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小林 貴之; 寺門 正之; 佐藤 文明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.037_1 - 037_10, 2009/08
電子サイクロトロン加熱電流駆動は高効率電子加熱と、新古典ティアリングモード(NTM)抑制において重要な核融合プラズマ制御手法である。近年、JT-60Uの電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、高出力ジャイロトロン開発と出力変調技術開発に成功した。1.5MW, 1秒間の安定な発振が2007年に初めて実証された。空胴及びコレクターの温度上昇の評価を行い、1.5MWでのパルス幅伸張が、110GHzジャイロトロン改造管により可能である見通しを得た。加えて、NTMに同期した0.8MW, 5kHzの出力変調ECCDを実施した。NTM同期装置が期待どおりに動作し、JT-60UでのNTM抑制実験において重要な役割を果たした。これらの開発結果により、近い将来の電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、性能を向上させるための開発に重要な知見が得られた。
水野 貴敏; 井上 多加志; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 坂本 慶司
no journal, ,
NBIの加速器では、負イオンと残留ガスとの衝突により電子や原子及び正イオンが発生し、またビームプラズマから正イオンが引出され、さらにこれら二次粒子が電極等に衝突して反射、二次電子が放出される等、複雑な二次粒子挙動があり、これら二次粒子がイオン源や電極及びビームラインに熱負荷を与える。したがって、この二次粒子挙動の解明は負イオンビームの長パルス加速に向けた重要な課題の一つである。そこで原子力機構では、EAMCCコードを用いてMeV級加速器内の二次粒子挙動解析を開始した。解析結果から、負イオンと残留ガスとの衝突による二次粒子の発生機構では負イオンのシングル・ストリッピングが支配的であり、負イオンがまだ低エネルギーでガス圧の高い引き出し部から第1加速ギャップで起こりやすい、との事前予測を裏付ける結果が得られた。解析ではさらに、この領域で発生した電子及び原子は電極に衝突する傾向にあること、発生した電子及び原子の約4050%が電極に衝突することなどが判明した。このようなEAMCCコードによる二次粒子挙動解析から得た知見をITER NBIに向けた長パルス加速へと反映していく。
福本 正勝*; 山脇 章史*; 大塚 裕介*; 上田 良夫*; 谷口 正樹; 井上 多加志; 坂本 慶司; 柳生 純一; 新井 貴; 高木 郁二*; et al.
no journal, ,
DT核融合炉壁のアーマー材として、タングステンの使用が検討されているが、中性子によるタングステン中の照射損傷へのトリチウムの蓄積増加が懸念されている。本研究では、高エネルギーイオンを用いてタングステンに照射損傷を形成した後、低エネルギー重水素イオンを照射し、タングステンに蓄積する重水素の量を詳細に調べた。その結果、照射済み材料では未照射材料に比べて重水素蓄積量が最大で6倍となった。
小田 靖久; 梶原 健; 小林 則幸; 高橋 幸司; 春日井 敦; 坂本 慶司
no journal, ,
ITER用ECH/ECCDシステムは、高効率での長距離伝送系が要求されている。伝送系に設置されるコンポーネントは、伝送系の不要モードにより損失が増加するため、伝送系導波管内における伝送モードを改善する必要がある。本研究では、JAEAにおけるITERに向けた試験用の長距離ECH/ECCD伝送系に対して、導波管伝搬モードの評価を行う。伝送系出口におけるビームパターンの計測を行い、位相再構成法を用いて導波管内における伝送モード成分を解析する。
西山 友和; 岡野 文範; 三代 康彦; 佐々木 昇*; 目黒 雅*; 田近 正春*; 佐藤 洋司; 佐藤 正泰
no journal, ,
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)では、超伝導トカマク装置に改造するJT-60SA計画が進められている。そのために、JT-60U本体装置を主として解体し、JT-60機器収納棟へ展示及び収納する。本体装置の解体は、工期の短縮,コスト低減などの要求や作業環境及び展示,収納における制約などを踏まえ、より確実で効率のよい、安全な方法で実施する必要がある。今回は、JT-60U大電流化改造時において実績のある分解手順や汚染された真空容器の既設位置での切断を必要最低限にできる切断方法を採用した解体方法を検討した。なお、本体装置の解体は、大型で複雑な構造を持つため、分解するための切断が必須であり、各設備の仕様・据え付け状況や作業環境に合った切断工法を見いだすことが重要である。これまでに、真空容器の切断には、切断時間が早いプラズマ切断、PFコイルやPFコイル支持体の一部に対しては、切断環境等の観点からダイヤモンドワイヤーソーを候補として切断能力の評価などを実施してきた。ダイヤモンドワイヤーソーでは、切断容量の多いPFコイルに対して、銅の切断に対応したワイヤーを開発し、220220の断面(PFコイル中3番目の大きさ)のモデルを2時間以内で切断できるまでに至っている。
林 巧
no journal, ,
主燃料循環(プラズマ排ガス)処理システムにおけるトリチウム処理技術に関し、ITERでのシステム(統合設備群ループ)の設計を例として、各設備での個別のトリチウム計量管理手法の現状を解説する。この現状を踏まえ、主燃料循環処理システムにおける計量管理について運転上必要は自主的管理と安全上必要な法規制上の管理の観点からまとめるとともに、今後の課題を整理する。
赤坂 博美; 川俣 陽一; 佐藤 稔; 内藤 磨; 栗原 研一
no journal, ,
JT-60のタイミングシステム(TS)を構成している電子機器の高経年化対策と制御性能向上を目的に、JT-60SAで適用可能なTSの設計検討を行い、システム構成機器であるタイミング信号発生器を開発した。この信号発生器にはタイミング信号伝送の遅れ時間を最小にするため信号出力の論理演算の作成にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた。信号伝送試験においては、信号伝送の遅れ時間が1マイクロ秒以下となり、既存システムの3040マイクロ秒と比べ十分に短い結果を得た。本発表では、開発した信号発生器を含むシステム全体の概要とシステム性能評価のための信号伝送試験について報告する。
諫山 明彦; JT-60チーム
no journal, ,
JT-60Uでは、ITERやDEMO炉に向けた先進トカマクプラズマの開発に関する研究を国内外の大学や研究機関との共同研究のもとで精力的に行い、国際トカマク物理活動の装置間比較研究においても大きく貢献してきた。JT-60Uは2008年8月末に実験運転を完遂し、その使命をJT-60SAに引き継いだ。本講演では、JT-60Uにおける先進トカマク研究の最新の成果として、次のような結果を報告する。(1)ITERハイブリッド・シナリオで要求されるパラメータを満たす総合性能の高い先進トカマクプラズマを電流拡散時間(1.4秒)より十分長い時間(25秒間)に維持した。(2)電子サイクロトロン波を約5kHzで変調して電流駆動(ECCD)することにより、無変調ECCDに比べ低パワーで新古典テアリングモードを抑制することができることを示した。(3)プラズマ回転・回転シアの最適化による抵抗性壁モードの抑制により自由境界MHD限界を超えた高ベータプラズマを5秒間維持した。(4)新設のリチウムビームプローブ及び高速荷電交換分光装置等によりELM崩壊時の密度・温度の崩壊過程を高時間・高空間分解能で測定した。(5)正イオン源及び負イオン源中性粒子ビーム入射装置において総入射エネルギーの高い入射に成功した。(6)電子サイクロトロン加熱/電流駆動装置において高パワー入射,長時間入射,最高7kHzでのパワー変調に成功した。(7)イオン温度勾配,プラズマ電流分布の単独及び複合制御に成功した。
諫山 明彦; 松永 剛; 小林 貴之; 森山 伸一; 大山 直幸; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 浦野 創; 林 伸彦; 鎌田 裕; et al.
no journal, ,
ITERの標準運転やハイブリッド・シナリオ運転のように、正磁気シアでかつ=1.5や2のような低有理面で圧力勾配が高くなる可能性のあるプラズマにおいては新古典テアリングモード(NTM)が発生する可能性がある(はポロイダルモード数, はトロイダルモード数)。NTMを能動的に安定化する手法としては、NTMに起因する磁気島に局所的に電子サイクロトロン(EC)波を入射して電流駆動(ECCD)を行いNTMにより失われた電流を補うことが最も効果的であると考えられ、ITERにおいてもこのシナリオが想定されている。JT-60Uでは、のNTMを完全に安定化するために必要な最小EC駆動電流に関し、ECCD分布幅の異なる2領域において、自発電流密度とEC駆動電流密度との比が0.4程度であることを示した。また、入射EC波を約5kHzで変調して磁気島のO点のみにECCDを行った結果、無変調時に比べ磁気島の減衰速度・減衰量が2倍程度以上大きいことが明らかになった。
村上 正一
no journal, ,
北海道洞爺湖でのサミットの開催などを背景に、エネルギー環境問題に対する人々の関心が高まり、この問題を自分達の日常生活に密接に関連する問題として捉えようとする意識も浸透してきていると考えられる。原子力に関する総合的な研究開発機関である日本原子力研究開発機構は、この時機を捉えて「化石燃料の需給逼迫や、気候変動を抑制するための二酸化炭素の排出削減等の制約条件の下、エネルギーの安定的供給はどうすれば達成できるのか?」といった人々の疑問や、漠然とした不安に対し、具体的でわかりやすい答えとして我が国の2100年までの定量的なエネルギー需給シナリオを提供し、これからの議論に役立てて頂くこととした。われわれのビジョンでは、一次エネルギー供給量に占める化石燃料の割合を現在の85%から30%に縮小し、再生可能エネルギー及び原子力の割合を現在の15%から70%に拡大する。二酸化炭素の排出量は現在の10%に削減され、その半分程度が原子力の寄与分となる。原子力機構に蓄積された成果や開発中の技術により、二酸化炭素の排出削減とエネルギー安定供給の両立(低炭素社会)は実現可能であることを示した。
松永 剛; 篠原 孝司; 相羽 信行; 坂本 宜照; 武智 学; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; 廣田 真; 大山 直幸; 朝倉 伸幸; et al.
no journal, ,
JT-60Uトカマクの高プラズマにおいて数kHzで振動し間欠的に発生するバースト振動が観測されている。この不安定性はプラズマ回転を減速させ、また周辺領域の安定性にも影響を与えている。またこの不安定性の成長により、抵抗性壁モード(RWM)安定化に必要なプラズマ回転があるにもかかわらずRWMが不安定化し、ディスラプションに到るなどプラズマ性能や維持時間を制限している。この不安定性は高速イオンのトロイダル歳差運動と相関があるため、高速イオンによって駆動されている可能性がある。本発表ではこの不安定性の物理的な特性について詳細を報告する。
柴田 欣秀*; 岡本 征晃*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 河野 康則; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 大山 直幸; 栗原 研一; 後藤 基志*
no journal, ,
トカマクにおいては、真空容器に大きな熱負荷や電磁力を与えるディスラプションを制御することは重要な研究課題である。真空容器に発生する電磁力を正確に見積もるためにはプラズマ電流減衰時間の正確な予測が必要であり、現在、プラズマ抵抗とインダクタンスを用いて電流減衰時間を評価するモデルが専ら用いられている。プラズマ抵抗率は電子温度の3/2乗に反比例することから、モデルではプラズマ電流減衰時間はの3/2乗に比例する。まず、電流減衰時の電子温度を正確に評価するため、He線強度比法より電子温度を求め電子温度と電流減衰時間との関係を調べたが、モデルで予測されている依存性は実験データでは見られなかった。この原因として、モデルではとが時間的に変化しないという仮定のもとで導かれていることがあると考え、モデルにの時間変化を取り入れて電流減衰時間を再評価し実験値を比較したところ、広い電子温度の範囲で良い一致が見られた。これは電流減衰初期の減衰時間の評価ではプラズマ抵抗だけではなく、インダクタンスの時間変化も考慮しなければならないことを示している。
正木 圭; 三代 康彦; 櫻井 真治; 江里 幸一郎; 鈴木 哲; 逆井 章
no journal, ,
JT-60SAの第一壁には、ボルト締結によるカーボンタイルの間接冷却方式を採用することを検討している。この場合、カーボンタイルとヒートシンクとの接触熱抵抗及び実際に使用するタイル形状と固定方法により、第一壁の除熱特性が大きく左右される。そこで、MW/mクラスの熱負荷に対して、十分な除熱性能が得られる第一壁構造の開発を目的として、想定形状のカーボンタイルとヒートシンク間に数種類の黒鉛シートを挿入した第一壁構造に対してJEBISを用いた熱負荷試験を実施し、その除熱特性を評価した。冷却水条件を1MPa, 5m/s固定とし、1MW/m60sの熱負荷において黒鉛シートの厚みによる除熱特性の比較を行った結果、最も熱伝導率の高いパナソニックグラファイトシート(PGS)0.1mm厚3枚を使用した場合、他の黒鉛シート(PERMA FOIL 0.2-0.6mm)より接触熱伝達係数を大きく改善できることがわかった。さらに、PGSを用いた試験体で除熱実証試験を実施した結果、1MW/m100sにおいてはタイル表面温度500C(IRTV)でほぼ定常に達し、3MW/m20sにおいても800C程度と運転可能な範囲であることを確認した。
三代 康彦; 西山 友和; 神永 敦嗣; 竹永 秀信; 浦野 創; 笹島 唯之; 正木 圭; Bucalossi, J.*; Marty, V.*
no journal, ,
臨界プラズマ試験装置(JT-60U)において、新たな粒子補給方式としてガスジェットシステムを導入した。ガスジェットは、ラバールノズルを用いて超音速ジェット状の中性燃料粒子をプラズマ内部に向けて入射するもので、従来の粒子補給方式であるガスパフとペレット入射との中間の特性を持つ。JT-60Uで導入されたガスジェットシステムは、フランスカダラッシュ研究所Tore Supraにおいて開発され実績のあるものであり、燃焼プラズマにおける粒子制御の共同研究によりJT-60Uへ設置された。ガスの吹き出し口であるノズルヘッドは、JT-60U真空容器内の高磁場側(HFS)と低磁場側(LFS)に設置されている。また、JT-60Uの300Cに近い真空容器ベーキング温度に耐えられるノズルヘッドシール材の開発をTore Supraと共同で進めた。JT-60U真空容器に直接ガスジェットを入射し供給量の評価を行った結果、HFS側のノズルヘッドにおいては、動作圧力0.4MPaで1パルスあたり1.1Pamのガス量が得られ、流量に換算すると550Pam/sとなる。動作圧力に対する入射量の変化は、直線的であることがわかった。2007年12月にJT-60Uの実験運転において初めてガスジェットを使用した。実験の結果、ガスジェットによる明らかな密度上昇が観測された。
小関 隆久; 濱松 清隆; 篠原 孝司; 福山 淳*; 滝塚 知典; 林 伸彦; 本多 充
no journal, ,
原子力機構では燃焼プラズマのシミュレーションを目指して、物理モデルの構築と輸送コードをベースとしたコードの統合化を進めている。この講演では、原子力機構の統合化コードの進展を述べるとともに、フォッカー・プランク方程式による核燃焼と粒子輸送モデル、さまざまなトロイダル・アルフェン(AE)モードによる粒子輸送への影響を示す物理モデルの検討結果を報告する。当モデルは、加熱しているコアプラズマのAEモードによる異常輸送を模擬しているが、AEモードは、TAE, EAE, BAE, KTAE, RSAEなどさまざまな種類のモードが観測されており、1つのアルフェンスペクトラム・ギャップにモードは複数存在し、トロイダルモード数ごとに現れる。これらの中から、実験的観測等をもとに主要と考えられるモードの選択及びモデル化の検討を行う。また、コアプラズマ輸送コードへのモデルの結合によりAEモードによる燃焼プラズマの動的変化を調べ、その制御に向けた可能性を議論する。
及川 聡洋; 谷 啓二*; 篠原 孝司; 杉江 達夫; 草間 義紀
no journal, ,
テストブランケットモジュール(TBM)配位のITERにおけるアルファ粒子の減速過程でのリップル損失を3次元リップル磁場テーブルを用いた軌道追跡モンテカルロコードを使って評価した。許容リップル値は、損失粒子による真空容器第一壁上の熱負荷のピーク値で決まる。そこで、第一壁上の2次元熱負荷分布を、プラズマ周辺のテスト粒子数を実効的に多くする"importance sampling"法を用いて評価した。アルファ粒子のリップル損失に対する静電場の効果についても検討した。ITERのTBM配位の運転シナリオ4におけるアルファ粒子の損失は約0.4%であり、TBM付近に見られる熱負荷のピーク値は約0.1MW/mであることがわかった。電子温度に比例する静電ポテンシャルの径方向分布を仮定すると、損失は約1.2%、熱負荷ピーク値は0.2MW/mに増大するが、許容熱負荷値0.5MW/mに収まる。径電場の影響によりバナナ軌道端点がリップル率の高い大半径方向外側にシフトすることが粒子損失を増大させる物理機構であることを明らかにした。
石川 正男; 近藤 貴; 西谷 健夫; 草間 義紀
no journal, ,
マイクロフィッションチェンバー(MFC)の計測に影響を与える可能性のあるストリーミング中性子(ブランケットモジュール(BM)のギャップを通ってMFCに到達する中性子)や水冷管の影響を中性子輸送解析コードMCNPを用いて評価した。MFCの応答に対するストリーミング中性子の割合は、設置位置が隣のBMとのギャップに近い上部MFCに対しては約70%、BMのほぼ中央に設置が可能な下部MFCに対しては約20%と評価され、全体としては、約50%の割合となる見込みである。しかし、これらの寄与を考慮して両者の重みをかけた値は、プラズマ位置の変化に対する影響は小さく、正確な中性子発生量の計測ができる見通しとなった。また、水冷管の影響については、中性子束はほとんど影響を受けないものの、MFCの応答に対しては40%程度まで増大すると評価された。これは、MFCで用いる核分裂物質であるUの核分裂断面積が強いエネルギー依存性を持つために、冷却水による減衰の効果がMFCの応答に影響を及ぼすためであると考えられる。
波多江 仰紀; 成原 一途*; 山田 一博*; 吉田 英次*; 藤田 尚徳*; 中塚 正大*; 南 貴司*; 舟場 久芳*; 梶田 信*; 北村 繁; et al.
no journal, ,
トムソン散乱計測において、プラズマを透過したレーザー光は、プラズマによる減衰がほとんどないため、位相共役鏡で折り返して再利用し、一対の位相共役鏡間にレーザービームを閉じ込めることにより、散乱光を数倍以上に増大させるマルチパストムソン散乱法をこれまでに提案した。本研究では、この手法を発展させ、レーザービームの往路と復路の散乱光を、ディレイラインを用いて時間的に分離し、それぞれのスペクトルを独立に評価することにより、高時間分解でトムソン散乱計測を行うことを目的とする。本研究における実証試験は大型ヘリカル装置(LHD)で行う。LHDでは典型的な散乱角が167であり、比較的大きな散乱角を有するため、前方・後方散乱配置による測定温度領域の拡大も期待できる。本研究の準備段階として、計測用のレーザーとして使うために、既存の試験用のYAGレーザー装置(既製品、2台)を用いて改造を行う。この改造では、1台目のレーザー(Continuum Precision II、レーザーエネルギー0.65J)を、発振器と初段アンプに、2台目のレーザー(Continuum Precision、レーザーエネルギー1J程度)を位相共役鏡搭載パワーアンプとして用いる。位相共役鏡を用いてダブルパス増幅を行い、エネルギー1.5J程度、繰り返し10Hzの性能を目標として改造中である。
井戸村 泰宏; 浦野 創; 相羽 信行; 徳田 伸二
no journal, ,
完全トーラス配位においてジャイロ運動論的full-fブラゾフコードGT5Dを開発した。これまで、従来の粒子コードとの詳細なベンチマークによって、GT5Dでは新しい無散逸保存型スキームにより長時間乱流計算に必要な精度と数値安定性を両立できることを実証した。さらに、速度空間緩和過程として重要な粒子衝突効果を線形フォッカー・プランク演算子によって実装し、新古典効果を矛盾なく取り扱えるトカマク乱流コードが完成した。このコードをイオン温度勾配駆動乱流に適用し、分布形成等の長時間ダイナミクスを調べた。
浦野 創; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 神谷 健作; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 竹永 秀信; 大山 直幸; 松永 剛; et al.
no journal, ,
トカマクにおけるプラズマ電流分布によるHモードプラズマの熱輸送及び周辺ペデスタル構造への影響について調べた。高のHモードプラズマにおいて高閉じ込め性能が得られることがわかった。電子密度及び電子温度分布が中心ピークする傾向が見られた。コアプラズマの閉じ込め改善度はに強く依存して増加することがわかった。この高化による高閉じ込めはコア部の閉じ込め改善によるものであり、周辺ペデスタル圧力に大きな変化は見られなかった。電流分布のスキャン及び電流値のスキャンの両方で、コアプラズマのエネルギー閉じ込め性能はコア部のポロイダル磁場強度の増加に伴って向上することがわかった。磁気シアの影響については今後の課題である。