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幕内 恵三; 片貝 秋雄; 中山 博之*
Journal of Coatings Technology, 55(698), p.29 - 37, 1983/00
自己硬化性のモノマーであるN-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド(NBM)の共重合体ラテックスを、放射線による半連続重合法により合成した。粒子構造とラテックスのコロイド的性質、硬化フィルム物性を検討し、芯部が橋かけし、皮部が低分子ポリマーから成る粒子のラテックが、最もバランスのとれた物性を示すことが明らかとなった。NBMは芯部には平用で、皮部のNBMだけで十分な自己硬化性を示した。皮膜光沢はスチレンの使用で向上した。芯部橋かけの効果は、耐久性にあらわれた重合プロセス上の因子として、モノマー供給速度と乳化剤の分割について検討した結果、これらの因子によりラテックスのコロイド的性質や皮膜物性が強く影響されることが判った。モノマー供給速度は0.66%/分、乳化剤は半量モノマーに溶解する方法で、バランスのとれたラテックスが保たれた。
幕内 恵三; 片貝 秋雄; 萩原 幸
色材協會誌, 56(9), p.575 - 581, 1983/00
N-(n-ブトキシメチル)アクリルアミド(NBM)共重合体ラテックスの硬化温度を低くする目的で、種々の強酸性モノマーの放射線乳化共重合を検討した。強酸性モノマーとしては、リン酸基を有するアシッドホスホオキシエチルメタクリレート及び3-クロロ、2-アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、スルホン酸基を有する2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びP-スチレンスルホン酸ナトリウムを用いた。120C硬化塗膜の機械的性質は、強酸性モノマーを用いないもの、60
C硬化塗膜と同等の性能を示し、低温硬化が可能であることを示した。しかし、塗膜の耐水性は劣り、改善の必要性があった。