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浅野 貴博; 石井 浩介*; 宮坂 郁*; 佐々木 祥人; 吉川 英樹; 油井 三和
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する微生物研究では、地層中での微生物生態の把握や長期間の生物反応等に関して信頼できる予測方法が確立されておらず、その評価は十分ではない。本研究では、地球化学反応への微生物影響を調査するため、幌延H17-1-01孔(サンプリング深度35m)の地下水の微生物分析を行った。16SrRNA遺伝子のクローニング解析の結果、好気性菌でプロテオバクテリアに属する属菌が最も多く、次いでプロテオバクテリアに属するコマモナス科の細菌群が多かった。コマモナス科の中では、好気性菌である属菌と鉄還元菌に関連のある属菌が優占的であった。地下水における好気性菌と鉄還元菌の活性を調査するため、H-チミジンとC-グルコースを用いたバッチ試験と地下環境を模擬したカラム試験をそれぞれ行った。H-チミジンとC-グルコースの取り込み活性から、好気性菌の増殖及び代謝活性が認められた。カラム試験により、鉄還元による鉄(II)の増加が認められ、鉄還元菌が活性を有することがわかった。これらの結果は、好気性菌と鉄還元菌が幌延の浅部地下環境において地球化学反応に影響を与えていることを示唆した。
佐々木 祥人; 浅野 貴博; 岩月 輝希; 吉川 英樹; 油井 三和
no journal, ,
幌延の深井戸(深度505m)での地下水化学に対する微生物影響を調べるために、分子生物学的手法(クローニング法,Real-time PCR法)及び培養法(平板希釈法,MPN法)を用いて微生物群集解析を行った。培養法及びReal-time PCRを用いた定量評価から脱窒菌が優先的に存在することが示唆され、またドメインバクテリアのクローニング法を用いた解析においても脱窒菌であるPseudomonas sp.が優先的であり、これを支持する結果が得られた。さらに、ドメインアーキアのクローニング解析から、メタン生成菌であるMethanolobus sp.が優先的に検出された。この結果、HDB-10孔(505m)の地下水に存在する微生物多様性は非常に低いことが明らかになった。採取した幌延の地下水を用いて脱窒活性を測定したところ二酸化炭素及び窒素の生成,Pseudomonas sp.の増殖が認められた。これらの脱窒菌は、地下水における有機物消費や窒素サイクルにかかわっていることが考えられる。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 大庭 寛史; 由良 敬*; 岩崎 憲治*
no journal, ,
放射線抵抗性細菌から見いだした新規DNA修復促進タンパク質PprAのアミノ酸配列は、今まで知られているどのタンパク質のアミノ酸配列とも似ていない。また、PprAは、今まで知られているどのDNA結合モチーフも持ち合わせていない。そこで本研究では、PprAタンパク質のDNA結合様式に関する知見を得るために、電子顕微鏡単粒子解析を用いてPprAタンパク質の3次元構造を調べた。その結果、PprAタンパク質は、中心孔を有するダンベル型のホモ4量体を形成していることがわかった。この中心孔は、二本鎖DNA末端を包み込むのに十分な大きさであった。また、生物情報学的手法を用いてPprAタンパク質の3次元構造の推定を試みた結果、PprAタンパク質はダンベル型構造を持つ大腸菌RecJタンパク質の3次元構造に適合することが明らかになった。
佐藤 勝也; 菊地 正博; 大庭 寛史; 鳴海 一成
no journal, ,
デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA二本鎖切断修復におけるRecFORの役割を明らかにするために、遺伝子破壊株を作製し、遺伝子破壊効果を解析した。遺伝子破壊株は、野生株に比べて著しい高い線感受性を示した。また、遺伝子破壊株では、線照射後のゲノムDNA再構築能力に著しい障害が生じていたことから、RecFがデイノコッカス・ラジオデュランスのDNA二本鎖切断修復において重要な役割を持つことが示唆された。しかしRecF及びRecAは、伸長合成依存的鎖対合を介した初期修復過程には関与していないことが、パルスフィールドゲル電気泳動解析から明らかになった。また、遺伝子破壊株では、野生株と同様に線照射後にRecAが誘導されるが、LexA1の低下が起こらないことから、RecAは不活性のままであることが示唆された。
大庭 寛史; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 鳴海 一成
no journal, ,
デイノコッカス・ラジオデュランスはRecAとPprAの誘導に関与するPprIタンパク質を介したDNA損傷応答機構を持つ。われわれは、放射線ストレスに応答するPprI依存性のシグナル伝達経路の新たな因子の同定を試み、低温ショックタンパク質(Csp)のホモログであるPprMを発見した。遺伝子破壊株は、野生株に比べて著しい線感受性を示した。PprAの発現はPprMタンパク質によって抑制を受けていたが、RecAの発現にPprMは関与していなかった。また、PprMはSODの活性制御にもかかわっていた。精製したPprMは、大腸菌のCspDと同様に、溶液中でホモ二量体として存在していた。また、細胞中のPprMはPprIによって翻訳後修飾を受けることが示唆された。