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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:6 パーセンタイル:84.97(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
角田 直文*; 大塚 孝治; 高柳 和雄*; 清水 則孝*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣; 吉田 聡太*; 上野 秀樹*
Nature, 587, p.66 - 71, 2020/11
被引用回数:40 パーセンタイル:92.47(Multidisciplinary Sciences)与えられた陽子数に対し、どれだけの中性子数の原子核が存在可能であるかという問いは、原子核物理における最も基本的な問題の一つである。原子核は独立粒子描像がよく成り立つため、従来は陽子数で決まるポテンシャルが作る束縛状態の個数で決まると考えられてきた。この研究では、最近実験で確定した、フッ素からナトリウムに対する中性子ドリップ線(最も中性子数の多い同位体)を、核力から出発した第一原理的な大規模殻模型計算によって再現し、そのメカニズムを理論的に解析した。ハミルトニアンを単極相互作用と多重極相互作用に分解し、さらに多重極相互作用を対相互作用と残りの部分に分け、基底状態におけるそれぞれの項の寄与を調べた。その結果、多重極相互作用の変形エネルギーに相当する部分が中性子ドリップ線を決めるのに非常に重要な役割を果たしていることがわかった。すなわち、中性子数が増えていくと徐々に変形エネルギーが増大するものの、ある中性子数でそれが飽和し、その後は減少していくが、その減少過程で中性子ドリップ線が決まるというシナリオである。本研究は、ドリップ線に対する新しい見方を与え、天体中の元素合成過程の理解に重要な貢献をすることが期待される。
小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; 松井 邦浩; 礒野 高明; 奥野 清; 高柳 貞敏*; 久野 和雄*; 仙田 郁夫*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 18(2), p.475 - 478, 2008/06
被引用回数:15 パーセンタイル:61.02(Engineering, Electrical & Electronic)ITER-TFコイルの製作技術は、ITE-EDAで開発,試験されたTFモデル・コイル(TFMC)でおおむね実証されたが、ITER-TFコイルがTFMCに比べて約3倍の大きさとなったために、新たな技術的課題が発生している。主な課題としては、高精度の巻線技術,熱処理前後の導体長変化量の正確な予測,耐放射線性に優れた絶縁樹脂を用いた含浸技術の開発がある。原子力機構では、巻線機の主要部品である高精度・自動巻線ヘッドを開発し、短尺導体で高精度巻線の実現性を実証した。また、導体の熱処理前後の伸縮量を新たに開発した装置を用いて測定し、その伸縮量が200ppm以下の小さなものであることを示した。これらの成果より、ITER-TFコイル巻線の寸法公差を達成する目処を立てることができた。さらに、部分モデルによる含浸試験を実施し、ITER-TFコイルの含浸時間を評価する手法を確立し、樹脂のポット・ライフ(含浸作業が実施可能な最大の時間)内でコイルを含浸する手法を検討した。
高柳 貞敏*; 久野 和雄*; 長谷川 満*; 小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; 濱田 一弥; 布谷 嘉彦; 奥野 清
no journal, ,
ITERトロイダル磁場(TF)コイルの調達準備のために、コイル製作方法や製造装置の検討を行っている。ITER-TFコイルは、重量300トン,高さ14mのD型NbSn大型超伝導コイルであり、ITER-EDAの一環として開発されたTFモデル・コイルよりもスケール・アップしている。そこで、スケール・アップによる製作技術の課題を明確にするとともに、ITER-TFコイル製作に必要な加工装置を検討している。これまでに、コイル製作の主要な技術の1つである巻線技術に関して巻線機概念設計と巻線精度の予測を行った。その次のステップとして、この結果をさらに発展させ、巻線機の部分試作と短尺導体を用いた試巻線を行い巻線精度の予測手法の実証を試みている。これらの検討結果と実証試験の進捗状況について報告する。
高柳 貞敏*; 久野 和雄*; 市原 直*; 野元 一宏*; 長谷川 満*; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 奥野 清
no journal, ,
日本が製作を担当するITERトロイダル磁場(TF)コイルの調達準備のために、TFコイル製作方法とコイル製造装置の検討を行っている。ITER-TFコイル導体の巻線では、高精度化と工程合理化のための自動化が必須である。2006年度には、3点ロール曲げ自動巻線装置の部分試作を行い、その装置を使用して短尺導体の試巻線を実施した。その結果、数パーセントの曲げ精度で巻線ができることを実証した。今後、高精度自動化巻線で必要となる巻線長の高精度計測手法についても報告する。