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栗原 良一; 植田 脩三; 多田 栄介
Fusion Technology, 30(3), p.1465 - 1469, 1996/12
核融合実験炉の真空容器は、トリチウム等の放射性物質を内蔵するため、安全上重要な機器の一つである。真空容器はトロイダル一周抵抗を高くするため、ステンレス鋼製の二重壁構造としている。二重壁内部には冷却材として水が循環しており、寿命期間中には応力腐食割れ等によって亀裂の発生が考えられる。また、冷却材侵入事象が起きると、発生した水蒸気による内圧荷重およびプラズマディスラプションによるVDE荷重が膜応力として真空容器に作用する。亀裂を有する二重壁をモデル化し、有限要素法解析コードADUNAを用いて破壊力学的検討を行った結果、3dpaまで照射され脆化した真空容器内壁に板厚の1/4深さの亀裂を想定しても、未照射材の降伏強さ程度の膜応力が作用した場合、亀裂先端のJ積分値は材料の破壊靱性値Jに比べて十分小さいことが判った。
奥 達雄; 石山 新太郎; 高橋 秀明*; 深沢 孝幸*; 橋田 俊之*
炭素, 0(139), p.175 - 181, 1989/00
高温ガス炉構造用黒鉛IG-11ならびにPGXのAE法を併用した破壊靱性試験を実施した。円柱形状の3点曲げ、ショートロッドならびにウランドコンパクトテンション試験片の3種の試験片を用いた。これらの円柱状試験片は国際岩の力学学会(ISRM)において標準破壊靱性試験方法案として提案されたものである。観察された黒鉛の変形の非線形性を考慮に入れ、靱性評価パラメータとしてJ積分を用いた。AE法により評価したき裂進展開始時のJ積分値(Ji)は試験形状によらず一定値が得られた。この結果に基づき、黒鉛の破壊靱性値Kを評価し、IG-11に対して1.04MPa・m/2の数値を得た。さらに、K値の試験片寸法効果を議論した。