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江頭 尚弥*; 松田 朋己*; 奥地 拓生*; 瀬戸 雄介*; 伊藤 佑介*; 菖蒲 敬久; 中新 信彦*; 佐野 智一*; 他4名*
Journal of Applied Physics, 137(10), p.105903_1 - 105903_8, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:76.22(Physics, Applied)Femtosecond laser-driven shock waves exhibit characteristic features that form distinctive microstructures not formed by plate impacts or nanosecond laser-driven shock waves. A key to understanding this phenomenon is understanding the lattice behavior inside the shock front, which is the boundary between the ambient and shock compression states. However, direct measurements of the lattice spacing inside a femtosecond laser-driven shock front have not yet been performed. Here, we report
measurements of lattice spacing using X-ray free electron laser diffraction with a pulse width of
10 fs during the shock rise in single-crystal copper irradiated directly in air with a femtosecond laser pulse on the order of 10
W/cm
at a pulse width of 101 fs. The lattice spacing of the femtosecond laser-irradiated single-crystal Cu (002) plane starts to compress 6.3 ps after femtosecond-laser irradiation. It takes 15.7 ps for the plane to reach peak compression, at which point the compressive elastic-strain is 24.3%. Therefore, the shock front was found to form at an elastic compressive strain rate of 1.55
10
/s in this shock-driving situation. It is suggested that the initiation of plasticity under such ultrafast deformation at the most elastic compression is based on both dislocation multiplication and dislocation generation mechanisms.
佐藤 聡; 日引 俊*; 池田 遼; 柴本 泰照
Progress in Nuclear Energy, 180, p.105593_1 - 105593_11, 2025/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉(PWR)の冷却材喪失事故では、ダウンカマーに流入するコールドレグに注入された緊急炉心冷却(ECC)水の流れにより、原子炉圧力容器(RPV)内壁に加圧熱衝撃(PTS)が発生するリスクがある。PTSは、ECC水によるダウンカマー壁の急冷によって発生し、ECC水の温度、壁面へのジェットの衝突位置と速度、壁面上の液膜の速度、液膜の厚さ、下降流の広がりなどに強く影響される。したがって、コールドレグからダウンカマーに流出するECC水の流れは、PTS事象に強く影響する可能性がある。この流動現象を理解するために、円管からの自由流出に関する研究をレビューした。流動条件の分類、流動条件間の遷移条件、端部深さ比、円管内の流れの自由表面形状、管から流出するナッペの形状に関する実験結果は、ほぼ一致した形で得られている。これに対し、コールドレグからダウンカマーへの流れを考慮する場合、自由空間ではなく狭い隙間への流れ、円管出口の角の丸みの存在、炉心からコールドレグへ流れる蒸気流の影響など、特殊な状況での流れ場を扱う必要がある。しかし、これらの要因を考慮した先行研究は少ないため、今後蓄積すべき知見としてまとめた。
朝原 誠*; 岩崎 航大*; 神谷 朋宏; 水野 恭兵*; 岩月 一馬*; 宮坂 武志*
混相流, 38(2), p.175 - 185, 2024/06
衝撃波後方の高速気流中における単一液滴の微粒化を高時空間分解能で撮影した。catastrophic breakup形態に該当する高Weber数条件において、液滴の上流側界面における波立ちの波長はKelvin-Helmholtz不安定性の臨界波長より大きい(波立ちの波長は安定領域に属する)が、Rayleigh-Taylor不安定性の理論波長とおおよそ一致した。したがって、上流側の界面の波立ちは、小さな擾乱がRayleigh-Taylor不安定性によって発達したことで形成されたと考えられる。また、フラグメントの拡散幅はWeber数に依存しないことが確認された。
神谷 朋宏; 吉田 啓之
衝撃波シンポジウム講演論文集(インターネット), 7 Pages, 2024/03
これまで、原子力発電所において事故時に発生することが懸念される蒸気爆発をシミュレーションするため、保存則を満たすghost fluid法を開発してきた。開発手法では、バルク領域が高次精度で離散化される一方で、界面影響領域が一次精度の空間近似で解析されており、一貫したアルゴリズムとなっていなかった。そこで、仮想流体の取得方法を修正し、界面影響領域に対しても高次精度の近似手法を適用できるより包括的なアルゴリズムを提案した。本発表では、アルゴリズムを概説するとともに、数値テスト結果について報告する。
西田 明美
土木学会第14回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集(インターネット), 5 Pages, 2024/01
日本建築学会2015年出版の「建築物荷重指針・同解説」及び「建築物の耐衝撃設計の考え方」の改定作業が現在進行中である。前者では、すべての設計荷重に対して発生確率を明記した荷重表現が要求されおり、衝撃荷重に関しても発生確率を求める作業を進めている。一方、後者では、設計目的を安全性と機能性の確保及び進行性崩壊回避のためのロバスト性の確保として、決定論的な耐衝撃設計の基本方針が記述されている。ISOなどの国際基準も確率論的アプローチが主流になっていることを踏まえ、建築物の耐衝撃設計の体系をどのように整備すべきかについて検討を進めている。本報告では、特に爆発荷重の発生確率の評価方法について述べる。爆発事故は発生までのプロセスが複雑であるため、イベントツリーとフォールトツリーを用いて爆発荷重の発生確率を評価する。建築物への爆発影響という観点から、爆発を内部爆発と外部爆発に分けて考える。内部爆発荷重の発生確率は事故発生確率と同じと考え、外部爆発荷重の発生確率は事故発生確率にバリア効果を含む離隔距離の影響確率を乗じて求める。イベントツリーに事故シーケンスが適切に反映されているかどうかを客観的に把握する方法を考察するとともに、フォールトツリーに爆発荷重固有の人的要因の影響を組み込む方法について考える。最後に、内部爆発(ガス爆発)と外部爆発(蒸気雲爆発)の評価例を示す。爆発影響としては爆風圧の直接影響を主として評価するが、飛散物による人的・物的被害についても検討を加える。
Wang, Y. W.*; Wang, H. H.*; Su, Y. H.; 徐 平光; 篠原 武尚
Materials Science & Engineering A, 887, p.145768_1 - 145768_13, 2023/11
被引用回数:9 パーセンタイル:61.38(Nanoscience & Nanotechnology)A unique impact fracture behavior is found in a high-Mn austenitic steel (24Mn-4Cr-0.4C-0.3Cu) in this work. The steel exhibits concurrent twinning-induced plasticity (TWIP) effect and the transformation-induced plasticity (TRIP) effect. By analyzing the load-deflection curves recorded during Charpy impact testing, the resistance to crack initiation and propagation is quantified from the absorbed energy. The high-Mn steel demonstrates good resistance to crack initiation at 273 K and 77 K. However, as the temperature decreases from 273 K to 77 K, there is an accelerated transition from stable crack growth to unstable crack growth during impact, resulting in the deterioration of resistance to crack propagation. The plastic deformation of the impact-tested samples, especially in the region close to the crack-path profile was quantitatively analyzed using neutron Bragg-edge transmission (BET) imaging. The deformation zones, divided by using the width of the 200 Bragg edge, exhibit good agreement with the impact absorbed energy characteristics obtained from dynamic load-deflection curves. Moreover, the unstable growth transition point was roughly determined on the impact-tested sample. Then, the electron backscatter diffraction (EBSD) technique is employed to examine the deformation microstructure along the crack-path in the impact-tested samples. The results revealed the dual roles of TRIP effect in impact toughness of the high-Mn steel. On one hand, the TRIP effect plays a positive role in improving resistance to crack initiation and propagation. On the other hand, the excessive accumulation of brittle
/
'-martensite caused by the enhanced TRIP effect at 77 K leads to quasi-cleavage fracture, thereby playing a negative role. Finally, we discussed the prominent toughening mechanisms associated with the TWIP and TRIP effects, which greatly impact the impact fracture behavior.
高見澤 悠; Lu, K.; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; 宮本 裕平*; Li, Y.
JAEA-Data/Code 2022-006, 221 Pages, 2023/02
原子炉圧力容器(RPV: Reactor Pressure Vessel)は原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する重要機器の1つであり、中性子照射等に伴う高経年化を考慮した構造健全性確保が極めて重要である。国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA: Japan Atomic Energy Agency)では、RPVの構造健全性評価に関する研究の一環として、確率論的破壊力学(PFM: Probabilistic Fracture Mechanics)解析コードPASCAL(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR)の開発を進めている。本コードは、加圧水型軽水炉(PWR: Pressurized Water Reactor)及び沸騰水型軽水炉(BWR: Boiling Water Reactor)を対象に、影響因子が持つ不確実さを考慮し、加圧熱衝撃(PTS: Pressurized Thermal Shock)事象や低温過圧事象(LTOP: Low-Temperature Over Pressure)等の過渡によるRPVの炉心領域部の破損確率や破損頻度を求めるものである。破壊力学や確率論的計算手法等に関する最新知見や国内RPVに適した評価手法・評価モデルを踏まえ、新規解析機能の導入を進めるとともに、系統的なコード検証活動を通じて信頼性向上を図ってきた。平成12年度に公開したPASCALでは、PWRのPTS事象を対象に、RPVの破損確率を解析する基本的な枠組みを整備した。平成18年度に公開したPASCAL2では、内部亀裂の評価手法や様々な非破壊検査による亀裂の検出性に関する評価モデル等を導入し、過渡事象データベースを整備した。平成22年度に公開したPASCAL3では、肉盛溶接クラッド部に着目して、亀裂の評価機能等を改良した。平成29年度に公開したPASCAL4では、応力拡大係数解や破壊靭性の不確実さを考慮した評価モデル等の改良により解析機能の高度化を図るとともに、影響因子の不確実さを認識論的不確実さと偶然的不確実さに分類し、不確実さを考慮した信頼度評価機能等を整備した。平成30年度以降は、これまでPWRのPTS事象を対象としたRPV内面側亀裂の評価機能に加えて、BWRの起動事象、LTOP事象等を想定したRPV外面側亀裂の評価機能等の整備を進めてきた。これらの機能整備を踏まえ、国内PWR及びBWRのRPVを対象とした確率論的健全性評価に資する解析コードとして、PASCAL5へとバージョンアップした。PASCAL5はPFM解析モジュールであるPASCAL-RV、PASCAL-RVの入力データの生成やRPV炉心領域部を対象とした破損頻度の算出を行うモジュールであるPASCAL-Manager、付録として附属する簡易的な熱応力解析を
Zarazovski, M.*; Pistra, V.*; Lauerova, D.*; Obermeier, F.*; Mora, D.*; Dubyk, Y.*; Bolinder, T.*; Cueto-Felgueroso, C.*; Szavai, S.*; Dudra, J.*; et al.
Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 11 Pages, 2022/07
The APAL (Advanced Pressurized Thermal Shock (PTS) Analysis for Long-Term Operation (LTO)) project was launched in October 2020 for four years with funding from the European Union's HORIZON 2020 program. Within APAL, an extensive literature review was performed and experience with defining the state-of-the-art of the Warm Pre-Stress (WPS) effect, which has an impact on the reactor pressure vessel (RPV) brittle fracture margin in both deterministic and probabilistic terms, was collected. To gather the worldwide experience of the WPS approaches and models, a comprehensive questionnaire was developed followed by each APAL partner response. It mainly focused on the following aspects: collection of existing WPS approaches and models implemented in standards and rules for RPV brittle fracture assessment; identification of the WPS issues; collection and analysis of the existing experimental data. This work describes worldwide experience and best practice of the WPS and its application for the RPV integrity assessment. The paper's conclusions are also focused on the recommendations for dealing with WPS issues.
Li, Y.; 廣田 貴俊*; 板橋 遊*; 山本 真人*; 関東 康祐*; 鈴木 雅秀*; 宮本 裕平*
JAEA-Review 2020-011, 130 Pages, 2020/09
日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)では、原子炉圧力容器(Reactor Pressure Vessel、以下「RPV」という。)の構造健全性評価手法の高度化を目的として、加圧熱衝撃等の過渡事象が発生した場合のRPVの破損確率や破損頻度を評価する確率論的破壊力学解析コードPASCALを開発し、最新知見に基づきその機能の高度化を進めてきた。RPVの構造健全性評価において確率論的手法の活用が期待される中で、RPVの健全性評価に係る取組みを促進するためには、複数の機関によりPASCALの機能確認を実施し、その確認過程や確認結果を取りまとめておくことにより、コードの信頼性を向上させることが不可欠である。こうした背景を踏まえ、原子力機構では開発機関以外の当該分野に関する専門家の下で、本コードの信頼性を向上させることを目的として、PASCAL信頼性向上ワーキンググループを設立し、PASCALのソースコードレベルの確認を含む機能確認を行ってきた。本報は、PASCAL信頼性向上ワーキンググループの平成28及び29年度における活動内容及び活動結果についてまとめたものである。
高見澤 悠; 西山 裕孝; 平野 隆*
Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08
原子炉圧力容器(RPV)は中性子照射前後のシャルピー衝撃試験で得られる延性脆性遷移温度(DBTT)に基づき中性子照射による材料劣化を予測した上で構造健全性評価が行われている。シャルピー衝撃試験で得られるDBTTには試験に依存した様々な不確かさが含まれる。本研究では、原子力機構がこれまでに取得したRPV鋼の未照射材・中性子照射材データを用いて、ベイズ統計に基づく解析モデルを構築し、試験片の採取位置のばらつき、試験片の数、試験温度を考慮した上でDBTTの不確かさを評価可能な手法を整備した。上記の手法を用いて国内RPV鋼に対する評価を行い、試験数や試験温度がDBTTの不確かさに及ぼす影響を定量的に明らかにした。
勝山 仁哉; 宇野 隼平*; 渡辺 正*; Li, Y.
Frontiers of Mechanical Engineering, 13(4), p.563 - 570, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:10.19(Engineering, Mechanical)加圧水型原子炉(PWR)における原子炉圧力容器(RPV)の構造健全性評価において、加圧熱衝撃(PTS)事象時の荷重条件に影響する冷却水の熱水力挙動は重要な影響因子の1つである。機器の構成と寸法、運転員操作の時間が、冷却水の温度や流量、内圧等に大きく影響する。本研究では、運転員操作の時間がPTS事象中の熱水力挙動に及ぼす影響を調べるため、RPVや1次系及び2次系で構成された国内の代表的PWRプラントに対する解析モデルを整備し、システム解析コードRELAP5による熱水力解析を行った。日本と米国の規則に基づき、PTS事象が発生した後、日本の規則を参考に10分後、米国の規則を参考に30分後に、緊急炉心冷却系を止める運転員操作を想定した。その結果を用いて構造解析を行い、健全性評価における荷重条件評価も行った。以上の結果、運転員操作の時間の差異が熱水力挙動や荷重条件に大きな影響を及ぼし、日本の規則に従ったケースでは、米国のケースに比べてRPVの内圧が低下すること等を明らかにした。保守的な評価を行う観点から、米国の過渡事象は国内RPVの健全性評価に適用できることを示した。
勝山 仁哉; 眞崎 浩一; 宮本 裕平*; Li, Y.
JAEA-Data/Code 2017-015, 229 Pages, 2018/03
軽水炉構造機器の高経年化評価に関する研究の一環として、確率論的破壊力学解析コードPASCALの開発を進めている。本コードは、原子炉圧力容器に加圧熱衝撃事象等の過渡が発生した場合における容器の破損確率や破損頻度を解析するコードである。破壊力学に関する最新知見や国内RPVに適した評価手法・評価モデルを踏まえ、新規解析機能の導入やコード検証等を通じて解析精度と信頼性向上を図った。具体的には、応力拡大係数解や破壊靭性モデル等の解析機能の高度化を図るとともに、健全性評価に係る影響因子の認識論的不確実さと偶然的不確実さを考慮した信頼度評価機能の整備等を実施した。また、確率論的計算手法を改良し、解析コードの計算速度を著しく向上させた。さらに、PASCAL-RVにより算出される亀裂を対象とした破損確率からRPV炉心領域部を対象とした破損頻度を算出する機能を有するモジュールPASCAL-Managerを整備した。本報告書は、PASCAL-Managerを含むPASCAL4の使用方法、解析理論をまとめたものである。
Li, Y.; 林 翔太郎*; 板橋 遊*; 永井 政貴*; 関東 康祐*; 鈴木 雅秀*; 眞崎 浩一*
JAEA-Review 2017-005, 80 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構では、原子炉圧力容器(RPV)の構造健全性評価手法の高度化を目的に、中性子照射脆化を考慮して、加圧熱衝撃等の過渡事象が発生した場合のRPVの破損確率や破損頻度を評価する確率論的破壊力学解析コードPASCALを開発し、最新知見に基づきその機能の高度化を進めてきた。RPVの構造健全性評価において確率論的手法の活用が期待される中で、RPVの健全性評価に係る取組みを促進するためには、PASCALの確率変数、評価機能、評価モデル等を含めた機能検証を行い、その検証過程を整理するとともに、検証結果を取りまとめておくことが必要不可欠である。こうした背景を踏まえ、開発機関以外の当該分野に関する専門家の下で、PASCALの確率論的破壊力学ソルバーであるPASCAL3をソースコードレベルで機能検証することにより、本コードの信頼性を向上させることを目的として、PASCAL信頼性向上WGを設立した。一年の活動を通じて、PASCAL3が十分な信頼性を有することが確認された。本報は、PASCAL信頼性向上WGの平成27年度における活動内容及び活動結果についてまとめたものである。
Lu, K.; 勝山 仁哉; Li, Y.
日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.499 - 501, 2016/10
高経年化した原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価では、加圧熱衝撃事象やRPV内表面近くに亀裂を想定し、それにより求められる応力拡大係数(K値)を用いた評価が行われている。クラッド下亀裂を想定する場合、RPVの内表面には肉盛溶接された相対的に降伏応力が低いステンレス鋼のクラッドがあるため、このクラッドの塑性の影響を考慮してK値を適切に算出する必要がある。われわれはこれまでに、国内3ループPWR型軽水炉のRPVにおけるクラッド下亀裂に対する三次元有限要素解析を行い、より合理的なK値を求めることができる塑性補正法を提案した。本報告では、これまでに提案したK値の塑性補正法について、中性子照射による影響を考慮した場合及び、2ループと4ループのようにPWR型軽水炉のRPVの形状が異なる場合の適用性について検討した結果をまとめる。
二川 正敏; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 沖田 浩平*
Experimental Thermal and Fluid Science, 57, p.365 - 370, 2014/09
被引用回数:10 パーセンタイル:43.32(Thermodynamics)J-PARCの水銀ターゲットでは、陽子線入射時に発生する圧力波が水銀を包含する容器へと伝ぱする際に、水銀と容器の界面には負圧によってキャビテーションが発生する。流動水銀中にマイクロバブルを注入することで、圧力波に励起されるキャビテーションの発生を低減するために、注入する気泡の条件を理論及び実験的に検討した。本報告では、特に、圧力波の伝ぱをミリ秒オーダーのマクロな時間スケールとマイクロ秒オーダーのミクロな時間スケールの現象に分けて検討した。前者は、ターゲット容器の振動と水銀の相互作用が支配的な現象であり、後者は、水銀中の圧力波伝ぱプロセスに不可欠な現象である。その結果、マクロな時間スケールでは、水銀中にキャビテーションを発生させる負圧の振幅が注入した気泡によって減少するため、マイクロバブルの注入がキャビテーションの発生を抑えるのに効果的であることを示した。一方、ミクロな時間スケールでは、注入した気泡は負圧の持続時間を減少させキャビテーション気泡の膨張を抑えることで、キャビテーションの攻撃性を低減させるが、その効果は十分ではなく、現状ではキャビテーション気泡が膨張する可能性があることを示唆した。
小田 靖久*; 小紫 公也*; 高橋 幸司; 春日井 敦; 今井 剛*; 坂本 慶司
電気学会論文誌,A, 126(8), p.807 - 812, 2006/08
周波数170GHz,MW級出力ジャイロトロンを用いたマイクロ波プラズマ生成実験とマイクロ波推力に関する研究を行っている。パラボラ型推進器モデルにマイクロ波を入射すると、収束点においてプラズマが生成され、そのプラズマは追随するマイクロ波エネルギーを吸収しながら伝搬していく。その伝搬速度は、マイクロ波エネルギー密度が75kW/cm
以上になると音速程度になることや、運動量結合係数(マイクロ波エネルギーの推力への変換係数)が、プラズマの伝搬速度が音速に近くなるにつれて増加していくことを明らかにした。これは、音速程度のプラズマ伝搬が衝撃波を作り出している可能性を示唆している。
Zherebtsov, S.*; 前川 克宏*; 林 照剛*; 二川 正敏
JSME International Journal, Series A, 48(4), p.292 - 298, 2005/10
核破砕パルス中性子源水銀ターゲット容器材料の衝撃壊食に対する耐性は、接触液界面を硬化することが有効である。本報告では、硬化処理技術として、レーザー合金法の適用を試みた。容器候補材料である316ステンレス鋼に対して、Al-Si粉末を添付しレーザー熱衝撃を加えることで表層のみを合金化した。合金層厚さは、約100ミクロンに達し、硬度は基材の4倍程度になった。表層は、組成比の異なる4層から形成された。各層の形成には基材温度が大きく影響することがわかった。この知見をもとに、クラックフリーで硬度を4倍に上昇できるレーザー処理条件を確立した。
二川 正敏
日本原子力学会誌, 47(8), p.530 - 535, 2005/08
J-PARCや米国SNSでは水銀ターゲットを用いたパルス中性子源実験施設の運転開始に向けた建設が大詰めを迎えている。中性子源として使用される液体水銀は固体金属容器に充填される。大強度の陽子線が液体水銀ターゲット中に入射するため、液体水銀内部では急激な発熱反応に伴う熱膨張により、圧力波が生じる。この圧力波は、液体水銀中を伝播し、水銀を封じ込めている固体金属容器に衝撃荷重を負荷する。圧力波により容器構造材料に負荷される荷重は、容器構造の健全性に影響する。そこには、数ミクロンの小さなピットの観察が端緒となったピッティングというモンスターが立ちはだかった。本報では、これまでに著者が実施してきた陽子線励起圧力波に起因する構造工学的課題に関する研究開発の一端を紹介する。
二川 正敏
振動技術, (10), p.22 - 26, 2004/11
電磁式衝撃圧負荷試験装置(MIMTM)は、制御装置で発生し、電力増幅器で増幅された電気信号波形を用いて、衝撃的な電磁力により衝撃圧を負荷できる装置である。本装置により、これまでに核破砕水銀ターゲットの高出力化に向けた重要課題である衝撃壊食(ピッティング)損傷の評価を行い、ターゲット容器の寿命予測に不可欠な損傷発生機構に関する知見の構築を行っている。さらに、本装置の特徴である高精度の圧力制御技術により、液体中の急激な圧力変動に伴って生じるキャビテーション現象の解明,損傷抑制技術の開発、及びキャビテーション・ピーニング等の応用技術開発への展開が期待できる。
小田 靖久*; 小紫 公也*; 高橋 幸司; 春日井 敦; 坂本 慶司
電気学会研究会資料,原子力研究会(NE-04-11
15), p.19 - 22, 2004/09
日本原子力研究所と東京大学は、核融合プラズマ加熱用に開発された1MWクラスの大電力ジャイロトロンから発生する大電力マイクロ波を、ロケットのビーミング推進に適用する協力研究を行っている。推進器としてパラボラ型の反射鏡を用いることにより大電力マイクロ波ビームはフォーカスされ気中放電によるプラズマを生成すると同時に、衝撃波を発生させる。その衝撃波により推進器(ロケット)は推進力を得る。実験において測定された運動量結合係数は、最短のパルス幅であった100マイクロ秒において最も高くなり、400N/MWを記録した。この値はこれまでのレーザー推進器の性能に比肩する性能であり、19gのロケット型推進器を2m打ち上げることに成功した。