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松村 明*; Zhang, T.*; 中井 啓*; 遠藤 聖*; 熊田 博明; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 櫻井 良憲*; 山本 和喜; 能勢 忠男*
Journal of Experimental and Clinical Cancer Research, 24(1), p.93 - 98, 2005/03
中性子捕捉療法においては、ホウ素化合物による治療効果はアルファ粒子によるものであるのに対し、ガドリニウム化合物はGd(n,)反応による線量の効果である。また、これらの化合物は腫瘍内への取り込み特性も異なっている。2つの化合物を混合したときの効果を調べるため、チャイニーズ・ハムスターのV79細胞を用いて、10B(BSH)を0, 5, 10, 15ppmと、ガドリニウム(Gd-BOPTA)を800, 1600, 2400, 3200, 4800ppmの組合せで取り込ませ、熱中性子ビームによる照射を行い細胞生存率を評価した。その結果、ホウ素化合物とガドリニウム化合物を最適な濃度割合で混合することによって治療効果を増強することができることが明らかとなった。ガドリニウム濃度が高すぎる場合、Gdの断面積が大きいために、ホウ素の中性子捕獲効果を減衰させてしまうと考えられる。
吉田 文代*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 熊田 博明; 中井 啓*
Cancer Letters, 215(1), p.61 - 67, 2004/11
被引用回数:13 パーセンタイル:22.52(Oncology)BSHは、脳腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法において広く利用されているホウ素化合物である。しかしながら、腫瘍細胞への取り込みのメカニズムは十分にはわかっていない。われわれは、この化合物のメルカプト基部分を調査した。BSOによりグルタチオンの生成が抑制されると、腫瘍細胞へのBSHの取り込みが促進され、中性子照射による細胞破壊作用も強化された。また、BSHの取り込みの促進に伴い、線照射による損傷は抑制された。これらの結果は、グルタチオンの枯渇はB(n,)反応を促進させ、2次線の発生を抑制する効果を示唆している。
遠藤 聖*; 柴田 靖*; 吉田 文代*; 中井 啓*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 石井 慶造*; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 及川 将一*; et al.
Proceedings of 11th World Congress on Neutron Capture Therapy (ISNCT-11) (CD-ROM), 2 Pages, 2004/10
原研の高崎研究所にあるシングルエンド加速器(Micro PIXE)を用いて細胞内でのホウ素及びガドリニウムの定量を試みた。Micro PIXEは直径1m以下のマイクロビームを用いて元素分布の分析を可能にするものである。実験の結果、P, S, Gd等の分布を分析することが可能であることがわかった。しかし、K及びGdが細胞周辺に分布していることから、細胞壁の破壊や細胞内への取り込み不全が考えられた。今後、これらの問題に対処するとともに、細胞内のホウ素分布を求め、BNCTの有効活用に資する予定である。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 松下 明*; 吉田 文代*; 柴田 靖*; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.697 - 700, 2002/09
ホウ素中性子捕捉療法を実施するに当たり、各元素に対する生物学的効果比(RBE)は重要である。原研のJRR-4の中性子ビーム設備において、各ビームスペクトル毎のRBEをそれぞれ測定した。実験は、細胞実験による細胞生存率を評価して行った。熱外中性子ビームモード及び、熱中性子ビームモード1、及び2のホウ素のRBEはそれぞれ、3.990.24,3.040.19,1.430.08という結果を得た。実際のBNCTの臨床成績を評価するために、今後もさまざまなビームスペクトルでの細胞実験及びファントムによる細胞実験を重ねるものである。細胞実験から得られたそれぞれのビームに対するRBEとその特徴について報告する。
Zhang, T.*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 桜井 良憲*; 熊田 博明; 山本 和喜; 能勢 忠男*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.819 - 824, 2002/09
本研究はホウ素とガドリニウムを組み合わせた中性子捕捉療法を前提に照射実験を行い、ガドリニウム濃度に依存して、ホウ素の照射効果がさまざま変化することを見いだした。この相乗効果の特徴は、ガドリニウムが低濃度の場合、ホウ素の殺細胞効果とガドリニウムの殺細胞効果とに相乗的な効果が現れ、ガドリニウムの濃度を高めていくとホウ素濃度に対する相乗効果が弱くなり、最終的にホウ素濃度に依存しないようになる。臨床照射に置き換えると、腫瘍中内のガドリニウムとボロンの適した濃度比が治療効果を高め、過剰なガドリニウム濃度は負の治療的効果を引き起こす可能性がある。
能勢 忠男*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 吉田 文代*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 松下 明*; 中井 啓*; 山田 隆*; et al.
UTRCN-G-29, p.114 - 123, 2001/00
JRR-4は熱中性子ビーム(Thermal beam mode II; TNB-II)、熱及び熱外中性子の混合ビーム(Thermal beam mode I; TNB-I)並びに熱外中性子ビーム(Epithermal beam mode;ENB)を供給できるような新しく開発された研究用原子炉である。本報告はJRR-4のそれぞれのビームに対する基礎的放射線生物学的研究と熱及び熱外中性子の混合ビームを用いた術中ホウ素中性子捕捉療法のPhaseI/II Studyについて報告する。生物学的基礎研究において、ENBでは速中性子線量を減衰させながら、深部に熱中性子を補えることが細胞生存率曲線から明かとなった。また、2000年5月までに5名の患者に対してTNB-Iを用いた術中BNCTを実施した。外部照射と比較して、術中BNCTは皮膚反射とボイド効果のために高い治癒線量を与えることができる。
吉田 英一; 小峰 龍司; 上野 文義; 和田 雄作
Liquid Metal Systems, International Seminar, ,
本報告では,Alloy718について最大10の8乗cyclesまでのNa中高サイクル疲労試験を実施し,疲労強度に及ぼすNa環境効果を評価した。結果,1.600以下では影響は認められないが650で10,000h予浸漬後では,受入れ材および同一条件下の熱時効材のNa疲労強度よりも若干低下する傾向を示した。2.これは長時間浸漬によって生じた表面近傍での優先的な粒界アタックや熱的な要因に伴う粒界析出物の粗大化などにより,粒界でのき裂発生に至るまでの時間が減少し疲労寿命が低下することを明らかにした。3.650で10,000h浸漬(LMP法換算で600237,000h相当)後では僅かな強度低下を招くものの,SUS304と比較して破損繰り返し数で50倍以上の優れた疲労強度を示し,かつ現行設計温度600以下においてはNaの影響はなく耐サ-マルストライピング材として有効であることを明らかにした。
遠藤 聖*; 中井 啓*; 吉田 文代*; 白川 真*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 澤幡 浩之*; 川手 稔*; 斎藤 公明; 熊田 博明; et al.
no journal, ,
原子炉JRR-4施設における小動物照射は、動物実験における倫理的側面,設備,人員などの諸課題について検討、解決しながら実施する必要がある。従来の放射線管理のみの物質照射と比較し、管理運営上の課題が多い。しかしながら、BNCTの新規薬剤合成、あるいは照射技術の改良などには、腫瘍増殖抑制試験といった少なくとも小動物を用いた実験が必須であると考えられる。原子力機構、小動物照射にかかわる国内研究グループ及び東京大学大学開放研究室が協力連携し、中性子ビーム設備を利用した新しい小動物照射装置の開発に取り組んでいる。この装置は、既存の配管や孔などを利用したレール方式で、他の照射を行いながら一度に46匹程度を照射できるものである。これまでは、限られた利用日に小動物実験を実施してきたが、利用日の制限が緩和されることが予想される。本報告は、JRR-4における小動物照射の現状と課題を検討したものである。
中井 啓*; 山本 陽平*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 松村 明*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.
no journal, ,
加速器中性子源中性子捕捉療法は、予め生体に投与したホウ素化合物に熱中性子を照射し、核反応で生じるアルファ線やリチウム原子核を治療に用いる方法で、細胞の直径程度の極めて短い飛程と、粒子線による高い線エネルギー付与が特長である。ホウ素を悪性腫瘍のみに集積することで、細胞選択的に抗腫瘍効果をもたらすと期待されており、効果の検証には細胞大の分解能のホウ素濃度分布測定が要求される。そこで、高感度と高空間分解能を併せ持つTIARAの大気マイクロPIXE/PIGE(Particle Induced X/Gamma-ray Emission)分析システムを用いた細胞中のホウ素分布分析を行った。細胞培養培地にホウ素化合物を濃度0300g/mLで添加した6種類の試料を用いてホウ素の検出限界を調べたところ、20g/mLの濃度で検出が可能であることがわかった。この培地で細胞を培養し培養液を吸引除去後凍結乾燥した試料では、生体細胞の主要構成元素であるリンやカリウムとホウ素の分布が一致しており、細胞に取り込まれたホウ素が可視化できたと考えられる。このように、TIARAの大気マイクロPIXE/PIGEが加速器中性子源中性子捕捉療法の効果を知る上で重要となるホウ素分布測定に応用可能であることがわかった。