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小嶋 拓治; 須永 博美; 滝沢 春喜; 橘 宏行
JAERI TIARA Annual Report 1994, p.71 - 73, 1995/00
イオンビームを利用する研究開発において、放射線の照射効果の比較・評価及び照射の制御のためには、共通の尺度である吸収線量の正確な測定とともに試料内の深さ方向の線量分布の評価が不可欠である。今回は、前者について、走査ビームにより得られるフルエンスが均一な照射場における熱量及び電荷測定の同時比較により、粒子エネルギーの測定及びビームモニターとしての電荷測定法における不確かさの評価に関する研究を行った結果について報告する。予備実験結果に基づき、本研究の実験を可能とする、複合材料耐環境性試験装置に付属する照射治具及び計測システムを設計・製作した。これを用いたH 20MeVビームの粒子エネルギーは、18.94MeV(0.8%)であり公称値により近くばらつきも少なかったことから、予備実験で得られた測定上の問題点はほぼ解決されたと考えられる。今後は、本治具・計測システムを用いたデータを集積する。
神谷 富裕; 須田 保*; 田中 隆一
JAERI TIARA Annual Report 1994, p.229 - 231, 1995/00
軽イオンマイクロビーム装置は、高分解能イオンビーム分析のためHe等の軽イオンにおいて100pA以上、スポットサイズ0.25m以下のサブミクロンビーム形成を目標としている。色収差を最小限にするため、シングルエンド加速器のシェンケル型昇圧回路の端子電圧リップルを10のレベルにした。また加速器に搭載されたRF型イオン源から引出されるビームエネルギーに広がりの影響を最小にするために90度分析電磁石によるエネルギー分解能も10のレベルとした。また加速器に搭載されたRF型イオン源から引出されるビームエネルギーの広がりの影響を最小にするために90度分析電磁石によるエネルギー分解能も10のレベルとした。一方、より多くのビーム電流を得るためにイオン源のパラメータに対するビーム特性テストを行ってきた。これまでのビームサイズ計測実で2MeV Heビームの77pAの電流、0.4mのサイズが達成された。今回は、色収差とビーム輝度に関わるビーム光学についての議論およびビームサイズ計測実験について報告する。
神谷 富裕; 須田 保*; 田中 隆一
JAERI TIARA Annual Report 1994, p.226 - 228, 1995/00
シングルイオンヒットシステムは、シングルイオン検出器と高速ビームスイッチとによって構成される。2組の中心穴空き型のMCPを用いた検出器では極薄い炭素膜とターゲットからの二次電子を同時に検出する。これまでにターゲットからの二次電子検出により15MeV Niイオンの検出効率は100%であることが確認された。また検出信号が発生してからマイクロスリット直後に設置した静電偏向板に印加される高電圧が立上るまでのスイッチング時間は、150nsであった。これによりそのビームスイッチに入射するビーム電流量と多重ヒットの確率との関係が求められ、計算によりフェムトアンペアー以下の領域でのイオンの入射タイミングおよび数量の正確な制御方法として本システムが有用であることが確かめられた。