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細井 卓治*; 桐野 嵩史*; Chanthaphan, A.*; 池口 大輔*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 箕谷 周平*; 中野 佑紀*; 中村 孝*; 志村 考功*; et al.
no journal, ,
シリコンカーバイド(SiC)は、高耐圧・低損失な次世代パワーMOSデバイス用材料として注目されている。熱酸化過程でSiC基板のSiがOと反応してSiOを形成する。残留炭素不純物がSiO/SiC界面に偏析して界面欠陥を生成することがSiCデバイス実現の大きな障壁となっている。また、SiO/SiC界面の伝導帯オフセットが小さいためにリーク電流が流れやすいのも問題である。本研究ではSiO層の形成方法や水素導入による界面改質処理がSiO/SiC界面構造と伝導帯オフセットに及ぼす影響を放射光光電子分光により評価した。高温水素ガスアニールを施した場合、熱酸化のみの試料と比較して高価数成分が減少してサブオキサイド総量が少ないことが明らかとなった。伝導帯オフセットは熱酸化試料と比較して小さい値を示した。熱酸化SiO/SiC構造の界面特性と伝導帯オフセットはトレードオフの関係にあり、高性能・高信頼SiC-MOSデバイスの実現にはこれらを両立させるプロセスの構築が必須である。
末光 眞希*; 吹留 博一*; 高橋 良太*; 阿部 峻佑*; 今泉 京*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
Si基板上にエピ成長させたSiC薄膜上にグラフェンを形成させるグラフェン・オン・シリコン(GOS)技術を開発した。グラフェン化は6H-SiCでは1350C、3C-SiCでは1250Cの真空アニールにより行った。GOS法によるグラフェン形成の様子はC1s内殻光電子分光から確認される。SiCピークの結合エネルギーは、3C-SiC(111)のグラフェン化では283.24eVに対して、6H-SiC(0001)のグラフェン化では283.7eVとなり、前者の方が若干低下している。Si終端n型SiC基板表面のグラフェン化では、SiCからグラフェンへ負の電荷移動が起こり、SiC表面バンドが上に曲がることが知られている。この場合、電荷移動が強いほどSiC成分の結合エネルギーは浅くなることが予想される。今回の結果は3C-SiC(111)のグラフェン化においても同様の電荷移動が生じ、かつ、それが6H-SiC(0001)グラフェン化表面より強いことを示唆している。