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越水 正典*; 岩松 和宏*; 田口 光正; 倉島 俊; 木村 敦; 柳田 健之*; 藤本 裕*; 渡辺 賢一*; 浅井 圭介*
Journal of Luminescence, 169(Part B), p.678 - 681, 2016/01
TIARAのAVFサイクロトロンを用いてパルスイオンビームを発生し、Liガラスシンチレータ(GS20)の発光を計測した。20MeV H, 50MeV He,および220MeV Cを照射した結果、400nm付近に、発光中心としてドープされているCeイオンの5d-4f遷移に帰属されるバンドが観測された。発光のタイムプロファイル計測では、20MeV Hでは顕著に立ち上がりが遅く、高LETほど立ち上がりが速くなった。一方、減衰挙動には顕著な相違はなかった。これは、高密度エネルギー付与によって誘起された励起状態間相互作用によって、ホストガラスからCeへのエネルギー移動過程が促進されたことが原因と考えられる。
柳田 健之*; 越水 正典*; 倉島 俊; 岩松 和宏*; 木村 敦; 田口 光正; 藤本 裕*; 浅井 圭介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 365(Part B), p.529 - 532, 2015/12
被引用回数:11 パーセンタイル:66.88(Instruments & Instrumentation)CeをドープしたLiCaAlF結晶にX線及び20MeV H, 50MeV He, 220MeV Cイオン照射を行い、発光のその場観察を行った。X線照射では数nsの早い発光成分と数10nsの遅い成分が観測された。一方、イオン照射では、早い発光は観測されなかった。早い発光の消滅は、イオン照射で形成された高密度励起による励起状態間の相互作用が原因と考えられる。また、遅い発光では、その立ちあがりと減衰にLET依存性が観測された。これは、LiCaAlFの励起状態からCeへのエネルギー移動及び励起状態間相互作用による消光過程が競争的に起きていることが原因と考えられる。
関和 秀幸*; 宮本 美幸*; 徳竹 大地*; 吉川 彰*; 柳田 健之*; 井崎 賢二
no journal, ,
線のエネルギー弁別を目的とした新しいシンチレータとしてZnO単結晶に着目。同単結晶の成長とシンチレーション特性評価を実施した結果、線のエネルギー分解能においてはZnS(Ag)シンチレータを凌ぎ、PuとRn子孫核種を弁別するのに十分なレベルであることを確認したので、その内容について報告する。
越水 正典*; 藤本 裕*; 柳田 健之*; 岩松 和宏; 木村 敦; 倉島 俊; 田口 光正; 浅井 圭介*
no journal, ,
原子炉内の核反応やホウ素中性子捕捉療法等で用いられる熱中性子の検出には、検出器内部材料の(n,)反応により生じた線によるシンチレーション現象が利用されている。バックグラウンドとして線が存在する環境において中性子を検出するためには、線照射時とは異なるシンチレーション減衰を示す材料を開発することが重要である。そこで、TIARA施設AVFサイクロトロンからのシングルパルスを、CeをドープしたCaBOに照射し、そのシンチレーション現象のLET依存性を観測した。20MeV H照射と比較し、高いLET値を有する50MeV Heや220MeV Cでは、シンチレーションの立ち上がりが早くなった。この結果は、LET値の増加に伴う高密度励起により媒体からCeへのエネルギー移動前に励起状態間相互作用が起きやすくなり、遅い立ち上がり成分が消光されるためであると推察される。