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阿部 弘亨; 木下 智見*; 傳田 康貴*; 園田 健*
Annu. Rep., HVEM LAB., Kyushu Univ., 0(17), p.17 - 18, 1993/00
原子炉内照射により、材料中には様々な欠陥が導入され、相乗して照射損傷が形成される。この相乗効果の理解には、加速器結合型電子顕微鏡は有用である。本研究では、九州大学の加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いて、SiとGe中のカスケード損傷蓄積過程の観察、および蓄積過程に及ぼす電子照射効果について明らかにした。イオン照射により、Si,Ge中には、白いドット状コントラストが観察された。これは、カスケード損傷に対応するものと考えられる。照射初期には、カスケード損傷は互いにオーバーラップすることにより、コントラストを呈することが判明した。また、同時電子照射により、カスケード損傷の蓄積は抑制されることが判明した。これは、電子照射により形成された点欠陥や、それらの照射誘起拡散などによるものであると考えられる。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Annu. Rep., HVEM LAB., Kyushu Univ., 0(17), p.19 - 20, 1993/00
Siはイオン照射により非晶質化するが、電子照射によっては非晶質化しない。この現象には、カスケード損傷の蓄積と安定性が寄与していると考えられるが明らかではない。本研究では、アルゴンヌ国立研究所のタンデム加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いて、Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす、同時電子照射効果を明らかにした。イオン・電子同時照射により、照射誘起非晶質化が抑制された。抑制に必要な臨界の電子線束密度を測定した結果、軽イオンほど臨界電子線束密度がイオン線束密度に依存することが判明した。これは照射誘起非晶質化が、カスケード(サブカスケード)のオーバーラップにより進行することを示している。また、サブカスケードは電子同時照射に対して不安定であり、主として点欠陥の照射誘起拡散及び電子励起によって不安定化することが明らかになった。