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羽田 一彦; 柴田 大受; 西原 哲夫; 塩沢 周策
日本原子力学会誌, 38(10), p.834 - 844, 1996/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉からの核熱を用いて水素を製造する原子炉システムでは、原子炉本体と水素製造システムとの熱的動特性が大きく異なるため、安定な制御性を有する制御概念を構築する必要があり、この制御概念は、種々の水素製造法にも応用できる汎用性を有することが重要である。そこで、高温の熱を必要とする水素製造法について制御設計上の特性を比較し、高温熱を使う吸熱反応が共通性を有するとともに、この反応の原料等として水蒸気が必要であることを明らかにした。さらに、水蒸気改質水素製造システムの過渡特性を検討し、原子炉を冷却するヘリウム回路に設ける蒸気発生器により原子炉システムとしての安定性が確保できることがわかった。これらの結果に基づき、安定な制御性を確保し、かつ、汎用性を有する制御概念として、ヘリウム回路において高温吸熱反応器の下流に蒸気発生器を設置することを提案し、これを代表的な水素製造法に適用した。