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論文

Molecular geochemistry of radium; A key to understanding cation adsorption reaction on clay minerals

山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 田中 万也; 桧垣 正吾*; 小林 徹; 谷田 肇; 小原 義之*; 横山 啓一; 矢板 毅; et al.

Journal of Colloid and Interface Science, 661, p.317 - 332, 2024/05

ラジウム(Ra)は放射性元素であり、放射性廃棄物処理やウラン鉱山周辺の環境問題で重要なため、環境中Ra挙動の解明は急務である。しかし、Raは安定同位体が存在しないため分子レベルの実験が難しく、環境中で重要と考えられる粘土鉱物への吸着反応についても詳細なデータは得られていない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法によりRaの分子レベルの情報を得る手法を確立し、さらに第一原理計算を利用することでRaの粘土鉱物への吸着構造を明らかにした。また、同族元素との比較を行い、粘土鉱物への吸着反応の系統的な理解に資する結果を得た。

論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Intruder configurations in $$^{29}$$Ne at the transition into the island of inversion; Detailed structure study of $$^{28}$$Ne

Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.

Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08

$$^{29}$$Neからの1中性子除去反応を用いて、$$^{28}$$Neの詳細な$$gamma$$線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、$$^{28}$$Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。

論文

Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy measurements and ${it ab initio}$ molecular dynamics simulations reveal the hydration structure of the radium(II) ion

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:54.33(Multidisciplinary Sciences)

ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。

論文

EXAFSによるRaの水和状態と粘土鉱物への吸着状態の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。

報告書

リスクコミュニケーション実施上の課題の研究; 平成28年度(委託研究)

田中 勝*; 河原 長美*; 石坂 薫*; 大畑 ゆき*; 福池 伊織*; 川瀬 啓一; 時澤 孝之; 宮川 洋*; 石森 有

JAEA-Research 2018-001, 98 Pages, 2018/06

JAEA-Research-2018-001.pdf:2.49MB

平成28年度は、最近の一般廃棄物処分場の建設事例を調査し、環境保全・回復事業等が地域や一般に受け入れられるために必要な施策やコミュニケーションの条件を調査した。その結果、(1)事業者と地域との間で長期にわたる良好な関係が築かれていること、あるいは取り決めが存在すること、(2)事業者が立地選定や施設内容の決定プロセスにおいて複数代替案を合理的に検討し、地域に選定・決定理由の説明ができること、(3)計画公表後であっても、地域の関心や要望に応じて計画を変更できる余地があること、(4)事業が跡地利用を含む地域づくりに向けたコミュニケーションの契機となること、の重要性が示唆された。

報告書

リスクコミュニケーション実施上の課題の研究; 平成27年度(委託研究)

田中 勝*; 青山 勲*; 石坂 薫*; 大畑 ゆき*; 福池 伊織*; 川瀬 啓一; 渡邊 雅範; 時澤 孝之; 宮川 洋*; 石森 有

JAEA-Research 2017-003, 65 Pages, 2017/06

JAEA-Research-2017-003.pdf:2.92MB

日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターと福島環境安全センターは共同で、今後の跡措置や環境回復等の事業に関して、地域との継続性のある関係構築に必要な条件や、活動を通して得られる効果を把握するため、閉止鉱山及び産業廃棄物処分場でのリスクコミュニケーション事例を委託調査した。その結果、(1)地域におけるつながりや、つながりの場の形成、(2)既存のリソース(人員・土地・施設等)の活用、(3)地域における新たな価値の創出、(4)事業の安全性の担保や信頼の醸成に向けた取り組み、などによる、事業の安全性や周辺環境の健全性を長期的に確認できる仕組みや環境保全などについて学べる地域的フィールドの創成、が重要であることが示唆された。

論文

Dry cleaning process test for fuel assembly of fast reactor plant system

加藤 篤志; 永井 桂一; 荒 邦章; 大高 雅彦; 岡 伸樹*; 田中 昌子*; 大谷 雄一*; 井手 章博*

Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 8 Pages, 2017/04

高速炉の燃料取扱においては、使用済燃料集合体にナトリウムが付着しているため、冷却材に水を用いる使用済燃料プール(SFP)に移送される前に、残留ナトリウムの洗浄システムが備えられるが、SFPの水浄化能力等の観点からの設計負荷低減のため、残留ナトリウムの局限化が必要である。もんじゅで採用されたような湿式洗浄プロセスでは洗浄後にナトリウムがほとんど残留しない利点を有するものの、放射性液体廃棄物の発生や設備規模の観点から難点がある。一方、日本の次世代ナトリウム冷却高速炉開発では、高温のArガスと湿分を有するArガスによるナトリウム洗浄と残留ナトリウムの不活性化によりSFPに直接装荷可能な先進乾式洗浄システムを採用する計画である。本報では、本乾式洗浄システムに関する洗浄能力高度化や燃料取扱システムの適正化に係る研究開発の現状を報告する。

論文

Insights into the proton transfer mechanism of a bilin reductase PcyA following neutron crystallography

海野 昌喜*; 石川 久美子*; 日下 勝弘*; 玉田 太郎; 萩原 義徳*; 杉島 正一*; 和田 啓*; 山田 太郎*; 友寄 克亮; 細谷 孝明*; et al.

Journal of the American Chemical Society, 137(16), p.5452 - 5460, 2015/04

 被引用回数:28 パーセンタイル:64.6(Chemistry, Multidisciplinary)

シアノバクテリアや高等植物等の光合成生物は細胞内にビリン色素と呼ばれる集光色素を有している。ビリン還元酵素PcyAはビリベルジン(BV)を2段階で還元する反応を触媒することによりビリン色素の1つであるフィコシアノビリンを合成する。今回、我々はシアノバクテリア由来PcyAの立体構造をBVとの複合体状態で中性子結晶解析により決定した。BVは2つの状態(通常の状態と1つ水素が付いたBVH$$^{+}$$の状態)で存在していたが、近接したPcyA中のAsp105もBVの状態に対応して2つの状態(プロトン化および解離状態)で存在していた。また、X線構造解析では照射還元により確認できなかったBV中のA環近くの「アキシアル」水分子の存在を確認することができた。さらに、BV近傍に位置するHis88がプロトン化状態で存在しBV中のA環のラクタム酸素と水素結合を形成していることも確認したが、このHis88と隣接したHis74の間の水分子がH$$_{3}$$O$$^{+}$$の状態で存在することも明らかにした。これらの知見はAsp105, His88および「アキシアル」水分子がPcyAによる触媒反応におけるプロトン移動に関与していることを示唆しており、フィコシアノビリン合成(初期段階)の新たな反応機構の提唱を可能とした。

報告書

概要調査段階における設計・性能評価手法の高度化,3; NUMO-JAEA共同研究報告書(2013年度)(共同研究)

柴田 雅博; 澤田 淳; 舘 幸男; 牧野 仁史; 若杉 圭一郎; 三ツ井 誠一郎; 北村 暁; 吉川 英樹; 小田 治恵; 石寺 孝充; et al.

JAEA-Research 2014-030, 457 Pages, 2015/03

JAEA-Research-2014-030.pdf:199.23MB

原子力機構(JAEA)がこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、原子力発電環境整備機構(NUMO)が今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくための具体的な考え方と進め方を策定すること等を目的として、2011年度よりJAEAとNUMOは以下の3つのテーマについて共同研究を進めている。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討: 水理地質構造モデル構築手法の事例調査に基づいて、得られた知見を評価ツリーとして整理し、モデルの不確実性やそれらの評価項目への影響等についての検討を行った。(2)シナリオの構築方法に関する検討: 状態設定手順を実務的な観点から、さらに見直すとともに、セメント影響とガラス溶解挙動について、知見の体系的な整理と不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定方法に関する検討: 母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。

論文

イオンビームの再照射によって秋輪ギク"神馬"の複数形質を改良した新品種"新神2"の育成

上野 敬一郎*; 永吉 実考*; 今給黎 征郎*; 郡山 啓作*; 南 公宗*; 田中 淳; 長谷 純宏; 松本 敏一*

園芸学研究, 12(3), p.245 - 254, 2013/09

白色の秋輪ギク"神馬"は、我が国における主力品種であるが、側枝の発生が多く、低温遭遇により開花が遅れる欠点がある。"神馬"に対するイオンビーム照射によって、側枝が少ない新品種である"新神"及び"今神"の育成に成功したが、無側枝性と低温開花性の両特性を併せ持つ変異個体は得られなかった。そこで、イオンビーム照射により得られた変異体に再度変異誘発を行う手法について検討した。イオンビーム照射した葉組織に由来する照射当代植物体はキメラ性が低いことを確認した。無側枝性を有する"新神"に対して再度の変異誘発を行い、低温開花性を指標とする選抜により、無側枝性と低温開花性の特性を併せ持つ変異体の選抜に成功し、新品種"新神2"の育成に至った。無側枝性と低温開花性を併せ持つ"新神2"は、高品質切り花の省力・低コスト生産を実現するものである。このように、イオンビーム照射によって、複数の特性を段階的に改良できることを実証した。本研究で得られた知見は、輪ギクの特性改良に限らず、イオンビーム照射による変異誘発において、広く適用可能できる有効な手法と考えられる。

論文

Development of a microcalorimeter with transition edge sensor for detection of LX rays emitted by transuranium elements

中村 圭佑; 前田 亮*; 安宗 貴志*; 前畑 京介*; 石橋 健二*; 田中 啓一*; 梅野 高裕*; 高崎 浩司; 百瀬 琢麿

Radiation Protection Dosimetry, 146(1-3), p.88 - 91, 2011/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.77(Environmental Sciences)

エネルギー分散型のX線検出器として超伝導相転移端温度計(TES)型マイクロカロリーメータの研究が行われている。TES型マイクロカロリーメータは熱検出器であり、入射光子のエネルギーを温度上昇として測定する。本研究では、超ウラン元素から放出されるLX線を計測するため、吸収体に厚さ5$$mu$$mのAuを用いたTES型マイクロカロリーメータを開発した。さらに、冷却システムには液体ヘリウムを用いないギフォード・マクマホン冷凍機を搭載した希釈冷凍機を用いた。このシステムの性能評価のため$$^{241}$$Amより放出されるLX線の検出を行った。その結果、エネルギー分解能が約80eVとなり、TES型マイクロカロリーメータによるLX線検出が有効であることがわかった。

論文

Evaluation of the white neutron beam spectrum for single-event-effects testing at the RCNP cyclotron facility

岩元 洋介; 福田 光宏*; 坂本 幸夫; 民井 淳*; 畑中 吉治*; 高久 圭二*; 永山 啓一*; 浅井 弘彰*; 杉本 憲治*; 梨山 勇*

Nuclear Technology, 173(2), p.210 - 217, 2011/02

 被引用回数:29 パーセンタイル:89.79(Nuclear Science & Technology)

大阪大学核物理研究センター(RCNP)の392MeV陽子による6.5cm厚さのタングステンターゲットでの核破砕反応を利用した30度白色中性子ビームラインが、1MeVから300MeVの中性子エネルギー領域における半導体シングルイベント効果(SEE)の試験を行う場として特徴づけられた。飛行時間法により得られた中性子スペクトルは、宇宙線起因の中性子の地表面におけるエネルギースペクトルとよく似ていること、RCNPの中性子強度は地表面の中性子強度の約1.5$$times$$10$$^{8}$$倍であることがわかった。また、300MeV以下の中性子強度とスペクトルは、米国ロスアラモス国立研究所の武器中性子研究施設(WNR)におけるそれとほぼ同じであり、PHITSコードによる中性子強度に関する計算結果はファクター2以内で一致した。RCNPのパルスあたりの中性子密度は、WNRのそれの約500倍ほど小さいが、シングルイベントの一時電流のパイルアップ確率や多重ビット反転の失敗を減少させることができることから、RCNPの中性子ビームは、SEEテストに関して実用的な時間枠の中で意義のある結果を得るのに適している。

論文

Development of a TES microcalorimeter for spectroscopic measurement of LX-rays emitted by transuranium elements

前畑 京介*; 中村 圭佑*; 安宗 貴志*; 石橋 健二*; 高崎 浩司; 田中 啓一*; 小田原 成計*; 永田 篤士*

Journal of Nuclear Science and Technology, 47(3), p.308 - 313, 2010/03

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.8(Nuclear Science & Technology)

超ウラン元素から放出されるLX線エネルギーの測定のために相転移端(TES)型マイクロカロリーメータを開発した。120nm厚の金と50nm厚のチタンの2層構造とし、TESの相転移温度は200mKで設計した。10から20keVのエネルギーのLX線に対して、吸収効率50%で毎秒100カウントの計数率を確保するためにさらに5.0$$mu$$mの金の層を金/チタン二層構造上に蒸着している。このTES型マイクロカロリーメータを用いて$$^{241}$$Am, $$^{238}$$Pu及び$$^{239}$$Puの線源から放出されるLX線を測定した。検出パルスの減衰時定数は180$$mu$$sであり、毎秒100カウント以上の計数率でTES型マイクロカロリーメータが作動することを確認した。エネルギー分解能は、$$^{237}$$NpのL$$beta$$$$_{1}$$X線である17.75keVのピークにおいて50eVの半値幅であった。

論文

The Optimum dose of ion beam irradiation for growth of sugarcane

遠嶋 太志*; 竹之下 佳久*; 白尾 吏*; 長谷 健*; 大江 正和*; 上野 敬一郎*; 長谷 純宏; 田中 淳

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 73, 2008/03

沖縄県久米島地域及び鹿児島県奄美地域を普及対象として育成されたサトウキビ品種「Ni17」は株出し適性が高く、耐風性も強い。しかし、葉鞘部に着生する毛群が粗剛であるため、収穫や栽苗等の作業に障害をきたしている。そこで、イオンビーム照射による突然変異誘発により毛群の少ない優良系統の育成を試みた。今回、サトウキビのほ場生育を指標としたイオンビーム照射線量を検討した。幼苗検定により初期選抜した188個体について、ほ場での毛群及び生育調査を行い、毛群が少なく生育の良好な有望個体20個体を選抜した。品種「Ni17」の葉片への照射に炭素イオンビーム(C320)を利用する場合は、2Gy以上の照射では個体再生率の低下が著しく、仮茎長や茎径の減少といった不良変異の影響が大きいため、2Gy程度の線量が適当であると考えられた。

論文

Ion beam breeding of chrysanthemum cultivar "Sanyo-ohgon"

白尾 吏*; 上野 敬一郎*; 南 公宗*; 田中 昭*; 今給黎 征郎*; 長谷 純宏; 田中 淳

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 74, 2008/03

黄系秋輪ギク品種「山陽黄金」は鹿児島県の主力品種であるが、側枝発生数が多く摘芽・摘蕾作業に労力を要する点や花がやや小さいなどの欠点がある。われわれは、白系秋輪ギク品種「神馬」において、葉片にイオンビームを照射し、不定芽経由の再生個体から無側枝性に優れた変異個体を選抜し、品種登録を行った。また、育成した品種に再度イオンビームを照射することにより、新たに低温開花性の特性を付与した個体の作出に成功している。今回、「山陽黄金」について、「神馬」と同様の手法を用いて無側枝性や花の大型化を目標としたイオンビーム育種に取り組んだ。その結果、当品種においてもイオンビームの再照射による選抜個体の再改良が有効であると考えられた。

論文

積算型線量計の測定手法に関する研究

高城 啓一*; 田中 良和*; 畑下 昌範*; 遠藤 伸之*

平成18年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究成果報告集,9, P. 95, 2007/09

$$sim$$中レベル放射線の生物学的効果を直接反映した簡易な測定装置並びにその測定法を開発することを目的として、遺伝子発現を検出・利用するバイオセンサーの開発を行っている。昨年度からの継続課題として、2007年度は酵母細胞に対する50Gy, 300Gy、及び500Gyのプロトン照射を行い、それらの線量ごとにDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、各々の照射試料中から遺伝子発現に差の認められる複数の候補遺伝子を得ることができた。DNAデータベースの検索を行った結果、今回得られた候補遺伝子群は、個々の遺伝子についてより詳細な遺伝子発現動向を調べる必要があることが示唆された。

論文

The Connection between $$gamma$$-ray bursts and extremely metal-poor stars; Black hole-forming supernovae with relativistic jets

冨永 望*; 前田 啓一*; 梅田 秀之*; 野本 憲一*; 田中 雅臣*; 岩本 信之; 鈴木 知治*; Mazzali, P. A.*

Astrophysical Journal, 657(2, Part2), p.L77 - L80, 2007/03

 被引用回数:115 パーセンタイル:92.09(Astronomy & Astrophysics)

長い継続時間を持つ$$gamma$$線バースト(GRB)は明るく大きなエネルギーを持ったIc型超新星(このような超新星は極超新星(HNe)と呼ばれる)と関連があると考えられている。しかし、最近発生したGRB060505と060614では、超新星が観測されなかった。このことから超新星の明るさの上限は、GRBに付随するHNe(GRB-HNe)の約100倍も暗いと推測された。この上限値は、放出された$$^{56}$$Niの質量では、約$$10^{-3}M_odot$$に対応する。このように少ない$$^{56}$$Ni放出量は、暗いII型超新星として観測されている。HNeや暗い超新星は金属欠乏星の形成にも関連していると考えられている。この論文では、相対論的ジェットにより誘発された40$$M_odot$$の爆発モデルを用いて、爆発や元素合成が計算されている。このモデルは、GRB-HNeや明るい超新星を伴わないGRBを統一的な手法で説明することができる。その結果として、われわれは、明るい超新星を持たないGRBでは$$10^{-4}-10^{-3}M_odot$$、又は、$$10^{-6}M_odot$$$$^{56}$$Niが合成されていると予想する。

論文

サトウキビ育種のための葉片組織培養物へのイオンビーム照射最適線量

遠嶋 太志*; 白尾 吏*; 上野 敬一郎*; 大江 正和*; 安庭 誠*; 長谷 純宏; 田中 淳

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 83, 2007/02

沖縄県久米島地域及び鹿児島県奄美地域を普及対象として育成されたサトウキビ品種"Ni17"は株出し適性が高く、耐風性も強い。しかし、葉鞘部に着生する毛群が粗剛であるため、収穫や栽苗等の作業に障害をきたしている。そこで、イオンビーム照射による突然変異誘発により毛群の少ない優良系統の育成を試みた。これまでに6575個体を幼苗検定に供し、無毛個体93個体,少毛個体286個体を得た。この後さらに、圃場選抜により、生育良好な有望個体37個体を選抜した。培養葉片への照射に炭素イオンビームを利用する場合は個体再生率の低下や生育に影響が少なく、変異出現率の高い線量として、220MeV$$cdot$$$$^{12}$$C$$^{5+}$$では1Gy、320MeV$$cdot$$$$^{12}$$C$$^{6+}$$では2Gy程度が適当であると考えられた。

論文

Self-regenerating Rh- and Pt-based perovskite catalysts for automotive-emissions control

田中 裕久*; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 梶田 伸彦*; 丹 功*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 成田 慶一*; 木村 希夫*; 金子 公良*

Angewandte Chemie; International Edition, 45(36), p.5998 - 6002, 2006/09

 被引用回数:172 パーセンタイル:94.89(Chemistry, Multidisciplinary)

貴金属のペロブスカイト酸化物粒子への可逆な固溶析出現象を利用して、貴金属の使用量を削減しながら高性能な自動車触媒を創ることができる。パラジウムに引き続き、白金とロジウムに関しても自己再生機能を持たせることに成功した。

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