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小川 益郎
日本機械学会論文集,B, 59(560), p.1181 - 1186, 1993/04
高温ガス炉の配管破断事故時における高温での黒鉛の腐食速度や一酸化炭素の発生量を予測するために、黒鉛円管内の層流において、一酸化炭素の燃焼反応と黒鉛の酸化反応を伴なう場合の多成分混合気体(ヘリウム、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の4成分)系の物質伝達に関する数値解析を行った。入口レイノルズ数を50~1000、温度を800~1600C、入口の酸素質量分率を0~0.5の範囲で、物質伝達率に及ぼす一酸化炭素の燃焼反応と黒鉛の酸化反応の影響を定性的・定量的に明らかにした。
小川 益郎
JAERI-M 92-139, 132 Pages, 1992/10
高温ガス炉の配管破断事故時における黒鉛の腐食速度や一酸化炭素の発生量を予測するため、黒鉛円管内の層流において、一酸化炭素の燃焼反応と黒鉛の固気化学反応を伴なう場合の多成分混合気体(ヘリウム、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の4成分)系の物質伝達に関する数値解析を行った。本数値解析では、各成分気体の質量保存式の拡散項に、便宜的な2成分拡散係数を用いる方式ではなく、多成分拡散係数を用いる本来の方式を採り、それらを解いた。入口レイノルズ数を50~1000、黒鉛温度を800~1600C、入口での酸素質量分率を0~0.5の範囲で変化させ、各成分気体の物質伝達率を計算した。その結果、物質伝達特性に及ぼす一酸化炭素の燃焼反応や黒鉛の固気化学反応の影響を定性的・定量的に把握することができた。
武田 哲明; B.Han*; 小川 益郎
JAERI-M 92-131, 125 Pages, 1992/09
一般に伝熱流動現象に関する実験や解析を行うときには、流体の熱物性値を知る必要がある。しかしながら、多成分混合気体の熱物性に関する実験値は非常に少ないため、多成分混合気体を媒体に用いた機器の伝熱流動特性等を解析する場合には、これらの熱物性値を推算しなければならない。数値解析において、系内の温度、圧力、あるいは混合気体の組成によって物性値が変化するような変物性計算を行うときには、これらの物性値を式の形に表しておくと都合がよい。本報告書では、高温ガス炉の配管破断事故時に炉内で発生する混合気体の熱物性値に焦点を合わせ、特に輸送性質に関する熱物性値を理論的あるいは経験的な推算式より求めた。ここで示した推算式の多くは一般化された式であるため、他の気体の物性値についても簡単に推算することができる。
松田 光司; 藤田 岩男*; 来島 利幸*; 山本 浩久*; 畑田 元義
Applied Radiation and Isotopes, 41(8), p.757 - 761, 1990/08
ヘリウム-アンモニア混合気体の電子線照射による励起発光スペクトルについて研究を行った。本研究は、アンモニアを含む系の放射線化学反応の機構や、宇宙空間における発光種の生成と関連して興味がある。ヘリウム-アンモニア混合気体を常圧(760Torr)で0.6MeV電子線で照射し、気体からの発光スペクトルを測定した。また、発光強度と圧力、アンモニア分圧および添加物濃度との関係を調べた。発光スペクトルからはNHの一重項励起状態(C)および三重項励起状態(A)からの発光が認められた。NH(c-a)スペクトルの回転分布から求めた回転温度は300Kであった。また種々の条件下での発光強度を説明するNH(C)およびNH(A)の生成と消滅の機構について述べた。
永井 士郎; 新井 英彦; 畑田 元義
日本化学会誌, 10, p.1656 - 1660, 1984/00
種々の組成からなるCO/H混合気体をシリカゲル存在下および非存在下で電子照射して生成物を分析した。シリカゲル存在下の反応では、CO含量1~90%の全組成領域で低級炭化水素とCOが高収率で生成した。一方、HOの生成量は、シリカゲル非存在下の反応と異なり、CO含量が5%を超えるとCO含量の増加と共に減少し、電子線により水性ガス・シフト反応が起こることが示唆された。炭化水素生成に対するシリカゲルの役割を明らかにするため、COからの含炭素固体の生成、およびこの含炭素固体の構造とH流通下における分解挙動を均一系の反応の場合と比較した。この結果、シリカゲルは、COの放射線化学反応および、その反応から生成する含炭素固体の電子線照射下における水素化分解に対して、顕著な促進作用を持つことが分かった。
新井 英彦; 永井 士郎; 畑田 元義
Z.Phys.Chem.,Neue Folge, 131, p.47 - 56, 1982/00
大気圧で種々の組成のCH/CO混合気体の電子線照射(0.6MeV)による放射線化学反応の研究を行なった。水素及び炭化水素の収量は、炭酸ガス含量の増加とともに次第に減少した。COとHOの収量は、COから生成するO( D)の量で、ほぼ説明できる。但し、CO含量の高い所では、この関係は成立せず、代ってギ酸、酢酸、プロピオン酸が生成した。ギ酸は、ホルムアルデヒドを経由してラジカル過程で、一方酢酸及びプロピオン酸はイオン機構で生成すると考えられる。
永井 士郎; 新井 英彦; 畑田 元義
Radiation Physics and Chemistry, 16(2), p.175 - 181, 1980/00
シリカゲル存在下でCO-H混合気体を電子線照射すると、炭化水素とCOが選択的に、また高収量で生成することを見出した。反応温度140CではCOの生成量が多く、その大部分は炭化水素とは無関係に生成する。炭化水素の主成分は低級パラフィンであり、295Cにおける収量は均一系で得られる収量より1ケタ以上多く、Fischer-Tropsch触媒による収量と同程度である。一方、シリカゲルをあらかじめCO-He混合気体流通下で照射し、その存在下でHを照射すると、低級パラフィンを主成分とする炭化水素が高濃度で生成することが見出された。これらの結果を解析することにより、シリカゲル存在下におけるCO-H混合気体から生成する炭化水素は主として、COから生成する固体沈積物とHとの二次的な反応によることが明らかになった。