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池田 隆司; Hou, Z.*; Chai, G.-L.*; 寺倉 清之*
表面科学, 36(7), p.345 - 350, 2015/07
カーボンアロイ触媒は固体高分子形燃料電池の白金代替正極触媒として有望視されている。我々は第一原理に基づいた分子動力学シミュレーションによりカーボンアロイ触媒における酸素還元反応機構を調べてきた。本稿では我々のシミュレーションにより示唆されたカーボンアロイ触媒の活性点での可能な酸素還元反応機構を紹介する。
Chai, G.-L.*; Hou, Z.*; Shu, D.-J.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*
Journal of the American Chemical Society, 136(39), p.13629 - 13640, 2014/10
被引用回数:239 パーセンタイル:97.76(Chemistry, Multidisciplinary)カーボンアロイ触媒は酸素還元反応の白金代替触媒として有望視されている。しかしながら酸素還元反応の反応サイトと反応機構についてはまだ議論されているところである。本論文では、第一原理計算に基づいて窒素ドープカーボンアロイ触媒中の様々な構造による可能な酸素還元反応機構に関して一般的な考察を行った。我々の研究から、Stone-Wales欠陥にドープされた窒素対のみが良い活性点を与えることが示唆され、この構造による酸素還元活性は活性点周囲の曲率により調整ができ、極大ポテンシャル(0.8V)に近づけることが可能であることが示された。
池田 隆司; Hou, Z.*; Chai, G.-L.*; 寺倉 清之*
Journal of Physical Chemistry C, 118(31), p.17616 - 17625, 2014/08
被引用回数:48 パーセンタイル:80.46(Chemistry, Physical)窒素をドープした炭素ベースのナノ材料が固体高分子形燃料電池の非白金電極触媒として非常に興味がもたれている。この研究では、第一原理計算に基づいたシミュレーションにより窒素をドープしたグラフェン端が電子供与性・受容性、および塩基性を制御することにより高い酸素還元活性を示し、これらの制御により酸性条件下でそれぞれ内圏型と外圏型電子移動による高い4電子還元選択性をもつことを示した。我々のシミュレーションからジグザグ端でカルボニル酸素の隣にピリジン様窒素が存在する場合に2電子還元が選択的に起きることもわかった。この研究により酸素還元反応に対するグラフェン状物質にドープされた窒素の役割が明らかとなった。
Hou, Z.*; Shu, D.-J.*; Chai, G.-L.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*
Journal of Physical Chemistry C, 118(34), p.19795 - 19805, 2014/08
被引用回数:11 パーセンタイル:35.95(Chemistry, Physical)非貴金属触媒やナノ電子デバイス材料として注目されている窒素ドープグラフェンには、多くの場合、窒素量と同程度かそれ以上の酸素が含まれている。我々は、グラフェンの単空孔は複空孔やストーンウェルズ欠陥よりもしばしば観察され、より化学的に活性であることから、酸化単空孔と窒素ドーパントの相互作用を密度汎関数計算により調べた。温度と酸素、水素ガスの分圧の関数として窒素未ドープ酸化単空孔と窒素ドープ酸化単空孔の相図を求めた。また単空孔の酸化と窒素ドープによる電子構造の変化を調べた。我々の計算結果からエーテル基が酸化単空孔での安定構造に共通して存在し、ほとんどの安定構造ではキャリアがドープされないことがわかった。
Wang, X.*; Hou, Z.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*
Journal of Physical Chemistry C, 118(25), p.13929 - 13935, 2014/06
被引用回数:10 パーセンタイル:33.36(Chemistry, Physical)グラフェンの端と欠陥での可能な窒素含有部のNMR化学シフトを第一原理計算により調べた。我々の計算結果はピリジン様窒素とグラファイト様窒素がN NMRにより容易に同定できることを示しており、これは実験と一致している。一方、ピリジニウム様窒素とピロール様窒素を識別することはこれらのN核のNMRシグナルが重なるために困難である。しかしながら、我々はシミュレーションからH NMRがこれらを区別するのに有用であることを示した。すなわちピリジニウム様窒素とピロール様窒素に直接結合しているHのNMR化学シフトは0.8と10.8ppmと見積もられた。我々が考慮した様々な端部のN NMRシグナルはピリジン様窒素を除き欠陥でのものとほぼ同じであった。一方、アームチェアー端と欠陥サイトでのピリジン様窒素はその凝集の程度により敏感にN NMRの化学シフトが変化することがわかった。
Hou, Z.*; Wang, X.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*
Physical Review B, 87(16), p.165401_1 - 165401_16, 2013/04
被引用回数:102 パーセンタイル:95.49(Materials Science, Multidisciplinary)密度汎関数理論計算を行い、欠陥あるいはStone-Wales欠陥を有する窒素ドープグラフェンの電子構造を調べた。われわれの結果は、グラフェン内の単空孔はホールドーパントとして働き、導入されたホールを補償するには2つの置換型窒素が必要であることを示している。一方、複空孔はフリーキャリアーを生成しない。興味深いことに、複空孔の孤立窒素ドーパントはドナーではなくアクセプターをして働く。理想的なグラフェン内の孤立窒素ドーパントと比較すると、置換型窒素ドーパントによって導入された電子は窒素対が形成されると著しく局在する。窒素間相互作用、及び点欠陥と窒素ドーパント間の相互作用はバルクバンドへのフリーキャリアー生成に関する窒素ドーパントの役割を大きく変えることがわかった。われわれの結果は、窒素ドーパントによって導入される自由電子の濃度がドープした窒素濃度よりも低いという実験の観察結果と定性的には一致している。
丹羽 秀治*; 斎藤 信*; 小林 正起*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 守屋 彰悟*; 松林 克征*; 難波江 裕太*; 黒木 重樹*; 池田 隆司; et al.
Journal of Power Sources, 223, p.30 - 35, 2013/02
被引用回数:18 パーセンタイル:51.1(Chemistry, Physical)固体高分子形燃料電池用の非白金で、安価で、高性能の炭素正極触媒をデザインするには、酸素還元反応の活性点を明らかにすることが重要である。しかしながら、このような複雑な系においては通常用いられる原子・電子構造プローブにより活性点を直接特定するのは困難である。本研究では、炭素1X線吸収分光を用いて鉄フタロシアニンをもとにした触媒の炭素構造を観察し、吸収端以下に炭素端の露出を意味する構造を見いだした。またその強度は酸素還元活性とよく相関することがわかった。これらの結果は、炭素1X線吸収分光を用いることにより炭素正極触媒における酸素還元活性の評価が端の露出の観点から可能であることを示している。
Wang, X.*; Hou, Z.*; 池田 隆司; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*; 寺倉 清之*
Journal of Physical Chemistry A, 117(3), p.579 - 589, 2013/01
被引用回数:36 パーセンタイル:80.51(Chemistry, Physical)第一原理計算によりグラフェン端にドープされた窒素の端X線吸収、発光及び光電子スペクトルを系統的に調べた。本研究ではアームチェア端とジグザグ端でのpyridinum様, pyridine様, cyanide様、及びamine様窒素とアームチェア端のpyrrole様窒素及びグラフェン内部のgraphite様窒素を調べた。われわれの結果は窒素ドープグラフェンにおける窒素の配置とその位置がスペクトル解析によって同定可能であることを示している。さらに、窒素ドープグラファイト類似物質において実験で観測され、論争となっているスペクトルの特徴的な構造についてあいまいさなく同定した。本解析によりXPSとXASでしばしば異なる同定がされる理由が明らかになった。
寺倉 清之*; Hou, Z.*; Wang, X.*; 池田 隆司
グラフェンの機能と応用展望,2, p.26 - 39, 2012/12
カーボンアロイ触媒の酸素還元反応に重要な寄与をしている窒素ドープについては、実はどのような窒素が本当に重要であるかは未だによく理解されていない。われわれは、グラフェンの種々の形態において、窒素がどこに入りやすいか、存在形態と電子状態の関係、X線光電子分光などの分光解析の実験との関係などを系統的に調べてきた。この結果について解説する。
木内 久雄*; 丹羽 秀治*; 小林 正起*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 畳開 真之*; 難波江 裕太*; 黒木 重樹*; 柿本 雅明*; 池田 隆司; et al.
Electrochimica Acta, 82(1), p.291 - 295, 2012/10
被引用回数:14 パーセンタイル:34.63(Electrochemistry)含窒素ポリアミド(PA)と窒素を含まないフェノール樹脂(PhRs)由来の金属を含まない炭素触媒への酸素吸着特性を調べた。電気化学分析及びラマン分光からPA由来の炭素触媒はPhRs由来の物よりもより高い2電子酸素還元活性を示し、またより多くの欠陥を含むことがわかった。X線光電子分光からグラファイト状窒素が酸素吸着に寄与しPA由来の触媒ではC=Oが主な成分であることがわかった。これらの実験結果はグラファイト状窒素の近傍に吸着したC=O成分が2電子酸素還元の活性点であることを示唆している。
小林 正起*; 丹羽 秀治*; 斎藤 信*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 大渕 博宣*; 寺倉 清之*; 池田 隆司; 腰越 悠香*; 尾崎 純一*; et al.
Electrochimica Acta, 74, p.254 - 259, 2012/07
被引用回数:52 パーセンタイル:81.12(Electrochemistry)鉄フタロシアニンとフェノール樹脂の混合物を800Cで焼成して得た炭素触媒における酸素還元活性に対する鉄の役割を明らかにすることを目的に残存鉄の電子構造をXAFS実験により酸洗いの前後で調べた。鉄のK端X線発光強度から酸洗いにより炭素触媒の残存鉄が36%減少することがわかった。XAFSスペクトルから鉄の成分が酸洗いにより変化しないことが明らかになった。これは鉄の化学状態によらず酸洗いにより残存鉄が取り除かれることを示唆する。酸洗いにより酸素還元能がほぼ不変であることから残存鉄は炭素触媒の酸素還元活性に直接寄与しておらず、おもに熱分解時にsp炭素のネットワーク構造を成長させる触媒として働くと考えられる。本研究の結果は鉄フタロシアニン由来の炭素触媒における酸素還元活点は炭素や窒素といった軽元素であることを示唆している。
Hou, Z.*; Wang, X.*; 池田 隆司; 寺倉 清之*; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*; 宮田 清蔵*
Physical Review B, 85(16), p.165439_1 - 165439_9, 2012/04
被引用回数:125 パーセンタイル:96.42(Materials Science, Multidisciplinary)グラフェン中の窒素ドーパントと点欠陥の相互作用を理解するために空孔あるいはStone-Wales欠陥を含む窒素ドープグラフェンの安定性を密度汎関数法を用いて調べた。窒素は欠陥周囲の炭素と置換することを好み、特にボンドの縮みが大きいサイトを好むことがわかった。このことは欠陥を含んだグラフェンにおいては欠陥によって誘起されるひずみが窒素の安定化にとって重要であることを示唆する。単原子空孔が存在する場合、ピリジン様窒素が最安定であるが、他の欠陥の場合窒素は5員環内のサイトを好むことがわかった。点欠陥は窒素ドーパントの安定性に大きく影響し欠陥のないグラフェンでは窒素ドープは吸熱的であるが、欠陥があると発熱的となる。われわれの結果は点欠陥と窒素ドーパントは協奏的に働き、窒素ドーパントは欠陥の生成確率を増大させ、逆に欠陥は窒素のドープ量を増大させることを示唆している。
Wang, X.*; Hou, Z.*; 池田 隆司; Huang, S.-F.*; 寺倉 清之*; Boero, M.*; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*; 宮田 清蔵*
Physical Review B, 84(24), p.245434_1 - 245434_7, 2011/12
被引用回数:32 パーセンタイル:76.31(Materials Science, Multidisciplinary)窒素がドープされたジグザググラフェンリボンの構造及び電子的性質を端の炭素の終端を1水素と2水素の比率をさまざまに変えて密度汎関数により調べた。われわれの以前の仕事で触媒活性に重要な役割を持つと主張した端の隣のグラファイト状窒素の安定性は2水素終端された炭素の割合が増えるにつれて増大することがわかった。さらに、2水素終端された端の炭素は室温で酸素が存在する条件下では容易に1水素終端に変わることがわかった。われわれの結果をもとに、端の炭素の終端の水素化の程度をコントロールすることにより窒素ドープグラフェンの酸素還元触媒活性が増強できることを提案する。また本研究でわれわれが対象とした窒素のX線吸収スペクトルと発光スペクトルにおける特徴も示す。
小林 正起*; 丹羽 秀治*; 原田 慈久*; 堀場 弘司*; 尾嶋 正治*; 大渕 博宣*; 寺倉 清之*; 池田 隆司; 腰越 悠香*; 尾崎 純一*; et al.
Journal of Power Sources, 196(20), p.8346 - 8351, 2011/10
被引用回数:32 パーセンタイル:67.48(Chemistry, Physical)コバルトフタロシアニンとフェノール樹脂の混合物の熱分解によって合成したコバルトフタロシアニン由来の炭素触媒中の炭素原子の電子構造をX線吸収微細構造分析と硬X線光電子分光を用いて調べた。Co K端XAFSスペクトルからほとんどのコバルト原子は金属状態であるが酸洗い後でも少量の酸化コバルト成分があることがわかった。また、XAFSとHXPESのプローブ長の違いから酸洗い後においてCoクラスタ凝集体の表面領域はおもに金属Coから構成されていることがわかった。酸洗い前後で電気化学的性質がほとんど変化しなかったことから、残存金属Co又は酸化Co自体は炭素カソード触媒の酸素還元反応活性にほとんど寄与しておらず、炭素や窒素等の軽元素がコバルトフタロシアニン由来炭素触媒の活性点を構成していると考えられる。
Hou, Z.*; Wang, X.*; 池田 隆司; Huang, S.-F.*; 寺倉 清之*; Boero, M.*; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*; 宮田 清蔵*
Journal of Physical Chemistry C, 115(13), p.5392 - 5403, 2011/03
被引用回数:38 パーセンタイル:72.47(Chemistry, Physical)水素によるグラフェンエッジの終端に関する情報を得るためにナノグラフェンの炭素K端X線吸収スペクトルを密度汎関数計算によって調べた。われわれの結果は、エッジの終端の仕方によって化学結合状態とエッジに局在した状態が異なってくるために、エッジ近傍の炭素原子の1準位の束縛エネルギーが大きく影響を受けることを示している。ジグザググラフェンナノリボンに対する理論スペクトルでは1つの水素と2つの水素によるエッジ終端の比に依存してピークと相対的に異なる位置にショルダーが現れることがわかった。さらに、実験で観測されているピークとピークの間の構造はエッジでのC-HとC-H結合の状態に由来することがわかった。
丹羽 秀治*; 小林 正起*; 堀場 弘司*; 原田 慈久*; 尾嶋 正治*; 寺倉 清之*; 池田 隆司; 腰越 悠香*; 尾崎 純一*; 宮田 清蔵*; et al.
Journal of Power Sources, 196(3), p.1006 - 1011, 2011/02
被引用回数:89 パーセンタイル:91.42(Chemistry, Physical)固体高分子形燃料電池用窒素含有炭素ベース正極触媒3種類の電子構造を硬X線光電子分光で調べた結果を報告する。炭素1sスペクトルから酸素還元活性には炭素ネットワークが重要であること、窒素1sスペクトルから高活性なサンプルはグラファイト様窒素をより多く含むことがわかった。
池田 隆司; Boero, M.*; Huang, S.-F.*; 寺倉 清之*; 尾嶋 正治*; 尾崎 純一*; 宮田 清蔵*
Journal of Physical Chemistry C, 114(19), p.8933 - 8937, 2010/05
被引用回数:60 パーセンタイル:83.15(Chemistry, Physical)カーボンアロイ触媒(CAC)が燃料電池の白金代替電極触媒として注目されている。この理論計算による研究では、第一原理分子動力学によってCAC触媒の露出した端での可能な酸素吸着及び酸素還元過程を調べている。われわれのシミュレーションは、ホウ素と窒素の共ドープは安定性と反応性の両面からCAC触媒の活性をさらに向上させる有力な方法であることを示唆している。
池田 隆司; Huang, S.-F.*; Boero, M.*; 寺倉 清之*
白金代替カーボンアロイ触媒, p.121 - 138, 2010/04
グラフェンに窒素をドープした系の電子状態計算と、第一原理分子動力学に基づいたシミュレーションの結果から、カーボンアロイ触媒の酸素還元反応に対する触媒機能がどのように説明されるかを解説した。
Huang, S.-F.*; 寺倉 清之*; 尾崎 泰助*; 池田 隆司; Boero, M.*; 尾嶋 正治*; 尾崎 純一*; 宮田 清蔵*
Physical Review B, 80(23), p.235410_1 - 235410_12, 2009/12
被引用回数:167 パーセンタイル:97.33(Materials Science, Multidisciplinary)最近の研究により、窒素をドープしたカーボンアロイ触媒が燃料電池におけるカソード触媒の有力な候補であることが示唆されている。この論文は単純なクラスターモデルを用いて窒素ドープによって触媒活性が増強されるミクロな機構を明らかにすることを目的としている。密度汎関数理論に基づいた計算からドーパントの配置による電子構造及び安定性の違いを解析した。さらに、窒素とホウ素がコドープされた場合に解析を拡張することによって、窒素とホウ素のコドープによるさらなる触媒活性の向上を説明する2つの可能なシナリオを提案した。
池田 隆司; Huang, S.-F.*; Boero, M.*; 寺倉 清之*
グラフェンの機能と応用展望, p.46 - 59, 2009/07
グラフェンに窒素をドープした系の電子状態計算と、第一原理分子動力学法に基づくシミュレーションの結果から、カーボンアロイの酸素還元反応に対する触媒機能がどのように説明されるかを解説した。