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佐藤 大樹; 中山 浩成; 古田 琢哉; 吉廣 保*; 坂本 健作
PLOS ONE (Internet), 16(1), p.e0245932_1 - e0245932_26, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Multidisciplinary Sciences)本研究では、大気および土壌に不均一に分布する放射性核種からのガンマ線による外部被ばく線量評価のための計算モデルSIBYLを開発した。SIBYLは、原子力機構が開発した局所域大気拡散モデルLOHDIM-LESに接続し、LOHDIM-LESが予測した放射性核種の分布に従い地表面での線量率分布を計算できる。原子力緊急時における利用で要求される計算速度と精度を実現するため、汎用放射線輸送計算コードPHITSを用いて膨大な計算資源を要する3次元放射線輸送計算を予め行い、その結果を線量計算に利用するデータベースとして整備した。また、SIBYLは、ビル等の障害物による減衰や地表面の標高変化を考慮した線量評価ができるという特長がある。そこで、排気塔からのKrの大気放出および都市部でのCsの拡散を想定した5ケースに対して、SIBYLで地表面の線量率分布を計算し、その結果をPHITSによる線量率分布の評価結果と比較して、SIBYLの信頼性と性能を検証した。その結果、評価地域の大部分で両者の評価結果は10%以内で一致し、かつSYBILはPHITSに対して約100倍以上高速に線量を評価し、緊急時にも適用可能であることを確認した。