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栗原 モモ*; 保高 徹生*; 青野 辰雄*; 芦川 信雄*; 海老名 裕之*; 飯島 健*; 石丸 圭*; 金井 羅門*; 苅部 甚一*; 近内 弥恵*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 322(2), p.477 - 485, 2019/11
被引用回数:2 パーセンタイル:21.58(Chemistry, Analytical)福島県の淡水に含まれる低レベル溶存態放射性セシウム濃度の測定に関する繰り返し精度と再現精度を評価した。21の実験施設が5つの異なる前濃縮法(プルシアンブルー含浸フィルターカートリッジ,リンモリブデン酸アンモニウム共沈,蒸発,固相抽出ディスク、およびイオン交換樹脂カラム)によって10L試料3検体を前濃縮し、放射性セシウム濃度を測定した。全Cs濃度測定結果のzスコアは2以内で、手法間の誤差は小さいことが示された。一方で、各実験施設内の相対標準偏差に比べて、施設間の相対標準偏差は大きかった。
福井 寿樹*; 牧 隆*; 三浦 信之; 塚田 毅志*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(2), p.169 - 173, 2016/12
次世代再処理ガラス固化技術基盤研究は、低レベル廃棄物をより安定した廃棄体とするためのガラス固化技術の基盤整備およびその知見を反映した高レベル廃液成分をより多くガラスに取り込む技術の開発を目的として、平成26年度から平成30年度までの5年間実施する計画である。
細見 健二; Ma, Y.*; 味村 周平*; 青木 香苗*; 大樂 誠司*; Fu, Y.*; 藤岡 宏之*; 二ツ川 健太*; 井元 済*; 垣口 豊*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2015(8), p.081D01_1 - 081D01_8, 2015/08
被引用回数:14 パーセンタイル:66.59(Physics, Multidisciplinary)線分光によってCハイパー核のレベル構造を精密に測定した。ゲルマニウム検出器群Hyperball2を用いて、C反応からの4本の線遷移を同定することに成功した。基底状態スピン二重項のエネルギー間隔は直接遷移線により、(stat)(syst)keVと測定された。また、励起準位であるとについて、それぞれ、, keVと, keVと励起エネルギーを決定した。これらの測定されたCの励起エネルギーは反応分光によるハイパー核の実験研究において決定的な基準となる。
三輪 幸夫; 加治 芳行; 塚田 隆; 加藤 佳明; 冨田 健; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 13th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems (CD-ROM), 14 Pages, 2007/00
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の進展挙動との関係を検討するため、IASCCのき裂進展部の粒界性格分布を、方位像顕微鏡を用いて測定した。測定は、JMTR炉内照射下き裂進展試験及び照射後き裂進展試験によりき裂を進展させた試験片について実施した。その結果、IASCCき裂はおもにランダム粒界を進展したが、小傾角粒界(1),双晶粒界(3)及び対応粒界(5-27)でもき裂が進展していた。すなわち、小傾角及び双晶粒界では元素偏析による粒界の耐食性劣化が小さいことが知られているが、そのような粒界でもSCCき裂が進展することがわかった。IASCCが進展したき裂の粒界性格分布を、著者のこれまでの研究結果である熱鋭敏化SUS304鋼,低炭素ステンレス鋼再循環系配管溶接継ぎ手模擬材及び実機シュラウド材の各材料における粒界型応力腐食割れ(IGSCC)のき裂進展部の粒界性格分布と比較した。その結果、IASCCとIGSCCにおいてき裂が進展する粒界性格の割合が異なり、その割合は照射材の変形挙動と関連のある可能性が考えられた。
秋山 和彦; 末木 啓介*; 塚田 和明; 矢板 毅; 三宅 洋子*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 兒玉 健*; 菊地 耕一*; 大槻 勤*; et al.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.151 - 154, 2002/06
アクチノイドフラーレンはそのHPLC溶離挙動から2つのグループに分類することができる。第1のグループはU,Np,Amを内包した金属フラーレンでLa,Ce,Pr,Ndのような軽ランタノイドを内包したものと類似した溶離挙動を示しており、第2のグループはTh,Paを内包したもので、ランタノイドフラーレンとは全く異なった挙動を示している。溶出ピークの主成分は質量分析の結果から前者はM@C82、後者はM@C84であると同定され、内包されたU及び,Th原子の酸化状態は紫外可視近赤外吸収やX線吸収端近傍構造分光から、それぞれ3+及び、4+であることが推測される。
飯田 健*; 富岡 雄一*; 吉本 公博*; 緑川 正彦*; 塚田 裕之*; 折原 操*; 土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 伊藤 久義; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(2A), p.800 - 804, 2002/02
被引用回数:15 パーセンタイル:52.3(Physics, Applied)SiCは高周波、高パワー,高温,放射線照射下等、過酷な環境下で動作する素子用材料として優れた物性を持つ。また熱酸化で表面にSiO層が形成されMOS構造が作製できるが、酸化層/SiC界面には欠陥が多いため、物性値から期待される性能が得られない。そこで本研究では、分光エリプソメーター(SE)を用いて、その界面欠陥の発生原因を光学的に追究した。試料には、SiC基板を乾燥酸化して得た60nm程度の酸化膜を用いた。これをHF溶液を用いて斜めにエッチングし、酸化膜の光学的周波数分散特性を、膜厚をパラメータとして測定した。得られた値は、セルマイヤーの式を用いたカーブフィッティング法により、屈折率に変換した。その結果、SiC上の酸化層の見かけの屈折率は、Si酸化膜より小さくなった。また、屈折率は酸化膜厚の減少と共にも小さくなり、膜厚が1nm程度では1にまで近づいた。この屈折率の膜厚依存性は、酸化層がSiO層と高屈折率界面層から成ると仮定することで説明できる。このことから、酸化層/SiC界面には屈折率の高い界面中間層が存在し、それらが界面欠陥を発生させていると推定された。
富岡 雄一*; 飯田 健*; 緑川 正彦*; 塚田 裕之*; 吉本 公博*; 土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 石田 夕起*; 小杉 良治*; et al.
Materials Science Forum, 389-393, p.1029 - 1032, 2002/00
被引用回数:4 パーセンタイル:20.33(Materials Science, Multidisciplinary)SiC-MOSFET反転層の電子移動度は、理論値よりも小さい。これは、SiO/SiC界面にある残留炭素が原因であると考えられている。そこで、乾燥酸素法、及び水素燃焼酸化法で作製したドライ酸化膜、及びパイロジェニック酸化膜、そして低温で作製した酸化膜(LTO膜)について、それぞれのSiO/SiC界面の光学定数を分光エリプソメータにより測定し、それらの光学特性の違いを調べ、界面構造の光学的な違いと酸化膜の電気特性との関連性を追求した。その結果、どの酸化膜においても、界面層のA値(波長無限大における屈折率)の値はバルクSiOの屈折率(n=1.465)より高くなった。これは薄い高屈折率界面層が、SiO/SiC界面に存在することを意味しており、Si-Siボンドのような強いイオン分極を持つボンドが界面に存在することを示唆する。またAの値は、酸化方法に依存しており、LTO膜のA値はパイロジェニック酸化膜、ドライ酸化膜のものより小さくなった。これら酸化膜を用いて作製したMOSFETの電気特性は大きく異なることから、A値がSiC MOS構造の電気的特性と関連していると考えられた。
秋山 和彦; Zhao, Y.*; 末木 啓介*; 塚田 和明; 羽場 宏光; 永目 諭一郎; 兒玉 健*; 鈴木 信三*; 大槻 勤*; 坂口 正彦*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 123(1), p.181 - 182, 2001/01
被引用回数:66 パーセンタイル:84.91(Chemistry, Multidisciplinary)タンデム加速器を利用し生成した崩壊する放射性アクチノイドトレーサー(Am,Np,U)を用いてアクチノイド金属内包フラーレンを合成し単離することに初めて成功するとともに、以下のような性質を明らかにした。放射性アクチノイドを含むフラーレンをアーク放電法で生成し、CS溶媒中に抽出された生成物をトルエン溶媒に溶かし、2種類のHPLCカラムの溶出挙動を得た。その結果Am,Np及びVを内包したフラーレンのHPLC挙動は+3価で内包されると考えられる軽ランタノイド(La,Ce,Pr,Ndなど)と良く似た挙動を示すことがわかった。ウランについては大量合成にも成功し、最も多い溶出部を対象にTOF/MSによる化学種同定を行った。その結果、この成分がU@Cであることを確認した。また紫外可視近赤外領域の光吸収スペクトルから、f軌道に3つの電子を持つNd@Cとの類似性を得ることができた。
塚田 隆; 芝 清之; 中島 甫; 薄井 洸; 近江 正男; 後藤 一郎; 加藤 佳明; 中川 哲也; 川又 一夫; 田山 義伸; et al.
JAERI-M 92-165, 41 Pages, 1992/11
原研及び動燃による共同研究「中性子照射材料の破壊特性評価試験」のうち、高速炉「常陽」で使用済みのラッパー管を供試材として行った、水中応力腐食割れ性評価試験の結果について報告する。原研では平成元年度より炉心構造材料の照射腐食割れ研究を行っており、一方動燃では燃料集合体の照射後水中裸貯蔵に関連して水環境下での照射後ステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)感受性評価が課題となっている。本研究では、照射量810n/cm(=約40dpa)のラッパー管より試験片を製作し、溶存酸素32ppmの純水中で60C、200C、300Cにおいて低歪速度引張試験を実施した。その結果、60Cでは完全な延性破断を確認したが、300Cの水中では破断面の一部に粒界破面が観察された。これらの結果から、高速炉照射したステンレス鋼は、常温においてはSCC感受性を示さないが、高温水中においてはSCC感受性を持つようになると考えられる。
豊嶋 厚史; 笠松 良崇; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 石井 康雄; 當銘 勇人; 佐藤 哲也; 西中 一朗; 永目 諭一郎; et al.
no journal, ,
Rf四塩化物錯体へのリン化合物の配位を系統的に調べるために、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を抽出剤として用い、塩酸(HCl)系における抽出挙動を同族元素Zr, Hfとともに調べた。Rfの抽出率はZr, Hfとほぼ同じように2.0-7.0M HClにおいてHCl濃度の増加とともに増加することがわかった。このHCl濃度は以前行ったTBP抽出系で抽出率の変化が観測されたHCl濃度(7.0-8.0M)よりも低い。リン化合物が四塩化物錯体に配位しやすいほど、低いHCl濃度において金属イオンが抽出される。したがって、Rf, Zr, Hfのいずれの四塩化物錯体に対しても、TBPよりもTOPOの方が配位しやすいと考えられる。
森田 泰治; 山岸 功; 佐藤 宗一; 桐島 陽*; 藤井 俊行*; 塚田 毅志*; 黒崎 健*
no journal, ,
次世代核燃料サイクルの再処理におけるガラス固化の負担を軽減する高レベル廃液調整技術を開発することを目的として、高レベル廃液ガラス固化の妨害となるモリブデン(Mo),パラジウム(Pd),ルテニウム(Ru)の高レベル廃液からの分離除去及び不溶解残渣を個別処理する技術を開発している。研究開発内容は、(1)Mo-Pd-Ru分離技術開発と(2)不溶解残渣高度化処理法開発から構成される。前者の分離技術開発では、U, Pu(及びNp, Tc)を分離回収した後の廃液を対象とし、Moを溶媒抽出法で、Pdを同じく溶媒抽出法で、Ruを酸化揮発法で、この順に分離する方法を開発する。後者の不溶解残渣高度化処理法開発では、不溶解残渣の性状評価,不溶解残渣洗浄法検討及びカ焼処理-焼結等による固化技術開発を行う。
森田 泰治; 山岸 功; 佐藤 宗一; 桐島 陽*; 藤井 俊行*; 塚田 毅志*; 黒崎 健*
no journal, ,
次世代核燃料サイクルの再処理におけるガラス固化の負担を軽減する高レベル廃液調整技術を開発することを目的として、高レベル廃液ガラス固化の妨害となるモリブデン(Mo),パラジウム(Pd),ルテニウム(Ru)の高レベル廃液からの分離除去及び不溶解残渣を個別処理する技術を開発している。研究開発内容は、(1)Mo-Pd-Ru分離技術開発と(2)不溶解残渣高度化処理法開発から構成される。前者の分離技術開発では、U, Pu(及びNp, Tc)を分離回収した後の廃液を対象とし、Moを溶媒抽出法で、Pdを同じく溶媒抽出法で、Ruを酸化揮発法で、この順に分離する方法を開発する。後者の不溶解残渣高度化処理法開発では、不溶解残渣の性状評価,不溶解残渣洗浄法検討及びカ焼処理-焼結等による固化技術開発を行う。
宇佐見 剛*; 塚田 毅志*; 森田 泰治
no journal, ,
次世代核燃料サイクルの再処理におけるガラス固化の負担を軽減するための高レベル廃液調整技術開発として、Mo, Pd, Ruの分離技術開発と不溶解残渣個別処理技術開発を行っている。不溶解残渣性状評価の一環として、不溶解残渣の硝酸への溶解挙動把握のため、不溶解残渣を模擬したRu, Rh, Pd, Mo, Reの5元素から成る合金を製造し、構成元素比と硝酸への溶解挙動の関係を調べた。試験の結果、PdとMoの濃度が高いほど溶解しやすくなる傾向が見られ、Pdを含まない合金は全く溶解しないことがわかった。逆にRuを除外した合金は短時間で溶解した。
宇佐見 剛*; 塚田 毅志*; 山岸 功; 森田 泰治
no journal, ,
不溶解残渣を長時間、硝酸中に浸漬した場合の溶解速度と、残渣組成等の関係を、模擬不溶解残渣として、Ruを主とし、Mo, Pd, Rhを含む合金を用いて調べた。不溶解残渣中のPdが増加すると溶解速度は大きくなり、Ruが増加すると溶解速度は小さくなった。すなわち、不溶解残渣中のPdが溶解を促進し、Ruが溶解を抑制することが示された。
森田 泰治; 山岸 功; 佐藤 宗一; 桐島 陽*; 藤井 俊行*; 上原 章寛*; 塚田 毅志*; 宇佐見 剛*; 黒崎 健*
no journal, ,
次世代核燃料サイクルの再処理におけるガラス固化の負担を軽減する高レベル廃液調整技術を開発することを目的として、高レベル廃液ガラス固化の妨害となるモリブデン(Mo),ラジウム(Pd),ルテニウム(Ru)の高レベル廃液からの分離除去及び不溶解残渣を個別処理する技術について、3年間に渡り実施してきた研究開発の成果のまとめとその評価について報告する。Mo分離ではHDEHP(ジ-2-エチルヘキシルリン酸)抽出法を検討し、連続抽出試験で元素の挙動データを取得するとともに、プロセスシミュレーション技術を開発した。本プロセスの成立性は高い。Pd抽出分離では、構成元素がC, H, O, Nである抽出剤DEHDO(5,8-ジエチル-7-ヒドロキシ-6-ドデカノンオキシム)を検討し、Pdを選択的に抽出できるものの逆抽出に課題があり、技術的成熟度はまだ低いと評価した。Ru分離では、酸化揮発法を研究した。Ru分離の前に濃縮工程を付加する必要がある。不溶解残渣固化技術開発では、不溶解残渣合金成分と、分離したPd金属あるいはPdO及びRuOは、混合して加圧焼結することにより安定な固化体にできることを明らかにした。
宇佐見 剛*; 塚田 毅志*; 森田 泰治
no journal, ,
再処理におけるガラス固化で問題となる不溶解残渣について、性状評価の一環として不溶解残渣の硝酸への溶解挙動把握のための試験を行った。不溶解残渣を模擬したRu, Rh, Pd, Mo, Reの5元素から成る合金を製造し、構成元素比と硝酸への溶解挙動の関係を調べた結果、PdとMoの濃度が高いほど溶解しやすく、Ruの濃度が高いほど溶解しにくくなる傾向が見られた。
宇留賀 和義*; 塚田 毅志*; 山岸 功; 寺田 敦彦; 内山 秀明*
no journal, ,
福島原子力発電所の汚染水処理に使用されたゼオライト吸着塔の小型模型を作製し、ゼオライト充填層の中心部を加熱することで保管時の状態を再現する試験を行った。この結果、吸着塔底部の残水に含まれる塩素濃度は時間と伴に減少し、吸着塔中心付近に塩素が濃縮した。この現象は、吸着塔容器材の腐食低減に寄与すると考えられる。
山岸 功; 加藤 千明; 永石 隆二; 有阪 真; 宇留賀 和義*; 塚田 毅志*
no journal, ,
海水を含む汚染水処理で生じたセシウム吸着塔の容器腐食を検討するため、ゼオライト吸着材と人工海水の混合物をステンレス鋼製容器に充填し、容器外部を加熱する試験等を行った。塩化物イオンは、ゼオライト粒子の間隙水に主に存在し、水が蒸発する高温部位の吸着材粒子上に塩化物として析出することを明らかにした。
吉岡 正弘*; 福井 寿樹*; 三浦 信之; 塚田 毅志*
no journal, ,
経済産業省がIHI, 日本原燃, 日本原子力研究開発機構、及び電力中央研究所に委託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業は、低レベル廃棄物及び高レベル廃液(HLLW)の先進的ガラス固化技術を開発するために2014年に始まった。本事業において、高充填マトリックス、ガラスセラミックスを含む現行ホウケイ酸ガラスの代替マトリックス、マイナーアクチニド吸着ガラス等の開発が前述の機関に委託されている。
石尾 貴宏*; 兼平 憲男*; 星野 剛*; 福井 寿樹*; 巌渕 弘樹; 塚田 毅志*
no journal, ,
我が国では、核燃料サイクルから生ずる高放射性廃液(HLLW)をガラス固化するためのガラス固化技術が実用化されてきた。また、我が国の再処理施設や原子力発電所から発生する多種類の低レベル放射性廃液(LLW)は主として焼却、減容、セメント固化といった方法で処理されているが、これまでガラス固化は導入されてこなかった。他方、再処理施設や原子力発電所の廃止措置を行う場合に、比較的放射能レベルの高いLLWが発生する可能性がある。そのため、LLWを処分することを目的として小さい容量で安定な固化形態とするための様々な減容・固化技術が開発されてきた。LLWのガラス固化技術の基盤が開発されれば、HLLWのガラス固化技術の発展にも反映することが可能である。このため経済産業省は、2014年度から、「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」を立ち上げ、IHI, 日本原燃, 原子力機構, 電力中央研究所が本プロジェクトを開始している。本プロジェクトの開発目標は以下のとおり。(1)LLWに対する廃棄物を高減容化・安定化するためのガラス固化技術の基盤を強化するために開発すること、(2)LLWの基盤から得られた知見を反映し、HLLWのガラス固化をさらに改善するための研究も行うこと。今回の発表では、本プロジェクトにおけるこれまでの成果と今後の計画について報告する。