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論文

Evaluation of DNA lesions induced by high-let ion beams using quantitative polymerase chain reaction

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 104, 2016/02

本研究では出芽酵母S288cを材料として定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を用いてDNA損傷量の評価を試みた。0.1から10Gyの炭素イオンを照射したゲノムDNAを用い、PCRよってURA3遺伝子領域を増幅した。線量の増加に伴ってPCRによるDNA増幅は抑制された。以前の研究からURA3遺伝子領域内で変異が起こりやすいことが示唆された領域とそれ以外の領域の損傷量において、今回の試験では有意な差はなかったことから、抽出したDNAに対する照射では、損傷量は異ならないことが確認された。

論文

Molecular analysis of heavy ion induced mutations in budding yeast ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 119, 2015/03

高LETのイオンビームによる突然変異誘発の分子機構を明らかにするために、出芽酵母(${it Saccharomyces cerevisiae}$)を材料として研究を行ってきた。これまでに、LETの増加に伴って致死率および${it URA3}$遺伝子の突然変異率が上昇する傾向があること、ならびに突然変異の分布としてヌクレオソーム構造のリンカーDNAにおいて局所的に突然変異が誘発されることを示唆する結果を報告した。ここでは、突然変異が誘発される部位がヌクレオソーム構造に関係があるという仮説を検証するために、野生株と異なるヌクレオソーム構造の${it URA3}$遺伝子を持つ組換え株を作成し、突然変異誘発スペクトルを分析した。野生株での突然変異の位置と、ヌクレオソーム構造が異なる株での${it URA3}$遺伝子の突然変異位置には相違があり、突然変異が生じる位置がヌクレオソーム構造に依存することが示唆された。

論文

Molecular analysis of heavy ion induced mutations in budding yeast ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 野澤 樹; 鳴海 一成*; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 112, 2014/03

To investigate the nature of mutations induced by accelerated ions in eukaryotic cells, the effects of carbon-ion irradiation were compared with those of $$gamma$$-ray irradiation in the budding yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$. Previous studies suggested that the mutation sites induced by carbon ions were localized near the linker regions of nucleosomes, whereas mutations induced by $$gamma$$ rays were located uniformly throughout the gene. We hypothesized that the locus of mutations might be related to the nucleosome structure. To confirm this hypothesis, we examined the mutation spectrum in the ${it URA3}$ gene with the altered nucleosome structure. It is likely that sites of mutations occurred in the ${it URA3}$ with altered nucleosome structure is inconsistent with those in the wild type. We will further accumulate the data to examine the above hypothesis.

論文

DNA damage evaluation system of the high-LET ion beam using the polymerase chain reaction

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 野澤 樹; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2012-046, JAEA Takasaki Annual Report 2011, P. 105, 2013/01

We have been studying ion beam-induced mutations in budding yeast S288c (${it RAD}$ $$^{+}$$) as a model of eukaryote cell. We report a new method to evaluate DNA lesions caused by high-LET radiation using the polymerase chain reaction (PCR). PCR is one of the most reliable methods for detecting DNA damage as the amplification stops at the site of the damage. In this study, the 804-bp region of ${it URA3}$ gene was amplified by PCR reaction using a specific oligonucleotide primer set. The PCR device adopted was an Eco Real-Time PCR System (Illumina). The percentage of undamaged template DNA was tended to decrease with an increase in absorbed dose of radiation. The higher LET radiations resulted in the higher rate of decrease in undamaged template DNA. This result suggests that different types of lesions are produced on DNA depending on the LET value of radiations.

論文

Fundamental study on molecular mechanism underlying repair of heavy-ion induced DNA damage in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 野澤 樹; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 108, 2012/01

We have been studying ion-beam induced mutations in the budding yeast as a model of eukaryote cell. Yeast cells were irradiated with 220 MeV carbon ions with 107 keV/$$mu$$m LET. The survival rates following irradiation were determined on the basis of colony-forming ability. ${it rad50}$ and ${it rad52}$ strains showed hyper sensitivity, while the ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ strains showed relatively lower sensitivity to the carbon ion irradiation. The expression of ${it RAD50}$ gene was up-regulated following carbon ion irradiation but not $$gamma$$ rays. This difference may result from the repair pathway that operates in mutant strains.

論文

Molecular analysis of carbon ion induced mutations in yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$ cells

清水 喜久雄*; 松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 79, 2011/01

To elucidate the molecular mechanism of mutagenesis caused by ion beam irradiation in yeast, two mutant strains ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ which are deficient in mismatch repair mechanisms were used to measure mutation spectra. Several hot spots were found in the ${it ogg1}$ mutant, while mutations in the ${it msh2}$ mutant were distributed evenly for base substitution except one hot spot at position 345. These results suggest that the incorporation of damaged nucleotides was not uniform in yeast cells.

論文

Molecular analysis of carbon ion induced mutations in the yeast ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ mutants

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 75, 2009/12

本研究では、真核生物の一種である出芽酵母の野生株、塩基除去修復が不活性であるogg1株及びミスマッチ修復が不活性であるmsh2株を用いて、炭素イオンビーム照射で誘発される突然変異について、URA3遺伝子の突然変異を検出する5-FOAによる選択系で、変異スペクトルの解析を行った。その結果、野生株及びogg1株ともに塩基置換の頻度が高く、特にogg1株では変異のすべてが塩基置換であった。また、msh2株では、一塩基欠失が全体の突然変異の大部分を占め、その中でもGC to TAのトランスバージョン変異が多く誘発されることが確認された。これらの結果から、8-oxoGの生成がイオンビームに起因する突然変異をおもに誘導し、OGG1及びMSH2遺伝子が遺伝子の安定性に強く貢献していることが示唆された。

論文

Functional analysis of the low-fidelity DNA polymerase AtREV1

高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*; 坂本 綾子

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 58, 2008/11

植物の紫外線耐性機構の研究過程で、YファミリーDNAポリメラーゼをコードしている新規遺伝子${it AtREV1}$を同定した。YファミリーDNAポリメラーゼは複製忠実度が低く、さまざまなDNA損傷をバイパスすると考えられている。${it AtREV1}$遺伝子欠損植物は、紫外線やDNA架橋剤に感受性を示す。${it AtREV1}$遺伝子産物であるAtREV1タンパク質の生化学的な機能を解析するために、組換え大腸菌を用いてAtREV1タンパク質を発現・精製し、精製したタンパク質を用いてデオキシヌクレオチド転移活性を調べた。その結果、AtREV1タンパク質は複製忠実度が低く、鋳型の塩基にかかわらず、dCMPを好んで挿入することがわかった。また、APサイトの相補鎖には塩基を挿入できるが、紫外線損傷塩基の相補鎖には塩基を挿入できなかった。AtREV1タンパク質の低い複製忠実度が突然変異を引き起こすかどうかを調べるために、野生株と${it AtREV1}$遺伝子欠損株の突然変異頻度を測定した。その結果、AtREV1タンパク質が紫外線あるいは$$gamma$$線で生じるDNA損傷の誤複製を起こすことで、突然変異誘発を促進していることがわかった。

論文

Study on molecular mechanism of high-LET carbon ion beam induced mutations in ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 60, 2008/11

本研究は、真核生物のモデル生物である出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$を用いて、イオンビームで生じる突然変異誘発の分子機構を解明することを目的とする。今回、野生株とDNAグリコシラーゼ活性の欠損によって8オキソデオキシグアニン(8-oxodG)を除去できない${it ogg1}$変異株を用いて、5-フルオロオロト酸耐性を指標として取得した${it ura3}$変異体を解析し、高LET炭素イオンビームによって生じる8-oxodGの突然変異誘発性を調べた。${it ogg1}$変異株の100Gy照射での${it ura3}$変異の出現頻度は野生株の2倍であった。野生株では${it ura3}$遺伝子に起こった突然変異のうちG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の41%を占めていたのに対して、${it ogg1}$変異株ではG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の70%を占めていた。野生株では塩基置換のほかに挿入変異や欠損変異が認められたのに対して、${it ogg1}$変異株では挿入変異や欠損変異が認められなかった。

論文

Study of molecular mechanism of carbon ion beam induced mutations in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 86, 2008/03

放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野生株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株(${it rad50, rad52}$)を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株${it rad50}$株及び${it rad52}$株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。

論文

AtREV1, a Y-family DNA polymerase in Arabidopsis, has deoxynucleotidyl transferase activity ${it in vitro}$

高橋 真哉*; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

Plant Physiology, 145(3), p.1052 - 1060, 2007/11

 被引用回数:15 パーセンタイル:37.85(Plant Sciences)

AtREV1はシロイヌナズナにおいて誤りがちなDNA損傷乗り越え複製にかかわることが予想されている。今回、さらに詳細な研究を行うために、大腸菌タンパク質過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し、精製を行った。得られた精製タンパク質をプライマー伸長法で解析し、塩基挿入活性の測定を行った。その結果、AtREV1組み換えタンパク質はプライマー末端に1から2個の塩基を挿入した。特に、鋳型DNAの塩基にかかわらずシトシンを挿入する活性が高いことがわかった。また、AtREV1は、脱塩基部位を持つ鋳型DNAに対してもシトシンを挿入した。脱塩基部位は、細胞内の生理活性によって自発的につくられるほか、細胞をさまざまなDNA変異原に曝した際につくられることがわかっている。しかし、AtREV1は紫外線によってつくられる損傷を持つ鋳型DNAに対しては、塩基を挿入することができなかった。AtREV1は、マグネシウムイオン存在下では、ある程度の基質特異性を示したが、マンガンイオンの存在価では、より緩やかな基質特異性を示すことがわかった。以上の結果から、AtREV1タンパク質が"忠実度の低い"DNAポリメラーゼであることが明らかとなった。

論文

Study of molecular mechanism of ion beam induced mutations in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 76, 2007/02

本研究では、高等生物のモデル系として出芽酵母を用い、イオンビームによる突然変異誘発の特徴について分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は、炭素イオン100Gy照射で最も高く、自然突然変異と比べて168.5倍であった。変異の種類は、GCからTAのトランスバージョン変異が最も多く見られた。イオンビームでは、$$gamma$$線照射では確認できない変異のホットスポットが見られ、約170塩基対の間隔でDNA配列上に分布していた。このことから、変異ホットスポットとゲノムの高次構造との関係が示唆された。

論文

Specificity of mutations induced by carbon ions in budding yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 裕一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 602(1-2), p.7 - 13, 2006/12

 被引用回数:28 パーセンタイル:58.33(Biotechnology & Applied Microbiology)

真核生物におけるイオンビーム誘発突然変異の特徴を解析する目的で、出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$に対する炭素イオン照射の効果を$$gamma$$線照射の効果と比較した。酵母${it URA3}$遺伝子をマーカーとして、炭素イオンビームによって誘発された54個の${it ura3}$突然変異をシークエンスし、突然変異の特異性を解析した。その結果、炭素イオンビームによって誘発された突然変異の種類は、トランスバージョンが68.7%, トランジションが13.7%で、挿入/欠失は17.6%であった。トランスバージョンはおもに、G:C塩基対からT:A塩基対へ置換であったのに対し、トランジションのすべてはG:C塩基対からA:T塩基対への置換であった。突然変異が生じた塩基の周辺の配列を比較すると、ACA又はACT配列の真ん中のCが置換されているケースが多く見られた。高等植物であるシロイヌナズナに対しては、イオンビームは短い欠失や染色体の再編成を生じさせることが報告されているが、これとは対照的に酵母では大きな欠失や配列の重複はみられなかった。さらに、酵母におけるイオンビーム誘発突然変異で最も特徴的だったのは、ヌクレオソーム構造のリンカー領域の付近に変異が集中し、ホットスポットを形成している点である。一方、$$gamma$$線ではこのようなホットスポットは見られなかった。このことから、炭素イオンビームは、DNA配列とヌクレオソーム構造の両方に依存して突然変異を誘発させていることが示唆された。

口頭

シロイヌナズナDNA損傷乗り越え複製にかかわる${it AtREV1}$及び${it AtREV7}$に関する研究

高橋 真哉*; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*; 佐藤 修正*; 加藤 友彦*; 田中 淳

no journal, , 

植物はその生育・生存のために太陽光を必要とするが、太陽光には生物に悪影響を及ぼす紫外線(UV-B)をも含んでいる。UV-B照射は生物体に対してシクロブタン型ピリミジン二量体などのDNA損傷を引き起こし、DNA複製を阻害するなど重篤な障害を与える。植物はUV-Bによる影響から身を守るために幾つもの防御機構を備えており、DNA損傷の修復機構はその一つである。本研究ではTLSで機能する${it AtREV1}$${it AtREV7}$の遺伝子破壊系統の単離,解析を行い、さらに${it AtREV1}$について生化学的解析を行った。まず、白色光に弱いUV-Bを付加した長期間の照射条件下で${it rev1-1}$, ${it rev3}$, ${it rev7-2}$を生育させたときの生育阻害について観察したところ、いずれの変異体も野生型と比較してほぼ同程度に地上部の生育阻害が見られた。${it AtREV1}$${it AtREV7}$は、UV-B照射下での植物の生育に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。次に、AtREV1タンパク質がDNA損傷乗り越えを行うかどうかをみるために、大腸菌過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し活性測定を行った。G, A, T, Cを含む鋳型DNAを使用し、dGTP, dATP, dTTP, dCTPを基質としてprimer extension法により活性測定を行った。その結果すべての鋳型DNAに対してCの挿入活性が見られた。これらの結果は、AtREV1がデオキシシチジル酸トランスフェラーゼ活性を持つことを示している。今後これらについてさらに研究を進めていくことで、植物のUV-B耐性機構の解明をより一層進むことが期待される。

口頭

シロイヌナズナAtREV1タンパク質のポリメラーゼ活性

高橋 真哉*; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*; 田中 淳

no journal, , 

DNA損傷乗り越え複製(TLS)は、さまざまなDNA変異原に対する曝露によって生じるDNA損傷の影響を回避するために、生物が備えている機構の一つである。われわれはこれまでに、酵母の誤りがち損傷乗り越え複製(error prone TLS)にかかわる${it REV1}$遺伝子のシロイヌナズナにおけるホモログである${it AtREV1}$遺伝子を同定した。${it AtREV1}$遺伝子破壊系統(${it rev1}$)は、UV-BやDNA架橋剤に対して感受性を示すことから、植物にも他の生物同様error-prone TLSが存在し、さまざまなDNA損傷の回避に関与している可能性が示唆されている。今回さらに詳細な研究を行うために、大腸菌タンパク質過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し、ポリメラーゼ活性の検出を試みた。AtREV1タンパク質はアフィニティカラム及びイオン交換カラムにて精製し、得られた精製タンパク質を用いてprimer extension法による塩基挿入活性の測定を行った。AtREV1組み換えタンパク質は、鋳型DNAの塩基にかかわらず、プライマー末端にシトシンを挿入した。鋳型DNAのグアニンに対しては、チミンを挿入する活性も見られた。また、弱いながらも正確な塩基の挿入も観察された。これらの結果から、AtREV1タンパク質はシチディルトランスフェラーゼ活性を持つ「忠実度の低い」DNAポリメラーゼであることが明らかとなった。

口頭

イオンビーム照射における出芽酵母の突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

no journal, , 

近年、放射線を用いた突然変異による育種技術として重粒子線が注目されているが、突然変異誘発のメカニズムは未だに不明な点が多い。本研究では、高等生物のモデル系として酵母細胞を用いて、重粒子線並びに$$gamma$$線による突然変異について、分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は生存率が約50%となる100Gyで最も高く、自然変異率と比較して168.5倍であった。シーケンス解析の結果、イオンビームでは、局所的に変異が起こる部位(ホットスポット)が見られたが、$$gamma$$線では確認できなかった。イオンビームが$$gamma$$線とは異なる遺伝子損傷を生み出すものと考えられる。変異パターンを解析した結果、イオンビーム並びに$$gamma$$線では塩基置換の頻度が高く、なかでもトランスバージョンの割合が高かった。

口頭

重イオン照射による出芽酵母の変異誘発のメカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 清水 喜久雄*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳

no journal, , 

本研究では、イオンビームによる突然変異を高等生物のモデル系として出芽酵母を用い、分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は、炭素イオン100Gy照射で最も高く、自然徒然変異と比べて168.5倍であった。変異の種類は、GCからTAのトランスバージョン変異が最も多く見られた。イオンビームでは、$$gamma$$線照射では確認できない変異のホットスポットが見られ、約170bpの間隔でDNA配列上に分布していた。このことから、変異ホットスポットとゲノムの高次構造との関係が示唆された。

口頭

重イオンビームによる突然変異生成メカニズムの解析

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

no journal, , 

イオンビームによる突然変異生成のメカニズムについて、高等生物のモデル系として出芽酵母${it Sacchromyces cerevisiae}$を用い、分子レベルで解析を行った。イオンビーム及び$$gamma$$線照射で得られた${it ura3}$ $$^{-}$$変異体の変異位置を解析し、比較を行った。照射試料として、${it S. cerevisiae}$のS288c(${it RAD}$ $$^{+}$$)と、変異株g160/2b (${it rad52}$)を用い、照射線源として日本原子力研究開発機構・高崎研究所・イオン照射研究施設(TIARA)のAVFサイクロトロンを用いた。イオンは、$$^{12}$$C$$^{5+}$$カーボンで、エネルギーは220MeV、LETは107keV/$$mu$$mである。生じた突然変異体をシークエンスした結果、イオンビームはトランスバージョンの頻度が高く、なかでもG$$cdot$$CからT$$cdot$$Aへの変異の割合が高かった。今回の結果から、イオンビーム・$$gamma$$線ともに酸化損傷がその置換変異の主な部分を占め、特に8-oxo-dGTPなどによる損傷が優勢であったと考えられる。一方で、イオンビームではリンカーDNAの領域などに局所的な変異が起こりやすいことが推測された。また、野生型へのイオンビーム照射の場合、突然変異が誘発される部位としてACAやACT配列中のC塩基の変異が大きな割合を占めていた。このことから、遺伝子の構造や配列と変異が起こる部位との間に何らかの関係があることが示唆された。

口頭

重粒子線照射による変異誘発機序とヌクレオソーム構造の関係

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 清水 喜久雄*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野性株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株(${it rad50, rad52}$)を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株${it rad50}$株及び${it rad52}$株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。

口頭

カーボンイオンビーム照射における出芽酵母の突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

放射線を用いた突然変異による育種技術として、イオンビームが注目されている。本研究ではイオンビーム照射による育種技術のさらなる発展に寄与するため、カーボンイオンビーム並びに$$gamma$$線による突然変異への寄与について酵母細胞を用い、分子レベルでの解析を行った。S.cerevisiaeのS288c(RAD+),二本鎖切断修復不活性株であるrad52、及び酸化型前駆体8-oxodGTPの除去活性を失ったogg1株を用いた。最も突然変異の頻度が高かった照射条件を用いて突然変異の誘発を行い、URA3領域(804bp)についてPCR法を用い増幅させ、変異位置をシーケンス解析によって決定した。二本鎖切断修復不活性株であるrad52の感受性は高く、一方ogg1は野生型に近い生存率を示した。これはイオンビーム照射によって生成した二本鎖切断による致死効果が高いことと、照射によって発生した酸化型前駆体が致死性ではないことを示している。シーケンス解析の結果、イオンビーム照射では局所的に変異が起こる部位(ホットスポット)が見られるが、$$gamma$$線では確認できなかった。この野性株において重粒子線による変異が局所的に起こる部位と、リンカーDNAの領域が一致することが示された。

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