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村松 壽晴
レーザー研究, 44(12), p.799 - 803, 2016/12
本稿では、加工材料にレーザー光が照射されてから加工が完了するまでの複合物理過程を定量的に取扱えるようにするために開発中の、計算科学シミュレーションコードSPLICEの概要と評価例、およびオーバーヘッドの大幅低減を目指し、SPLICEコードをディジタルモックアップ装置として利用するフロントローディング実現に対する見通しを述べる。
村松 壽晴; 吉氏 崇浩
no journal, ,
昨今のレーザー加工技術に関する展示会などからも分かるように、高エネルギー密度と局所加工性など、優れた熱源としてのレーザー光の特性を背景として、多くの産業分野において様々な材料加工がレーザーを用いて行われている状況にある。更には、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しへのレーザー加工技術の適用性評価なども、基礎・基盤的な観点から進められている。他方、レーザー加工において、意図した性能や製品を実現するためには、ここで発生する溶融・凝固現象などを含む複合物理過程を把握した上で、レーザー照射条件などを適切に設定する必要がある。しかしながら、この条件適切化作業は、繰返しによる膨大なオーバーヘッドを伴うのが一般的であり、多品種少量生産などを指向する産業分野へのレーザー加工技術の導入を阻害する一因ともなっている。発表では、加工材料にレーザー光が照射されてから加工が完了するまでの複合物理過程を定量的に取扱えるようにするために開発中の、計算科学シミュレーションコードSPLICEの概要と評価例、およびオーバーヘッドの大幅低減を目指し、SPLICEコードをレーザー照射条件導出のための手段として利用したフロントローディング実現に対する見通しを述べる。