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小川 達彦; 平田 悠歩; 松谷 悠佑*; 甲斐 健師
no journal, ,
入射荷電粒子が標的物質にエネルギーを付与する過程を、原子単位で明示的に計算する飛跡構造解析計算は、生体や材料に対する放射線影響を計算するうえで、今までにない詳細な情報の取得を可能にする。発表者らはその可能性に注目し、汎用放射線輸送計算コードPHITSのために同計算モデルを開発し実装してきた。本発表は金属学会の招待講演として、金属学会コミュニティにPHITSの飛跡構造解析計算モデルを解説し、応用を呼びかける。まず飛跡構造解析計算モデルが、水・半導体などの特定物質で計算する高精度モデルと、広範な物質に適用できる汎用モデルの2種類があることを解説する。さらに、飛跡構造解析計算モデルは電子用モデルと、陽子・イオン用モデルがあることを説明する。金属では電子が迅速かつ連続的に拡散して放射線の影響は残らないため、汎用の陽子・イオン用モデルを中心に解説し、金属における損傷の量や空間分布が計算できることについて解説する。
豊田 晃大; 今川 裕也; 鬼澤 高志
no journal, ,
改良9Cr-1Mo鋼は、高速炉の蒸気発生器用材料として開発された、良好な引張強度とクリープ強度を有する焼き戻しマルテンサイト鋼である。次世代高速炉の設計条件において、改良9Cr-1Mo鋼は550Cで50万時間の使用が想定されている。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼の550C、50万時間における熱時効効果を評価することを目的として、最長約20万時間の長時間熱時効材を用いた引張試験を実施した。
浪江 将成; 岡 涼太郎*; Kim, J.-H.*; 米沢 晋*; 斉藤 淳一
no journal, ,
液体Naは核分裂により発生した中性子を減速・吸収しづらい、液体である温度範囲が広い、熱伝導率が高いために効率的に熱輸送が可能である等の理由から、高速炉の冷却材として利用されている。現在、高速炉の主要な構造材料として液体Naに対する耐食性の良いSUS304等の鉄系合金が使用されている。液体Naと接触する材料表面は熱交換器における熱伝達効率の向上や超音波による計測技術の性能向上のための親液的な濡れ性が要求される部位と、配管やバルブ中の液体Naを残留させないための疎液的な濡れ性が要求される部位がある。しかしながら、現状は要求に応える濡れ性(表面状態)にはなっていない。本研究ではフッ素ガスを用いた直接フッ素化により材料の表面自由エネルギーを操作し、材料の液体Naに対する濡れ性を制御することを検討した。フッ素ガスは材料の形状に影響を受けずに材料表面と均一に反応するため、追加処理のみで寸法を変化させること無く表面改質が可能である。
今川 裕也; 豊田 晃大; 鬼澤 高志
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日本原子力研究開発機構では次世代高速炉用構造材料である316FR鋼と改良9Cr-1Mo鋼の材料強度基準の開発に取り組んでおり、これらの材料の溶接部強度評価法の開発も進めている。本発表では、溶接部強度評価法の開発に資する溶接熱影響部の疲労特性を取得するための、微小試験片を用いた疲労試験技術の開発を実施した結果を報告する。
山本 泰生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; Ngo, N. H.*; 山野 秀将
no journal, ,
るつぼ回転粘度計を用いて球状黒鉛鋳鉄(FCD)の粘度測定を行った。FCDが完全に溶融する1300度以上ではCu添加量の増加に伴い、粘度が低下することが確認された。
阿部 陽介; 佐々木 泰佑*; 大久保 成彰; 山下 真一郎; 鵜飼 重治
no journal, ,
軽水炉の事故耐性燃料被覆管として開発中であるFe-Cr-Al(ODS)合金においては、比較的低い照射温度で生じるCrリッチ脆化相(相)の析出挙動と機械特性への影響を理解し予測することが課題となっている。そこで本研究では、照射影響評価の前段階として、CrとAlの組成を系統的に変化させたFe-Cr-Al合金を用いた熱時効実験と機械学習モデルを組み合わせることにより、温度や時効時間などの異なる条件での合金状態図上での相境界を合理的に定義した。また、3DAPデータベースに回帰モデルを適用し、推定されたビッカース硬さの増加量と相による硬化メカニズムとの関係を評価した結果、相による硬化は粒子切断機構で説明できることが示唆された。
伊東 祐斗*; 江草 大佑*; 山口 正剛; 阿部 英司*
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hcp金属の中でも高いc/a比を示すZnやCdでは、底面内方向圧縮下での底面すべりが抑制された条件において、結晶回転により特徴づけられるキンク変形が発現する。キンク変形は独立なすべり系が限られるhcp構造の塑性変形を補うとともに、一部のMg合金においては高強度化に寄与することから近年注目されているが、変形機構の詳細は明らかなっていない。本研究ではhcp金属を対象として、底面すべりが抑制される一軸圧縮条件における構造安定性について、第一原理計算によるPhonon分散関係および一般化積層欠陥エネルギー(GSFE)を用いて評価し、キンク変形機構の理解を深める。
若井 栄一; 能登 裕之*; 柴山 環樹*; 岩元 洋介; 石田 卓*; 佐藤 紘一*; 薮内 敦*; 義家 敏正*; 高橋 俊晴*; 小林 康浩*; et al.
no journal, ,
ハイエントロピー合金(HEA)は、強度が高くても、良好な延性を持つ材料系があることが近年、報告されており、様々な応用を目指し、世界の最先端の研究機関によって、その研究開発が進められている。本研究では、高放射線場での使用を目指すため、低放射化性を考慮して、CoとNi元素を除いたHEAについて、Fe系、W系およびTi系のHEAを複数、検討した。これらの材料は、bcc結晶構造を主体とした材料系であり、溶解法で作製してそれらの材料特性を評価した。その結果、Fe系HEAでは、純Wの硬さを超える特性を持ち、かつ耐照射特性が優れていることが分かった。また、Ti系HEAでは、高温鍛造や高温圧延を施すことができる系が見つかり、最適な熱処理温度の評価を進め、W系HEAでは、熱間等方圧加圧法(HIP)処理により硬さが上昇し、HEAの中で世界最高の硬さを有することが分かった。
石川 法人; 田口 富嗣*; 小河 浩晃
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100MeV以上の高速重イオンビームをセラミックスに照射すると、イオンの通り道に沿ってイオントラック損傷が形成される。これまでの研究によると、多くの材料でイオントラックの内部は均一な構造だと考えられている。透過型電子顕微鏡(TEM)を利用した本研究では、先行研究の結果と異なる二重構造を観察することが出来たので報告する。SiO単結晶を出発原料として作製した薄片試料の照射試料をTEM観察すると、試料端に近い部分で二重構造が観察された。結晶性SiOについてすでに均一なアモルファス状のイオントラックが形成されたことが報告されており、今回、先行研究の結果と異なるナノ構造(二重構造)が観察されたのは、先行研究では観察されて来なかった非常に薄い試料厚の試料だからではないかと推察される。(一方で試料厚が厚い部分では、先行研究と同じような均一構造のイオントラックが観察された。)さらに試料端に近い部分になると、二重構造から変化した開口構造が観察され、飛跡中心からの爆発的な物質移動の存在が示唆された。
中堂 博之; 鈴木 和也; 岡本 範彦*; 市坪 哲; 高梨 弘毅
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ハイエントロピー合金(HEA)とは、5成分以上の元素を含み、主要元素が定まらないにも関わらず単相の不規則固溶体となる合金である。元素の組み合わせと混合割合の多さから、HEAには広大な物質探索領域があると期待され、精力的に研究されている。HEAには大きさの異なる多様な元素を固溶する性質があるため、格子ひずみが大きくなるということから主に構造材料としての性質が注目されている。また、磁気モーメントを持つ元素も固溶できることから磁気的性質も研究されており、バルク試料の帯磁率といった巨視的性質が測定されている。本研究では微視的測定手法である核磁気共鳴法(NMR)を用いて、等組成FeCoNiCrPdの多結晶試料におけるCo NMR測定を行い、当試料における固溶体の均一性を微視的に検証する。
大東 純*; 河村 憲一*; 上田 光敏*; 入澤 恵理子; 小松 篤史
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ジルコニウム合金とその酸化皮膜を酸素センサへ応用することを目的とし、Zr-63 at.%Al、Zr-39 at.%Al、Zr-31 at.%Y合金の高温酸化実験を行った。これらの合金の酸化挙動を観察し、また、酸化抑制が確認できた合金に関してはその酸化皮膜の起電力測定を行い、酸化物イオン伝導性を検討した。Zr-39 at.%Al、Zr-31 at.%Y合金については、合金化による酸化ジルコニウム成長速度の抑制効果は見られなかった。一方、Zr-63 at.%Al合金については、薄く均一で緻密な酸化ジルコニウム皮膜が形成した。この酸化皮膜について既知の酸素濃度のガス中で起電力測定を行ったが、想定される起電力よりも小さく,酸化物イオン伝導性は十分とは言えなかった。