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報告書

水銀標的の気泡注入性能向上のための機械学習を用いた最適化

粉川 広行; 二川 正敏; 羽賀 勝洋; 都築 峰幸*; 村井 哲郎*

JAEA-Technology 2022-023, 128 Pages, 2022/11

JAEA-Technology-2022-023.pdf:9.0MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、ステンレス製の水銀標的容器内で流動する水銀にパルス陽子ビームを繰り返し入射し、核破砕反応により生成する中性子を最先端科学実験に供する。パルス陽子ビーム入射に伴い、水銀中には圧力波が発生し、圧力波の伝播と容器変形の相互干渉に起因するキャビテーション損傷、特に陽子ビーム入射部の損傷が標的容器の寿命を支配する。圧力波及び損傷の低減対策として、ヘリウムの微小気泡を水銀中に注入する方法を開発し、圧力波及び損傷の低減を実証した。所期の1MWの大強度陽子ビーム下における水銀標的容器の耐久性を向上させるには損傷をさらに低減する必要がある。微小気泡による圧力波低減効果の向上には、水銀中での直径が150$$mu$$m以下である気泡の体積含有率を高めることが求められる。気泡生成器から注入した気泡は浮力による上昇や流動過程での合泡などを起こし、水銀内を流動中に気泡の体積含有率は低下する。気泡生成器の設置位置を損傷が激しいビーム入射部に近づければ、ビーム入射部近傍の気泡体積含有率の低下を防ぐことが可能である。しかし、ビーム入射部に近づくほど、気泡生成器の設置空間が狭く流動抵抗が大きくなるため、冷却に十分な水銀流量の確保が困難になることや、水銀流速の低下により生成気泡径が大きくなる等の弊害が生じる。そこで、標的容器のビーム入射部近傍でより小さな気泡を高い密度で分布できるように、標的容器内部における気泡生成器の形状や設置位置、さらに水銀流動案内羽根の形状に関して機械学習による設計の最適化を試みた。気泡分布を考慮した水銀標的構造の設計では、多数の設計変数を考慮する必要があることから、ラテン超方格法に基づき約1000ケースの設計変数について数値解析を実施し、その結果を学習データとしてビーム入射部近傍での気泡分布(サイズや数密度)が最適になる設計を決定した。水銀の流量は標的容器の温度に、気泡生成器の形状は製作性や生成気泡径に影響を及ぼすことから、これらを制約条件とした。その結果、ビーム入射部近傍で半径が150$$mu$$m以下の気泡の密度を約20%増大できる解を見出した。

論文

熱的切断工法による気中及び水中切断時の粉じん挙動調査

副島 吾郎; 岩井 紘基; 中村 保之; 都築 聡*; 安永 和史*; 久米 恭*

平成29年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究年報,20, P. 80, 2018/11

「ふげん」で利用されている原子炉構造材(SUS304)や二重管(Zr-2.5%Nb, Zry-2)の模擬材を対象とし、プラズマアーク切断工法及びレーザ切断工法を用いて、気中切断や水中切断を行った際に発生する粉じんの挙動を調査した。

論文

レーザ及びプラズマ切断時における粉じん挙動・比較調査

副島 吾郎; 岩井 紘基; 門脇 春彦; 中村 保之; 都築 聡*; 安永 和史*; 中田 吉則*; 久米 恭*

平成28年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究年報,19, P. 9, 2017/10

熱的切断工法(プラズマ切断及びレーザ切断)を用いて、気中切断や水中切断を行った際に発生する粉じんの気中等への移行量、移行率及び性状等のデータを取得し、切断工法の違いや切断速度や出力等の切断条件を変化させた際の影響を調査した。

論文

Measurement and analysis of the fluctuations and poloidal flow on JFT-2M tokamak

星野 克道; 井戸 毅*; 永島 芳彦*; 篠原 孝司; 小川 宏明; 神谷 健作; 川島 寿人; 都筑 和泰*; 草間 義紀; 大麻 和美; et al.

Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03

JFT-2Mトカマクでのプラズマポテンシャルや密度の揺動とポロイダル流の研究について発表する。測地的音波モード(GAM)を同定し、その電場構造を明らかにした。GAMは背景乱流と3波相互作用をし、ドリフト波-帯状流理論と整合することを明らかにした。さらにGAMは背景密度揺動を変調し、揺動抑制は流速の方向や勾配に依存するという動的性質をもち理論と整合する。Hモード中は負電場が形成され、乱流の抑制によるGAMの消滅がある。周辺輸送障壁に帯状流があるかどうかは興味深い。そこで、Hモード中の低周波ポテンシャル揺動に着目しウェーブレット解析を行い、ごく低周波(数百Hz)領域にLモード時やELM時に消滅する特徴的ポテンシャル揺動を見いだした。ポロイダル流と揺動の抑制は強く関係するが、Hモードの径電場は、GAM径電場の約20倍程度でありポロイダル流も強い。定常帯状流はGAMと異なり、周波数がゼロで揺動観測にかからないはずであるが、ポテンシャル構造の不均一性がある場合は流速から、その周波数は数百Hzと近い。この低周波静電揺動が径電場流や帯状流に由来する可能性があると考えられる。

論文

Compatibility of reduced activation ferritic steel wall with high performance plasma on JFT-2M

都筑 和泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; Bakhtiari, M.*; 小川 宏明; 栗田 源一; 武智 学; 河西 敏; 佐藤 正泰; 川島 寿人; et al.

Nuclear Fusion, 46(11), p.966 - 971, 2006/11

 被引用回数:16 パーセンタイル:48.35(Physics, Fluids & Plasmas)

JFT-2Mでは、発電実証炉のブランケット構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を調べる「先進材料プラズマ試験」を段階的に進めてきた。核融合原型炉では壁安定化効果を利用して規格化ベータ3.5$$sim$$5.5程度のプラズマを生成することが想定されているため、フェライト鋼のような強磁性体壁をプラズマに近づけた時のMHD安定化への影響を評価することは応用上重要である。そこで、壁とプラズマとの距離を変え、安定化効果を調べる実験を行った。まずプラズマの位置,圧力をより正確に評価するための平衡計算コードの改良を行った。改良後のコードを実験と比較し、良い一致が見られた。そのうえでプラズマを壁に近づける実験を行い、プラズマ小半径で規格化した壁との距離が1.3程度の範囲までフェライト鋼壁と高規格化ベータプラズマが共存し得ることを実証した。また、壁との距離以外の条件が共通しているデータセットを抽出し、壁に近い配位の方が(1)$$beta$$限界が上昇する、(2)コラプスに至る時定数が長くなるなど、壁安定化効果の存在を示唆するデータが得られた。

論文

Characterization of JT-60U exhaust gas during experimental operation

磯部 兼嗣; 中村 博文; 神永 敦嗣; 都筑 和泰; 東島 智; 西 正孝; 小林 靖典*; 小西 哲之*

Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.827 - 832, 2006/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:60.27(Nuclear Science & Technology)

トカマク試験装置の排ガス組成を知ることは、今後の核融合装置の燃料循環処理系の最適化設計を検討していくうえで非常に重要である。今回、2003年から2004年にかけて実施されたJT-60U試験運転時の排ガス組成を測定し、プラズマ放電内容との相関を調査した。排ガス中における水素同位体の濃度は、放電ごとにピーク値を持ち、高性能プラズマや長時間運転で高い値を示す傾向が見られた。一方、ヘリウムや炭化水素などの不純物成分は、ディスラプション時やグロー放電,テイラー放電といった壁調整放電時に高い濃度で検出された。また、通常のプラズマ放電においても、水素同位体と同様に高性能プラズマや長時間運転で高い濃度を示す傾向が見られ、最大で8%の炭化水素濃度が測定された。

論文

Blanket-plasma interaction in tokamaks; Implication from JT-60U, JFT-2M and reactor studies

菊池 満; 西尾 敏; 栗田 源一; 都筑 和泰; Bakhtiari, M.*; 川島 寿人; 竹永 秀信; 草間 義紀; 飛田 健次

Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1589 - 1598, 2006/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.68(Nuclear Science & Technology)

トカマク型核融合炉におけるプラズマ-ブランケット相互作用は、プラズマ性能の向上とブランケット/第一壁の健全性保持という観点で重要な役割を果たす。具体的には、壁安定化効果の最適化(RWMの制御)とデイスラプション時の電磁力低減との調和,フェライト鋼を第一壁に用いた場合の誤差磁場効果,壁飽和状態での中性粒子と壁の相互作用,プラズマのスクレープオフ層と壁の相互作用、等が挙げられる。本論文では、炉設計研究,JT-60実験,JFT-2M実験における研究成果を包括的に報告する。

論文

Plasma diagnostics in JFT-2M

河西 敏*; 神谷 健作; 篠原 孝司; 川島 寿人; 小川 宏明; 上原 和也; 三浦 幸俊; 岡野 文範; 鈴木 貞明; 星野 克道; et al.

Fusion Science and Technology, 49(2), p.225 - 240, 2006/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.11(Nuclear Science & Technology)

約30台の計測装置から構成されているJFT-2Mの計測診断システムは、プラズマ生成,制御,平衡,安定性,閉込め,NBIやRF(LH, ICRF, ECH)による加熱,RFによる電流駆動の研究に使用されてきた。このうち、運動シュタルク効果を利用した偏光計,荷電交換反応分光器,重イオンビームプローブ,飛行時間測定法による中性粒子測定器等は、Hモード,高リサイクリング定常(HRS)Hモードの閉込め改善機構の解明や運転領域の探求に貢献した。赤外テレビカメラ,損失イオンプローブは、リップル損失粒子による壁への熱負荷,主プラズマからの損失するイオンに関する研究でそれぞれ重要な役割を果たした。この論文は、これらの計測機器についてレビューしたものである。

論文

CT injection experiment in JFT-2M

小川 宏明; 小川 俊英; 都筑 和泰; 川島 寿人; 河西 敏*; 柏 好敏; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 柴田 孝俊; 三浦 幸俊; et al.

Fusion Science and Technology, 49(2), p.209 - 224, 2006/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.11(Nuclear Science & Technology)

JFT-2Mでは、コンパクト・トロイド(CT)入射による先進的燃料補給法の開発を進めてきた。JFT-2Mの実験において、初めてHモードプラズマ中にCTを入射することに成功し、Hモードとの両立を確認した。その際の粒子補給効率として最大40%を得た。また、トカマク中でのCTの上下方向のシフトや反射といったトカマク磁場との相互作用に起因するCTの挙動を実験的に解明した。さらにCT入射直後に発生する磁気揺動の解析から、この揺動がCT磁場とトカマク磁場との磁気リコネクションを通じた粒子解放過程に関連することを明らかにした。同時に、入射装置の改良によるCTパラメータ(密度,速度)の向上や湾曲輸送管を用いたCT輸送実験を行い大型装置に適用する際の技術開発を進めた。

論文

Characteristics of plasma operation with the ferritic inside wall and its compatibility with high-performance plasmas in JFT-2M

都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.

Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:60.27(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。

論文

Reduced divertor heat loads, plasma shape effects, and radial electric field structures in JFT-2M HRS H-mode plasmas

神谷 健作; 川島 寿人; 井戸 毅*; 大山 直幸; Bakhtiari, M.*; 河西 敏; 草間 義紀; 三浦 幸俊; 小川 宏明; 都筑 和泰; et al.

Nuclear Fusion, 46(2), p.272 - 276, 2006/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:10.78(Physics, Fluids & Plasmas)

JFT-2Mでは今回プラズマ周辺部のパラメータを詳細に調べ、HRS Hモードの運転領域をペデスタルパラメータの観点から調べた。HRS Hモードはプラズマ周辺部のパラメータが高密度・低温状態で観測され易く、低密度・高温状態では大振幅のELMが発生した。密度,温度、及び安全係数をスキャンした結果、プラズマ周辺部の規格化衝突周波数が運転領域を決定する重要なパラメータの一つであることが示唆され、ELMy/HRS運転領域境界は規格化衝突周波数が1付近に存在することがわかった。

論文

Impurity release and deuterium retention properties of a ferritic steel wall in JFT-2M

小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:29.26(Materials Science, Multidisciplinary)

JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。

論文

Investigation of compatibility of low activation ferritic steel with high performance plasma by full covering of inside vacuum vessel wall on JFT-2M

都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.

Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:45.11(Materials Science, Multidisciplinary)

低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。

論文

High recycling steady H-mode regime in the JFT-2M Tokamak

神谷 健作; Bakhtiari, M.; 河西 敏; 川島 寿人; 草間 義紀; 三浦 幸俊; 小川 宏明; 大山 直幸; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; et al.

Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(5A), p.A157 - A163, 2004/05

 被引用回数:21 パーセンタイル:56.48(Physics, Fluids & Plasmas)

JFT-2M装置において、第一壁のボロン化後に高リサイクリング定常(HRS)H-modeが得られる新しい運転領域を開拓した。このH-modeは定常性を有しており、大きなELMが無いのでダイバータ板への熱負荷を低減でき、高密度運転が可能である(閉じ込め改善度${it H}$$$_{89P}$$$$sim$$1.6,規格化密度${it n}$$$_{e}$$/${it n}$$$_{GW}$$$$sim$$0.7)。HRS H-mode遷移時にコヒーレント成分を有する特徴的な磁場及び浮遊電位揺動が10-100kHzの周波数帯に観測されている。この揺動は粒子輸送の増加に重要な役割を果たしていると考えられ、Alcator C-Modで観測されているEnhanced Da (EDA) H-modeと類似している。通常のダイバータ配位(三角度delta$$sim$$0.4)におけるHRS H-modeの運転領域は比較的高い中性粒子圧力でかつ高密度(${it n}$$$_{e}$$/${it n}$$$_{GW}$$$$>$$0.4)で観測され易いが、広い範囲の安全係数${it q}$$$_{95}$$(2$$sim$$3付近の低安全係数でも)で得られている。最近の研究では、HRS H-mode運転領域はdelta$$sim$$0.75まで拡張可能であることがダブルヌル配位にて明らかとなっている。一方、delta$$<$$0.3以下では大きなELMsが発生し、高密度あるいは高リサイクリング状態にもかかわらずHRS H-modeは得られていない。このことはプラズマ形状もELMsの安定化に重要な役割を果たしていることを示唆する。

論文

On MHD oscillations in high beta H-mode tokamak plasma in JFT-2M

星野 克道; 永島 芳彦*; 井戸 毅*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 小川 宏明; Bakhtiari, M.; 篠原 孝司; 上原 和也; 大麻 和美; et al.

Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.6, p.345 - 348, 2004/00

最近のJFT-2Mの高ベータHモードでは2.5%以上のベータ値が得られている。この高性能プラズマは高三角度高密度領域で得られている。このような高ベータプラズマを得るためには低周波のMHD振動の抑制が非常に重要である。電流の立ち上げ,中性粒子ビームの入射方法やプラズマの内側変位などにより低モードMHD振動の抑制を見いだした。周辺輸送障壁ではELMが前兆振動を持つことや、特徴的なコヒーレントなMHD振動が磁場,密度,ポテンシャル信号に存在することを見いだした。これらのコヒーレントMHD振動はELM無しHモードには見られないが周辺中性粒子の多いリサイクル率が1以上の場合に出現する。これはH'モードやEDAモードと類似していることを明らかにした。

論文

High performance tokamak experiments with a ferritic steel wall on JFT-2M

都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.

Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10

 被引用回数:39 パーセンタイル:74.23(Physics, Fluids & Plasmas)

JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化$$beta$$が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。

論文

Effects of complex magnetic ripple on fast ions in JFT-2M ferritic insert experiments

篠原 孝司; 川島 寿人; 都筑 和泰; 浦田 一宏*; 佐藤 正泰; 小川 宏明; 神谷 健作; 笹尾 一; 木村 晴行; 河西 敏; et al.

Nuclear Fusion, 43(7), p.586 - 593, 2003/07

 被引用回数:49 パーセンタイル:80.18(Physics, Fluids & Plasmas)

JFT-2MではAdvanced Material Tokamak Experiment (AMTEX) プログラマの第3段階として真空容器内にプラズマをほぼ覆うようにフェライト鋼壁を設置した(FIW)。ポートと周期的な設置が困難なため、磁場構造は、非周期的な複雑リップルとなる。このような複雑リップル下で、その高速イオン損失に与える影響を理解するための実験を行った。FIWではフェライト鋼の厚みを最適化することでトロイダル磁場リップルの強さを小さくしているが、この手法によるトロイダル磁場リップルの低減が観測され、さらに、リップルの低減に伴い、高エネルギー粒子の損失の低減が確認された。また、積極的に磁場構造を変えるために真空容器の外に外部フェライト鋼をつけた実験も行った。結果、局所リップルの役割はリップル井戸のポロイダル断面形状の影響を強く受けることがわかった。さらに、複雑磁場構造を扱えるように改良したOFMCコードと実験結果の比較を行った。実験で使用したさまざまな複雑磁場構造の熱流速について、実験結果と計算結果が良い一致を示した。

論文

Research activities on Tokamaks in Japan; JT-60U, JFT-2M and TRIAM-1M

二宮 博正; 狐崎 晶雄; 清水 正亜; 栗山 正明; JT-60チーム; 木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; et al.

Fusion Science and Technology, 42(1), p.7 - 31, 2002/07

 被引用回数:13 パーセンタイル:27.27(Nuclear Science & Technology)

先進定常トカマク運転に必要な高い総合性能を維持する科学的基盤を確立するため、JT-60Uは改善閉じ込めモードの運転制御シナリオの最適化を進め、各種のプラズマ性能を向上してきた。この結果、定常トカマク炉に向けた顕著な成果を得た。これらの成果の詳細を報告する。JFT-2Mでは、高性能プラズマの開発と核融合炉で採用が予定されている構造材料開発のための先進的研究と基礎的な研究を進めている。真空容器外側に設置したフェライト鋼により、トロイダル磁場リップルが減少することが示された。真空容器内の20%の領域にフェライト鋼を設置しても、プラズマ性能への影響は見られなかった。TRIAM-1Mの結果についても報告する。

口頭

JT-60Uにおけるプラズマ壁相互作用とプラズマ対向壁への水素蓄積,3; JT-60U排ガス分析と酸素挙動

小西 哲之*; 小林 靖典*; 磯部 兼嗣; 神永 敦嗣; 中村 博文; 都筑 和泰; 東島 智

no journal, , 

ITERで特に問題となる共堆積層中の炭素化合トリチウム除去手法として、酸素含有ガスの使用が期待されている。しかし、その効果は未知であり、一方、トカマク放電への悪影響も懸念される。そこで、酸素含有ガスによるトカマクの放電洗浄の効果と酸素の挙動を調べる実験を行った。JT-60のトカマク運転後、O$$_{2}$$を1000ppm含むHeを導入し、20分間のGDC後、再びHe-GDCを行った。排気ガスの化学組成を四重極質量分析計(QMS)、マイクロガスクロマトグラフで、トリチウムを電離箱及びバブラを用いて分析した。真空容器へ酸素を導入しても、酸素分圧は上昇しなかった。He-O$$_{2}$$-GDCを開始すると、メタン,エチレン・アセチレンなどがHeのみのGDCより多く検出された。その後のHe-GDCにおいて、継続的なCO$$_{2}$$の排出が見られたが、翌日のトカマク放電には悪影響は見られなかった。酸素放電による炭素排出の促進の可能性が示唆される。また酸素が壁と相互作用しつつ、炭素や水素と異なるメカニズムと時定数で排出される機構が考えられる。酸素グロー放電が共堆積層の除去に有効であるかはまだ断定できないが、トカマク放電への悪影響を避けつつ利用できる可能性が示された。

口頭

JT-60U真空容器排ガス分析と酸素挙動

小林 靖典*; 磯部 兼嗣; 神永 敦嗣; 中村 博文; 都筑 和泰; 東島 智; 小西 哲之*

no journal, , 

JT-60Uで実施された酸素含有ガスによるグロー放電時の排出ガスを分析するとともに、小規模なテストスタンドでの模擬実験を行い、両者を比較検討した。JT-60UのHe-O$$_{2}$$グロー放電洗浄ではメタンの排出が促進され、遅れてCO$$_{2}$$が排出された。これは、壁面から放出された炭素や水素が酸素と化合した後にそれらが反応してメタンを排出して、酸素は何度も再利用され触媒のように働いていると考えられる。また、大気開放直後の酸素が多い時期に実施したHeグロー放電洗浄ではC$$_{2}$$H$$_{2}$$, C$$_{2}$$H$$_{4}$$の排出が支配的であったが、これは壁面に吸着した酸素が影響していると考えられる。これらの挙動を理解するため、テストスタンドによる詳細な分析を実施し、下記のような初期結果を得た。(1)炭素電極への酸素の吸着が確認された。(2)He-O$$_{2}$$グロー放電,Heグロー放電においてCO, CO$$_{2}$$の排出が見られた。(3)酸素吸着量の違いによるCO, CO$$_{2}$$の発生量には有意な差が見られなかった。(4)CO, CO$$_{2}$$の発生量はグロー電流に比例するが、酸素濃度(1%$$sim$$10%)にあまり影響を受けなかった。(2), (3)はJT-60Uで得られた結果とは異なる。その原因の一つとして、JT-60Uのトカマク運転中に照射される水素同位体の影響が考えられるので、今後は水素放電を行った後に酸素グロー放電を行いJT-60Uでの実験をさらに模擬して酸素挙動の分析を進める。

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