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論文

Crystallographic and/or magnetic properties of neutral and cationic uranium(IV) sandwiched phthalocyanine complexes

田端 千紘; 渡邊 博仁*; 白崎 謙次*; 砂賀 彩光*; 福田 貴光*; Li, D.*; 山村 朝雄*

Journal of Molecular Structure, 1277, p.134870_1 - 134870_8, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)

中性およびカチオンのU(IV)サンドイッチ型フタロシアニン(Pc)錯体を調製した。中性種であるUPc$$_{2}$$はUCl$$_{4}$$とフタロニトリルの反応によって得られ、[UPc$$_{2}$$][BF$$_{4}$$]]の結晶は電解によって成長させた。これらの錯体の構造は、結晶学的に決定された。U(IV)イオンは2個の$$5f$$電子を持ち、この電子はUサイトに局在する磁気モーメントを担うため、この錯体は磁気的に活性である。UPc$$_{2}$$の帯磁率測定から、この系は2Kまで局所的な磁気モーメントを持つ常磁性であるが、配位子磁場効果により、その磁気モーメントが抑制されている可能性があることがわかった。また、ヒステリシスのない磁化曲線から常磁性であることが確認された。カチオン性錯体である[UPc$$_{2}$$][BF$$_{4}$$]は空間群$$P4nc$$の正方形構造で結晶化し、UPc$$_{2}$$分子は正方形の$$c$$軸に沿って積み重なっていることがわかった。この構造は[LnPc$$_{2}$$][BF$$_{4}$$]と似ているが、積層面には明瞭な乱れがあった。アクチノイド元素の多配位性を考慮した第一原理計算により、UPc$$_{2}$$と[UPc$$_{2}$$][BF$$_{4}$$]の結晶構造、分子構造の安定性と電子配置を評価した。

論文

Experimental additive manufacturing of green body of SiC/Graphite functionally graded materials by stereolithography

植田 祥平; 今井 良行; 渡部 雅; 瀬川 智臣; Yan, X.

International Journal of Applied Ceramic Technology, 20(1), p.261 - 265, 2023/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:29.05(Materials Science, Ceramics)

Ceramic stereolithography (CSL)-additive manufacturing (AM) technology is used to create a functionally graded ceramic (FGC) green body made of silicon carbide (SiC) and graphite. For the SiC/graphite FGC, the mixing parameters of ceramics powders and ultraviolet (UV) curing resin are improved, and correlations of the resultant slurry curing depth with integrated light intensity are discovered. Therefore, the SiC/graphite FGC-produced green body has no flaws, pores, or cracks on its surfaces. According to the association between cure depth and integrated light density for each slurry's composition, several interfacial collapses discovered in a cracked cross-section might be decreased.

報告書

再処理施設の火災時条件におけるRu及びEuの有機溶媒への分配挙動と有機溶媒燃焼時の放出挙動(受託研究)

天野 祐希; 渡邊 浩二; 真崎 智郎; 田代 信介; 阿部 仁

JAEA-Technology 2016-012, 21 Pages, 2016/06

JAEA-Technology-2016-012.pdf:1.81MB

再処理施設における有機溶媒の火災事故時の安全性評価に資するため、共除染工程に存在する放射性元素のなかで比較的揮発性が高い化学形をとる可能性があるRuの溶媒抽出挙動を調査した。Ruについて溶媒中のTBPやTBP劣化物の濃度等の有機溶媒の組成や抽出温度をパラメータとした抽出試験を行い、火災事故時の抽出特性データを取得した。また、火災事故時の各元素の放出特性を把握するため、Ru及び核分裂生成物の代替物質としてEuを抽出した溶媒の燃焼試験を行い、溶媒の燃焼に伴うRu及びEuの放出割合を取得した。

論文

A Mathematical model of radiation-induced responses in a cellular population including cell-to-cell communications

服部 佑哉; 鈴木 芳代; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 横谷 明徳; 渡辺 立子

Radiation Protection Dosimetry, 166(1-4), p.142 - 147, 2015/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:39.96(Environmental Sciences)

本研究では、細胞集団中の細胞間シグナル伝達と細胞周期の時間・空間的な動態を計算可能な数理モデルを構築し、照射する放射線の線量や照射領域によってシグナル伝達がどのように変化するのか、その結果、放射線応答として細胞周期や細胞の生存にどのような変化が現れるのかを明らかにすることを目的とする。提案する放射線応答モデルでは、細胞間のシグナルをギャップ結合経由のシグナルX、培養液経由のシグナルYとし、これら2つのシグナル伝達を誘発する放射線をシグナルZとして表現する。個々の細胞の細胞周期は、周期的な進行(G1, S, G2, M期)がシグナルX, Y, Zによって停止する仮想時計として表現する。講演では、2次元平面上に配置された細胞集団にシグナルZが入力されたとき、シグナルX, Yが拡散方程式に基づいて集団全体に伝達する様子と、各シグナルによって仮想時計(細胞周期)が変化する様子について、線量や照射領域を変えた計算結果の一例を示し、放射線応答の解析に対する本モデルの有用性を報告する。

論文

Dipole tracer migration and diffusion tests in fractured sedimentary rock at Horonobe URL

田中 真悟*; 横田 秀晴; 大野 宏和; 中山 雅; 藤田 朝雄; 瀧谷 啓晃*; 渡辺 直子*; 小崎 完*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05

In-situ dipole tracer migration tests were conducted at the G.L.-250 m gallery of the Horonobe URL. Laboratory experiments were also conducted to determine the apparent diffusivity (${{it D$_{a}$}}$) and sorption coefficients (${{it K$_{d}$}}$) of cesium and water (HTO) in the rock taken at the gallery to evaluate the performance of Wakkanai formation as natural barrier. The breakthrough curves of non-sorbing tracer (Uranine) obtained at the in-situ dipole tracer migration tests were well described by a dual-channel model in which one-dimensional advection dispersion was taken in account. This suggests that the tracers migrate through at least two different pathways in the fracture. The breakthrough curves also indicated that the peak concentration of the sorbing tracer (cesium) was much smaller than that of the non-sorbing tracer (Uranine), suggesting that the Wakkanai Formation has a high sorptive and low diffusive properties for cesium. The ${{it D$_{a}$}}$ value obtained for cesium was about 3E-12 m$$^{2}$$/s, which is significantly smaller than that of water (3E-10 m$$^{2}$$/s), and the ${{it K$_{d}$}}$ value of cesium was determined to be about 5E-2 ml/g.

論文

Effect of ionizing radiation upon dehydrated Pv11 cultured cells originated from the sleeping chironomid

渡辺 和代*; 秋月 岳*; 志村 幸子*; Gusev, O.*; Cornette, R.*; 黄川田 隆洋*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 奥田 隆*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 87, 2015/03

ネムリユスリカは極めて高い乾燥耐性と放射線耐性を示す。我々は、ネムリユスリカ由来の培養細胞Pv11を確立し、培養細胞においても乾燥耐性を示すことを明らかにした。本報告では、このネムリユスリカ由来の培養細胞Pv11を用いてイオンビーム照射の影響を明らかにすることを目的とする。高崎量子応用研究所TIARAでのヘリウムイオン照射実験の結果、480Gyのヘリウムイオン照射後も、再水和後の培養細胞に増殖能力が残されていることを確認した。

論文

Analysis of bystander effect induced by cell membrane response in glioma cells

和田 成一*; 安藤 達彦*; 渡辺 彩*; 柿崎 竹彦*; 夏堀 雅宏*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 小林 泰彦

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 79, 2015/03

これまでのマイクロビームを用いた細胞の局部照射実験でバイスタンダー効果の誘導には細胞核の損傷応答だけでなく細胞膜応答も重要であり、細胞膜応答分子であるスフィンゴミエリナーゼがその応答に関与することが明らかになってきた。しかし、スフィンゴミエリナーゼがどのようにして細胞間情報伝達に関与しているかはまだ明らかになっていない。そこで本研究では、照射後に細胞外に分泌されるスフィンゴミエリナーゼが、細胞から放出され、細胞間情報伝達に関与する膜小胞であるエクソソーム内に含有されているかを解析した。照射したグリオーマ細胞をから細胞外に放出されたエクソソーム中にスフィンゴミエリナーゼが含まれるか解析するため、培養上清からExo Quickによるエクソソームの精製を行い、抗スフィンゴミエリナーゼ抗体を用いたウエスタンブロットを行った。その結果、照射によって細胞外に分泌されたスフィンゴミエリナーゼは主にエクソソームの形態で細胞外に分泌されることが明らかになった。この結果からバイスタンダー効果においてスフィンゴミエリナーゼ自身がバイスタンダー因子としてシグナル伝達に関与することが示唆された。

論文

Tolerance of anhydrobiotic eggs of the tardigrade ${it Ramazzottius varieornatus}$ to extreme environments

堀川 大樹*; 山口 理美*; 坂下 哲哉; 田中 大介*; 浜田 信行*; 行弘 文子*; 桑原 宏和*; 國枝 武和*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; et al.

Astrobiology, 12(4), p.283 - 289, 2012/04

 被引用回数:23 パーセンタイル:68.76(Astronomy & Astrophysics)

クマムシの乾燥休眠状態である卵の孵化率について、宇宙空間の特徴的な極限環境要因である放射線(Heイオン線),極低温,高真空に対する耐性を調べた。その結果、50%が孵化できない線量が約500Gy, -196度に曝されても70%以上が孵化し、6$$times$$10$$^{-5}$$Paの高真空においた後でも孵化することができることがわかった。以上の結果から、宇宙空間であってもクマムシの耐性能力により、乾眠状態であるならば、存在できる可能性が示唆された。

論文

Monte Carlo simulation of radial distribution of DNA strand breaks along the C and Ne ion paths

渡辺 立子; 和田 成一*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 斎藤 公明; 古澤 佳也*

Radiation Protection Dosimetry, 143(2-4), p.186 - 190, 2011/02

 被引用回数:16 パーセンタイル:75.8(Environmental Sciences)

粒子線による照射では、粒子線の種類が異なると、LETが同じであっても、その生物影響が異なることが知られている。これは、粒子線の飛跡構造が異なるためだと考えられる。飛跡構造と生物影響の関係に着目して、これまでに、TIARAを用いて、LETが440keV/$$mu$$m程度のCイオンとNeイオンを哺乳細胞に照射したところ、Cイオンの方が、細胞致死効率、2本鎖切断(DSB)効率が高く、細胞核内でのDNA損傷生成の空間分布が異なることが観測されている。本研究では、モンテカルロ飛跡構造シミュレーションに基づいて、DSBを含む実験的には困難な損傷も含めた損傷スペクトルと、これらの損傷の空間分布に関するシミュレーションを行った。この結果、同じLETであっても、Cイオンの方がNeイオンよりも、DSB等のクラスター損傷を生成しやすく、Cイオンはイオンの軌跡のごく近傍に集中してDNA損傷が生じるのに対し、Neイオンでは、より周囲に広がって生じるという結果が得られた。これは、TIARAでの実験結果とよく一致する結果であった。これらの要因により生物影響の差がもたらされることを示していると考えられる。

論文

Establishment of a rearing system of the extremotolerant tardigrade ${it Ramazzottius varieornatus}$; A New model animal for astrobiology

堀川 大樹*; 國枝 武和*; 阿部 渉*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; 行弘 文子*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; et al.

Astrobiology, 8(3), p.549 - 556, 2008/06

 被引用回数:94 パーセンタイル:90.99(Astronomy & Astrophysics)

クマムシの一種、ヨコヅナクマムシ${it Ramazzottius varieornatus}$が藻類${it Chlorella vulgaris}$を餌として培養可能であることを報告する。本飼育条件にて、クマムシの平均寿命は35日、卵の孵化に要する時間が5.7日、孵化後9日で排卵した。本種の培養個体の乾眠能力を調査したところ、卵,幼体,成体のいずれの発生段階においても乾眠に移行できることがわかった。さらに、乾眠状態の成体は-196$$^{circ}$$Cの超低温や100$$^{circ}$$Cの高温,99.8%のアセトニトリル,1GPaの超高圧,5000Gyの$$^{4}$$Heイオン照射にも耐えうることがわかった。以上の結果から、ヨコヅナクマムシは、宇宙生物学における多細胞生物研究のモデルとして有用であると考えられる。

論文

Radiation tolerance linked to anhydrobiosis in ${it Polypedilum vanderplanki}$

中原 雄一*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 藤田 昭彦*; 堀川 大樹*; 奥田 隆*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 和田 成一*; et al.

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 113, 2008/03

本研究では、4種類のネムリユスリカ幼虫:(1)非乾燥幼虫,(2)非乾燥と乾燥との中間に位置する中間体幼虫,(3)乾燥幼虫,(4)乾燥から水に戻してすぐの幼虫について高LET放射線の影響を調べた。中間体幼虫と水に戻してすぐの幼虫は、非乾燥幼虫と比べてより長い期間生存した。これは、非乾燥幼虫であっても放射線耐性が増強することを意味する。乾燥幼虫になるための生理的変化トレハロースの蓄積,損傷修復能力の増加は、非乾燥幼虫の放射線耐性の増強と良い相関があった。加えて、乾燥幼虫は4種類の幼虫の中で最も放射線耐性が強かった。

論文

Heavy-ion microbeam system at JAEA-Takasaki for microbeam biology

舟山 知夫; 和田 成一*; 横田 裕一郎; 深本 花菜; 坂下 哲哉; 田口 光正; 柿崎 竹彦*; 浜田 信行*; 鈴木 芳代; 古澤 佳也*; et al.

Journal of Radiation Research, 49(1), p.71 - 82, 2008/01

 被引用回数:47 パーセンタイル:78.7(Biology)

近年の放射線生物研究領域では、細胞の低線量放射線応答機構や、放射線誘発バイスタンダー効果の分子機構,生物学的イオントラック構造などの解明が大きな課題となっているが、これらの問題の解決には、マイクロビームによる生物試料の局部照準照射が有効である。原子力機構高崎量子応用研究所の生物照射用重イオンマイクロビームシステムは、大気中でさまざまな生物試料に局部照準照射を実現することができるシステムである。このシステムは、放射線生物研究領域で課題となっているさまざまな生物応答現象の機構解明に役立つのみならず、生理学,発生学,神経生物学などの広範な生物領域における問題を解決することができるため、広く「マイクロビーム生物学」と呼べる研究領域の創成に貢献するだろう。

論文

Effects of heavy ions and $$gamma$$-ray on the tardigrade ${it Milnesium tardigradum}$

堀川 大樹*; 坂下 哲哉; 片桐 千仭*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 東 正剛*; et al.

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 116, 2007/02

クマムシとは、緩歩動物門に属する動物群の総称である。陸生クマムシは、乾燥して無代謝状態であるanhydrobiosis(cryptobiosis)に移行する特徴がある。クマムシは、このanhydrobiosis状態において、さまざまな種類の極限環境(高温・低温・高圧・有機溶媒の暴露など)に耐性を示すことが知られている。クマムシにおける耐性機構を調査することは、高等生物の極限環境耐性獲得の可能性につながると思われる。そこで、この生物における放射線耐性に着目し、クマムシの一種・オニクマムシ(${it Milnesium tardigradum}$)のイオンビームと$$gamma$$線照射に対する耐性を調査した。活動状態とanhydrobiosis状態における放射線耐性を比較したところ、活動状態のクマムシの方がより高い耐性をもつことが示唆された。また、オニクマムシが$$gamma$$線よりもイオンビームに対してより高い耐性を示すことがわかった。

論文

Radiation tolerance in the tardigrade ${it Milnesium tardigradum}$

堀川 大樹*; 坂下 哲哉; 片桐 千仭*; 渡邊 匡彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 東 正剛*; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(12), p.843 - 848, 2006/12

 被引用回数:130 パーセンタイル:99.14(Biology)

クマムシとは、体長がおよそ0.1$$sim$$1.0mmの緩歩動物門に属する動物群の総称である。陸生のクマムシは、通常80%程度である体内の水分含量率がおよそ1%にまで脱水してanhydrobiosis (無水生命)という無代謝状態に移行する特徴がある。クマムシは、無水生命状態において、さまざまな極限環境(高温・低温・高圧・有機溶媒などへの暴露)に耐性を示す。本研究では、この生物における放射線耐性に着目し、クマムシの一種であるオニクマムシ(${it Milnesium tardigrdum}$)に対し、活動状態及び無水生命状態において$$^{60}$$Co-$$gamma$$線(1$$sim$$7kGy)あるいは$$^{4}$$Heイオンビーム(12.5MeV/amu, LET: 16.2keV/$$mu$$m; 1$$sim$$8kGy)を照射し、照射直後から照射後31日間飼育後までの短期・長期生存率及び生殖能への影響を調べた。照射48時間後の半致死線量(LD$$_{50}$$)は、活動状態では5.0kGy($$gamma$$線)及び6.2kGy($$^{4}$$Heイオンビーム)であり、無水生命状態では4.4kGy($$gamma$$線)及び5.2kGy($$^{4}$$Heイオンビーム)であった。活動状態でも無水生命状態でも、照射した$$gamma$$線の線量に応じた寿命短縮効果が見られた。2kGy以上の$$gamma$$線照射によってほとんどすべての個体で産卵が阻害され、例外的に3個産卵した唯一の個体の場合も、その卵は孵化しなかった。

論文

Estimation of radiation tolerance to high LET heavy ions in an anhydrobiotic insect, ${it Polypedilum vanderplanki}$

渡邊 匡彦*; 坂下 哲哉; 藤田 昭彦*; 黄川田 隆洋*; 中原 雄一*; 浜田 信行*; 堀川 大樹*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(12), p.835 - 842, 2006/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:77.5(Biology)

本研究の目的は、乾燥耐性昆虫として知られるネムリユスリカ${it P. vanderplanki}$の高LET放射線に対する抵抗性を線量応答等に関して特徴づけることである。LETが16.2から321keV/$$mu$$mである3種の重イオン線を1から7000Gyの線量で非乾燥幼虫と乾燥幼虫に照射し、幼虫の生存率、及びその後の形態変化について調べた。すべての高LET放射線に関して、低LET放射線である$$gamma$$線照射の結果と同様に、乾燥幼虫は、非乾燥幼虫と比べて、一貫して、放射線に対してより抵抗性であった。抵抗性の要因としてはトレハロースの寄与が示唆されるが、今後の詳細な検討が必要である。また、RBE値は、116keV/$$mu$$mで最大値を示した。一方、近縁種との比較から、非乾燥幼虫において、近縁種よりも高LET放射線に対してネムリユスリカがより抵抗性であることがわかった。

論文

Biological effects of anhydrobiosis in an African chironomid, ${it Polypedilum vanderplanki}$ on radiation tolerance

渡邊 匡彦*; 坂下 哲哉; 藤田 昭彦*; 黄川田 隆洋*; 堀川 大樹*; 中原 雄一*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦; et al.

International Journal of Radiation Biology, 82(8), p.587 - 592, 2006/08

 被引用回数:35 パーセンタイル:90.02(Biology)

本研究の目的は、クリプトビオシス生物であるネムリユスリカの放射線耐性が乾燥休眠により変化するかどうかを確かめることである。乾燥・非乾燥時の幼虫への$$gamma$$線照射が、幼虫の生存率,脱水能力,変態率,繁殖率に与える影響を調べた。非乾燥の場合には、2000Gy以上の線量で線量依存的に幼虫の生存率が減少し、4000Gyの照射後8時間経過した時点で実験に供したすべての幼虫が死滅した。一方、乾燥時の照射の場合には、7000Gyの照射でさえも一部の幼虫が生存した。変態時においても、乾燥幼虫が非乾燥幼虫に比べて放射線により抵抗性であった。しかしながら、繁殖に対しては乾燥による放射線耐性の効果はなかった。これらの結果は、繁殖を除くネムリユスリカの生活環境において、乾燥休眠が放射線抵抗性を高めることを示す。

論文

Contribution of circulating hemocytes to the regeneration of heavy ion beams ($$^{12}$$C$$^{5+}$$) irradiated hematopoietic organs in the silkworm, ${it Bombyx mori}$, through the way of phagocytosis of injured cells after invasion

Ling, E.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦; 舟山 知夫; 渡辺 宏*

Developmental and Comparative Immunology, 30(6), p.531 - 543, 2006/00

 被引用回数:13 パーセンタイル:54.39(Fisheries)

家蚕4齢幼虫の造血器官に重イオンビームを局部照射した後に組織を観察すると、照射個体の5齢初期では造血器官内の多くの細胞がネクローシス様の異常形態を示し、造血器官を包む無細胞性の被膜組織が消失するが、5齢後期では器官内部が再び多くの血球細胞で満たされ、造血器官が再生する。この現象を解明するため、蛍光マイクロビーズが異物として血液中の顆粒細胞に取り込まれる現象を利用して循環血液中の血球が損傷造血器官に侵入することを明らかにし、血液中の循環血球が造血器官の再生に関与している可能性を示した。

報告書

FBRサイクル総合研修施設の研修結果報告(ナトリウム取扱研修及び保守研修); 平成16年度

渡辺 智夫; 小澤 一雅; 大塚 二郎; 佐々木 和一; 澤田 誠

JNC TN4440 2005-001, 40 Pages, 2005/07

JNC-TN4440-2005-001.pdf:1.85MB

国際技術センターでは、ナトリウム取扱技術の一層の充実強化を図るため、「もんじゅ」の運転員及び保守員などを対象とした教育研修を実施している。この教育研修は、ナトリウム取扱研修施設及び保守研修施設において平成12年9月より実施しており、5年目となる平成16年度においては、これまでに整備した研修を継続し、9種類のナトリウム研修と10種類の保守研修を実施した。平成16年度における各研修実績は、ナトリウム取扱研修においては、9種類の研修コースを計30回開催し、211名が受講した。保守研修施設においては、9種類の研修コースを計14回開催し、87名が受講した。双方の受講者は合わせて298名であった。また、「もんじゅ」の職員等を対象とした上記の研修以外に、社外の技術者等を対象とした研修として、受託によるナトリウム取扱研修や防災訓練の一環としての福井消防学校の学生を対象としたナトリウム取扱研修、さらには文部科学省が主催する海外原子力交流制度に基づく中国技術者に対するナトリウム研修を実施した。平成12年9月から平成16年度までの延べ受講者数は、ナトリウム取扱研修で987名、保守研修で472名の合計1459名である。

論文

Characterization of pathways dependent on the ${it uvsE}$, ${it uvrA1}$ or ${it uvrA2}$ gene product for UV resistance in ${it Deinococcus radiodurans}$

田中 将志*; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 菊地 正博; 渡辺 宏*; 松永 司*; 二階堂 修*; 山本 和夫*

Journal of Bacteriology, 187(11), p.3693 - 3697, 2005/06

 被引用回数:47 パーセンタイル:62.27(Microbiology)

放射線抵抗性細菌は紫外線耐性に関与するDNA修復遺伝子${it uvsE}$, ${it uvrA1}$, ${it uvrA2}$遺伝子を持っている。これらの遺伝子破壊株を作成し、紫外線によるDNA損傷の修復にかかわる遺伝子の機能を解析した。その結果、これらの遺伝子は紫外線による突然変異誘発には関与していないこと,${it uvrA2}$遺伝子は紫外線耐性にあまり関与していないこと,${it uvsE}$遺伝子はシクロブタン型ピリミジンダイマーと6-4光産物の紫外線誘発DNA損傷の除去にかかわっていること,${it uvrA1}$遺伝子はおもに6-4光産物の除去のみに働くことなどがわかった。また、3種類の遺伝子を全て欠損させた破壊株でも、紫外線損傷DNAの除去活性が完全には失われていないことから、未知のDNA損傷除去機構の存在が示唆された。おそらく、この未知機構の一部は、DNA組換え修復機構によっていると考えられた。

論文

Irradiation of mammalian cultured cells with a collimated heavy-ion microbeam

舟山 知夫; 和田 成一; 小林 泰彦; 渡辺 宏*

Radiation Research, 163(2), p.241 - 246, 2005/02

 被引用回数:32 パーセンタイル:64.73(Biology)

重イオンの生物作用を解明を目的に、細胞を一つ一つ重イオンで照射することができるマイクロビームシステムを確立した。イオン飛跡検出用プラスチックCR-39で作った照射容器で培養したCHO-K1細胞を蛍光染色で自動認識し、その位置座標をもとに、細胞を個別に$$^{40}$$Ar$$^{13+}$$イオンで照準照射した。照射後、照射容器の底のCR-39の裏側を37$$^{circ}$$Cのアルカリエタノール溶液で処理し、細胞を生かしたまま飛跡を可視化することに成功した。可視化した飛跡と、細胞の顕微鏡画像を重ね合わせ、細胞にヒットしたイオンの数の位置を正確に検出した。アルゴンイオンで照射した細胞では、照射による細胞増殖の阻害が引き起こされていた。加えて、細胞核にアルゴンイオンが一つヒットしただけで、細胞の増殖が非常に強く阻害されることを明らかにした。

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