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大貫 敏彦; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 磯部 博志; 永野 哲志; 坂本 義昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1153 - 1158, 1997/12
被引用回数:26 パーセンタイル:86.43(Nuclear Science & Technology)非晶質鉄鉱物の結晶化過程におけるウランの再分配挙動を、選択的抽出法により検討した。硝酸鉄溶液中に1mg・l1のウランを混合し、PHを6.5に調整して得た初期の沈澱は、全てTAO溶液により溶解した。また、溶液中のウラン濃度は1%以下であった。このことは、ほとんどのウランが非晶質の鉄鉱物に吸着していることを示している。鉄とウランの沈澱は、時間の経過とともに一部がTAO溶液では溶けないで残った。この場合、TAO溶液により抽出されるウランの量は、残査沈澱物の量が増えるに伴い減少した。溶液中のウランの濃度はやはり1%以下であった。これらの結果から、非晶質鉄鉱物の結晶化過程において、ウランは溶液中にはき出されず、結晶質および非晶質の鉄鉱物に吸着していることがわかった。
加藤 正平; 梁瀬 芳晃; 本多 哲太郎*
IRPA9: 1996 International Congress on Radiation Protection, Proceedings, 3, p.354 - 356, 1996/00
原子炉の解体では大量の極低レベルコンクリート廃棄物が発生する。コンクリート廃棄物の浅地中処分の安全性評価においては廃棄物からの核種の浸出が重要であるが、廃棄物形状が様々であり、浸出評価モデルとそれに用いる拡散係数等のデータはほとんど無い。本研究は拡散係数と分配係数の測定、3種類のモデルによる浸出量の計算及びモデル間の評価を目的として行い次の結果を得た。(1)放射化コンクリートからの核種の浸出性はCaCsCoEuの順である。(2)平衡モデルで評価した粒状コンクリートからの浸出量は全量漏洩モデルで評価した結果の4~5桁も小さい。(3)平衡モデルでの浸出量評価で、浸出の分配係数を用いた結果は吸着の分配係数を用いた結果より1桁小さい。(4)ブロック状の廃棄物を拡散モデルによって計算した浸出量は全量漏洩モデルで評価した浸出量より、CoとCsで5桁以上小さい。
加藤 正平; 梁瀬 芳晃
JAERI-M 93-113, 17 Pages, 1993/05
海岸地層で採取した砂礫、粗砂、細砂、粘土及びコンクリート粉に関して原子炉の解体で発生する放射性コンクリート廃棄物に含まれる主要核種であるCl,Ca,Co,Ni,Sr,Eu及びAmの分配係数(Kd)を地下水を用いて測定した。全ての土壌に対してCl,Ca,SrのKdは小さかった。Amは土壌の種類に依存し幅広い範囲の値を示した。Cs,Ca,SrのKdは比表面積と正の相関がみられた。地下水の代りにコンクリート浸せき水を用いた場合、Ca,Sr,Caは増加したが、NiとCoについては減少した。コンクリート粉末に対するKdは粘土等の土壌に対する値より1~2桁大きい値を示した。