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高見澤 悠; 端 邦樹; 西山 裕孝; 外山 健*; 永井 康介*
Journal of Nuclear Materials, 556, p.153203_1 - 153203_10, 2021/12
被引用回数:5 パーセンタイル:39.96(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉圧力容器鋼における中性子照射脆化に及ぼすシリコンの影響を明らかにするため、三次元アトムプローブにより、高照射量領域まで中性子照射された監視試験片中の溶質原子クラスタを分析した。高Cu含有材では、Ni, Mn, Siがクラスタ中心のCu原子を囲むように凝集し、コアシェル構造を形成するのに対して、低Cu含有材ではNi, Mn, Siがクラスタ中を均一に分布していた。クラスタ内のCu原子の数はCu含有量の減少と共に減少したが、それを補うようにSi原子数が増加した。材料中の公称のSi含有量の増加とともに、クラスタのギニエ半径は減少し、数密度が増加した。結果として、クラスタの体積率は一定であった。延性脆性遷移温度移行量とクラスタの体積率とギニエ半径の積の平方根が良い相関関係を示すことから、脆化の主要因は、溶質原子クラスタを転位が切断するメカニズムによる硬化であることが示された。また、Si含有量の増加により、クラスタの体積率は一定のままギニエ半径が減少することで脆化の程度を減少させることが示された。
河 侑成; 高見澤 悠; 塙 悟史; 西山 裕孝; 海老澤 直樹*; 外山 健*; 永井 康介*
no journal, ,
原子炉圧力容器鋼A533B材のステンレスオーバーレイクラッド直下に生じる溶接熱影響部(HAZ)に対するイオン照射硬化のメカニズムを明らかにするため、アトムプローブ(APT)分析を実施し、照射硬化の一因となる溶質原子クラスター形成における熱履歴の影響を調べた。APT分析の結果、照射領域にはCuやSi-Mn-Ni溶質クラスターが形成されていたが、未照射領域ではクラスターの形成が認められなかった。粗大粒HAZ, 微細粒HAZ及び母材においてはクラスターの分布形態がそれぞれ異なり、母材はHAZに比べてクラスターの形成が少なかった。一部の微細粒HAZで照射硬化量が最も高くなる結果が得られており、その理由を溶質クラスターの直径、組成、数密度の分析により考察した。
端 邦樹
no journal, ,
国内PWRで中性子照射された原子炉圧力容器鋼に対して三次元アトムプローブを用いた溶質原子クラスタ分析及びオージェ電子分光分析を用いた粒界偏析元素分析を行った。三次元アトムプローブ分析では、シリコン(Si)の含有量に着目し、溶質原子クラスタの数密度、大きさへのSiの影響について評価した。その結果、Si含有量が高いほどクラスタの半径が小さくなることが示された。また、脆化量の指標である関連温度移行量(RT
)の析出硬化メカニズムにおける切断機構(溶質原子クラスタの体積率と半径の積の平方根に比例)への依存性が見られたことから、Siの溶質原子クラスタの半径への寄与が切断機構を通して脆化量に影響を与えている可能性が示唆された。オージェ電子分光分析では、リン(P)の粒界偏析に着目し、既往研究データとも合わせて、原子炉圧力容器鋼における粒界脆化顕在化の可能性を調べた。実験の結果、照射量の増加に伴うP偏析量の増加は小さいことが示された。これにより、今回分析したリン含有量の範囲では、高照射量領域まで照射した場合でも、既往研究において粒界脆化の顕在化が懸念されるレベルよりも十分に低いものとなることが分かった。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
中性子照射を受けた原子炉圧力容器(RPV)鋼には自己格子間型転位ループ(DL)やCu等からなる溶質原子クラスター(SC)が形成され、RPV鋼の照射脆化(硬化)の主因となることが知られている。従来はDL、SCはそれぞれ単独に存在すると考えられていたが、近年、DL/SC複合体としても存在する可能性が強いことが分かってきた。そのため、DL/SC複合体が照射硬化に及ぼす影響の評価が求められる。その端緒として、本研究では、分子動力学法を用いてDL/Cuクラスター複合体の転位運動に対する抵抗力(障害物強度)を評価した。まず純Cuクラスターの障害物強度を評価して先行研究と比較し、評価手法の妥当性を確認した。DL/Cuクラスター複合体に関しても解析を実施しており、講演ではその障害物強度も報告する。