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永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳
no journal, ,
土壌の乾燥と湿潤が繰り返される環境では、土壌炭素を隔離する団粒が破壊され、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO)の放出が大きく増大する可能性がある。本研究では、仮説「日本の森林に広く分布する火山灰土壌からのCO放出が乾燥-湿潤(D-W)サイクルによって増大される」を検証した。本仮説を検証するため、国内の森林で採取した火山灰土壌を、D-Wサイクルおよび土壌水分一定の各条件で培養し、CO放出速度を水分条件の違いで比較した。D-Wサイクルを繰り返しながら培養した土壌のCO放出速度は、乾燥に伴って減少し、湿潤により大きく上昇した。その結果、D-Wサイクル条件で培養した土壌のCO放出量は、水分一定条件で培養した土壌のCO放出量の1.2-1.5倍になった。培養後の土壌の団粒サイズを測定したところ、D-Wサイクルによる団粒の破壊が顕著な土壌もあれば、団粒がほとんど破壊されていない土壌もあった。本研究により、(1)火山灰土壌でも乾燥と湿潤の繰り返しによってCO放出が顕著に増大すること、そして(2)団粒破壊以外のプロセスもCO放出の増大に関与している可能性が示唆された。