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吉田 啓之; 高瀬 和之; 秋本 肇
日本機械学会2007年度年次大会講演論文集, Vol.3, p.147 - 148, 2007/09
現在の沸騰水型原子炉の熱設計は、実規模試験に基づいた相関式を用いることにより実施されている。実規模試験は多大な費用と時間を必要とするため、実規模試験なしに熱設計を可能とする手法の開発が期待されている。そこで本研究では、詳細な二相流解析により相関式を評価することにより熱設計を可能とする、新しい原子炉熱設計手法の開発を行っている。本発表では、開発中の熱設計手法のうち、サブチャンネル間の流体混合現象を対象として実施している改良界面追跡法による熱設計手法開発の現状を述べるとともに、稠密炉心に対して本手法を適用し、既存の流体混合相関式を評価した。その結果、ギャップ幅が1.3mmの場合には、既存相関式によりおおむね良好な結果が得られるものの、チャンネル間の流動条件が大きく異なる場合や、ギャップ幅が1.0mmの場合に定性的にも異なる評価となることがわかった。
Zhang, W.; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 大貫 晃; 秋本 肇
日本機械学会2007年度年次大会講演論文集, Vol.3, p.145 - 146, 2007/09
稠密炉心サブチャンネル間のクロスフローの機構を明らかにし、適用範囲が広く高精度なクロスフロー現象に対する構成方程式を開発することを目的として、界面追跡法を用いた二相流詳細解析コードTPFITによる統計解析手法を開発し、同手法により稠密炉心サブチャンネル間のクロスフロー機構を明らかにした。統計解析においては、サブチャンネル間の差圧,気相混合係数と液相混合係数間の相関関数を求めるとともに、サブチャンネル間流体混合現象を支配する時間スケールを評価した。また、相関関数に与える、混合部の入口,出口,サンプリング時間及び燃料棒ギャップ幅の影響を検討した。その結果、液相混合の時間遅れは気相より小さく、その値は1-2msの範囲であることがわかった。差圧と液相の混合係数の間に強い相関があり、局所・瞬時の差圧による流体の移動が、液相混合の主なメカニズムであることが推測された。さらに、差圧と気・液相混合係数間の局所的な相関関数は、燃料ギャップ幅の影響を受けないことが判明した。