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Lee, S.; 近藤 貴; 三浦 幸俊
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(11A), p.6574 - 6576, 2002/11
被引用回数:1 パーセンタイル:5.59(Physics, Applied)本論文ではJT-60U協同トムソン散乱計測装置で用いる量子井戸型赤外線検出器の較正手法とその実験結果について言及した。炭酸ガスレーザを用いた協同トムソン散乱法では散乱角が小さくなるため、詳細な光軸調整が必要となる。一方、大型装置においてヘテロダイン検出器の視野形状とその拡がりは、散乱光検出の感度や迷光強度に大きな影響を与え重要である。今回大型の黒体源を製作し、検出視野の半径や感度特性を詳細に評価することで検出器の感度分布がガウシアン分布であることを新たに発見した。また、局所レーザのビーム特性を調整することで視野を絞ることに成功し、光路中におけるビーム伝送ロスを低減することが可能となった。さらにその拡がり角からプラズマ中心における視野の拡がりを実験的に評価し、プラズマ観測位置における実効的な観測体積とその感度分布を実測に基づいて評価することができた。
Lee, S.; 近藤 貴; 三浦 幸俊
プラズマ・核融合学会誌, 77(9), p.919 - 929, 2001/09
燃焼プラズマの中心部における不純物、D/T燃焼比及びヘリウム灰計測は核融合燃焼プラズマ実験において最も重要な計測のひとつとなる。しかしながらこれらのパラメータの測定手法は未だ確立されたとは言えず新規の診断法の開発が期待されている。このような計測課題に対し、協同トムソン散乱を用いた先進的計測手法を提案する。本論文ではこの測定法の計測原理と国際熱核融合実験炉(ITER)において期待される散乱スペクトルの計算結果を示し、その実現可能性を示した。次にイオンサイクロトロン周波数に比例した共鳴スペクトルの観測条件と要求される装置性能について議論を行った。さらに既存のトーラス装置であるJT-60UとLHDにおける本手法の適用可能性を検討した結果、これまでの技術と装置を利用することで十分に原理実証実験が可能であることを示した。
Lee, S.; 近藤 貴; 芳野 隆治; Cho, T.*; 平田 真史*; 三浦 幸俊
Transactions of Fusion Technology, 39(1T), p.151 - 154, 2001/01
本研究ではレーザーを用いた開放端系プラズマ内部のイオン温度、及び高速イオン計測手法を提案する。さらに核融合反応により生じた粒子がヘリウム灰として残留する割合や重水素-三重水素比等、炉心プラズマの実現と制御に対し重要な物理量の測定手法についても述べる。炭酸ガスレーザーによる微少角協同トムソン散乱法では、開放端装置における軸方向イオン温度及び高速イオン密度分布が単独のビームラインで同時計測可能である。また磁場に垂直な方向の散乱光成分を検出することで、イオンサイクロトロン周波数に共鳴した櫛形のスペクトル分布からヘリウム灰密度や燃料比が推定できる。本論文では開放端型炉心プラズマからの散乱光強度を計算により求め、本方式の実現可能性を示すとともに、現在稼働中のタンデムミラー装置GAMMA10において実証試験を行うための新計測方式についても言及した。
Lee, S.; 近藤 貴; 米本 義一*; 三浦 幸俊
Review of Scientific Instruments, 71(12), p.4445 - 4448, 2000/12
被引用回数:6 パーセンタイル:44.10(Instruments & Instrumentation)本論文ではJT-60Uにおける炭酸ガスレーザーを用いた協同トムソン散乱法の信号解析手法と新たに開発した周波数分解用フィルターバンクについて言及した。プラズマ中のイオン温度や高速イオン分布を評価するためには十分なS/N比(信号-雑音比)を確保しながら散乱光の周波数成分を分解する必要がある。また協同トムソン散乱では散乱光はパルス的に受信されるため回路内にフィルターする必要がある。そこでJT-60U協同トムソン散乱で予想される散乱スペクトルの周波数分布を計算で求め、透過周波数等フィルター特性を最適化しフィルターバンクの設計、製作を行った。さらに本研究では周波数フィルターの設計の際、炭酸ガス励起迷光フィルターやヘテロダイン検波器の特性についても詳細に議論しており、協同トムソン散乱計測の信号検出にかかわる基本特性を総合的に評価している。
Lee, S.; 近藤 貴
Review of Scientific Instruments, 71(10), p.3718 - 3722, 2000/10
被引用回数:4 パーセンタイル:36.70(Instruments & Instrumentation)本研究ではレーザーを用いた炉心プラズマ内部の先進的不純物計測手法を世界で初めて提案する。さらに核融合反応により生じる粒子がヘリウム灰として残留する割合や重水素-三重水素比等、炉心プラズマの実現と制御に対し重要な物理量の測定手法についても述べる。炭酸ガスレーザー協同トムソン散乱法では、磁場に垂直な方向の散乱光成分はイオンサイクロトロン周波数に共鳴した櫛形のスペクトル分布を持つ。本論文ではITERの不純物として予想されるアルゴン、ベリリウム、ヘリウム灰などを含んだプラズマからの散乱光スペクトルを計算し、共鳴の起こる周期や散乱光スペクトルの強度から不純物の核種と密度が推定可能なことを示した。また実際にプラズマに適応する場合の測定機器に要求される性能等についても言及した。
近藤 貴
プラズマ・核融合学会誌, 76(9), P. 888, 2000/09
電磁波の散乱波長がデバイ長より大きい場合の散乱現象。その散乱波長域で熱揺動以上の波動・乱れが励起されている場合は、そのスペクトル測定に用いられる。他方、熱揺動の場合の散乱スペクトルはイオンを遮蔽する電子群の協同(集団)運動のドップラーシフトを受けて、電子とイオンの双方の速度分布関数を反映する。後者を利用して、1970年代にはCOレーザーなどを用いてイオン温度計測の一手法として開発されたので、イオン・トムソン散乱とも呼ばれる。近年、核燃焼プラズマの粒子計測法の有力な候補として見直され、光源としてジャイロトロン(ミリ波)あるいはCOレーザー(波長10.6m)を用いて研究が行われている。前者は、JETで高エネルギー粒子を対象として測定が行われて(波長2.1mm)、TEXTORに引き継がれている。散乱角が大きくとれるが、プラズマ中の屈折のため散乱場所を同定する必要がある。後者はJT-60Uで開発が進められており、波長が短いため小角散乱にする必要があるが、屈折の問題は無く散乱場所の同定は容易。
近藤 貴; 長島 章; 塚原 美光; Richards, R. K.*; Hutchinson, D. P.*; 森山 伸一; 森岡 篤彦; 飛田 健次; 草間 義紀; V.G.Kiptily*
Proc. of 1998 Int. Congress on Plasma Physics, p.1478 - 1481, 1998/00
ITERにおいて、高速粒子計測は開発すべき重要な計測の1つである。JT-60Uにおいて開発している2つの計測について述べる。(1)線計測は、不純物イオンと高速イオンの反応により発生する1~20MeVの線を測定している。これにより、MeVエネルギー領域のイオンエネルギー分布と高速イオンの閉じ込め特性を調べている。(2)協同トムソン散乱は、ITERにおいてイオン温度計測、及び粒子の測定法として候補に上がっており、その測定法を実証するため、並びにJT-60Uのイオン温度計測法として開発を行っている。10ジュールのパルスCOレーザをプラズマ中に入射し、散乱角0.5度の散乱光をヘテロダイン受信する。散乱パワーの計算により、イオン温度測定に必要なS/N比が得られることが示される。