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久保 真治; 秋野 詔夫
Transactions of the American Nuclear Society, 81, p.352 - 353, 1999/11
原子炉やエネルギー機器の熱を非電力用途に利用するためには、高効率の熱輸送と熱貯蔵技術が必要である。このような熱輸送に応用可能な熱媒体を試作した。これは、大きな融解凝固潜熱を有する相変化物質(PCM)をマイクロカプセル化(MCPCM)し、さらに低粘性の搬送流体中に分散しスラリー状にすることによって、常時流動性を維持させ、かつ、大きな熱量を保持させるようにした熱媒体である。純水にMCPCMを添加することによる効果を調べるため、この熱媒体を容器内に注入し、水平円柱を用いて加熱する自然対流熱伝達実験を行った。その結果、円柱の熱伝達率は、相変化が生じる温度レベル条件では、数十%程度増加するが、相変化が生じない条件ではわずかに減少することを見いだした。この熱伝達率の増加率は、MCPCM濃度を上げるに従って増加し、また、境膜温度差を小さくするに従って増加した。
秋野 詔夫; 高瀬 和之; 久保 真治; 長島 昭*; 鷺谷 昭二郎*; 中西 真行*
第31回日本伝熱シンポジウム講演論文集, 0, p.589 - 591, 1994/00
相変化物質(PCM)の大きな潜熱を熱輸送に利用することをねらいとして、PCMをマイクロカプセル(MC)化技術によって独立・安定な微粒子とし、低蒸気圧・低粘性の液体中に分散させ、高熱輸送密度・低運動圧力・低消費動力を特徴とするスラリー状熱媒体の開発を進めている。開発課題は、耐熱性・耐久性に富むMC化粒子と長期安定なスラリーの開発、熱物性データの整備、伝熱・流動特性の解明、利用技術の確立等である。本報告は、試作したMC化粒子及びスラリーの融点・凝固点と粒子径、PCMとMC物質組合わせの関係を、示差走査熱量計を用いて測定した結果を述べるものである。成果は、融点は一定値であったが、凝固点は粒径・乾燥/湿潤状態・PCM物質・MC物質等の影響を受け、過冷却現象を生じることを見い出した。さらに、物質の組合わせによって、過冷却を回避できる可能性があることを示した。
細井 文雄; 斉藤 健司*; 幕内 恵三; 小石 真純*
高分子論文集, 42(6), p.415 - 422, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.32(Polymer Science)セルロースを素材とした機械的性質に優れた多孔性微粒子に線を照射したのち、アスピリンを含浸させ、さらにアクリル系モノマーを後グラフト重合させ除放性微粒子の作製を試みた。グラフト重合した試料からのアスピリンの溶出挙動を調べたところ、アスピリンは時間とともに溶出しおよそ140時間で一定値に達した。溶出挙動の結果から、アスピリンはほとんど多孔性微粒子内に吸着していること,溶出速度はグラフト重合したポリマーマトリックス中の拡散律速となっていることがわかった。多孔性微粒子内に吸着したアスピリン量は、グラフト重合により元の多孔性微粒子にアスピリンのみを吸着させたときのそれの2倍量まで増大した。また、多孔性微粒子の表面をあらかじめ二酸化チタン微粒子で処理すると、重合後のアスピリン吸着量は45~100倍増大した。
大西 貴士; 小山 真一; 三村 均*
no journal, ,
高レベル放射性廃液中に含まれる有用元素を回収するために、セシウムまたはモリブデンを強く吸着する複数種類のハイブリッドマイクロカプセルが開発されている。マイナーアクチニドや核分裂生成物共存下におけるセシウムまたはモリブデンの吸着挙動を評価するために、照射済燃料溶解液に由来する溶液を使用して吸着試験を実施した。マイナーアクチニドや核分裂生成物が共存した場合、放射線による吸着剤の分解や液性変化、化学形の変化等の影響により吸着特性が変化するおそれがあったが、本実験条件下ではこれらの影響をうけず、セシウムやモリブデンを強く吸着することが明らかとなった。