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江里 幸一郎*; A.M.Shehata*; 功刀 資彰; D.M.McEligot*
JAERI-Research 97-029, 36 Pages, 1997/03
従来の管内流加熱層流化の解析では、流路内の速度場及び温度場の局所分布に関する実験結果が得られていなかったため、熱伝達係数や圧力損失等のマクロ特性量との比較のみで議論されてきた。近年、Shehata and McEligotは強加熱を受ける鉛直円管内空気流について、加熱条件に応じて乱流から層流が発生するまでの3条件で実験を行い、管内の局所的な速度及び温度分布を初めて報告した。本研究では、この実験で得られた乱流の加熱層流化に伴う局所特性量の変化について、高精度な低レイノルズ数型2方程式乱流モデルを用いた数値解析を行い、上記実験条件に対するマクロ特性量のみならず速度及び温度分布の良好な一致を得ることに成功した。本研究により、大きな熱物性変化を伴う乱流や層流化現象を速度分布等の局所量を含め高精度に予測できる解析手法を確立することができた。
功刀 資彰; 一宮 浩市*; 坂元 美定*
Proc. of 10th Int. Heat Transfer Conf., 0, p.501 - 506, 1994/00
最近の技術進展は目ざましく、多くの微小で複雑な機器(例えば、電子機器等)装置サイズの小型化は、機器からの除熱手法としてのConventionalな強制対流を無力化させる(すなわち、流れの代表寸法が小さくなり、Reynolds数が低下するため、伝熱に有効な乱流域の流れから層流域の流れが主となることによる。)。この様な流れ場では、自然対流効果を利用した複合(共存)対流による伝熱促進及び制御が重要となる。本研究では、壁面の局所熱流束が非一様となる場合の矩形流路内共存対流を3次元非定常N-S方程式を用いて数値シミュレーションし、自然対流効果によって3次元的なはく離流れの生ずること及びこれが流路閉塞効果となって、圧力損失の増大及び熱伝達の局所的促進/低下効果をもたらすことを明らかにした。
功刀 資彰; 坂元 美定*; 一宮 浩市*
Therm. Sci. Eng., 2(3), p.9 - 17, 1994/00
著者らは、前報で等温水平正方形管内の空気流に対し、Gr/Reの比較的大きな加熱(流体-壁間の温度差が大きい)パラメータ域における大規模な3次元楕円形解析を行い、加熱開始点近傍の流路上壁に逆流域(はく離泡)の発生を見出し、これによる流路閉塞効果及び上流側に取付けた断熱助走路の加熱端より上流側への逆流域の遡上(はく離泡の拡大)を報告した。本報告では以上の解析結果を基に、2次流れ及びはく離泡の伝熱促進効果と流路閉塞(圧損増大)効果に着目して、等温水平正方形管の層流複合対流熱伝達特性を総合的に検討した。その結果、Gr/Re=20以上の範囲において流路上壁に生ずる浮力駆動型逆流域(はく離泡)の発生機構を解明した。また、2次流れの3次元構造と熱伝達の相互関係について検討し、自然対流による伝熱性能の向上、逆流発生に起因する伝熱性能の鈍化、最適条件の存在が明らかとなった。
大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 27(6), p.535 - 546, 1990/06
再冠水過程での膜沸騰熱伝達に及ぼす液相流量の効果を調べるため、実発熱長を有する66のロッドバンドルを使い、幅広い炉心冠水速度の範囲のもとで実験を行った。冠水速度は2cm/sから30cm/sの範囲であった。村尾・杉本の熱伝達率相関式の評価・改良を通じ、得られたデータを解析した。村尾・杉本の式は10cm/sまでの炉心冠水速度のもとでの熱伝達率をよく予測した。しかしながら、冠水速度が10cm/sより高い場合は熱伝達率を過小評価した。村尾・杉本の式に対する実験的な補正係数を本実験データに基づき提案した。この補正係数は他の大きなスケールの試験に対しても通用可能であることを確認した。
数土 幸夫; 神永 雅紀; 井川 博雅
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(5), p.355 - 364, 1987/05
被引用回数:6 パーセンタイル:55.61(Nuclear Science & Technology)大気圧で、両面加熱の狭い垂直矩型流路(長さ750mm、幅50mm、ギャップ18mm)に水を流した実験を行い、強制対流と自由対流とが共存する場での熱特性を調べた。レイノルズ数が40~50,000、グラスホフ数が40,000~510に及ぶ層流から乱流までの広い範囲を、上昇流と下向流とについて調べた。その結果、(1)強制対流が上昇流と下向流の場合の共存対流下の熱伝導率を、1つの無次元パラメータを用いて乱流強制対流及び乱流自由対流熱伝達率に対する比として簡単な形であらわすことができた。さらに、(2)この無次元パラメータを用い、上述の熱伝達率表式から共存対流が顕著である領域を定めることができた。