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湯地 洋子; 柴崎 博晶*; 工藤 保; 日高 昭秀; 丸山 結; 茅野 栄一; 中村 秀夫; 吉野 丈人*; 鈴木 健祐*; 橋本 和一郎
JAERI-Conf 2000-015, p.231 - 235, 2000/11
日本原子力研究所におけるWIND計画では、原子炉冷却系配管内でのFPエアロゾルの挙動を確認することを目的に配管内エアロゾル挙動試験を実施しており、試験の解析を通してFP移行沈着挙動を精度よく予測する解析モデルの整備と検証を行っている。配管内エアロゾル挙動試験の一つである再蒸発試験の沈着段階(WAV4-D)について、原研が開発したARTコード及び米国SNLが開発したVICTORIAコードを用いて解析し、試験結果と比較して解析モデルの適応性を検討した。試験では擬似FPとしてCsIを用いており、PWR冷却系配管を模擬するために試験部床部にメタホウ酸を装荷している。ホウ酸を考慮しない解析ではARTとVICTORIAの結果がよく一致することを確認した。また、ホウ酸の影響を考慮することで、解析結果が試験結果に近くなることを確認した。
日高 昭秀; 丸山 結; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 杉本 純
Nuclear Engineering and Design, 200(1-2), p.303 - 315, 2000/08
被引用回数:6 パーセンタイル:42.51(Nuclear Science & Technology)原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)において、シビアアクシデント時の配管内FPエアロゾル挙動及び熱または圧力負荷に対する配管健全性を調べている。エアロゾル挙動試験では、CsIを用いたWAD1試験を行い、その結果を原研の3次元熱流動解析コードWINDFLOW、FPエアロゾル挙動解析コードART及び両コードを結合するインターフェイスを用いて解析した。CsIエアロゾルの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動であることから、熱流動計算結果をエアロゾル挙動計算に適切に反映することにより、配管内のCsI沈着挙動は精度良く予測できることを確認した。また、ART及びVICTORIAコードを用いて、将来WIND計画で試験を予定しているBWRのTQUXシーケンスにおける逃し安全弁配管内のFPエアロゾル挙動について解析を実施し、両コードの慣性沈着モデルについて検討を行った。
柴崎 博晶*; 丸山 結; 工藤 保; 橋本 和一郎; 前田 章雄; 原田 雄平; 日高 昭秀; 杉本 純
JAERI-Conf 99-005, p.191 - 196, 1999/07
FPエアロゾルの再蒸発挙動はシビアアクシデントのソースターム及び配管への熱負荷となり得る崩壊熱分布を評価する上で重要である。そのため配管信頼性実証試験(WIND)計画では、様々な条件下におけるエアロゾル再蒸発挙動を把握することを目的に配管内エアロゾル再蒸発試験を実施した。メタホウ酸を装荷していない試験では、セシウムとヨウ素の沈着密度はほぼ等しく、CsIの化学形で再蒸発し、後段試験部に沈着したと考えられる。一方、メタホウ酸を装荷した試験では、セシウムの沈着密度がヨウ素のそれより著しく大きいことが観測された。これは沈着したCsIがメタホウ酸と反応してホウ酸セシウムを生成し、再蒸発したホウ酸セシウムが後段試験部に沈着したためと推定される。
柴崎 博晶*; 丸山 結; 工藤 保; 橋本 和一郎; 前田 章雄; 原田 雄平; 日高 昭秀; 杉本 純
9th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-9)(CD-ROM), 13 Pages, 1999/00
原研の配管信頼性実証試験(WIND)計画において、シビアアクシデント条件下における原子炉冷却系配管を模擬したステンレス鋼製水平直管を用い、配管内エアロゾル再蒸発試験を実施した。模擬FPとしてヨウ化セシウムを試験部に導入し配管内に一旦沈着させ、前段試験部を再加熱することにより再蒸発した模擬FPを後段試験部に沈着させ沈着分布を測定した。ほとんどすべてのヨウ化セシウムがその沸点を大幅に下回る温度で再蒸発し、後段試験部に沈着した。また、一次冷却材中に含まれているホウ酸の影響を調べるため、試験部にメタホウ酸を装荷したケースも実施した。試験後に沈着物の化学分析を行った結果、ホウ酸セシウムの存在が推測された。試験部に導入させたヨウ化セシウムと、高温においてメタホウ酸が変化した酸化ホウ素とが反応してホウ酸セシウムが生成したと考えられる。
日高 昭秀; 丸山 結; 柴崎 博晶*; 前田 章雄; 原田 雄平; 長嶋 利夫*; 吉野 丈人*; 杉本 純
JAERI-Tech 98-026, 83 Pages, 1998/07
WIND計画の配管内エアロゾル挙動解析では、原研のFPエアロゾル挙動解析コードART及び米国SNLのVICTORIAコードを用いて、BWR高圧シーケンスにおける逃し安全弁配管内でのFPエアロゾル挙動を解析するとともに、WIND計画で実施したWAD4及び5試験の解析を実施した。その結果、以下の知見が得られた。逃し安全弁配管へのエアロゾルの主要な沈着機構は乱流沈着である。沈着したFPからの崩壊熱により、逃し安全弁配管の温度は上昇するが、自然対流による除熱により破損には至らない。WAD4及び5試験で得られたCsIの沈着分布は、両コードによりほぼ適切に再現された。CsIガスの凝縮/再蒸発挙動に関して両コードに差が見られ、ARTの方が実験結果を良く再現した。WAD4及び5試験の配管接続部におけるCsI沈着量は比較的大きいので、今後はその部分の測定も実施する。
日高 昭秀; 丸山 結; 五十嵐 実*; 橋本 和一郎; 杉本 純
8th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, 2, p.595 - 604, 1997/00
原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)において、シビアアクシデント時の配管内FPエアロゾル挙動及び熱または圧力負荷に対する配管健全性を調べている。エアロゾル挙動試験では、最近CsIを用いたWAD1試験を行い、その結果を原研の3次元熱流動解析コードWINDFLOW、FPエアロゾル挙動解析コードART及び両コードを結合するインターフェイスを用いて解析した。CsIエアロゾルの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動であることから、熱流動計算結果をエアロゾル挙動計算に適切に反映することにより、配管内のCsI沈着挙動は精度良く予測できることを確認した。また、ART及びVICTORIAコードを用いて、将来WIND計画で試験を予定しているBWRのTQUS(高圧給水失敗+原子炉減圧失敗)シーケンスにおける逃がし安全弁からウエットウェルに至る配管内のFPエアロゾル挙動について解析を実施し、両コードの慣性沈着モデルについて検討を行った。
日高 昭秀; 丸山 結; 橋本 和一郎; 吉野 丈人*; 中島 研吾*; 杉本 純
Transactions of the American Nuclear Society, 75, p.398 - 399, 1996/00
原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)におけるCsIエアロゾル挙動試験の解析を、原研が開発中の3次元熱流動解析コードWINDFLOW及びFPエアロゾル挙動解析コードARTを用いて実施している。CsIの主な沈着機構はガスの温度勾配に依存する熱泳動または凝縮であることから、配管内のCsI挙動を精度良く予測するためには、配管断面内の詳細な熱流動条件を考慮する必要がある。そこで、熱流動計算結果をエアロゾル挙動計算に適切に反映できるようにインターフェイスを整備し、両コードを適切に結合した。インターフェイスを使用した一貫計算は、配管断面内の平均的な熱流動条件を用いる従来の手法と比べて、試験結果をより精度良く再現することを確認した。今後は、配管に沈着したFPエアロゾルの崩壊熱が熱流動に及ぼす影響も考慮できるようにインタ-フェイスを改良し、両コードの結合を深化させる。
日高 昭秀; 杉本 純; 村松 健; 吉野 丈人*; 長嶋 利夫*
PSA95: Proc. of Probabilistic Safety Assessment Methodology and Applications, 1, p.241 - 246, 1995/00
原研では、配管信頼性実証試験(WIND計画)におけるFPエアロゾル挙動解析を原研が開発中のART及び米国NRCが開発中のVICTORIAコードを用いて実施している。両コードの解析能力を把握しARTコードの解析信頼性を向上させるため、同計画で予定されている実験及び加圧器サージライン内のCsI、CsOHの挙動に対して解析を行い、両コードの結果を比較した。その結果、2つのコードは全く独立に開発されたにもかかわらず、計算されたエアロゾルの沈着速度はほぼ一致した。また、両コードは配管内のFPガス及びエアロゾルの主要な挙動をモデル化していることを確認した。しかしながら、FPの化学形やエアロゾル質量分布に関する扱いが異なるために配管への沈着量に差が生じ、結果としてソースタームに影響することが明らかになった。今後、両コードの解析モデルの妥当性をWIND実験データ等を用いて検証する予定である。