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川村 英之; Yoon, J.-H.*; 伊藤 集通
海と空, 80(1), p.37 - 45, 2004/07
日本海では頻繁に、塩分極小・溶存酸素濃度極大で特徴付けられる日本海中層水が観測されている。この日本海中層水の起源は、ロシア・北朝鮮沿岸に存在する沿岸低塩分水であることが過去の研究により示唆されてきた。沿岸から日本海の亜極前線付近に移流された低塩分水は、何らかの原因により亜表層から中層に沈み込むと考えられる。本研究ではネスティングモデルを用いて、日本海中層水の形成要因を調べた。特に水平解像度1/18で計算した結果、亜極前線域では最大0.05cm/s程度まで達する鉛直下降流が強化され、それに伴い亜表層の低塩分水が中層に輸送され、塩分極小水が中層付近で孤立した形で存在する現象が明瞭になった。水平解像度を高くすることで、中規模スケールの物理現象を再現することが可能となり、特に亜極前線域における傾圧不安定による輸送が日本海中層水の一つの重要な形成要因であることが示された。
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PNC TJ1531 97-001, 103 Pages, 1997/03
動力炉・各燃料開発事業団人形峠事業所周辺の山岳地帯のウラン鉱山による捨石堆積場から散逸するラドンが周辺環境へ与える影響を評価する手法が開発され検証作業が行われた。この結果について、計算結果の再分析、評価手法の問題点の抽出等を行った。気流推定モデルについては、広域の気流場を推算して、その結果をネスティングにより取り込むのが望ましい。拡散計算については、オイラー型で格子間隔が大きいこと、拡散係数が過大であることにより。発生源付近の拡散が過大に評価されているため、全体的に堆積場寄与濃度は過小評価になっている。将来的には、広領域は気象庁のGPVを入力データとする局地気象モデル、対象範囲を含む約5km四方の領域は代数応力モデル若しくは乱流クロージャモデル、堆積場から最寄りの民家までの狭領域は植生層を組み込んだモデルという三重構造で気流乱流場を計算し、この計算結果に基づいて、B.G.湧出は3次元オイラー型拡散モデルにより、堆積場寄与分はラグランジュ型のモデルにより行うといった新モデルの開発が必要と考えられる。長期的評価や、気象観測データの利用に関しては、さらなる検討が必要であると考えられる。
町田 昌彦; 山田 進; 渡辺 将久
no journal, ,
2011年3月に発生した福島第一原子力発電所(1F)事故以来、汚染水の海洋への流出が危惧されており、国・東京電力による汚染水の移行抑制のための対策工事が実施されてきた。こうした状況の下、原子力機構では機構内の様々な研究者が集まり、「1F廃炉対策タスクフォース(旧称: 1F汚染水対策タスクフォース)」が組織され、多種多様な視点から汚染水等が有するリスク評価や直面する課題を解決すべく研究開発を進めてきた。本講演では、本タスクフォース活動の一環として実施している1F港湾内の放射性核種の動態に対し、計算対象領域の階層化(ネスト構造)手法を用いた3次元流体計算により、港湾外の影響をも考慮した1F港湾周辺での海水流動及び核種移行のシミュレーション結果について報告する。