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栗原 良一
Fusion Engineering and Design, 61-62, p.209 - 216, 2002/11
被引用回数:4 パーセンタイル:29.00(Nuclear Science & Technology)高い核融合出力を達成するために、ダイバータは10MW/m以上の高熱流束に耐えなければならない。20MW/m以下の熱流束であれば、タングステンを構造材とした固体壁ダイバータでも除熱可能である。しかし、固体壁ダイバータでは、熱応力のような厳しい機械力学的状態の観点から、20MW/mを超える高熱流束を除去するのは極めて困難である。そのため、固体壁上を流れる液膜により熱を除去する液体ダイバータ概念がオプションとして検討されている。本論文は、液体材料としてFLiBe溶融塩を採用した場合に、高熱流束を受ける自由表面液体の熱流動解析について記述した。有限要素法解析コードADINA-Fにより、45度傾けたSiC/SiC複合材第一壁上をFLiBeが厚さ10mm,初速度0.5m/s,初期温度600で流入するとして計算した。流体の上部表面には、熱流束として25~100MW/mを与えた。液膜内に水車などを設置して二次流れを生じさせることにより伝熱の向上可能性を評価するため、二次流れの効果を等価熱伝導率10kW/mKで模擬した。解析結果から、二次流れを生じさせることにより3~4倍伝熱特性が改善し、100MW/mの熱流束も除熱可能であることがわかった。さらに、液体ダイバータとして固液混相流を使用することで固相の融解熱を利用した熱除去可能性を検討した。