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宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明; 木村 貴海; 臼田 重和*
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.209 - 212, 2011/09
比較標準岩石試料にナノグラムレベルで含まれるウラン,トリウム,鉛及びランタノイドを一本の陰イオン交換カラムで逐次分離した。酢酸,塩酸及び硝酸の混合溶液をこの分離の溶離液として用いた。分離した元素の回収率は95%を越え、ランタノイド元素間で回収率に分別は起こらなかった。アルカリ金属,アルカリ土類金属及び鉄は分離目的元素から効果的に除去できた。この分離技術を用いることで特殊な配位子,カラム及び装置を使うことなく複雑な今までの分離方法を単純化することが可能となる。
西中 一朗; 笠松 良崇*; 谷川 勝至*; 後藤 真一*; 浅井 雅人
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.117 - 121, 2011/09
近年、重イオン核反応での融合障壁より低いエネルギー、サブバリアエネルギー領域において融合が阻害される現象が発見され、原子核反応研究分野でのトピックスとして注目されている。この阻害現象を調べるため、F+Bi反応におけるサブバリアエネルギー領域の核分裂断面積を放射化学的手法により求めた。理論計算や他の反応系での実験データの系統性との比較から重い質量系での融合阻害現象の機構について考察する。
永井 崇之; 上原 章寛*; 福嶋 峰夫; 明珍 宗孝; 藤井 俊行*; 佐藤 修彰*; 山名 元*
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.151 - 155, 2011/09
本研究では、550Cの溶融LiMoO-NaMoO共晶塩中に溶存するウランの吸光分光測定及びサイクリックボルタンメトリを行った。吸光分光測定の結果、塩中のウランの吸光スペクトルは、溶融塩化物中のUOと同様なスペクトルが観察された。この状態で酸素を塩中に供給したところ、UOの吸収ピークが減少し、UOがUOに酸化したと考えられる。純粋な溶融LiMoO-NaMoO共晶塩のサイクリックボルタモグラムでは、-0.7Vでアルカリ金属の析出を確認し、また-0.3Vで塩の還元反応による小さなピークを観察し。塩中にUOを溶存させた場合、ウランの還元反応が-0.2Vに観察された。これらのことから、塩中の溶存ウランは、電解によりウランとモリブデンの混合酸化物として回収される可能性がある。
荒井 陽一; 荻野 英樹; 竹内 正行; 加瀬 健; 中島 靖雄
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.71 - 74, 2011/09
本研究では、活性アルミナを用いた溶媒洗浄法について調査した。劣化させた30%TBP/-ドデカンのサンプルは線照射(1.6MGy)により調製した。劣化物はガスクロマトグラフ質量分析により定性分析を実施した。このサンプルを活性アルミナと接触させ、3M HNOとの相分離試験によって溶媒劣化物の除去による洗浄効果について検討した。相分離試験は、分液ロート内に両相を加えて振とうし、分散相が界面から消失することにより行った。分析の結果、劣化物としてヘキサン,長鎖アルコール類等が生成することを確認し、また、活性アルミナとの接触により、TBP/-ドデカンの劣化物の約70%が除去され、相分離特性が改善することを確認した。
澤田 真一; 八巻 徹也; 浅野 雅春; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 前川 康成
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.409 - 413, 2011/09
固体高分子型燃料電池において、電解質膜の水輸送特性は発電効率に多大な影響を及ぼす。具体的には、水の輸送量が多い電解質膜を用いた場合、アノード側の水が膜中を透過してカソード側に滞留してしまい(フラッディング)、燃料ガスの供給を阻害するので発電効率が低下すると言われる。そこで本研究では、高分子電解質膜の水輸送特性を調べるため、同位体トレーサーを用いた手法により、膜内の水の自己拡散係数Dwを求めた。電解質膜は、架橋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とする放射線グラフト法によって作製した。得られた電解質膜で2室型のガラスセルを挟み、各室をトリチウム水(HTO)と純水で満たし、下流側のHTO濃度を経時測定することでDwを算出した。架橋PTFE電解質膜のDwは、イオン交換容量(IEC)が小さいほど低下し、IEC=1.2meq/gの膜では2.010m/sとなった。この値は、従来膜NafionにおけるDw=4.910m/sと比較して4割に過ぎない。水透過を抑制する低Dwの架橋PTFE電解質膜は、フラッディングを回避できる燃料電池膜として有望である。
初川 雄一; 永井 泰樹; 金 政浩; 瀬川 麻里子; 原田 秀郎; 岩本 修; 岩本 信之; 落合 謙太郎; 高倉 耕祐; 今野 力; et al.
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.327 - 329, 2011/09
核医学において最もよく用いられているTcの供給は危機に面しており、新たな製造プロセスの開発は喫緊の問題である。本研究はTcをFNSより発生される14MeV高速中性子を用いて効率よく製造することを提案するものであり、試験的に作成したチタン酸ゲルを用いたTc/Moジェネレータについても併せて発表を行う。
藤田 博喜; Jain, M.*; Murray, A. S.*
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.45 - 48, 2011/09
単一分画再現光励起蛍光測定法を東海村周辺で抽出した石英粒子に適用し、そのバックグラウンド線量を測定するために、その測定法の開発を行った。この測定法の開発の目的は、緊急時の放射線漏えい事故の際にその線量を測定することである。ここで開発した単一分画法は、与えた線量及び繰り返し測定の再現性の両者とも良好であり、また、照射後の経過時間に伴う光励起蛍光量の減衰等も観測されなかった。さらに、この方法の検出下限値は、約0.1Gy程度であった。さらに、東海村周辺で採取した土壌の深度分布に関して、ここで開発した単一分画法を使用してそのバックグラウンド線量を測定した。その結果、抽出した石英粒子のバックグラウンド線量は、検出下限値未満数Gy程度であるという結果を得た。これらの結果から、単一分画法は、事故時の線量測定が可能であるという結論を得た。
上原 章寛*; 藤井 俊行*; 松浦 治明*; 佐藤 修彰*; 永井 崇之; 湊 和生; 山名 元*; 岡本 芳浩
Proceedings in Radiochemistry, 1(1), p.161 - 165, 2011/09
The coordination of U and Th in CaCl hydrate melts was studied by U and Th edge extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) spectroscopy. It was confirmed that, with the decrease of concentration from 6.9 M CaCl to 4 M CaCl, the Cl ion coordination number in the U coordination sphere decreased from 3.4 to 1.3, while the hydration number in it increased from 4.5 to 6.7. The combined coordination number + of U in concentrated Cl solution (8.0) was lower than that in 1.5 M perchloric acid aqueous solution (9.0). For Th, with the decrease of concentration from 6.9 to 4 M CaCl, in the Th coordination sphere decreased from 1.9 to 1.5, while in it increased from 7.6 to 8.8. The + of Th in concentrated Cl solution was 9.0 which was similar to that in 1.5 M perchloric acid. It was found that the bond distance of U-Cl was shorter than that of Th-Cl because of low to U.
Zvonova, I.*; Krajewski, P.*; Berkovskyy, V.*; Ammann, M.*; Duffa, C.*; Filistovic, V.*; 本間 俊充; Kanyr, B.*; Nedveckaite, T.*; Simon, S.*; et al.
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear and Radiochemistry (NRC-7) (CD-ROM), 5 Pages, 2008/08
Environmental Modelling for Radiation Safety (EMRAS) programme was organized by IAEA in 2003. Within this project experimental data of I measurements following the Chernobyl accident in the Plavsk district of Tula region, Russia, This scenario was used to validate the calculation results of some ecological models. Results of model calculations and observed data comparison are presented in the report. Discrepancies between the average thyroid doses estimations produced by most participants did not exceed a factor of ten. The time when cows were brought to the pasture is the most bearing factor for thyroid dose estimations.
夏 暁彬; 柴田 雅博; 北村 暁; 亀井 玄人
6th Int Conf on Nuclear and Radiochemistry (NRC-6), p.779 - 781, 2004/08
None
Chen, D.*; 橋本 和幸
Journal of Nuclear and Radiochemistry, 26(2), p.84 - 87, 2004/05
Luは、がん治療に適した線及び画像化に適した線を放出し、かつ治療に適当な半減期(6.75日)を有していることから、がん治療用核種の一つとして注目されている。一方、Luの放射性医薬品を研究開発するうえで、体内動態など長期的に追跡するためには、より半減期の長いLuの核異性体であるLu(160.9日)が有効と考えられる。そこで、本研究では、Luの製造法として、酸化ルテチウム(LuO)の中性子照射により生成するLuをターゲット中に存在した不純物に由来する副生成物(Sc, Yb, Tm等)から陽イオン交換法により分離する方法を検討した。その結果、分離して得られたLuの放射能量は、製造終了時において18.2MBq(LuO:30mg, 照射:JMTR591時間, 冷却時間:318日間)であった。これはターゲット溶解時の母液中の放射能18.7MBqに対して97.3%の収率であった。放射性核種純度は、99.5%以上であった。また、得られたLuを使用して、転移性骨がんの疼痛緩和薬としての利用が期待される標識化合物であるルテチウム-アミノメチレンリン酸化合物(Lu-EDTMP)の合成条件の検討を行い、97%以上の高い標識率が得られる条件を決定した。
松本 史朗*; 内山 軍蔵; 小沢 正基*; 小林 康利*; 白土 克之*
Radiochemistry, 45(3), p.219 - 224, 2003/05
湿式再処理技術として商用再処理施設で採用されているPUREXシステムにおけるルテニウムとテクネチウムの化学挙動について概説する。特に、PUREXシステム溶液系におけるテクネチウムの原子価状態,酸化還元反応,TBP(リン酸トリブチル)分配挙動,工程内移行挙動などについて述べる。なお、本報告は日本原子力学会研究専門委員会「PUREXシステムにおけるルテニウムとテクネチウムの化学」の活動成果の一部をまとめたものである。
小澤 正基; 石田 倫彦; 佐野 雄一
Russian Radiochemistry, 2003, 45(3), 0 Pages, 2003/00
溶媒抽出プロセスにおけるテクネチウム(TeO4-)の抽出分配特性と化学反応の特徴を,既発表の東海再処理工場におけるデ-タを基に論議する。テクネチウムを含む希少元素FPの選択的な、二次廃棄物の発生を抑制しうる分離法として、サイクル機構が開発している触媒的電解採取法による電解群分離技術とそれによる高レベル廃液からの基礎的分離挙動を述べる。FPの分離をベ-スとするリサイクル・利用システムを提案する。
高崎 浩司; 栗原 治; 田崎 隆; 百瀬 琢麿; 圓尾 好宏; 篠原 邦彦
THE 47TH ANNUAL CONFERENCE ON BIOASSAY,ANALYTICAL & ENVIRONMENTAL RADIOCHEMISTRY, 0 Pages, 2002/00
核燃料サイクル開発機構東海事業所における過去20年間のプルトニウムの吸収事例を取りまとめ、個人の線量評価に関する知見を得た。鼻スミヤの放射能と初期糞中放射能の比は100倍以下であった。この結果より鼻スミヤで初期糞中放射能量を推定でき、内部被ばくを迅速かつ保守側に評価して、医療処置などの判断に活用することができる。
小林 勝利; 本石 章司; 照沼 久寿男; Rauf, A. A.*; 橋本 和幸
Radiochemistry, 42(6), p.551 - 554, 2000/12
がんの診断・治療用に注目されているRe,Reの供給のため製造技術を開発した。最初に、W(p,n)Re反応による製造法を述べるとともに、主として原子炉によるRe,Reの製造工程(照射、化学分離・精製、放射能測定)、装置及び製品仕様などについて報告する。いずれも安定濃縮同位体であるRe及びWOを照射し、化学分離・精製後の過レニウム酸水溶液及びW/Reジェネレータとして調製した。高価なWOの再利用と廃棄物の放射能低減のため、Re及びWをトレーサに用いた模擬ジェネレータを試作し、アルミナカラムからAlを溶離しないでWのみを脱離する条件を検討した。NHOH及びNaOHを溶離剤とし、それぞれ90%または99%以上のWを回収しWOとして調製後、放射化分析法で純度を確かめた。使用済のW/Reジェネレータについて本法を適用し、ターゲットとして再利用できるこが明らかとなった。
臼田 重和; 安田 健一郎
Proceedings of 5th International Conference on Nuclear and Radiochemistry (NRC5), 2, p.595 - 598, 2000/00
アクチノイドからの異種放射線を同時に単一の検出器で測定するため、種々のホスウィッチ検出器を開発してきた。ホスウィッチとは、複数シンチレータを組み合わせ、光学的に一つの受光部に接続したものである。われわれは、線検出用ZnS(Ag)と種々の,及び速・熱中性子検出用シンチレータを組み合わせ、より効率化・高度化するため光学技術を積極的に取り入れた。代表的なホスウィッチについては、アクチノイドの濃度や挙動をモニターするための検出器への適用性を検出した。本発表では、これまで開発してきたホスウィッチ検出システムとその応用について紹介し、最近の新たな展開と将来展望についても言及する。
太田 久仁雄; McKinl, I. G.*; Mori, A.*; Frieg, B.*; W.Kickmaie*
Proceedings of International Conference on Nuclear and Radiochemistry, 0 Pages, 2000/00
Nagraとサイクル機構ではグリムゼル原位置試験場(スイス)において、結晶質岩中における放射性核種の移行・遅延現象を性格に把握する手法を確立するために、従来のモデル解析に原位置試験、室内試験ならびにナチュラルアナログ研究を組み合わせた研究を実施してきた。さらに、現在、処分場の環境下において想定される、放射性核種のより現実的な移行・遅延現象(コロイドを伴う場合ならびに高pH環境の場合)を対象とした研究を展開している。本報告では、これらの研究内容、成果の概要ならびに処分場の安全評価への反映について論じる。
原田 秀郎; 中村 詔司; 加藤 敏郎; 小林 勝利*; 本石 章司*; 棚瀬 正和*
Proceedings of Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry (APSORC '97), 0 Pages, 1997/00
長寿命核種の核変換研究のための基礎データを得るために原子炉中性子を用いて135Cs(n,)136Cs反応の熱中性子吸収断面積(0)と共鳴積分(I0)を測定した。135Csは、230万年の半減期を有する核種で核廃棄物中に生じ、長期的な危険性が指摘されている。本研究では、137Cs試料中に不純物として含まれている135Csを用いて実験を行った。四重極質量分析器を用いた質量分析法により137Cs/135Cs比を求めた試料を中性子照射し、断面積を得た。ガンマ線分光法により生成した136Cs及び137Csの定量を行い、あらかじめ求めておいた137Cs/135Cs比を用いて試料中の135Csを定量した。得られた値は、0=8.30.3B、I0=38.12.6Bであった。
橋本 和幸; S.Bagiawati*; S.Islam*
Radiochemistry, 39(5), p.389 - 393, 1997/00
放射性レニウム(Re、Re)は、その優れた核的性質及びテクネチウムと類似した化学的性質から、核医学の分野の治療の分野で有望視されている放射性核種である。本研究では、W/Reジェネレーターから得られる無担体のReを用いて、核医学の分野での利用が期待される標識化合物の合成条件の検討を行った。配位子としては、二リン酸誘導体(MDP、HEDP)及びジメルカプトコハク酸(DMSA)を用いた。還元剤である塩化スズの濃度、反応温度、酸化防止剤の添加、配位子濃度、pH、担体添加などの反応条件を変化させて、各々の標識率の変化を調べ、最適条件を決定した。さらに、得られたレニウム化合物のpH変化及び希釈に対する安定性についても調べ、安定性に影響を及ぼす条件についても検討した。
永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 大浦 泰嗣*; 市川 進一; 池添 博; Y.L.Zhao*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; et al.
NRC4: 4th Int. Conf. on Nuclear and Radiochemistry, 1, P. A_06, 1996/00
最近、軽アクチノイドの核分裂において、しきい値近傍から切断点に至るまで、二つの変形過程が存在することを実験的に検証し、それぞれの変形過程と質量分割モードの関連を初めて明らかにした。この成果を中心に、これまで原研核化学グループを中心に行ってきたアクチノイド元素の二重モード核分裂過程に関する研究成果をまとめて報告する。