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論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Intruder configurations in $$^{29}$$Ne at the transition into the island of inversion; Detailed structure study of $$^{28}$$Ne

Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.

Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08

$$^{29}$$Neからの1中性子除去反応を用いて、$$^{28}$$Neの詳細な$$gamma$$線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、$$^{28}$$Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。

論文

Determination of fusion barrier distributions from quasielastic scattering cross sections towards superheavy nuclei synthesis

田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01

 被引用回数:16 パーセンタイル:73.53(Physics, Multidisciplinary)

ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いて$$^{48}$$Ca + $$^{208}$$Pb, $$^{50}$$Ti + $$^{208}$$Pb, $$^{48}$$Ca + $$^{248}$$Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。$$^{48}$$Ca + $$^{208}$$Pb及び$$^{50}$$Ti + $$^{208}$$Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方$$^{48}$$Ca + $$^{248}$$Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。

論文

Observation of all-in type tetrahedral displacements in nonmagnetic pyrochlore niobates

鳥越 秀平*; 石本 祐太朗*; 青石 優平*; 村川 寛*; 松村 大樹; 吉井 賢資; 米田 安宏; 西畑 保雄; 樹神 克明; 富安 啓輔*; et al.

Physical Review B, 93(8), p.085109_1 - 085109_5, 2016/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.09(Materials Science, Multidisciplinary)

We observed all-in type Nb tetrahedral displacement in nonmagnetic pyrochlore niobates A$$_{2}$$Nb$$_{2}$$O$$_{7}$$ (A = Nd$$_{0.5}$$Ca$$_{0.5}$$ and Y$$_{0.5}$$Ca$$_{0.5}$$) through the analysis of the neutron pair distribution function and the extended X-ray absorption function spectroscopy. The all-in type Nb tetrahedral displacement, which has the character of a charge singlet state, is driven by the formation of the bonding orbital. The diffuse scattering in the X-ray diffraction, which has the resonant component in the Nb $$L$$3 edge, indicates that the all-in type Nb tetrahedral displacement has the periodicity with its short-range correlation.

論文

Electronic structure of BaTiO$$_{3}$$ using resonant X-ray emission spectroscopy at the Ba-L$$_{3}$$ and Ti K absorption edges

吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 福田 竜生; 西畑 保雄; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 寺嶋 孝仁*; 吉門 新三*; 福島 整*

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 75(3), p.339 - 343, 2014/03

 被引用回数:9 パーセンタイル:42.05(Chemistry, Multidisciplinary)

強誘電体BaTiO$$_{3}$$3について、共鳴X線発光(RXES)及び部分蛍光法を用いたX線吸収分光(PFY-XAS)により電子状態を分析した。実験はSPring8の原子力機構ビームラインBL14B1と物質・材料研究機構ビームラインBL15XUで行った。Ba L$$_{3}$$吸収端でのPFY-XASスペクトルは、過去の文献とは異なり、キュリー点上下で変化しなかった。これは、Ba$$^{2+}$$イオンの位置はキュリー点で変位しないか変位が小さいことを示唆する。また、Ti K吸収端でのRXESスペクトルからは、発光ピークのエネルギーは入射光エネルギーによらずほぼ一定であった。この結果は、Ti 3d軌道が非局在的な性質を持っており、それによりTiイオンが変位して電気双極子の生成して強誘電体となるという、理論計算から提案された機構を支持することが分かった。

論文

Magnetic properties of R$$_{2}$$Fe$$_{3}$$O$$_{7}$$ (R=Yb and Lu)

吉井 賢資; 池田 直*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 神戸 高志*; 米田 安宏; 福田 竜生; 森 茂生*

Solid State Communications, 173, p.34 - 37, 2013/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:20.64(Physics, Condensed Matter)

R$$_{2}$$Fe$$_{3}$$O$$_{7}$$(R=YbおよびLu)の磁性を調べた。これらの物質は、マルチフェロイック電子強誘電体RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の関連物質である。磁気転移温度は270Kであり、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の転移温度230-250Kより明らかに高かった。また、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$でも報告されている、スピングラスおよび交換バイアス現象を観測した。これらは、磁気的な乱雑性の存在を示しており、磁気熱量効果のブロードなピークと一致する結果であった。また、磁気熱量効果より得られた、室温に近い磁気冷却温度は、この物質群が応用に適していることを示す。

論文

X-ray emission spectroscopy of Ta-related oxides

米田 安宏; 吉井 賢資; 鈴木 知史

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 37(4), p.579 - 582, 2012/12

放射光X線を入射X線として利用したX線発光分光研究をTaを含んだ酸化物と金属タンタルについて行った。SPring-8の偏光電磁石ビームラインの特性からTa-L$$_{III}$$吸収端を利用したTa-L$$_{alpha 1}$$とL$$_{alpha 2}$$の発光スペクトルのデータコレクションを行った。また、放射光X線を用いることによってのみ行うことができる、共鳴発光スペクトルの観測を行うことができた。Ta-L$$_{III}$$吸収端近傍では非常に大きな吸収が生じ、white lineと呼ばれる急峻なピークが通常のXAFSでも観測される。共鳴発光分光を行うことによってこのwhite lineが共鳴ラマンピークであることを確認した。特に単結晶を用いたKTaO$$_3$$の共鳴発光スペクトルでは、入射X線の電場ベクトルを反映した方位依存性を観測することに成功し、電子構造というローカルプローブで物性評価の手段として使えることがわかった。

論文

New result in the production and decay of an isotope, $$^{278}$$113 of the 113th element

森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10

 被引用回数:161 パーセンタイル:97.28(Physics, Multidisciplinary)

113番元素である$$^{278}$$113を$$^{209}$$Bi標的に$$^{70}$$Znビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の$$alpha$$崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知である$$^{262}$$Db及び$$^{258}$$Lrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が$$^{278}$$113, $$^{274}$$Rg (Z=111), $$^{270}$$Mt (Z=109), $$^{266}$$Bh (Z=107), $$^{262}$$Db (Z=105)及び$$^{258}$$Lr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である$$^{278}$$113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。

論文

Probing the Ba 5d states in BaTiO$$_{3}$$ and BaSO$$_{4}$$; A Resonant X-ray emission study at the Ba-L$$_{3}$$ edge

吉井 賢資; Jarrige, I.; 鈴木 知史; 松村 大樹; 西畑 保雄; 米田 安宏; 福田 竜生; 田村 和久; 伊藤 嘉昭*; 向山 毅*; et al.

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 73(9), p.1106 - 1110, 2012/09

 被引用回数:11 パーセンタイル:44.21(Chemistry, Multidisciplinary)

強誘電体BaTiO$$_{3}$$のBa 5d軌道の電子状態を放射光共鳴発光により調べ、誘電性を持たないBaSO$$_{4}$$と比較した。Ba-L$$_{3}$$吸収端近傍において共鳴発光スペクトルを測定したところ、両方の化合物ともBa 5d電子は局在していることがわかった。一方、共鳴発光を利用した部分蛍光法吸収スペクトルを測定したところ、BaTiO$$_{3}$$のほうがBaSO$$_{4}$$よりもエネルギー幅の広いピークが観測された。すなわち、BaTiO$$_{3}$$のBa 5d軌道は、O 2p軌道と混成していることがわかった。これは、BaTiO$$_{3}$$の強誘電性はTi-Oの混成により発現するとされてきた従来の見解と異なり、Baイオンも強誘電相転移に何らかの役割を果たすことを示唆する。

論文

Structural investigations of AgNbO$$_3$$ phases using high-energy X-ray diffraction

米田 安宏; 吉井 賢資; 小原 伸司*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 37(1), p.73 - 76, 2012/03

AgNbO$$_3$$は高周波領域の強誘電体材料として使われているAg(Nb,Ta)O$$_3$$のエンドメンバーである。室温近傍で非常に複雑な相転移を起こし、構造も未だ決定していない。そこで、高エネルギーX線回折を行い、消衰効果が小さい事利用して、multiple scatteringを観測し、相転移系列を明らかにするとともに、得られた粉末X線パターンのrefinementを行った。その結果、低温領域に隠されたrhombohedral相があることが示唆された。したがって、AgNbO$$_3$$の相転移系列はPb(Zr,Ti)$$_3$$と同じあることがわかった。

論文

Local structure analysis of Bi(Mg$$_{0.5}$$Ti$$_{0.5}$$)O$$_3$$ grown by high pressure synthesis

米田 安宏; 齋藤 寛之; 吉井 賢資

Japanese Journal of Applied Physics, 50(9), p.09NE06_1 - 09NE06_6, 2011/09

 被引用回数:13 パーセンタイル:49.3(Physics, Applied)

強誘電体として非常に良い特性を示すPb(Zr,Ti)O$$_3$$では構造相境界(morphotoropic phase boundary: MPB)での組成が用いられている。これは正方晶構造と菱面体晶構造の相境界における組成では特性が著しく向上する。通常、MPB組成の実現のために混晶が用いられているが、これを圧力を用いて実現しようとした試みである。圧力誘起のMPBの実現の可能性のある物質としてBi(Mg$$_{0.5}$$Ti$$_{0.5}$$)O$$_3$$(BMT)を選んだ。この物質は常圧での合成ができないため、高温高圧合成を試みたところ、2種類のBMTを得ることができた。一つは菱面対象構造でもう一つは斜方晶構造である。このうち、菱面体晶構造のBMTは強誘電特性を示した。これら2つの構造の関係を明らかにするため、高圧下でのX線その場観察を行ったところ、斜方晶構造は常圧安定相で菱面体晶構造は高圧安定相であることがわかった。これらの局所構造をpair-distribution function(PDF)解析を用いて調べたところ、非常に似通っており、この類似性が圧力下での相転移を誘起していることがわかった。

論文

X-ray absorption spectra in pyrochlore niobates

鳥越 秀平*; 石本 祐太朗*; 花咲 徳亮*; 野上 由夫*; 松村 大樹; 吉井 賢資; 米田 安宏; 西畑 保雄

Journal of Physics; Conference Series, 320, p.012078_1 - 012078_4, 2011/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:34.07

パイロクロア構造を持つニオブ酸化物のX線吸収スペクトルを測定し、この系の誘電性の起源につき議論した。YCaNb$$_{2}$$O$$_{7}$$とNdCaNb$$_{2}$$O$$_{7}$$のEXAFS測定からは、Nb周囲の酸素が変位していることがわかった。この結果は、過去の中性子回折実験の結果と定性的に一致する。観測されたイオン変位状態は、Nb周囲の原子配置の中心対称性を破りうるため、局所的に電気双極子が存在しうることとなり、結果的にこの系の誘電性の起源となりうることを議論する。

論文

Magnetic and dielectric study of R$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$MnO$$_{3}$$ (R = Gd, Tb and Dy)

吉井 賢資; 平光 雄介*; 岡島 由佳*; 米田 安宏; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 中村 彰夫; 下条 豊; 石井 慶信*; 森井 幸生; et al.

Materials Research Bulletin, 45(11), p.1574 - 1580, 2010/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:37.35(Materials Science, Multidisciplinary)

R$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$MnO$$_{3}$$ (R=Gd, Tb, Dy)の磁性と誘電性を調べた。磁気測定からは、すべての系において40K以下でスピングラス的な相が観測され、中性子散乱の結果と定性的に一致した。このグラス相の起源は、R$$^{3+}$$とSr$$^{3+}$$のサイズの違いによるランダムネス効果であると考えられる。誘電率測定からは、50Kから300Kの間で5000-10000程度の誘電率が観測され、誘電率はスピングラス転移温度付近でブロードなピークとなった。誘電分散の解析からは、誘電応答の乱雑性が見いだされ、磁性の結果同様、これはR/Srサイトのランダムネスに起因すると考えた。さらに、放射光測定の結果などから、この系の誘電応答はMn-3d電子に由来することが示唆された。

論文

Growth and characterization of bismuth magnesium titanate Bi(Mg$$_{1/2}$$Ti$$_{1/2}$$)0$$_3$$

米田 安宏; 齋藤 寛之; 吉井 賢資; 西田 貴司*; 早川 弘毅*; 池田 直*

Key Engineering Materials, 421-422, p.30 - 33, 2010/00

高温高圧合成によってBi(Mg$$_{1/2}$$Ti$$_{1/2}$$)O$$_3$$を作製した。常圧合成ではBi$$_2$$O$$_3$$, Ti$$_2$$O$$_3$$とMgOの混合粉体を固相反応法によって焼結してもペロブスカイト構造のサンプルは得られない。常圧合成では層状ビスマス化合物の方が安定だからである。高圧合成によって得られたBi(Mg$$_{1/2}$$Ti$$_{1/2}$$)O$$_3$$は若干の不純物が存在するもののrhombohedral構造を示していた。不純物の影響でleakyなD-Eループしか得ることができなかったが、今後、純度が向上すれば非鉛圧電体の有力なエンドメンバーとなることが期待できる。

論文

Magnetic and dielectric properties of YbFe$$_{2-x}$$Mn$$_{x}$$O$$_{4}$$ (0$$underline{<}$$x$$underline{<}$$1)

吉井 賢資; 池田 直*; 道内 尊正*; 横田 祐輔*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*

Journal of Solid State Chemistry, 182(7), p.1611 - 1618, 2009/06

 被引用回数:15 パーセンタイル:51.51(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

YbFe$$_{2-x}$$Mn$$_{x}$$O$$_{4}$$の磁性と誘電性を調べた(0$$underline{<}$$x$$underline{<}$$1)。この系は、筆者らが発見した新しいマルチフェロイック物質RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$ (R=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換系である。粉末X線回折測定を行ったところ、xが0から1の間で混晶となっていることを観測した。放射光吸収分光からは、Mnの価数は2+であることがわかった。この結果から、xとともに低温磁化が小さくなるという、磁化測定の結果を定性的に説明した。また、磁気転移温度及び誘電率は、xを増加するとともに減少した。この結果を、Feサイトの電子移動の減少によって説明した。すなわち、筆者らのこれまでの関連系の実験結果から、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$と同構造系の磁性と誘電性は電子移動によって支配されており、イオン変位が重要である通常の誘電体とは異なることを提言した。また、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$でのMn置換に関する応用可能性についても簡単に言及した。

論文

Decay properties of $$^{266}$$Bh and $$^{262}$$Db produced in the $$^{248}$$Cm + $$^{23}$$Na reaction

森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望*; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 78(6), p.064201_1 - 064201_6, 2009/06

 被引用回数:30 パーセンタイル:78.42(Physics, Multidisciplinary)

$$^{248}$$Cm($$^{23}$$Na,5$$n$$)反応で合成した$$^{266}$$Bh及びその娘核種である$$^{262}$$Dbの崩壊特性の研究を、気体充填型反跳分離装置(GARIS)と位置感度半導体検出器(PSD)とを組合せた装置を用いて行った。既知核種である$$^{262}$$Dbとの相関を調べ、$$^{266}$$Bhの同定を十分な確度で行った。今回合成・測定を行った$$^{266}$$Bh及び$$^{262}$$Dbの崩壊特性は以前(理化学研究所、2004年,2007年)に合成・測定を行った$$^{278}$$113の崩壊特性と一致しており、これは新元素(原子番号113)とされる$$^{278}$$113の発見の成果を強く補強するものと言える。

論文

Magnetic and dielectric properties of R$$_{0.5}$$Ca$$_{0.5}$$MnO$$_{3}$$ (R=Eu-Lu)

吉井 賢資; 平光 雄介*; 米田 安宏; 岡島 由佳; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 池田 直*

Ferroelectrics, 379(1), p.183 - 190, 2009/05

 被引用回数:8 パーセンタイル:39.9(Materials Science, Multidisciplinary)

標記マンガン酸化物における磁性と誘電性について調べた。磁化測定から、室温近傍でマンガンイオンの電荷秩序が起こり、100K以下程度でマンガンスピンの反強磁性が観測された。また、誘電率測定からは、室温近傍で1000程度の誘電率が観測され、誘電率の温度依存性がマンガン電荷秩序温度近傍で変化した。これは、この系の誘電性と電荷秩序に相関があることを示唆する。さらに、誘電率の損失部の解析、及び、放射光吸収分光測定の結果から、誘電応答がマンガン3d電子の移動に由来していることが示唆された。これは、通常の誘電体で見られる、イオン変位機構とは異なるものである。

論文

Local structure modulation in the electronic ferroelectric oxide LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

早川 弘毅*; 森本 昌規*; 池田 直*; 米田 安宏; 小原 真司*; 吉井 賢資; 松尾 祥史*; 道内 尊正*; 森 茂生*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(1), p.51 - 54, 2009/05

最近われわれは、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$が、鉄3d電子の局在化により強誘電性を示す新規なタイプの強誘電体であると報告したが、この物質の詳細な性質はいまだわかっていないことが多い。このことを鑑み、本研究では、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$に対し高エネルギー放射光X線を用いた局所構造解析を行った。Pair-distribution functionに対するフィッティングの結果、強誘電相における局所構造は、これまで報告されている結晶構造とは異なり、ルテチウム原子が変位した構造を持っていることがわかった。このことは、この物質の結晶構造を再検討する必要性を示す。また、局所構造解析の結果を誘電率測定・磁化測定や電子線回折などから得られた結果とあわせて議論し、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の性質を明らかにすることを試みる。

論文

Local structure analysis of cubic perovskite CaCu$$_3$$Ti$$_4$$O$$_{12}$$

米田 安宏; 吉井 賢資; 早川 弘毅*; 池田 直*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(1), p.15 - 18, 2009/03

巨大誘電率を示す立方晶系のペロブスカイト酸化物CaCu$$_3$$Ti$$_4$$O$$_{12}$$(CCTO)はその起源はまだ明らかにはなっていない。またCCTOは誘電率にグレインサイズ依存性があると言われており、誘電率の異なるサンプルの局所構造を比較することによって巨大誘電率の起源を明らかにすることを試みた。誘電率の小さなサンプルに関しては平均構造解析で得られたパラメータによって局所構造が再現できるため、平均構造と局所構造との差がほとんどないことがわかった。一方、誘電率の大きなサンプルでは、平均構造には変化はなく誘電率の小さなサンプルと同じ結晶構造であった。しかし局所構造には平均構造からややずれた構造があり、強誘電体におけるドメイン構造のようなモデルが適用できる。しかし、CCTOは強誘電体ではないため、このようなドメインは酸素欠損によって生じたアンチフェーズバウンダリーと考えられる。このような異相が存在すると電気伝導度の違いから巨大な誘電率が観測される(Maxwell-Wagner効果)。これがCCTOの巨大誘電率の起源と推定される。

論文

Attempt to produce the 3rd chain of $$^{278}$$113

森本 幸司*; 森田 浩介*; 加治 大哉*; 秋山 隆宏*; 後藤 真一*; 羽場 宏光*; 井手口 栄治*; 鹿取 謙二*; 小浦 寛之; 工藤 久昭*; et al.

RIKEN Accelerator Progress Report, Vol.42, P. 15, 2009/00

2003年から2007年の間、理化学研究所仁科加速器研究センターにおいて気体充填型反跳イオン分離器(GARIS)を用いた$$^{209}$$Bi$$+$$ $$^{70}$$Zn反応による113番元素の合成実験を進めてきた。賞味の照射時間241日の結果同位体$$^{278}$$113からの崩壊連鎖と同定された2つの事象が観測された。この反応の生成断面積はその時点で31$$^{+40}_{-20}$$ fbであった。今回、この崩壊様式の統計を増やす目的で、同様の実験を実施した。期間は2008年の1月7日から3月の31日まで行い、353MeVの$$^{70}$$ZnビームをBi標的に照射した。正味の照射日数は83日で、照射した$$^{70}$$Znは計2.28$$times10^{19}$$個であった。今回の実験においては$$^{278}$$113と同定される候補は観測されなかった。過去の2つの実験の結果とあわせると生成断面積は22$$^{+29}_{-19}$$ fbとなった。

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