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熊谷 知久*; 三浦 靖史*; 三浦 直樹*; Marie, S.*; Almahdi, R.*; 真野 晃宏; Li, Y.; 勝山 仁哉; 和田 義孝*; Hwang, J.-H.*; et al.
Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011509_1 - 011509_18, 2022/02
被引用回数:1 パーセンタイル:20.34(Engineering, Mechanical)延性材料の破壊挙動を予測するため、いくつかの延性破壊シミュレーション手法が提案されている。ただし、これらの手法には実機器への適用性に関する懸念がある。本研究では、パラメータの決定を含めたシミュレーション手法の予測能力を確認するため、実機器を想定した破壊試験に関する2つの問題を設定し、ベンチマーク解析を実施した。1つ目の問題は、周方向の表面亀裂及び貫通亀裂を有する配管に対する単調曲げ荷重負荷試験、2つ目の問題は、周方向貫通亀裂を有する配管に対する繰り返し曲げ荷重負荷試験である。ベンチマークの参加機関は、独自に選択した手法によって延性亀裂進展挙動を予測した。用いられた手法は、ボイド率基準を有するGurson-Tvergaard-Needleman(GTN)モデルに基づく有限要素法(FEM)、応力三軸度により修正される破壊ひずみ基準また破壊エネルギー基準に基づくFEM、JまたはJ基準に基づく拡張FEM及び弾塑性粒子法等である。単調曲げ荷重負荷試験に関しては、すべての手法によるシミュレーションの結果が配管の変形と亀裂進展の挙動を精度よく再現し、シミュレーション手法の実機器への適用性が確認された。一方、繰り返し曲げ荷重負荷試験におけるこれらの挙動については、ほとんどの手法で再現できなかった。今後材料の繰り返し硬化特性等を考慮したパラメータの決定手法についてさらなる検討が必要であることを確認した。
南 雅代*; 高橋 浩*; 荒巻 能史*; 國分 陽子; 伊藤 茂*; 中村 俊夫*
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書,26, p.132 - 137, 2015/03
研究機関による前処理法の違い等による水試料中の溶存無機炭素(DIC)のC分析値のばらつきを比較・検討するため、水試料のC比較プログラム(RICE-W: Radiocarbon Intercomparison on Chemical Experiments, Water series)を立ち上げた。まず、予備的に採取したDIC濃度・塩濃度の異なる水試料(表層海水,温泉水,地下水, NaHCO水溶液)を6機関に配布し、各機関それぞれの化学前処理法によってDIC-C分析を実施し、現在、得られた結果をもとに、RICE-Wプログラムの本格的始動に向けての基礎検証を行いつつある。本稿においては、RICE-Wプログラムの実施状況を簡単にまとめ、特に沈殿法(SrClやBaClを添加して炭酸塩を生成させた後、リン酸を添加してCOを発生させる方法)による結果についてまとめた。その結果、塩濃度の高い水試料に沈殿法を用いた場合、沈殿剤(SrCl, BaCl), pH調整剤(NH, NaOH)によっては、沈殿が生成しにくい場合や、沈殿が生成しても炭素回収率が低い場合、そして現代炭素による汚染を受ける可能性があることが明らかとなり、沈殿法の最適な統一基準を設定する必要性が提示された。
小倉 俊太*; 小宮山 隆洋*; 高橋 芳浩*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄*; 大島 武
Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.127 - 129, 2012/12
宇宙環境で半導体デバイスを使用する場合、重イオン照射誘起電流に起因したシングルイベント現象が問題となる。SOIデバイスは高い耐放射線性が予想されるものの、支持基板で発生した電荷の埋め込み酸化膜(BOX膜)を介した収集を示唆する報告があり、われわれはこれまでに、酸化膜を介した照射誘起電流の主成分は変位電流であることを明らかにしている。また、支持基板への電圧印加や、活性層と支持基板に逆性の半導体を用いることにより、重イオン照射誘起電流の抑制が可能となることも示した。本研究では実デバイスへの適用を目的に、支持基板の低抵抗化による照射誘起電流の抑制について検討を行った。実験は、SOI基板上にpnダイオードを作製して行った。活性層と支持基板がn形のn/nデバイス、及び低抵抗率の支持基板を有するn/nデバイスの2種類を作製した。イオン照射の結果、照射誘起収集電荷量が減少した。この結果より、支持基板の低抵抗化がSOIデバイスの放射線耐性向上において重要となることを確認した。本手法は活性層のデバイスのタイプ(MOSFETの場合はチャネルタイプ)によらず適用可能であり、実デバイスへの応用が期待できる。
工藤 潤一*; 坂場 成昭; 高橋 信*; 若林 利男*
日本原子力学会和文論文誌, 9(4), p.360 - 367, 2010/12
HTTR-IS水素製造プラントは、我が国唯一の高温ガス炉(高温工学試験研究炉:HTTR)からの高温核熱を利用して水素を製造するシステムであり、原子力機構において設計が進められている。本システムでは、原子炉近傍で大量の可燃性ガスを取り扱うため、可燃性ガスの爆発に対する原子炉の安全性確保が重要な課題である。本研究では、HTTR-IS水素製造プラントにおける可燃性ガス漏えいの確率論的安全評価を行った。まず、マスターロジックダイヤグラム(MLD)を用いて、システムの事故につながる可能性のある事象(起因事象)を抽出した。次いで、抽出した起因事象に対して、イベントツリー解析(ETA)及びフォルトツリー解析(FTA)を行い、HTTRの建屋に影響を与える可能性のある可燃性ガスの漏えい事象の発生頻度を定量化した。評価の結果、火災爆発事象の発生頻度を合計値は、2.510(件/年)であり、本検討での目標値を上回ったが、火災爆発事象の発生頻度低減を目的とした機器追加により、目標値以下となる7.910(件/年)に低減できることを明らかにした。
高橋 芳浩*; 竹安 秀徳*; 岡崎 勇志*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武
Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.173 - 175, 2010/10
SOI(Silicon on Insulator)上に作製したpnダイオードにおける重イオン照射誘起電流について検討を行った。逆バイアス印加時の試料に18MeV酸素イオンを照射した結果、理論的に活性層で発生する電荷に比べ多量の電荷が発生することが観測された。解析の結果、これは支持基板内で発生した電荷の収集(変位電流による)によるものと確認された。これより、SOIデバイスの放射線耐性向上のためにはBOXを介した変位電流抑制が重要であることが判明した。シミュレーションにより、支持基板のタイプや不純物密度が収集電荷量に及ぼす影響を評価した結果、支持基板を高不純物濃度化するなどの方法で支持基板表面の空乏層幅を減少させることにより、BOX層を介した電荷収集が抑制可能であることが見いだされた。
藤平 俊夫; 中塩 信行; 大杉 武史; 石川 譲二; 溝口 崇史; 塙 律; 染谷 計多*; 高橋 賢次*; 伊勢田 浩克; 小澤 一茂; et al.
JAEA-Technology 2010-008, 28 Pages, 2010/06
減容処理棟に設置されている金属溶融設備は、原子力科学研究所に保管廃棄された低レベル放射性廃棄物のうち、金属廃棄物について溶融し、溶融固化体とすることにより、放射性廃棄物の減容,安定化を図るものである。これまでの試験運転結果を踏まえて、本設備のうち、溶融した金属から金属塊(インゴット)を作製する成型工程の改善工事を実施した。また、平成20年10月から試験運転を実施し、合理化した成型工程の検証を行った。本稿では、試験運転によって得られた合理化した成型工程での処理時間の短縮効果,ユーティリティ消費量の低減効果,保守作業の負担軽減効果等について報告する。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
阪井 寛志*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 野口 修一*; 佐藤 昌史*; 坂中 章悟*; 宍戸 寿郎*; 高橋 毅*; 梅森 健成*; 渡辺 謙*; et al.
Proceedings of 45th Advanced ICFA Beam Dynamics Workshop on Energy Recovery Linacs (ERL '09) (Internet), p.57 - 62, 2010/05
コンパクトERLのための入射器クライオモジュールと主加速器用クライオモジュールの開発が2006年より始まっている。入射器のクライオモジュールには2セル1.3GHzの空洞が3個、主加速器クライオモジュールには9セル1.3GHzの空洞が2個納められる設計になっている。これらクライオモジュールの開発の現状について報告する。
牧野 高紘; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(6), p.3180 - 3184, 2009/12
被引用回数:13 パーセンタイル:64.74(Engineering, Electrical & Electronic)論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を、放射線によって論理LSIを構成する論理素子内に誘起されるシングルイベントトランジェント(SET)電圧パルス幅の測定結果より推定した。実験には0.2-m FD-SOI(Fully Depleted Silicon on Insulator)技術を用いたNOT回路又はNOR回路を用い、322MeV Krイオン照射により得られたSETパルス幅の実測を行った。測定結果と回路構成を考慮した理論解析を用い論理LSIにおけるソフトエラー率を推定した。その結果、論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を直接測定した結果と一致し、本手法の妥当性を検証できた。
梅森 健成*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 野口 修一*; 阪井 寛志*; 佐藤 昌史*; 宍戸 寿郎*; 高橋 毅*; 渡辺 謙*; 山本 康史*; et al.
Proceedings of 14th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2009) (Internet), p.896 - 901, 2009/09
将来のERLをもとにしたX線光源実現のための基盤技術確立のためコンパクトERLの建設が計画されている。ビームエネルギーは60200MeVで、電流は100mAである。超伝導空洞は重要な開発項目の1つで入射器と主加速器部分に使われる。入射器における重要項目は300kWの入力カップラーの開発である。またビーム不安定性や冷凍機の負荷を削減するために強力なHOM減衰が主加速器の重要項目である。空洞開発の現状について報告する。
藤平 俊夫; 染谷 計多; 高橋 賢次; 伊勢田 浩克; 小澤 一茂; 門馬 利行
JAEA-Technology 2009-031, 29 Pages, 2009/06
減容処理棟に設置されている金属溶融設備は、原子力科学研究所に保管廃棄された低レベル放射性廃棄物のうち、金属廃棄物について溶融し溶融固化体とすることにより、放射性廃棄物の減容,安定化を図る。本設備は、平成15年度から試験運転を実施しており、その試験運転の経験から、溶融した金属の成型工程において、処理コストの低減,保守作業の負担軽減,保守作業に伴う作業員の被ばくの低減等に向けた知見が得られた。その知見を具体化するための設計検討,改善工事を平成18年度から19年度に実施し、成型工程の合理化のための設備改善が実現した。本稿では、金属溶融設備での成型工程の合理化のための検討,設備改善内容,評価等について報告する。
大島 武; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 高橋 芳浩*; Vizkelethy, G.*; Doyle, B. L.*
AIP Conference Proceedings 1099, p.1014 - 1017, 2009/03
トータルドーズ効果がシングルイベント効果に及ぼす影響を明らかにする目的で、n型及びp型シリコン(Si)基板上に金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタを作製し、線照射前後のイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)測定を行った。室温にて6.3kGy(SiO)の線照射を行ったMOSキャパシタの容量-電圧特性からフラットバンドシフトを求めたところ、n型は12.3V、p型は15.2Vという値が得られた。酸素15MeVマイクロビーム入射によるTIBIC測定を行ったところ、線照射によりn型ではTIBICシグナルのピークが低下、p型では増加した。TIBICシグナルピークの印加電圧依存性を調べたところ、n型では13V、p型では15Vシフトさせると照射前後で印加電圧依存性が一致することが見いだされた。この値は、フラットバンドシフトと良い一致を示しており、このことより、線照射により酸化膜中に発生した固定電荷に起因するゲート電圧のシフトがTIBICシグナルに影響したといえる。
牧野 高紘*; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 柳川 善光*; 齋藤 宏文*; 池田 博一*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; et al.
IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(1), p.202 - 207, 2009/02
被引用回数:36 パーセンタイル:90.64(Engineering, Electrical & Electronic)SET(Single Event Transient)パルス幅と線エネルギー付与(LET)との関係を求めるために、高い放射線耐性を持つSOI(Silicon on Insulator)基板上に試作したテストチップを用いてSETパルス幅のLET依存性を評価した。Kr322MeVとXe454MeVのイオンをテストチップに垂直又は45度で照射した。その結果、垂直入射の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が直線的に増加し、45度の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が飽和傾向を示すことがわかった。この飽和傾向を示す主な要因を調べるために3次元デバイスシミュレーター(TCAD)による解析を行った。その結果、重イオンによって誘起する過剰キャリアの再結合が飽和傾向を説明する一つの要因であることがわかった。
高橋 芳浩*; 府金 賢*; 今川 良*; 大脇 章弘*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 7, 2008/11
MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造の重イオン照射誘起ゲート電流の線照射による変化について評価を行った。試料はp形及びn形バルクSi基板上の、酸化膜厚100nm,Alゲート電極直径100mのMOSキャパシタとした。線照射は吸収線量率6.3kGy(SiO)/hで1時間行った。照射前後のイオン照射誘起ゲート過渡電流の測定は、酸素イオン(15MeV)を用いたTIBIC(Transient Ion Beam Induced Current)評価システムにより行った。また、線照射前後において容量-電圧特性及びリーク電流特性の測定を行った。その結果、線照射後、同一電圧印加時のゲート過渡電流ピーク値は、p-MOSにおいて増加し、n-MOSでは減少した。さらに容量-電圧特性で生じた変化を正電荷捕獲密度を反映したミッドギャップ電圧のシフト量で評価し、そのシフト量分、ゲート印加電圧値をシフトさせた結果、照射前後でのピーク値はよく一致することが判明し、ピークのシフトが正の固定電荷発生によることが明らかとなった。
平尾 敏雄; 小野田 忍; 高橋 芳浩*; 大島 武
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 6, 2008/11
酸化膜を介した照射誘起電流の発生機構解明を目的に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)へ重イオン照射を実施した。試料はバルクシリコンAlゲートp-及びn-channel MOSFET(酸化膜厚=40nm, ゲート幅=100mm, ゲート長=300m)を用い、15MeV酸素イオンを照射した。イオン照射誘起電流をTIBIC(Transient Ion Beam Induced Current)測定装置を用いて評価したところ、MOSキャパシタでは、印加電圧の増加に伴い、過渡電流のピーク値が直線的に増加することがわかった。さらに、照射後12ns程度に酸化膜に印加した電界方向の鋭い電流ピークが、その後反対方向に小さな電流がそれぞれ観測された。結果に対し、酸化膜を完全絶縁と仮定して発生した誘起電流をキャリア濃度及び移動度を主パラメータとして数値シミュレーションを行った結果、MOSFETのゲート領域に重イオンを照射した際に観測される照射後12ns程度経過後の鋭いピークとその後の反対方向のブロードな電流ピークをシミュレーションにより得ることに成功し、実験結果との良い一致を図ることができた。
坂中 章悟*; 吾郷 智紀*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; 原田 健太郎*; 平松 成範*; 本田 融*; et al.
Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.205 - 207, 2008/06
コヒーレントX線,フェムト秒X線の発生が可能な次世代放射光源としてエネルギー回収型リニアック(ERL)が提案されており、その実現に向けた要素技術の研究開発が日本国内の複数研究機関の協力のもと進められている。本稿では、ERL放射光源の研究開発の現状を報告する。
牧野 高紘*; 柳川 善光*; 小林 大輔*; 福田 盛介*; 廣瀬 和之*; 池田 博一*; 齋藤 宏文*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; et al.
信学技報, 108(100), p.67 - 72, 2008/06
放射線によって生じる論理LSI(Large Scale Integrated Circuit)でのソフトエラーは、FF(Flip Flop)やラッチ回路に粒子が当たって発生するだけでなく、組合せ論理回路に当たって発生するスパイクノイズによっても発生する。この放射線誘起スパイクノイズを測定するために、インバータ24段の論理セルチェインと拡張バッファー及び自己トリガFFチェインから構成されるスナップショット回路を作製した。実験はKr 322MeVとXe 454MeVのイオンをテストチップに対して垂直と45度で入射させ、線エネルギー付与LET4092(MeV/cm/mg)の範囲でSET(Single Event Transient)パルス幅を測定した。その結果、インバータ24段を接続したチェインについて、0度(垂直)照射では取得SETパルスの総数が、LETの増加に対して増加を示し、45度照射では、取得SETパルスの総数はLETの増加にかかわらず一定であった。また取得したSETパルス幅分布の最頻値と半値幅をLETの関数で示した結果、SETパルス幅はLETの増加に対して飽和傾向を示すことが見いだされた。さらにSETパルス幅の上限が約1nsであることから、SETパルスを除去するために必要なフィルタ回路の時定数は最大1nsとすれば良いということもわかった。
林 君夫; 中川 哲也; 小野瀬 庄二; 石田 卓也; 小高 英男; 勝山 幸三; 北島 敏雄; 高橋 孝三; 土谷 邦彦; 中道 勝; et al.
JAEA-Technology 2008-010, 68 Pages, 2008/03
原子力機構では、国際熱核融合実験炉(ITER)に装荷するテストブランケット・モジュール(TBM)を用いて、核融合炉用増殖ブランケットの炉内機能試験を実施することを計画している。本報告書は、炉内機能試験の準備として材料試験炉(JMTR)で照射試験を行った照射キャプセルの解体プロセスの概念検討及び基本設計について述べるものである。本設計においては、照射キャプセルはバンドソー(帯のこぎり)で切断され、放出されたトリチウムは、パージガス系によって安全に回収され、固化されて放射性廃棄物となる。さらに、事故時にトリチウムが解体装置外へ放出される可能性があることに対する安全対策として、解体装置を覆うインナーボックスを採用することにより、通常のトリチウム透過性材料を用いた既存のホットセル(ベータ・セル)を、大きな改造を行うことなく使用できる見通しを得た。以上により、トリチウムを含有する照射済みJMTRキャプセルについて、本解体プロセスが実現可能であることを示した。
樋口 秀和; 大杉 武史; 中塩 信行; 門馬 利行; 藤平 俊夫; 石川 譲二; 伊勢田 浩克; 満田 幹之; 石原 圭輔; 須藤 智之; et al.
JAEA-Technology 2007-038, 189 Pages, 2007/07
高減容処理施設は、放射性廃棄物の廃棄体を作製する目的で日本原子力研究開発機構原子力科学研究所(旧日本原子力研究所東海研究所)に建設された施設である。施設は、大型金属廃棄物の解体・分別及び廃棄体等の保管廃棄を行う解体分別保管棟と溶融処理等の減容・安定化処理を行って廃棄体を作製する減容処理棟からなる。減容処理棟には、金属溶融炉,プラズマ溶融炉,焼却炉,高圧圧縮装置といった減容・安定化処理を行うための設備が設置されている。本報告では、施設建設の基本方針,施設の構成,各設備の機器仕様と2006年3月までに行った試運転の状況などについてまとめた。
高橋 芳浩*; 大木 隆弘*; 長澤 賢治*; 中嶋 康人*; 川鍋 龍*; 大西 一功*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 三島 健太; 河野 勝康*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 260(1), p.309 - 313, 2007/07
被引用回数:4 パーセンタイル:35.71(Instruments & Instrumentation)Si基板上にAlゲートp-MOSFETを作製し、TIARAの重イオンマイクロビームシステムを使用して重イオン照射を行い、照射誘起過渡電流の測定を行った。その結果、ゲート端子における過渡電流は、照射中負のゲート電圧を印加した状態でのみ観測されることがわかった。また、ソース・ドレイン電極を接地(基板と同電位)してゲート領域に重イオンを照射した場合、ピーク値の異なる正・負の電流が観測され、その積分値は照射後100ns程度でほぼ0となることがわかった。本誘起電流が伝導電流によるものであれば、正方向の電流のみが観測されることが予想される。よって本測定結果より、酸化膜を介した照射誘起電流は、変位電流に由来すると帰結できる。また測定結果は、酸化膜を完全絶縁体と仮定した計算により再現できることが確認できた。