細群計算に反映され、格子平均断面積が求められる。52.5keV以上に詳細な群構造を有する900群の詳細計算に超微細群計算を使用すれば全エネルギー範囲で連続エネルギーモンテカルロ法と同等の精度で実効断面積を得ることができる。SLAROM-UFは格子計算コードSLAROMの後継であり、その機能をすべて兼ね備えており、高速炉解析システムJOINT-FRで利用するためのインターフェースも装備されている。

報告書

SLAROM-UF; 高速炉用超微細群格子計算コード

羽様 平; 千葉 豪; 佐藤 若英*; 沼田 一幸*

JNC TN9520 2004-001, 97 Pages, 2004/03

JNC-TN9520-2004-001.pdf:3.25MB

多様な高速炉に対して高精度に実効断面積を作成できる高速炉用格子計算コードSLAROM-UFを開発した。SLAROM-UFは50keV以下では約10万群の超微細群計算を、それ以上のエネルギー領域では最高900群の詳細群計算を実施することにより、非均質格子体系に対しても燃料、冷却材、構造材間の共鳴による相互干渉効果を精度良く扱うことができる。温度についても超微細群計算では格子内で任意に設定することができる。SLAROM-UFの利用例として、JUPITER臨界実験解析の代表的な核特性に対して適用し、従来の格子計算コードを用いた場合に比べて、臨界性で0.1%、Naボイド反応度で4%、反応率分布で数%の解析値が改善することを確認した。超微細群計算の効果は、Naボイド反応度の非漏洩項に顕著であり、群数詳細化の効果については炉心内スペクトルの空間依存性が顕著な場合に有効である。連続エネルギーモンテカルロコードMVPによる計算値と比較すると、臨界性で0.2%、ボイド反応度で数%以内、非均質性の強いZPPR-13Aの径方向反応率分布に対しても1%以内で一致する。従来の格子計算コードを用いた場合に比べると、MVP計算値との差異は約半分に低減している。SLRAOM-UFはJOINTシステムヘの対応や非等方拡散係数などサイクル機構で現在使用されている既存格子計算コードの機能をすべて兼ね備えており、現システムを変更することなく利用することができる。

報告書

BN-600ハイブリッド炉心の核設計精度評価結果

庄野 彰; 佐藤 若英*; 羽様 平; 岩井 武彦*; 石川 真

JNC TN9400 2003-074, 401 Pages, 2003/08

JNC-TN9400-2003-074.pdf:48.95MB

ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力の一環で実施したBFS-62体系の臨界実験解析結果を反映し、BN-600ハイブリッド炉心の核設計精度をサイクル機構の高速炉核特性解析システムを用いて評価した。 BN-600ハイブリッド炉心は、ロシアの高速炉発電所BN-600のU02燃料領域の一部をMOX燃料に、また外周のブランケット部をステンレス鋼反射体にそれぞれ置換して構成する。この炉心変更を模擬した一連の臨界実験体系(BFS-62-1$$sim$$4体系)及び他の高速炉体系の実験解析結果をもとに、ベイズの定理に基づく炉定数調整法及びバイアス法を適用して上記炉心の核設計精度を評価した。評価した核特性は、臨界性、核分裂反応率分布、Naボイ度反応度、制御棒価値、燃焼欠損反応度等である。炉定数調整法の適用により、実験データを一切反映しない基本炉定数による場合に比べて、どの核特性についても核設計精度(予測誤差)を概ね半分以下に低減できることを確認した。精度の改善には鉄の弾性散乱断面積の共分散の低減が支配的な役割を果たしたが、これは比較的大きな出力密度を有しU235を主要な核分裂性物質とする燃料部をステンレス鋼反射体によって取り囲むBN-600ハイブリッド炉心の特徴に起因するものである。この他、BFSとZPPR等他の高速炉体系の実験解析結果が整合性を特つこと、及び核設計精度の改善にBFS-62体系の情報が有意に寄与したことを確認した。また、バイアス法は、BFS-62体系をモックアップ体系としてBN・600ハイブリッド炉心に適用する場合には、炉定数調整法に比べて精度改善効果が劣り、実験誤差が大きいもしくは感度係数の相違が大きな核特性についてはほとんど精度を改善できないことがわかった。

報告書

高速炉体系におけるJENDL-3.3の積分テスト

千葉 豪; 羽様 平; 佐藤 若英*; 沼田 一幸*

JNC TN9400 2003-046, 49 Pages, 2003/05

JNC-TN9400-2003-046.pdf:2.23MB

新たに公開された評価済み核データライブラリJENDL-3.3の高速炉核特性解析における性能を評価するため、積分テストを実施した。テストには核燃料サイクル開発機構が有する豊富な臨界実験データ(ZPPR,BFS,MOZART,FCA)、実機試験データ(JOYO)を利用した。プルトニウム燃料を用いた炉心体系では、JENDL-3.2から-3.3への改訂により、臨界性で最大0.3%⊿k程度、Naボイド反応度の非漏洩項で最大5%程度の解析値の改善が見られた。これよりプルトニウム燃料炉心におけるJENDLの改訂の妥当性

報告書

マイナーアクチニド添加炉心の核特性評価; BFS-67臨界実験の解析

羽様 平; 佐藤 若英*; 石川 真; 庄野 彰

JNC TN9400 2003-035, 44 Pages, 2003/05

JNC-TN9400-2003-035.pdf:1.07MB

「多量のNpを種々の臨界集合体に添加したときの炉物理特性の変化に関する研究」としてロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)と共同研究を実施している。その第1報としてBSF-67体系に関する実験情報とサイクル機構(JNC)の解析結果をまとめた。BFS-67体系ではNpの装荷量や装荷位置を変えた4種類の炉心について臨界性、Naボイド反応度、制御棒価値、反応率比などの核特性が測定されている。BFS-62臨界実験解析で実績のあるサイクル機構の標準解析手法で解析し、以下の結果を得た。(1)Naボイド反応度、制御棒反応度のNpの捕獲断面積に対する感度係数がU-238やPu-239と同程度に大きいことを確認した。本実験データはNp装荷炉心の核設計精度の向上に活用できるものであるといえる。(2)臨界性の解析では炉心の種類によらず同程度のC/E値 0.995が得られ、JNCの解析システムで本実験を高精度で解析できることを確認した。(3)Naボイド反応度の解析値は1cent以内で実験値と一致しており、Npを装荷した場合でも高精度で解析できることを確認した。(4)制御棒反応度の解析値は、濃縮B$$_{4}$$Cの制御棒については実験誤差内で一致した。天然B$$_{4}$$Cの制御棒については若干過大評価している。Npの装荷による影響は確認できない。(5)炉心中心反応率比の解析値は、核分裂反応率比について実験値と5%以内で一致した。捕獲反応率比については実験値との差異が10%近く、測定に用いられた放射化箔の位置を正確に反映させる必要がある。

報告書

高速炉用統合炉定数ADJ2000Rの作成

羽様 平; 千葉 豪; 沼田 一幸*; 佐藤 若英*

JNC TN9400 2002-064, 315 Pages, 2002/11

JNC-TN9400-2002-064.pdf:11.61MB

統合炉定数ADJ2000の修正版ADJ2000Rを作成した。ADJ2000RはADJ2000における基本炉定数JFS-3-J3.2の誤りを修正したものである。ADJ2000Rでは、炉定数調整過程において、 調整前C/E値からJFS-3-J3.2の誤りの影響を除去するとともに解析上の誤差を個別の核特性毎に設定した。 そのためADJ2000と比較すると炉定数の調整量は一部で異なっているが、 調整によるC/E値の変化量は等しい。ADJ2000Rの実機設計への適用例として、60万kWe級Na冷却MOX炉の核特性設計値及びその精度を評価した。ADJ2000ではJFS-3-J3.2の誤りを引き継いでいるためドツプラー反応度を10%近く過小評価していたが、ADJ2000Rでは解消されている。基本炉定数JFS-3-J3.2Rを用いた場合との差は燃焼欠損反応度が約6%低下する以外は数%以内である。設計誤差はADJ2000と同程度であり、基本炉定数を使用する場合やバイアス補正法を適用する場合に比べて大幅に低減される。ADJ2000Rは、大型から超小型まで、臨界実験から実機FBRまでの多様な炉心について、燃焼・温度核特性を含む多種の核特性を優れた精度で評価できる性能を有している。ADJ2000Rは一般に公開されており、実用化戦略研究(F/S)でも活用される予定である。

報告書

BFS臨界実験解析-BFS-62-3A及び62-4炉心の解析

羽様 平; 庄野 彰; 岩井 武彦*; 佐藤 若英*

JNC TN9400 2002-036, 113 Pages, 2002/06

JNC-TN9400-2002-036.pdf:4.44MB

ロシア解体核処分支援を目的に、核燃料サイクル開発機構ではロシアの物理エネルギー研究所との共同研究により、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いてBN-600を模擬した実験の解析を実施している。本報告は、BN-600に部分的にMOX燃料を装荷し、ブランケットをステンレス鋼に置換した炉心(BN-600ハイブリッド炉心)の模擬炉心(BFS-62-3A炉心)、及びBFS-62-3A炉心のステンレス鋼をブランケットに戻したBFS-62-4炉心の解析に関するものである。解析はJUPITER実験解析で培われた標準解析手法に基づいて実施した。その結果、臨界性と反応率比については十分な精度で実験値と一致することを確認した。制御棒価値や反応率分布については、BFS-62-4炉心では特に問題は見られなかったが、BFS-62-3Aについてはステンレス鋼領域での反応率分布を約20%過大に、制御棒価値の一部を約10%過小に評価することを確認した。Naボイド反応度については20%以上の過小評価となったが、炉定数の高度化により改善を図った結果、実験値とほぼ一致することを確認した。また、これまでのBFS-62シリーズ間の解析精度を比較することにより、MOX燃料の部分的な装荷は解析精度に有意な影響を与えないことを確認した。本解析では、精度評価に加えてBFS-62-3A炉心によるBN-600ハイブリッド炉心の模擬性が重要であり、両炉心の核特性解析値を比較評価した。その結果、中性子スペクトル、核分裂反応率比、核分裂反応率分布及び制御棒価値については模擬性を有しているが、MOX燃料装荷に伴い重要となるNaボイド反応度については、非漏洩項に大きな差異があることが分かった。

報告書

高速炉用統合炉定数ADJ2000の作成

石川 真; 沼田 一幸*; 佐藤 若英*; 杉野 和輝

JNC TN9400 2001-071, 357 Pages, 2001/06

JNC-TN9400-2001-071.pdf:10.97MB

高速増殖炉の開発において、実機炉心設計の核特性予測精度を高めることは、合理的で高性能な炉心を実現してプラントの経済性を向上させ、また信頼性および安全性の裕度をよりいっそう確保するために、極めて重要な研究課題となっている。臨界実験解析などで得られたC/E値(解析/実験値)を実機設計に反映するために最も有力な手段が、核データの誤差(共分散)、積分実験誤差・解析誤差、炉心毎・核特性毎の感度などを総合してベイズの定理により炉定数を調整する手法であり、ここで得られた炉定数を、積分実験解析情報と微分核データを統合したという意味で、「統合炉定数」と呼ぶ。 これまでにサイクル機構(旧、動燃)が作成してきた総合炉定数と比較して、今回作成した高速炉用統合炉定数ADJ2000の特徴を以下にまとめる。1)我が国の最新データライブラリJENDL-3.2をベースとしていること、2)調整対象となる微分核データに自己遮蔽因子を新たに加え、ドップラー反応度の予測精度向上を可能としたこと、3)シグマ委員会が開発し公開した最新の核データ誤差(共分散)データを採用したこと、4)従来のJUPITER実験データに加え、FCA、「常陽」、BFS、MASURCA、Los Alamos超小型炉心など、多種・多様な炉心からの実機データを採用し、適用炉心の汎用性を飛躍的に高めたこと、5)実機で重要な燃焼・温度核特性も調整用積分データとして仕様したこと、6)解析モデル誤差値の設定及び異常データの排除に統計的な$$chi$$2乗値を適用し、データの客観性を高めたことなのである。ADJ2000は、大型から超小型まで、臨界実験から実機FBRまでの多様な炉心の、燃焼・温度核特性を含む多種の核特性を良い精度で評価できる性能を有している。ADJ2000が、今後、高速炉の解析・設計研究で広く使用されることを期待する。

報告書

核設計基本データベースの整備(XIII) - ZPPR-9微少サンプル反応度実験の解析 -

佐藤 若英*; 福島 学*; 石川 真

JNC TN9400 2001-026, 90 Pages, 2000/09

JNC-TN9400-2001-026.pdf:2.61MB

大洗工学センターでは、将来の実用炉など大型FBR炉心に対する核特性解析技術を高度化し、その核設計精度を向上させることを目的として、これまでに蓄積された豊富なFBR炉物理研究の成果を集大成するための作業を進めている。本報告書は、この核設計基本データベースをさらに拡張し汎用化するために、これまで最新手法による実験解析が行われていなかったZPPR-9炉心の微少サンプル反応度実験の解析・評価を行い、データベースの一部として整備したものである。JUPITERシリーズにおけるZPPR-9炉心の微少サンプル反応度実験(PU-30、U-6、DU-6、SS-1、B-1サンプルの5種類)を、最新の核データライブラリJENDL-3.2と、JUPITER臨界実験解析で確立された最新解析手法を用いて評価した結果、以下の結論が得られた。各領域における補正後平均C/E値について、内側炉心部では、1.0からのずれはおおむね$$pm$$5%程度(SS-1サンプルを除く)におさまることが判明した。また、いずれのサンプルでも外側炉心に行くにつれてC/E値が大きくなる径方向依存性が見られるが、特にB-1サンプルでは径方向依存性が約10%とかなり大きい。引き続いて、従来のJUPITER臨界実験解析に基づく統合炉定数ADJ98を基準とし、今回評価した微少サンプル反応度の解析結果を加えて、炉定数調整に対する影響を検討した。その結果、今回のサンプル反応度の解析は、全体的に、従来のJUPITERデータと炉物理的な整合性を有しており、核設計基本データベースの一部として使用できるものと判断した。

報告書

BFS-58-1-I1炉心の臨界実験解析結果

庄野 彰; 佐藤 若英*; 岩井 武彦*

JNC TN9400 2000-096, 113 Pages, 2000/06

JNC-TN9400-2000-096.pdf:3.1MB

BFS-58-1-I1炉心に関する最新の実験解析結果を報告する。本炉心は、中央部から順にU無し燃料領域、MOX燃料領域、濃縮UO$$_{2}$$燃料領域が配置された特殊な構成を持つ。当初入手した実験情報のうち、物質配置を決定するラッパ管間隔を修正する必要が生じたので、解析を全面的にやり直した。JUPITER解析と同様に、高速炉用70群基本炉定数セットJFS-3-J3.2を用い、プレートストレッチモデルに基づくセル計算によって炉中心反応率比を求めたが、その解析精度が測定誤差では説明できないほど悪いことがわかった。そこで、プレートストレッチモデル適用性の良否を検討するために、ペレットの原子数密度を保存するセルモデルの効果を、連続エネルギーモンテカルロ計算コードMVPを用いて調べた。また、JFS-3-J3.2の適用性の良否を検討するために、高速炉より軟らかな中性子スペクトルで重み付けされたSRACライブラリを用いて一部の核反応断面積を置換した場合の効果を調べた。その結果、MOX燃料領域及び濃縮UO$$_{2}$$燃料領域とは異なり、典型的なNa冷却MOX燃料炉心に比べてきわめて軟らかい中性子スペクトルを示す炉心中心領域(U無し燃料領域)のセル計算では、プレートストレッチモデルが無視できない計算誤差を引き起こすこと、ならびに、JFS-3-J3.2をそのまま適用することは適切でないことがわかった。これらの考察を踏まえ、U無し燃料領域には原子数密度を保存するセルモデルを適用するとともに、JFS-3-J3.2の構造材核種の散乱断面積をSRACライブラリと置換して実効断面積を求めた。その結果、炉中心反応率比に関して測定誤差範囲内の解析精度が得られた。また、臨界性についても、輸送・メッシュ補正後の2次元RZモデル解析値はIPPE及びCEAの報告値と同等の値を得た。さらに、これらの解析情報を考慮した炉定数調整結果を検討した結果、JUPITER実験解析結果との整合性は良好であることを確認した。これらの知見は、解体核処分支援のための共同研究において今後実施するBFS-2臨界実験解析にも適用できる。

報告書

高速炉核特性解析コード群のワークステーションへの移植(その2)

沼田 一幸*; 佐藤 若英*; 横山 賢治; 杉野 和輝

JNC TN9440 2000-009, 127 Pages, 2000/05

JNC-TN9440-2000-009.pdf:3.32MB

これまで、高速炉の核特性解析は一般に大型計算機上で行われてきたが、近年、普及の目覚ましいワークステーション上でその実行を可能とするために、高速炉の核特性解析コード群を大型計算機からワークステーションのUNIX環境に移植している。この報告書はこれまでに行われた移植作業の内容と、高速炉核特性解析コード群のワークステーション上の整備状況についてまとめたものである。従って、本報告書を参照することにより、容易に核特性解析コード群の入手が可能である。「高速炉核特性解析コード群のワークステーションへの移植」では、核特性解析コード群をSUN-W/Sへ移植したことについて報告した。本報告書では、当時、未移植だったコードのSUN-W/Sへの移植と、SUN-W/S以外のワークステーションによる核特性解析を目的とし、SUN-W/Sに移植したコードのDEC-W/Sへの移植について報告する。

報告書

水冷却型増殖炉の核特性に関する検討結果

庄野 彰; 佐藤 若英*; 栗原 国寿

JNC TN9400 2000-037, 87 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-037.pdf:3.48MB

水冷却型増殖炉の核特性の特徴を把握するために、公開文献に基づいて沸騰軽水を冷却材とした炉心、それをベースに冷却材を非沸騰重水及び非沸騰軽水に置換した炉心、ならびに高速炉の代表炉心として大型Na冷却MOX燃料炉心の仕様を設定し、基本的な核特性の比較検討を実施した。高速炉用非均質セル計算コードSLAROMと軽水炉解析に汎用的に用いられているSRACの解析結果を比較し、転換比・中性子スペクトル・エネルギー領域別反応割合・1群断面積等について、両コード間の差は小さく、高速炉核特性評価システムが水冷却型増殖炉の基本的核特性の検討に適用可能であることを確認した。SLAROMコードを用いて上記4種類の炉心の核的パラメータ及び増殖性に見られる相違を考察した。冷却材の変更によって、中性子スペクトル・$$eta$$値・主要エネルギー領域等が変化する傾向を把握した。水冷却型増殖炉では、冷却材中に存在する水素(または重水素)の影響で低エネルギー成分の中性子束が高速炉に比べて増大し、その結果、主要エネルギー領域が低エネルギー側に移行し、核分裂性核種の$$eta$$値が低下するが、MOX燃料を稠密に配置して増殖性を担保する設計であることが理解できた。Pu同位体組成が増殖特性に及ぼす影響をSRACコードの燃焼解析機能を用いて検討し、Pu-240含有率が大きい組成のPuを装荷した場合には転換比が大きく算定される傾向にあることを定量的に評価した。臨界性及び反応率比に対する感度解析により、沸騰軽水冷却増殖炉では、高速炉に比べて、1KeV以下のエネルギー領域における感度が増加することがわかった。断面積不確かさに起因する核設計予測精度評価については、現在核データセンターで共分散データの見直し中であるため、現状の共分散データを用いて暫定解析結果を得た。見直し後の最新共分散データを用いた内部転換比予測精度評価が今後の課題である。

報告書

核設計基本データベースの整備(X) -「常陽」MK-II原子数密度の再評価 -

沼田 一幸*; 佐藤 若英*; 石川 真; 有井 祥夫

JNC TN9410 99-015, 136 Pages, 1999/07

JNC-TN9410-99-015.pdf:3.79MB

核設計基本データベース整備の一環として、「常陽」のMk-II炉心について、その初臨界時の炉心組成を再評価した。今回の再評価の特徴は、炉心解析では今まで考慮されていなかった炉心燃料の中のPu-241の崩壊を、燃料製造データに遡って調査することにより厳密に取り扱い、「常陽」Mk-II炉心の初臨界日(昭和57年11月22日)におけるPu-241とAm-241の原子数密度を評価し直した点である。また、従来あまり寸法や形状を厳密に取扱っていなかった制御棒など燃料以外の領域や、今まで評価されていなかった領域(ダミー燃料、中性子源)の原子数密度も併せて評価を行っているため、今後の解析においては実験解析の精度をさらに向上することが期待できる。炉心解析で使用されていた従来の原子数密度と今回の再評価との主要な相違点を以下にまとめる。(1)燃料集合体の炉心部における重核種の原子数密度の変更は、Pu-239やU-235、U-238などの主要な核種については0.2$$sim$$0.3%程度であった。しかし、今回の見直しのきっかけとなったPu-241は-12%と大きく減少し、炉心解析で使用されていた従来の評価値は、Pu-241の崩壊を考慮しない製造時のままのデータを基にしていたものと推定される。(2)燃料以外では、制御棒と外側反射体Aの原子数密度が大きく変更になった。

報告書

核設計基本データベースの整備, VIII; JUPITER実験解析結果の集大成

石川 眞; 佐藤 若英*; 杉野 和輝; 横山 賢治; 沼田 一幸*; 岩井 武彦*

PNC TN9410 97-099, 512 Pages, 1997/11

PNC-TN9410-97-099.pdf:13.84MB

実証炉や実用炉など大型FBR炉心の核特性解析技術を高度化し、その核設計精度を向上させることを目的として、これまでに蓄積された豊富なFBR炉物理研究の成果を集大成するための作業が進められている。本報告書は、この核設計基本データベース整備作業の一環として、大型FBRの炉心臨界実験であるJUPITER実験について、現時点での最新核データライブラリJENDL-3.2及び最新解析手法を用いて一貫した評価を行った結果をまとめたものである。今回の実験解析に当たっては、汎用的なデータベースとしての基本的要件である"Accountability", "Traceability", "Consistency"などの確保を最重要項目とした。具体的手段として、補正計算を含む全ての解析に一貫した評価の考え方及び手法を用いるとともに、今回の解析で整備した膨大な解析入力データ群は全て、データベースとして整備して計算機ファイルの形で保存した。このため、解析結果に疑問があった場合などにはいつでも再現計算が可能であり、また核データや解析手法の改良があった場合には、その検証のためJUPITERデータを容易に用いることができる。今回のJUPITER実験解析で得られた主要な結論を、以下に示す。(1)臨界性のC/E値は、-0.7$$sim$$-0.3%$$Delta$$kのわずかな過小評価となった。(2)C28/F49反応率比は、従来評価手法では+4$$sim$$+6%の過大評価であったが、モンテカルロ法によるセルファクターの見直しにより、約2%弱の改善が見られた。(3)制御棒価値及び反応率分布の径方向依存性は、均質炉心ではほぼ解消した。(4)従来言われてきたNaボイド反応度の過大評価は、均質炉心で非常に改善された。本報告書で評価したJUPITER解析データの総計は2,300を越えるものとなり、核設計基本データベースとしての整備をほぼ完了した。今回得られたJUPITER各炉心・核特性の解析結果は、その感度係数や実験・解析誤差データなどとともにセットとして整備され、実証炉用統合炉定数の作成などを通じて、大型高速炉の炉心設計と核設計手法の高度化に反映されると期待される。

報告書

核設計基本データベースの整備,VII; JUPITER実験解析の高度化

杉野 和輝; 横山 賢治; 石川 眞; 佐藤 若英*; 沼田 一幸*; 岩井 武彦*

PNC TN9410 97-098, 247 Pages, 1997/11

PNC-TN9410-97-098.pdf:7.05MB

JUPITERは動燃事業団と米国エネルギー省(DOE)との共同研究として、アルゴンヌ国立研究所(ANL-W)の大型高速炉臨界実験装置ZPPR(Zero Power Physics Reactor)を用いて、1978年から1988年にかけて実施された大型高速炉臨界実験であり、本報告書は、JUPITER実験解析の高度化についてまとめたものである。高度化として、具体的に最新の断面積ライブラリの使用と、メカニズムの取り扱いがより詳細なあるいはより計算モデルの近似の少ない解析手法の採用を図った。最新の断面積ライブラリを使用した結果、ほとんど全ての核特性に対して、C/E値が1.0に近づき、炉心体系間の偏差の減少が見られ、最新断面積ライブラリの有効性が示された。また、解析手法の高度化により、更にC/E値を1.0に近づけることができ、誤差要因が究明され、精度向上を図ることができた。今回の解析評価により得られた各核特性に関する知見は次の通りである。(1)臨界性:(本文参照)(2)ドップラー反応度:(本文参照)(3)反応率分布:(本文参照)(4)反応率比:(本文参照)(5)Naボイド反応度:(本文参照)(6)制御棒価値:(本文参照)(7)High Pu-240ゾーン置換反応度:(本文参照)(8)炉定数調整を行うことにより、ほとんどの核特性のC/E値は1.0に近づいた。このことより、JUPITER実験の異なる炉心間、及び、JUPITERとJUPITER以外の実験体系間の、断面積の不確かさに起因する誤差原因の整合性が確認されたと言える。以下の結果より、JUPITER実験解析データは実証炉設計用の統合炉定数作成のための基本積分データとして非常に有効なものであると判断される。更に、現状の核特性解析システムの精度を向上させる手段として、ブランケット領域における中性子束分布の解析手法の高度化が非常に有効であると考えられる。特に径非均質炉心に対して、効果が大きいと考えられる。

報告書

核設計基本データベースの整備(V) -JUPITER実験解析の整合性評価-

石川 眞*; 杉野 和輝*; 斎藤 正幸*; 佐藤 若英*; 衣鳩 憲一*; 三田 敏男*

PNC TN9410 95-214, 199 Pages, 1995/08

PNC-TN9410-95-214.pdf:9.27MB

現在、大洗工学センター基盤技術開発部では、これまでに蓄積された量豊な炉物理研究の成果を集大成し、大型FBR炉心に有効に活用できるようにするための作業が進められている。本報告書は、この核設計基本データベース整備作業の一環として、JUPITER臨界実験解析の中で、特に臨界性に着目して、その炉物理的整合性を評価したものである。ここでは、単にJUPITERのC/E値が1.0に近いかどうかだけで妥当性を判断するのではなく、感度解析手法を全面的に使用して、実験解析結果が相互に矛盾がないかを定量的に検討し、また、核データライプラリの違いによる影響評価、JUPITERと異なる炉心であるFCAや「常陽」に対する解析や、JUPITER標準解析手法と全く異なるモンテ力ルロ解析手法との比較も行って、多様な観点から信頼性を高めることを基本方針とした。(1)JENDL-2ベースの70群基本炉定数セットJFS-3J2(89年版)と、3次元XYZ輸送計算相当の詳細解析手法を用いたJUPITER実験の臨界性のC/E値は、0.993$$sim$$0.999の範囲であり、全般的にやや過小評価である。また、均質・非均質の炉心型式に対する明らかなC/E値依存性が見られるが、感度解析の結果から判断してこの原因は主に、内部プランケットの存在とJFS-3・J2の核断面積誤差のためと考えられる。(2)炉心サイズの大小、CRP(Naチャンネル)の有無、制御棒の挿入・引抜、内部プランケットの有無など、炉心仕様の違いが臨界性に与える相対的変化については、最新の3次元XYZ輸送計算相当の詳細解析手法は、充分な予測精度をもつ。(3)JUPITER実験の臨界性の絶対値に対する解析誤差の評価値約$$pm$$0.3%$$Delta$$kは、ZPPR-9炉心に対するモンテカルロ解析と最新解析手法による値がよく一致したことなどから、ほぼ妥当であると考えられる。(4)最新のJENDL-3.2ペース炉定数による解析値と、これまで標準として用いてきたJENDL-2ベース炉定数の結果はほぼ一致したが、核種毎の内訳分析により、非常に多くの核種反応の正負の寄与が、偶然に相殺した結果であることが判明した。従って、炉定数調整法などによる臨界実験データの反映がなければ、大型炉核設計の臨界性予測には相当の誤差が含まれる可能性がある。(5)FCA及び「常陽」の小型4炉心の臨界性解析結果とJU

口頭

「もんじゅ」性能試験解析の群定数間比較

高野 和也; 佐藤 若英; 宇佐美 晋; 西 裕士

no journal, , 

「もんじゅ」では、炉心解析手法の高度化による核特性予測精度向上の可能性を検討中である。ここでは、原子力機構にて開発及び整備を進めている核データライブラリJENDL-3.2, 3.3及び欧州における核データライブラリJEFF3.1に基づく高速炉用群定数(JFS-3-J3.2, JFS-3-J3.2R, JFS-3-J3.3, ADJ2000R, JFS-3-JEFF3.1)を用いて「もんじゅ」性能試験の炉物理試験解析を行い、群定数の違いによる影響を評価した。

口頭

Monju core physics test analysis with various nuclear data libraries

毛利 哲也; 佐藤 若英; 植松 眞理; 羽様 平; 鈴木 隆之

no journal, , 

「もんじゅ」で使用する核特性解析システムの妥当性確認のために、前回性能試験の解析を行った。対象とした核特性は、臨界性,制御棒価値,等温温度係数,出力係数に加えて、固定吸収体反応度価値,燃料等価反応度価値,冷却材反応度価値,燃焼係数,反応率とし、JENDL-3.2,JENDL-3.3, JENDL/AC-2008,JEFF-3.1,ENDF/B-VIIの計5種類の核データライブラリを用いて実施した。解析の結果、それぞれの核データライブラリによるC/E値(解析値と測定値の比)は、測定誤差の範囲内で一致した。ただし燃焼係数については、測定誤差の範囲から若干外れ、過大評価傾向であることがわかった。以上のことから、本研究で用いた核特性解析システムは、ここで適用したような核データライブラリを用いることでおおむね実測値を再現できると結論され、その妥当性が確認された。今後は本研究で判明した測定値と解析値との差異の要因分析を行い、解析システムの精度の向上を図るとともに、得られた知見を次回の「もんじゅ」炉物理試験解析に反映する。

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