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桐山 博光; 松岡 伸一; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Inertial Fusion Sciences and Applications 99, p.721 - 724, 2000/01
極短パルス超高ピーク出力チタンサファイアレーザーや波長可変レーザーの励起効率、高次高調波発生に不可欠となる高効率波長変換器の開発を行っている。低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、逆変換を最小化できるように2つの非線形光学結晶の光軸を垂直に配置し、偏光の回転を利用して入射レーザー光が4回通過できる4パス構成矩象波長変換方式を新たに考案した。入射レーザー光に1064-nmNd:YAGレーザー光を用い、非線形光学結晶にタイプII位相整合のKTP結晶を用いて、1064-nm基本波入射光強度に対する532-nm第二高調波変換効率を取得した。比較のために入射レーザー光を1つの結晶に対して1回通過させた典型的な従来法を用いた変換効率も取得した。本波長変換方式を用いることにより、従来法よりも変換効率が向上しこの方式の有効性が示される結果となった。76MW/cmの低い入射レーザー光強度に対して80%の高い変換効率を得た。
杉山 僚; Gallagher, H. G.*; Han, T. P. J.*
JAERI-Tech 99-069, p.27 - 0, 1999/09
LBO非線形光学結晶は、(BO)ボレート系陰イオングループによって構成されているので、紫外光領域での高い透過率を示す。結晶の構成元素を同位体で置換すると(BO)イオンの固有振動数が増加し、透過率はさらに短い波長において高くなると予想される。この結果、従来のLBO結晶に比べて、波長変換が可能となる波長域が広くなると思われる。この特性変化を確認するために、今回BOを結晶原料に用いて、LiBO結晶の育成を行った。LBOは結晶の育成速度が遅いこと、原料の粘性が高いことからその育成が非常に困難であった。本報告では、原料の調製方法、熱バランスの改善及び育成条件の最適化についてわれわれの行った方法を詳細に記す。
杉山 僚; 大図 章; 加藤 政明; 丸山 庸一郎
JAERI-Research 96-050, 21 Pages, 1996/10
銅蒸気レーザー(CVL)は、6.5kHzと高い発振繰返し数で、511及び578nmの光を発生させることが可能である。これらのレーザー光を非線形光学結晶に入射させ、255及び271nmの紫外光を発生させる実験を行った。結晶の非線形効果を誘発させるためには、入射レーザー光のパワー密度を高める必要がある。従って、低ピークパワーのCVL光を入射させる場合には、レンズ等の光学素子により集光しなければならない。今回の実験では、異なる焦点距離の単レンズにより入射光の集光状態を変化させ、結晶の位相整合許容角度の広がり及び波長変換光のビームパターン変化等について測定を行った。更に、ビーム拡がり角を低減させるために、注入同期発振システムをCVL光の発生に用いて、初めて第2高調波発生を行い、11.2%の波長変換効率を得た。
大道 英樹
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 105, p.302 - 307, 1995/00
被引用回数:18 パーセンタイル:83.28(Instruments & Instrumentation)イオンビームを利用した有機機能材料の創製に関しては、目的とする機能に沿ったポリマーの合成とイオンビームのエネルギーの選択が重要であることを強調し、これまでの当研究室の研究の中から2例を紹介した。まず、放射線に対して感受性の高い樹脂として知られるCR-39に核種あたり11.4MeVの高エネルギーの重イオンビームを照射して多孔膜としたのち、当研究室で開発したゲルを孔の部分に化学結合させた。その結果、ゲルの示す体積相転移温度を挟む0Cと60Cとの間で孔のサイズを再現性よく変化しうることを示した。次に、非線形光学性の期待されるジアセチレン化合物についてLB法により多層膜としたのち、数keV程度の低エネルギーのイオンビームを照射すると折れ曲がった構造から伸び切った構造に配置を変えつつ重合し、結果的に配向性の揃った薄膜が得られること及びこの薄膜が3次の非線形性を示すことを明らかにした。
明午 伸一郎; 大井 元貴; 藤森 寛*; 川崎 智之; 西川 雅章; 福田 真平
no journal, ,
J-PARCでは速い繰り返し(25Hz)の3GeV陽子シンクロトロン加速器から出射する1MWの大強度陽子ビームを用いた核破砕中性子源(JSNS)の運転を目指している。中性子源の水銀容器ではビームに誘発されるピッティング損傷が重要な問題となっている。ピッティング損傷はピーク電流密度の4乗に比例するために、ピーク電流密度を低く抑えた運転が求められる。この実現のため、我々は八極電磁石を用いた非線形ビーム光学によるビーム平坦化技術の開発及び、RCSから出射される1MWのビームを用いたプロファイルの制御試験を行ってきた。八極電磁石におけるビームの関数や、位相差が重要な鍵となるが、短時間のビーム調整時間内に効率的に試験・調整を行うことが可能なようにSAD(Strategic Accelerator Design)を用いたツールの開発を行った。その結果、わずか数ショットでビーム診断とビーム平坦化に必要な非線形ビーム光学の調整が可能になった。ツールによるビーム調整により、非線形ビーム光学によりピーク電流は約30%減少できる見込みを得た。