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田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:18 パーセンタイル:74.47(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
Eichler, R.*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Chiera, N. M.*; Di Nitto, A.*; Dressler, R.*; Dllmann, Ch. E.*; Even, J.*; Fangli, F.*; Goetz, M.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.07005_1 - 07005_7, 2016/12
被引用回数:3 パーセンタイル:72.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、物理的な前段分離装置を活用することにより、超重元素の比較的不安定な単一分子の合成と研究が気相化学研究によって可能になった。非常に揮発性の高い106番元素のヘキサカルボニル錯体Sg(CO)の合成は最近の大きな成果である。この成功を受けて、中心金属原子と周囲の配位子間の第一乖離エネルギーの測定を第2世代の実験として実施した。管状の分解反応装置を用いた手法を開発し、短寿命のMo(CO), W(CO), Sg(CO)錯体に適用することに成功した。
Usoltsev, I.*; Eichler, R.*; Wang, Y.*; Even, J.*; Yakushev, A.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; et al.
Radiochimica Acta, 104(3), p.141 - 151, 2016/03
被引用回数:31 パーセンタイル:95.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)周期表第6族元素で最も重いSgのヘキサカルボニル錯体の熱的安定性を調べることを目指して、短寿命MoおよびW同位体を用いてヘキサカルボニル錯体を合成し、その合成および解離条件を調べた。チューブ状の反応装置を用いてヘキサカルボニル錯体を解離させ、第1解離エネルギーを導出できるかテストした。第6族元素のヘキサカルボニル錯体の解離を調べるには、反応表面として銀が最適であることがわかった。Mo(CO)およびW(CO)の解離が起こる反応表面温度は、それらの第1解離エネルギーと相関があることがわかり、この方法を用いてSg(CO)の第1解離エネルギーを決定できる見通しを得た。
加治 大哉*; 森本 幸司*; 若林 泰生*; 武山 美麗*; 山木 さやか*; 田中 謙伍*; 羽場 宏光*; Huang, M.*; 村上 昌史*; 金谷 淳平*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.030107_1 - 030107_4, 2015/06
非対称核融合反応に対する新型ガス充填型反跳イオン分離装置GARIS-IIの性能を、Neビームを用いて調べた。分析電磁石にヘリウムと水素の混合ガスを充填すると、焦点面シリコン検出器で検出されるバックグラウンドとなる散乱粒子の数が極めて少なくなり、かつ非対称核融合反応生成物の輸送効率が増大した。また、新たに標的同定システムを導入し、ビームエネルギーや標的を換えることなく効率的に励起関数測定が行えるようになった。
Huang, M.*; 羽場 宏光*; 村上 昌史*; 浅井 雅人; 加治 大哉*; 金谷 淳平*; 笠松 良崇*; 菊永 英寿*; 菊谷 有希*; 小森 有希子*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 304(2), p.845 - 849, 2015/05
被引用回数:3 パーセンタイル:25.85(Chemistry, Analytical)ガスジェット搬送法と理研ガス充填型反跳イオン分離装置(GARIS)を組み合わせて、105番元素Dbの化学研究に使用する放射性のNbおよびTa同位体の生成・利用技術を開発した。Dbの合成と同じエネルギーのFビームを用いて短寿命のNbおよびTaを合成し、GARISを用いて分離したあと、ガスジェット搬送法を用いて化学実験室に引き出した。GARISの磁場を変更し、反跳核のエネルギー減速箔およびシャッターを挿入するだけで、他の実験条件は何も変更せずに、Db用の化学実験装置にNbとTaを導入することに成功した。
Even, J.*; Ackermann, D.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Eichler, R.*; Fan, F.*; 羽場 宏光*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(3), p.2457 - 2466, 2015/03
被引用回数:15 パーセンタイル:77.56(Chemistry, Analytical)金属カルボニル錯体の迅速その場合成を、核分裂や核融合反応によって生成される短寿命同位体を用いた実験によって実証した。高い反跳エネルギーを持つ短寿命核反応生成物を一酸化炭素分子と直接反応させることでカルボニル錯体を合成し、高い揮発性を持つ錯体のみをガス気流によって迅速に搬送し、化学分析・測定装置にかけて検出した。この手法を用いることで、Mo, Tc, Ru, Rh, W, Re, Os, Irの短寿命同位体の揮発性カルボニル錯体の合成に成功した。一方、HfとTaの揮発性錯体は検出されなかった。この手法は超重元素シーボーギウム(原子番号106)の化学研究に既に適用されており、また短寿命遷移金属同位体を用いた核科学研究の様々な分野への応用が今後期待される。
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:63 パーセンタイル:83.28(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
被引用回数:167 パーセンタイル:97.27(Physics, Multidisciplinary)113番元素である113をBi標的にZnビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知であるDb及びLrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が113, Rg (Z=111), Mt (Z=109), Bh (Z=107), Db (Z=105)及びLr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
加藤 義章; 大道 博行; 永島 圭介; 河内 哲哉; 長谷川 登; 田中 桃子; Tang, H.; Tai, R.; Lu, P.; 岸本 牧; et al.
AIP Conference Proceedings 641, p.31 - 39, 2002/00
光量子科学研究センターにおけるX線レーザー開発の最新の成果を報告する。X線レーザー研究専用装置として開発したコビーム,1ps Nd:ガラスレーザーを用い、進行波励起によりNi様銀イオンで13.9nmにおいて、また同すずイオンにより12.0nmにおいて、飽和増幅を得ることに成功した。さらに、Ni様ランタンイオンで8.8nm,気体アルゴンターゲットで46.9nm,同キセノンで9.98nmでの高利得増幅を観測した。プラズマ増幅器への注入増幅による高コヒーレントX線レーザー光の生成の計画を報告するとともに、新たに開発した340TWチタンサファイアレーザーによる内殻イオン化X線レーザーの研究について述べる。
佐々木 明; 内海 隆行*; 森林 健悟; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 河内 哲哉; 大道 博行
Journal of Quantitative Spectroscopy & Radiative Transfer, 71(2-6), p.665 - 674, 2001/10
被引用回数:9 パーセンタイル:46.28(Optics)プラズマ流体コードと原子過程コードを用い、過渡利得型電子衝突X線レーザーの利得分布を解析する。原子過程コードは、Ni様イオンの詳細なエネルギー準位構造と衝突、輻射過程のレート係数をHULLACコードで計算し、またレベル構造を平均化する手法でPd様からAr様までのイオンを考慮して広いプラズマ温度、密度の範囲で計算できるようにした。計算と実験の結果を解析し、予備生成したプラズマの臨界密度面付近が急激に加熱、電離されて利得が生成することを示す。また4-3遷移の発光の分布から、プラズマのイオン化状態を解析する。さらに薄膜ターゲットを短パルスレーザーで励起すると、熱伝導などによるエネルギーの損失が少なく高温度が得られるので高利得が得られことを示す。内殻励起状態の電離過程のモデリングの改善、原子レベル構造をオプジェクト指向の手法で記述するプログラミングの改良についても述べる。
佐々木 明; 内海 隆行*; 森林 健悟; Zhidkov, A. G.; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 河内 哲哉
Journal de Physique, IV, 11(Pr2), p.Pr2_75 - Pr2_78, 2001/07
現在70~350Åの波長域でレーザー発振が得られている過渡利得型電子衝突励起X線レーザーの理論的・実験的解析を行っている。われわれはプラズマ流体コードと組み合わせて媒質プラズマの特性、イオン比やX線レーザー利得を求めるため、HULLACコードの原子データを用いた原子過程コードを開発した。そして、プリ・メインパルスの強度、パルス幅の種々の励起条件の検討を行った。メインパルスは強度が大きい程電離や励起に有利であるが、パルス幅の下限は電離に要する時間で制限される。高強度のプリパルスを用いあらかじめNi様イオンを生成することは利得の生成に有利であり、特に薄膜ターゲットを用いると電離が効率的に起こることと膨張がより速く再結合が抑制される利点をもつ可能性がある。これらをもとに最適な励起条件について議論する。